《前編》 より
【“Get Things Done”】
それでも僕は、このプロジェクトはやりきらなければならない、と考えていた。これは「楽天主義」でも掲げている、“Get Things Done”(信念不抜)だ。(p.85)
「意志を強く」と言われるより、「やり遂げよう」の方が、日本人に合っている。特に、「誰一人漏れ落ちることなく、みんなで・・・」という含みがあれば、“Get Things Done”は日本人を強くするだろう。
【仕事の実力・英語の実力】
《参照》 『トヨタ流英語上達術』 スティーブ・モリヤマ (ソフトバンクパブリッシング) 《前編》
英語のコミュニケーション能力のおかげで、うわべをつくろってきた人は、英語ができる人ばかりの環境では、通用しなくなるだろう。うわべははがされ、仕事の実力によって評価されるようになる。
結局、英語は基本的なコミュニケーションツールに過ぎない。たかが英語なのだ。(p.109-110)
トヨタは、最初から「たかが英語」という視点で実務を推進してきたらしい。結局、英語は基本的なコミュニケーションツールに過ぎない。たかが英語なのだ。(p.109-110)
《参照》 『トヨタ流英語上達術』 スティーブ・モリヤマ (ソフトバンクパブリッシング) 《前編》
【英語力不問でチャレンジさせる】
前項でも少し触れたが、英語さえできればよいというのであれば、英語のできる社員や外国人を雇えば済む話だ。しかし、楽天英語化の主眼のひとつは、日本で培われた楽天のノウハウを世界に伝えるところにある。そのためには日本人が英語力を身につけ、海外へ出て行く必要がある。
実は、僕らは、英語が苦手だけど国内営業で優秀な社員を、意識的に海外へ送り込んでいる。
英語が苦手なのに海外へ派遣されて驚いたというような反応があるのは、そのためだ。(p.116)
実は、僕らは、英語が苦手だけど国内営業で優秀な社員を、意識的に海外へ送り込んでいる。
英語が苦手なのに海外へ派遣されて驚いたというような反応があるのは、そのためだ。(p.116)
【IT技術と英語】
《参照》 『ペナンブラ氏の24時間書店』 ロビン・スローン (創元社) 《前編》
《参照》 『日本人はなぜ国際人になれないのか』 榊原英資 (東洋経済新報社) 《前編》
プログラミング言語「Ruby(ルビー)」の開発者で、楽天技術研究所のフェローでもある、まつもとひろゆき氏は「これまでの日本のIT(情報技術)業界で、英語を使わずに仕事ができていたことが異常だったのかもしれない」という。(p.121)
本書の主旨とは関係ないけれど、推理小説の中でルビーが興味深く言及されているのでリンク。《参照》 『ペナンブラ氏の24時間書店』 ロビン・スローン (創元社) 《前編》
【プログラミング言語】
一方で、日本のIT技術者はあえて英語を学ぶ必要はなかった。難解な技術情報でも、誰かが翻訳してくれるからだ。コンピューターサイエンスの専門書が『英語以外』で読めるのは、おそらく日本だけだろう。
日本のIT技術者は、世界でも非常に恵まれた状況で仕事ができたと認識すべきだろう。(p.121)
「翻訳文化大国・日本の功罪」に関しては、下記の著作でも語られている。日本のIT技術者は、世界でも非常に恵まれた状況で仕事ができたと認識すべきだろう。(p.121)
《参照》 『日本人はなぜ国際人になれないのか』 榊原英資 (東洋経済新報社) 《前編》
【翻訳語を持たないアジア諸国との比較で見える翻訳文化の蹉跌】
世界企業を目指す上では、翻訳文化大国・日本の“功罪”の“罪”の部分にこそ注意を払わなければならないけれど、スピードを要するIT系ビジネスにおいて最大の“罪”は“翻訳のタイムラグ”である。
【第8の大陸】
《参照》 『日本進化論』 出井伸之 (幻冬舎新書)
インターネットは第8の大陸です。これまで知られているのは、ヨーロッパ大陸、アジア大陸、アフリカ大陸、北アメリカ大陸、南アメリカ大陸、オーストラリア大陸、南極大陸の7つのリアルな大陸です。しかし、インターネットは、ヴァーチャルですが、確かに存在する8番目の大陸と考えなければなりません。
しかし、日本の携帯電話も、家電製品も、第8の大陸に上陸できないまま、リアルな7大陸に取り残されています。
ハードウェアだけでは生き残れない時代なのです。日本のマーケットも縮小しつつあります。
したがって楽天はこれからグローバル化せざるを得ません。(p.94-95)
