事故を防ぐのは、心の安全から。
心の安全設計室
心の安全コンサルタント
安田伸也です。

先日、娘とのLINEが1週間近く未読のままでした。
普段からこまめにやり取りをするわけではありませんが、ここまで反応がないと、やっぱり心配になるものです。
「具合が悪いのかな」
「何かあったんじゃないか」
答えが分からないまま待っていると、頭の中では良くない想像ばかりが膨らんでいきました。
でも結局、SMSを送って確認すると、理由はとてもシンプルなものだったんです。
今回あらためて感じたのは、答えの出ないことを頭の中だけで考え続けると、不安はどんどん大きくなってしまうということ。
そんなとき、わたしが大切にしているのが「積極的に諦める」という考え方です。
今日は、娘とのLINEで起きた小さな出来事から、不安に振り回されず心を整える方法についてお話しします。
この記事の目次
娘とのLINEが1週間近く未読になった
先日、娘とのLINEが1週間近く未読のままでした。
普段からこまめにやり取りをするわけではありませんが、ここまで反応がないと、やっぱり心配になるものです。
とはいえ、しつこく催促したくもない。
だから、わたしはしばらく「待つ」ことを選びました。
でも、待っている間、頭の中では良くない妄想ばかりが膨らんでいくんですよね。
「具合が悪いのかな」
「何かあったんじゃないか」
「ひょっとして大変なことになっているんじゃないか」
最初は小さな心配だったのに、考えれば考えるほど、不安が不安を呼んでいきます。
結局わたしは我慢しきれず、普段ほとんど使わないSMSを送ることにしました。
すると、すぐに返信がありました。
「風邪をひいていて、仕事も忙しくてスルーしてた」
たったそれだけのことだったんです。
娘にしてみれば、大きな出来事でも何でもなかった。
でも、何も分からなかったわたしの頭の中では、勝手に物語がどんどん大きくなっていました。
不安が増えるのは「答えの出ないこと」を考え続けるから
今回あらためて思ったのは、
不確かなことを考え続けていると、不安はどんどん大きくなりやすい
ということです。
娘が何をしていたのか。
なぜLINEを読んでいないのか。
こちらがいくら考えても、その時点では正解は出ません。
答えを持っているのは娘です。
でも人間って、答えが分からないと、つい頭の中で答えを作ろうとするんですよね。
しかも、不安になっているときほど、悪い方へ悪い方へと考えてしまう。
これは、プレゼントを贈るときにも似ています。
「喜んでくれるだろうか」
「迷惑じゃないだろうか」
「こんなものを贈ったら変に思われないだろうか」
いくら想像しても、本当の答えは相手にしかありません。
もちろん、相手を思いやって考えることは大切です。
でも、考えても答えの出ないところまで考え続けると、自分の心だけが疲れてしまいます。
だから、わたしはこんなふうに考えています。
答えが出ないことは「積極的に諦める」
「積極的に諦める」とは逃げることではない
「諦める」と聞くと、ネガティブに感じる人もいるかもしれません。
「どうでもいい」
「もう何もしない」
「逃げる」
そんな意味に聞こえるかもしれません。
でも、わたしが言う「積極的に諦める」は少し違います。
- 自分ではどうにもできないことを手放す
- 相手にしか決められないことを、自分で決めようとしない
- コントロールできない答えを探し続けるのをやめる
ということです。
今回のことで言えば、
娘がなぜLINEを見ていないのかを、わたしが頭の中で考え続けても分かりません。
そこは娘の領域です。
一方で、
「心配だから、一度SMSを送ってみる」
これはわたしができることです。
この二つを分けて考えることが、とても大切なんですよね。
相手の気持ち。
相手の行動。
相手から返事が来るタイミング。
そこまでは、自分には決められません。
でも、自分が何をするかは決められる。
できないことを手放して、できることへ戻る。
それが、わたしの考える「積極的に諦める」です。
心配なら、自分にできる行動をする
今回の件を振り返ると、わたしは少し遠慮しすぎていたのかもしれません。
「しつこいと思われたくない」
「忙しかったら悪いな」
そんなことを考えて、SMSを送ることをためらっていました。
その結果、何も分からない状態のまま、頭の中だけで心配を大きくしてしまった。
だったら、心配した時点で、
「元気?LINEが未読だったから、ちょっと心配になって」
くらいの連絡をすればよかったんですよね。
もちろん、連絡したからといって、すぐ返事が来るとは限りません。
