《中編》より
【ヒタカミから、丹波へ、そして伊勢の外宮へ】
丹波国の比沼麻奈為神社(ひぬまない)はトヨケ様が籠られました磐座を御神体にしています。そちらから伊勢へおむかえになったのですね? トヨケ様はヒタカミの地から丹波を治めるためにアマテラスに頼まれて移動してきます。この地を大変立派な国になさり、今でも素晴らしい耕作地帯です。
アマテラスはトヨケ様をおしたいし、こちらのトヨケ様の御そばの地で籠られたようです(地元の方のお話ですと水晶の岩屋があったと伺いました)が、皇大御神の御神体(八咫鏡)を倭姫が豊鍬入姫命の後を継がれ御鎮まりになる場所を探し、二千年前に伊勢の地に祀られました。その五百年のちトヨケ様も迎えられたのです。(p.118-119)
ヒタカミの地から・・・とあるのだけれど、この記述より前に、ヒタカミに関する具体的な記述がない。沼麻奈為神社の神職さんに関して、以下のような記述があるだけ。
なんとこの方は、仙台からトヨケ様の研究にいらして婿養子になられたとか。ご縁を感じます。(p.115)
それ以外には、
トヨウケさんがなぜ多賀城に本拠地を置いたかというと、やっぱり鉱物、金とか水銀が出る山を知っていたんでしょうね。(p.81)
仙台・多賀城と言えば、多賀城跡の近くにある、鹽土老翁神を祭っている 鹽竈神社 が圧倒的に有名。
《参照》 『《ムーとユダヤ》そして《シリウス・プレアデス・オリオン》の宇宙神々の系譜』山田雅晴(ヒカルランド)
【神名あれこれ】
ヒタカミは、仙台を中心とした地域、ということだろう。
であるなら、トヨケ様=アラハバキ大神威、🐭こと?
【トヨケの言霊 ヒルコの回想①】
トヨケに関する、ヒルコの回想として、以下のように書かれている。
何よりも、際立っておられましたのは、その不思議なお声でした。
天地すべてがそのお言葉に共鳴するような、ミタマに届くような響きのお声の持ち主であられました。(p.227)
トヨケカミ様のことあげなさることたまとウタのお力は、なみなみならず、あのお声でうたいあげられる五七の歌は、風も雲も、星をも、動かされるほどでした。
むかし、トヨケカミ様たちのミヲヤ(先祖)なるクニトコタチ様が、ことのはを操られて実際にすべてを生みだされ、クニをカタチづくられたのだということや、空と海を行き来されて四方におでかけになられたという、クニトコタチ様の八人の皇子様たちのお話を聞かせてくださり、そのご様子は、瞳を閉じれば、目の前に現れるほど、私の心にしっかりと刻み付けられました。(p.233)
【トヨケの観望脳力 ヒルコの回想②】
トヨケカミ様は、土の中から金ならば金龍、銀ならば白龍、銅ならば青龍、錫ならば黒龍、というように、山を見ただけで、それらの鉱物が眠っているところに龍が立ち昇ってくるのを知る見方もご存じでいらしたのですが、実は、それは、私がいつも山から立ち昇るその色たちが何なのだろうと、不思議に思っていた煙の正体だったのでした。(p.234)
こういう脳力(観望という)を有する人がいたら、鉱物採掘会社は、即、採用するだろう。
【トヨケのテレポ脳力 ヒルコの回想③】
私がカナサキの屋敷にいた頃、偶然、響きの波に乗り、離れたところに行ってしまうことがあった不思議な体験を、トヨケカミさまは意図的になさることができ、戻り方なども教えてくださったのでした。(p.234-235)
現代人のように物的な移動手段があればあるほど、このような本来人間が持つテレポーテーションないしトランスポーテーション脳力は、失われてしまう。決してフィクションではなく、量子力学的に起こりうること。
《参照》 『ソロモン王と聖なる天使たち』ドリーン・バーチュー(TRH-J)《前編》
【キャラバンの行程での学び】
【最奥の岩戸は言葉戸(いはと) ヒルコの回想④】
自分の欲にかまけて己の田を肥やすことばかりを気にかけ、ナガタナガサキ(汝の田が豊かになりますように、汝が先に幸福になりますように)の心が忘れられてしまわぬよう、イノチかけて、このクニタマを創り、護ってくださいましたミオヤたちに、恥じないクニとなってゆけますように、と祈らせていただくばかりなのでした。
《参照》 『神さまが教えてくれた幸福論』神渡良平・小林正観(致知出版)〈前編〉
【「ナガタ」「ナガサキ」:天地を貫く幸せの原理】
《参照》 『御力』葉室賴昭(世界文化社)《前編》
【日本人本来の生き方:自分以外のもののために生きる】
いよいよ、祖父(トヨケカミ)、母(イザナミ)に続いてきた、タカミムスビの譲りは私たちに託されたのでした。
私はトヨケカミ様が詠まれたウタを思い出し、何度も繰り返してみました。
すべてにて統べたる術を与えおく
その最奥の 岩戸は
言葉戸(いはと)
そうです。
すべてのミチの戸を開けるのは、ことのはでした。
アマテルカミが教えていただくのは、アメナルミチのためのトホカミエヒタメのヤハシラから成る言葉戸なのでしょう。
私は、アイフヘモヲスシのヤハシラからなる言葉戸、あわのウタで、この地上に生きるすべてのものとのあるべきようを和して生きていこう。(p。236-237)
日本語の「ことのは=言の葉=言葉」は、正しく使われれば、凄い力を持っている。
そのような言霊による力を顕現できる方の神力に一度でも触れたことがある人なら、本書の内容を真摯に読むだろうけれど、そうでない人の場合、どうなのだろう。
《参照》 日本文化講座 ⑤ 【 言霊・天皇 】
【言霊(ことだま)】
《参照》 日本文化講座⑩ 【 日本語の特性 】
<了>
アマノコトネ・著の読書記録