インターネットという技術革新によって出現する新たな世界を、かつて 大前研一さんは「見えない大陸」と言っていたけれど、三木谷さんはダイレクトに、「インターネット=第8の大陸」と表現している。しかし、日本の携帯電話も、家電製品も、第8の大陸に上陸できないまま、リアルな7大陸に取り残されています。
ハードウェアだけでは生き残れない時代なのです。日本のマーケットも縮小しつつあります。
したがって楽天はこれからグローバル化せざるを得ません。(p.94-95)
《参照》 『日本進化論』 出井伸之 (幻冬舎新書)
【情報通信の時代】
世界が、「IoT( Internet of Things )社会 = 物がインターネットと結びつく社会 」 になってゆくことは明らか。であるならインターネットを活用したサービスのノウハウを蓄積している企業こそが、時代の中核となってゆくのは自明である。
【海外での質問は逆】
こういった認識の違いも、翻訳大国・日本の国内で、日本語だけで生活できている日本人には、なかなか気づけない。
日本ではもっぱら「どうして海外進出するのか?」という質問を受けるが、海外での質問は逆。「どうしてこれまで海外進出しなかったのか?」である。(p.156)
海外では、「インターネット=第8の大陸においては、グローバル企業としてスタートするのが当り前」 という認識だから。こういった認識の違いも、翻訳大国・日本の国内で、日本語だけで生活できている日本人には、なかなか気づけない。
【IT系企業と英語の親和性】
《参照》 『負け犬エンジニアのつぶやき』 扇田夏実 (技術評論社)
楽天では元々、結論を先に述べてから、結論に至る理由を3つ述べるという話し方のスタイルを社員たちに推奨してきた。英語化する前から、すでに英語的な話し方が社員には求められていたということだ。(p.132)
IT系企業では、一意に決まった表現でないとプログラミングに支障が出るから、結論を先が原則なのである。《参照》 『負け犬エンジニアのつぶやき』 扇田夏実 (技術評論社)
【報告書は結論が先】
ビジネス上の会話だと、簡潔さや論理性が求められるが、日本語だとどうしてもあいまいになってしまう傾向があった。
しかし、英語に切り替えることで、社員たちは、ビジネス会話における日本語のあいまいな部分を、改めて認識したという。(p.132)
英語だと、夫婦喧嘩をする時でも、ズバッと言えてウルトラ便利。やり過ぎると性格が変わってしまう。しかし、英語に切り替えることで、社員たちは、ビジネス会話における日本語のあいまいな部分を、改めて認識したという。(p.132)
【楽天市場の特徴:3つのL】
1つめは、ライブ(Live)
2つめは、ロングテール(Long tail)
《参照》 『成功するロングテールのつかみ方』 山崎潤一郎 (中経出版)
1つめは、ライブ(Live)
2つめは、ロングテール(Long tail)
《参照》 『成功するロングテールのつかみ方』 山崎潤一郎 (中経出版)
【ロングテール】
3つめは、ロングページのLだ。・・・中略・・・。楽天のごちゃごちゃした長いページは異彩を放っていたが、今ではむしろ楽天以外のショッピングサイトでも、長いページが増えつつある。(p.146-147)
楽天のロングページには、文句がある。 だから、あえてこれを書き出した。
あまりにもゴチャゴチャした並びだったので、2年ほど前、目的の商品と違う商品をカートに入れてしまっていたことがあった。返品も面倒くさいから、未使用のまま戸棚に入っている。目的の商品を間違えて注文してしまうほどゴチャゴチャしたロングページは、悪質である。売れ残り商品をさばくための悪質な作為だったに違いない、と思っている。
他社はロングページでも、楽天ほどゴチャゴチャしていないだろう。チャンちゃんはこの件があって以来、楽天は決して使わないことにした。アマゾンには楽天のような、悪質なページ作成は絶対にない。
あまりにもゴチャゴチャした並びだったので、2年ほど前、目的の商品と違う商品をカートに入れてしまっていたことがあった。返品も面倒くさいから、未使用のまま戸棚に入っている。目的の商品を間違えて注文してしまうほどゴチャゴチャしたロングページは、悪質である。売れ残り商品をさばくための悪質な作為だったに違いない、と思っている。
他社はロングページでも、楽天ほどゴチャゴチャしていないだろう。チャンちゃんはこの件があって以来、楽天は決して使わないことにした。アマゾンには楽天のような、悪質なページ作成は絶対にない。