そこから先は相手次第です。
でも、自分にできることを一つやったという事実は残ります。
ここが大切なんだと思います。
不安になったら、頭の中だけで答えを探し続けるのではなく、まず自分に聞いてみる。
「今、自分にできることは何だろう?」
確認する。
相談する。
準備する。
一度距離を置く。
それでも何もできないのであれば、そこから先は手放す。
この順番でいいんだと思います。
自分がコントロールできる範囲に戻る
以前のわたしは、自分ではどうにもできないことまで、よく考えていました。
「相手はどう思っているんだろう」
「嫌われたんじゃないだろうか」
「この先どうなるんだろう」
でも、相手の気持ちも未来も、完全に自分でコントロールすることはできません。
そこを何とかしようとすると、疲れてしまうんですよね。
アドラー心理学では「課題の分離」という考え方があります。
わたしはこれを、
「自分が影響できるところに集中する」
というふうに捉えています。
娘が返事をするかどうかは娘の課題。
心配だから連絡するかどうかは、わたしの課題。
相手がプレゼントを喜ぶかどうかは相手の領域。
何を贈るか、どんな気持ちで贈るかは自分の領域。
こんなふうに分けてみると、少し整理しやすくなります。
もし今、何かを考え続けて苦しくなっているなら、自分に問いかけてみてください。
「これは、自分で答えを出せることだろうか?」
「自分にできることは何だろう?」
「ここから先は、誰の領域だろう?」
全部を背負わなくていいんですよね。
手放すこともレジリエンスの一つ
わたしは、レジリエンスを「何かあっても、また自分の状態へ戻ってくる力」として捉えています。
何があっても不安にならない。
何があっても落ち込まない。
そんな人になる必要はありません。
わたしだって、娘から1週間近く連絡がなければ心配します。
不安になること自体は自然なことです。
大切なのは、その不安にずっと飲み込まれ続けないこと。
「あ、自分は今、答えの出ないことをグルグル考えているな」
と気づいたら、
- 自分にできることを考える
- 必要なら行動する
- それ以上できないことは手放す
そして、また自分の生活へ戻ってくる。
わたしは、こうした小さな切り替えの積み重ねが、心を整えることにつながると思っています。
「諦める」というと、何もしないように聞こえるかもしれません。
でも実際は逆です。
できないことを諦めるからこそ、できることに力を使える。
それが「積極的に諦める」ということなんですよね。
まとめ|答えの出ないことより、今できることを見る
娘とのLINEが1週間近く未読だったことで、わたし自身もいろんな悪い想像をしました。
でも、SMSで確認してみれば、
「風邪をひいていて、仕事も忙しかった」
というだけのことでした。
人は、分からないことがあると、つい頭の中で答えを探したくなります。
でも、どれだけ考えても自分では答えの出せないことがあります。
そんなときは、
自分にできることはやる。
自分ではどうにもできないことは、積極的に諦める。
それでいいんだと思います。
相手の気持ち。
未来の結果。
まだ起きてもいない出来事。
そこを何とかしようとするのではなく、
「今、自分にできることは何だろう?」
と、自分が影響できる範囲へ戻ってみてください。
全部を背負わず、できないことを手放す。
そんな習慣も、自分の心を守り、また自分らしい状態に戻ってくるための一つの力になると、わたしは思っています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が、答えの出ないことを考え続けて不安になったとき、「自分にできること」と「自分ではどうにもできないこと」を分けて考える切っ掛けになれば嬉しく思います。
筆者プロフィール|安田伸也
心の安全設計室代表・心の安全コンサルタント。元海上保安官・潜水士。
海上保安庁に約35年間勤務し、潜水士、巡視船航海士、巡視艇船長などを経験。海難救助、転覆船や沈没船の捜索、領海警備、密漁船や密輸船への対応など、3,000件以上の事件・事故に関わってきました。
一方、在職中には職場の人間関係やコミュニケーションに悩み、約20年間、うつやパニック症などのメンタル不調を繰り返しました。退職後に心理学やコーチングを学び、現在は心の安全コンサルタントとして、ヒューマンエラーと事故防止、心理的安全性、職場のコミュニケーション、メンタルヘルス、傾聴などをテーマに安全大会や企業研修で講演しています。
「自死ゼロ・事故ゼロの世界を創り、笑顔で働く人を増やす」ことを使命に活動しています。
