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 SF小説好きな人がこの本を読んだら、どう思うのだろうか。スピ系の著作に馴染んできた人なら、「これは決してフィクションではない」と思えるはず。2005年3月初版。

 

 

【エンシェント・アロー遺跡】
 1972年のニューメキシコ州北部の僻地にあるとある峡谷で、ハイカーの一行が不思議な人工遺物とペトログリフを発見した。・・・中略・・・。人工遺物とプロジェクト全体は速やかにアメリカ政府、もっと厳密に言えばNSA(National Security Agency – 国家安全保障局)の管轄下に置かれるようになった。(p.8)
 そのプロジェクトは、エンシェント・アローのコードネームでNASの保管庫にお蔵入りとなった。
それから21年後の1994年、・・・中略・・・、岩盤の崩落により、峡谷の壁内部深くへと続く大洞窟の入り口が発見されたのだった。(p.9)
 岩盤をくり貫いたトンネルの奥には、複雑な回廊によってつながった23の部屋があり、23番目の最後の部屋から小さな光ディスクが発見された。
 エンシェント・アロー・プロジェクトは、その後正式に、非公開レベル2のACIOAdvanced Contact Intelligence Organization ― 先進コンタクト諜報機関)の管轄下に置かれた。
 ACIOには、ディスクの暗号情報を解くためにエキスパートが集められた。光ディスクの鍵をはずすことに成功したのは1996年。これによって、タイムカプセルの解読が始まった。

 

 

【タイムカプセルの製作者、ウイングメーカーの目的】
 タイムカプセルとは、エンシェント・アロー遺跡の全体(23室の構造、壁画、人工遺跡を含む)のこと。因みに、表紙に用いられているのは第4室にある壁画。
 タイムカプセルの製作者たちは、自らをウイングメーカーと呼んでいた。
 彼らは、おおよそ750年後に生きる我々人類の未来の代表者であり、自分たちは文化の伝播者。あるいは芸術、科学、哲学の種を人類にもたらす者であると主張していた。

 ウイングメーカーは、よく練られた計画にしたがって順番に発見されるように、世界の様々な場所に合計7つのタイムカプセルを遺していた。彼らの明白な目標は、次の人類の数世代が、哲学と科学と芸術が融合したグローバルな文化を発達させるのを支援することであった。(p.15)
 ウイングメーカーは時間の焦点の外にあり、人間や地球外生命体、天使に相当する存在はその中にある。そして程度の差はあるものの、時間の法則に制限されている。我々の特異性は、人間の完全な肉体的、精神的特徴を残したまま、時間とは独立して行動できる能力に起因している。(p.207)
 750年後に生きる我々人類の未来の代表者(ウイングメーカー)が、西暦8世紀の地球にやって来て(p.54)、タイムカプセルを遺しておいた、というような「時系列イベント」や、「時間の焦点の外」という表現を受け入れることができない人であっても、自らの偏狭かつ貧弱な意識を拡張したいなら、最後までこの読書記録を読み続けたほうがいい。理解の端緒となるような記述が、どこかにあるかもしれないから。

 

 

【本書が世に出るようになった経緯】
 光ディスクのアクセス・コードを最初に発見したACIOの科学者が、ウイングメーカーの使命に異様なまでに共感するようになった。彼はACIOが絶対にこの発見を大衆に発表しないことを確信していた。また、この情報はACIOが独占するにはあまりにも重大すぎるということもわかっていた。
 彼はまた、自分がウイングメーカーと交信していると主張した。ウイングメーカーはACIOの状況を観察していて、適切な時期がくれば、タイムカプセルとその内容を大衆が利用できるようにするだろうと述べた。
 この主張はACIOと、特にエンシェント・アロー・プロジェクトの長官を困惑させた。最終的に長官は、その科学者に休暇をとるようにすすめ、彼は速やかにプロジェクトから外されてしまった。
 科学者は自分の記憶が改ざんされるか、完全に破壊されることを恐れ、その結果、彼はACIOから脱走した。それは文字通り史上初のことであった。
 脱走してすぐに、その科学者は姿をくらました。しかし、失跡する前に、彼は無作為に選んだ一人のジャーナリストに、ウイングメーカータイムカプセルに関する若干の資料を与えた。(p.15-16)
 脱走して姿をくらます前に、この情報をもたらした科学者の名前は、アンダーソン博士。
 資料を受け取ったジャーナリストはアン、となっている。
 非公開プロジェクトにかかわっていた科学者が逃亡したとなれば、当然、身の危険が予想されるけれど、アンダーソン博士は、システムを最終更新した際、光ディスクのアクセス・コードとメンテナンス・キーを誰にも告げることをせず、これを知っている唯一の人材だったので、それが担保となって身を護ることができた。