【思春期以前のバイリンガル化は必要か?】
実際の所、外国語と日本語の周波数帯(パスバンド)は、違っていることは確認されている。
《参照》 『奇跡の音 英語聴覚セラピー』 篠原佳年 (きこ書房)
ビジネスを通じて、日本のノウハウ、及び、日本文化を世界に広める先駆者としての役割は、とても大切な役割であるけれど、そのような役割は、英語を社内公用語にする楽天のような企業に属する社員の人々だけが担ってくれればいい。
日本の国土を守る一般の日本人は、小学校低学年では、斎藤孝さん が推奨しているように、『声に出して読みたい日本語』を繰り返し音読し、国歌『君が代』を斉唱し、日本語の周波数帯にどっぷり浸かって脳をじっくり涵養すべきなのである。
英語教育は、中学生か高校生になってからで十分。日本語の読み書き能力が未熟な小学生の段階で、低レベルの英会話ができたところで、そんなものは何の役にも立たないことは、【仕事の実力・英語の実力】に記述したとおりである。
《参照》 『「君が代」その言霊は、潜在意識を高次元へと導く《光の種子》となる!』 森井啓二
きちんとした日本語力のある日本人なら、思春期以降の学習で、ビジネス・コミュニケーションに困らない程度の実力が備わることは、楽天の実績が明らかに示しているだろう。
早期英語教育は、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に100%必要ない。
《参照》 『江戸の知恵』 養老孟司・徳川恒孝 (PHP)
思春期以前とは、男の子で言えば声変わり前、女の子で言えば月経が始まる前である。・・・中略・・・。
思春期以降のバイリンガルの人は、二言語を脳の同じ場所で処理しているのに対して、思春期以前のバイリンガルの人は、二言語それぞれを脳の異なる場所で処理しているという脳科学の研究もある。思春期以前バイリンガルの人の脳では、英語をしゃべるときと日本語をしゃべるときで、反応する脳の場所がちがうというのだ。(p.171)
小学校低学年での英語教育推進派の脳科学的根拠は、これなのだろう。思春期以降のバイリンガルの人は、二言語を脳の同じ場所で処理しているのに対して、思春期以前のバイリンガルの人は、二言語それぞれを脳の異なる場所で処理しているという脳科学の研究もある。思春期以前バイリンガルの人の脳では、英語をしゃべるときと日本語をしゃべるときで、反応する脳の場所がちがうというのだ。(p.171)
実際の所、外国語と日本語の周波数帯(パスバンド)は、違っていることは確認されている。
《参照》 『奇跡の音 英語聴覚セラピー』 篠原佳年 (きこ書房)
【言語によるパスバンドの違い】
しかし、柔らかな脳のうちに、どのパスバンドをより強化しておくかが重要なのである。日本人として生まれた人は、日本語という宇宙共生原音を、しっかり脳に刻み付けることで、日本人としての最大の長所を最大限に育むことになるだろう。小学生低学年で英語のパスバンドで、脳を刺激することは、『君が代』の国に生まれてきた魂の目的実現を、早い段階で阻害することになる。ビジネスを通じて、日本のノウハウ、及び、日本文化を世界に広める先駆者としての役割は、とても大切な役割であるけれど、そのような役割は、英語を社内公用語にする楽天のような企業に属する社員の人々だけが担ってくれればいい。
日本の国土を守る一般の日本人は、小学校低学年では、斎藤孝さん が推奨しているように、『声に出して読みたい日本語』を繰り返し音読し、国歌『君が代』を斉唱し、日本語の周波数帯にどっぷり浸かって脳をじっくり涵養すべきなのである。
英語教育は、中学生か高校生になってからで十分。日本語の読み書き能力が未熟な小学生の段階で、低レベルの英会話ができたところで、そんなものは何の役にも立たないことは、【仕事の実力・英語の実力】に記述したとおりである。
《参照》 『「君が代」その言霊は、潜在意識を高次元へと導く《光の種子》となる!』 森井啓二
【日本語と英語】
【日本語は自然音に近い周波数】きちんとした日本語力のある日本人なら、思春期以降の学習で、ビジネス・コミュニケーションに困らない程度の実力が備わることは、楽天の実績が明らかに示しているだろう。
早期英語教育は、絶対に絶対に絶対に絶対に絶対に100%必要ない。
《参照》 『江戸の知恵』 養老孟司・徳川恒孝 (PHP)
【英語教育は全員に必要か?】
<了>