 

 

【ACIOのテクノロジー】
 ACIOは脳と中枢神経のある部分を刺激することによって、知能を500%も増進させるテクノロジーを持っているということである。加えて、記憶力の増進と情報の保持を可能にする遺伝子のインプラント技術も存在するという。このテクノロジーにより、ACIOの中心となる科学者全員がフォトグラフィック・メモリー - つまり写真のように一瞬でものを完全に記憶する脳力を持つに至った。(p.26)
 このテクノロジーによって与えられる能力は、空海が室戸岬で成就したといわれている「求聞持聡明法」によって与えられる能力と全く同じものだろう。であるなら、エンシェント・アロー遺跡以外にある6つのタイムカプセルのうちの一つは、日本の四国・高知県室戸岬にある洞窟のことかもと思ったりする。
 ACIOは、どんな天才をも凌ぐ集合的知性を構築することに成功したのだ。彼の主張するこのテクノロジーは、地球外起源であり、何千年もの間地球を訪問してきたある友好的なエイリアンの種族から得られたものだと言われている。しかし1959年に遡るACIOとこのETとの提携は、政府や諜報機関にすら秘密にされていたのだった。(p.26)
 ACIOにこの知能加速テクノロジーをもたらした友好的なET種族を、アンダーソン博士は、コルテウムと呼んでいる。コルテウムが、最初に知能加速テクノロジーをACIOに与えたのは、コルテウムが持ち込んだ一連のテクノロジーを科学者に吸収理解させるためだった。知能が至らないと高度な宇宙技術を理解吸収できない。

 

 

【知能加速テクノロジ―】
 ほとんどの人々は、自分たちの意識が直線時間の一秒につき15ビット・・・中略・・・、垂直時間においては、無意識はおよそ70万から80万ビットの情報を処理しています。したがって、通常の意識においては、人間は無意識のレベルで絶えず流れて来る大量の情報のわずかな部分しか認識していないということになります。
 コルテウムのテクノロジーは、この意識におけるフィルター的な側面を軽減して、より高い周波数の情報パケットを意識に供給できるように設計されています。
 この試みと並行して、脳の回路は - そう呼ぶことができれば - 情報の高圧電流を扱うために再配線が行われます。こうして大容量の正確な記憶と抽象的な思考が共存できるようになります。
 この能力は、目の前にある問題や仕事に基づいた特定の時間に関係する最も必要な情報を、無意識の倉庫から引き出すマトリックス・フィルターになります。(p.148)
 このテクノロジーを体験すると、人間が通常行っている過去に役立った解決策を探そうとする定型的な意識回路から出て、無意識領域情報内から解決策を探せるようになるという。
 このテクノロジーは、進化する思考プロセスを加速させます。堂々巡りのパターン化された円ではなく、意識と無意識の双方の意識の間に、螺旋状の上昇パターンで情報が流れるように促すのです。これはコルテウムのテクノロジーに、個人の生来の知性を開放するという特性があるからです。(p.149)
 扱っている情報量が、意識領域とは桁違いに大きい無意識領域の活用こそが、人類進化の要諦をなしている。これについては、いろんな表現の仕方があって、過去にいくつも書き出しているけれど、2つだけリンクしておこう。
   《参照》  『頭の回転が50倍速くなる脳の作り方』 苫米地英人 (フォレスト出版) 《前編》

            【逐次処理脳ではなく、超並列処理脳】
            【時代は超並列処理脳の人類を創出する】
   《参照》  『運命におまかせ』 森田健 (講談社) 《後編》

            【過去に係留される意識、未来を知っている無意識】

 

 

【ウイングメーカーとBST】
 ウイングメーカーがもたらしたテクノロジーに関わる多次元やタイムトラベルの概念は、今や一般人であっても、量子力学の基本的内容を受け入れていさえすれば、そのフィールド内で語り得ることである。これらが分らないから受け入れられないというのは、この世次元の意識(常識)に固着していすぎるか、知能が低すぎるということになる。そのような人々は、そもそもからして、このような著作に出会わないはずだけれど、SFやスピリチュアルに興味がある人々なら意識が開かれているのだから、容易に受け入れられるだろう。
 コルテウムは好意的な種族であり、独裁による地球支配という下心を持っていないそうである。(p.27)
 コルテウムは、地球を支配したがっている闇の種族の計画を、「ブランク・ストレート・テクノロジー」(BST)というタイムトラベル・テクノロジーを使って書きかえることを究極目的に活動している光のET種族。目的にしてはいるけれど、コルテウムはBSTを完成させているのではない。つまり、コルテウム=ウイングメーカーではないけれど、コルテウムが人類のBST開発に関与しているのを、ウイングメーカーが見守っているという関係らしい。
 博士は、ウイングメーカーはタイムトラベラーであり、BSTを所有していることを確信するようになった。また、世界中の様々な場所に隠された別の6つのタイムカプセルが存在し、そのタイムカプセルにはBSTの開発を可能にするテクノロジーそのものか、それを可能にする洞察が隠されていることを確信した。(p.33)
 スピ系に興味がある人々なら、エンシェント・アロー遺跡というタイムカプセルは、全23室で構成されており、その最後の23室に光のディスクがあったことを思い出すだろう。『22を超えてゆけ』の次が23である。
   《参照》   『日月地神示』 白峰聖鵬 (明窓出版) 《後編》

             【数霊】  【分岐点の23】

 

 

【BST:自由への鍵】
 BSTとは、介入点と呼ばれるポイントで歴史の書き換えを可能とする、ある種のタイムトラベルの形態です。介入点とは、ソビエト連邦の崩壊や、NASAの宇宙計画のような大事件を創り出す原因となるエネルギーセンターのことです。
 BSTは最高の先進テクノロジーであり、BSTを所有している者は誰でも、いかなる侵略者からも自身を防衛できることは明白です。・・・中略・・・。BSTは『自由への鍵』です。(p.44)
 リニア(直線的)な時間意識は、物質過程の生命形態をとる地球生命圏のような、宇宙から見て特殊な惑星のみに固有な時間意識形態。この意識に縛られている限り、BSTは空想事の領域から出ることはないだろう。
 しかし宇宙に数多ある文明一般では多次元同時存在という理解が常識。だからこそ、BSTが最も確実な『自由への鍵』になるという理解は常識以前である。
 地球人のうち、キリスト教徒は直線的な時間意識を持つがゆえに終末意識を持っている。仏教徒は輪廻思想に基づき、世界は永遠にサイクル(盛衰)変動するという意識らしい。どちらも自発的改変という主体性はない。それはつまり、人類を封印するために “闇のET種族” によって植え付けられた宗教的概念仕様をそのまま受け入れてしまっている証拠である。
   《参照》  日本文化講座 ③ 【 宗教文化 】

            【キリスト教と仏教と神道の世界観】
 しかし日本古来の神道は、「神を祭る限りにおいて世界は永続する」という思想を持っている。ということは、神道でいうところの「神」とは、「BSTを所有する “光のET種族”」のことだろう。
 下記リンクには、「創造の礎たち」によるBST技術によって日本人が作られ、日本人によって地球の永続は保たれるであろうことが記述されている。
   《参照》  『ギャラクティックファミリーと地球のめざめ』 ジャーメイン&サーシャ(リサ・ロイヤル) (VOICE) 《後編》

            【一体意識への先導役】

            【日本人:地球を統合する使命】

 

 

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