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 表紙の絵とタイトルから誰もが想像するであろうような内容は、全然書かれていない。イタリア語の原書は『聖なる湖のマスター』というタイトルで、その裏表紙解説には、チチカカ湖で展開されたマスターとの会話の記録、と書かれていることが、p.265 に記述されている。ということは、売らんがために日本ではこのようなタイトルにしたのだろうけれど、ほとんど詐欺である。
 しかも、「ドン・ファンの教え」的な、時に飛躍を伴う会話内容も、現在のスピリチュアルな日本人の著作に比べたら、たいそう分かりずらく、しかもレベル的にどうか・・・と言わざるを得ない。2011年11月初版。

 

【チチカカ湖の名が意味するもの】
 神秘的なことこの上ない湖には、チチカカという名が付けられています。この名称は“チチ・カカ”つまり“石のピューマ”という意味なのでした・・・。衛星写真に写ったこの湖は、実際にピューマの形をしていたのです。(p.26)
 掲載されている衛星写真を見ても、「ピューマ」の形にはとうてい見えない。しかも「石」の意味は説明されていない。ひどいもんである。
  《参照》  『今こそ世界は《本物JAPAN》の光臨を待っている!』 河合勝 (ヒカルランド) 《前編》
           【初代アンデスの皇帝】

 

 

【神と人間】
「一度ならず、我々の兄弟の誰かがこんなことを言うのを耳にしてきた。“自らを神の手にゆだねよう”や“神のご意志であろう”などといった内容の言葉だ」
 これも、別の形の宿命論といえましょう。
「これはつまり、神は我々のためにすべてを確立し決定しているので、我々は反抗できず、論ずることさえできないということだ。“神のご意志であろう”と言い訳するのだが、実際はそうではない! さもなければ、向上しようと努力する人間の意志はどうなる?
 間違いなく、我々は“神の意志”に誤った解釈を与えている。神の意志は人間の意志と対立しないものなのだ」(p.220-221)
 この記述から、本書の内容は、現代のスターピープルたちが会得しているスピリチュアルの基本以前の内容であることがわかる。つまり、本書は、「神」という「洗脳の核」を温存したまま語っている愚作というか認識遅れの著作なのである。
 
 
【「人間は神である」】
 スピリチュアル認識において、「人間は創造者である」=「人間は神である」が基本。
 これが分かってないなら、スピリチュアルを学んだことにはならない。
 「想像=創造」に関しては、物質過程の次元では時間と集中力が必要だから、「そんな方程式は成り立たない」と思っている人が多い。 しかし、密度が希薄な次元が存在するという前提で、下記リンクからそこにリンクされている3つ目まで辿って読んでみれば、「想像=創造」という方程式が成り立っていることは、納得できるだろう。
   《参照》  『地球を救う愛のスイッチ』 ペガサス (ヒカルランド) 《前編》
            【人生は何のためにあるの?】

 ニール・ドナルド・ウォルシュの『神との対話』シリーズにしても、これに関する啓蒙が目的で著されている。
   《参照》  『神とひとつになること』 ニール・ドナルド・ウォルシュ (サンマーク出版) 《前編》
            【神と人間は一体である】

 “ I am God.”、“ You are God.” を当然の認識として生きなければ、今この時代に、この世に生まれてきた意味はない。
 「人間は神の創造物であって、創造者は神のみ」 というのは、明らかに地球文明の支配者が、被支配者たる人類を飼育するために考案した“詐術としての概念”である。

 

 

【誠実さの欠如】
 誠実さの欠場とは、成功を得る上で、最大の妨げとなるものだと私は考えている。
 不誠実な人間は処世術に長け、運に恵まれているように見えるかもしれない。こうした輩は、不正かつ不真面目なやり方で出世を重ねていく。だが、表向きはどうであれ、彼自身の意識や法則(因果関係の法則)となれば話は別である。・・・中略・・・。
 長続きする真の幸福とは、他人を踏み台にして儲けを得る不正行為とは完全に相対する。誰であろうと、不誠実であれば必ずその代償を払うことになる。上司であろうが、会社員であろうが、雇用主であろうが、労働者であろうが、迎える結末は同じだ。(p.243)
 今の日本は、個人も組織も国家も「不誠実まみれ」である。
 具体的な例を提示しよう。
 山梨県の北西部を管轄するJA梨北(梨北農業協同組合)は、30年満期の建物更生共済契約書を、20年目で不正に偽造付替えし、1契約当たり約50万円を横領してきた。契約者の生年月日、対象建物の築年度の食い違いなど、露骨な偽造証拠が明白であったが故に、JA梨北代理人弁護人が「偽造である」と認め、それに即した裁判資料のみを提出しているにもかかわらず、裁判所は「偽造ではない」という判決を出している。
 なぜか?
 JA(農協)は日本全国で同様な「建更契約書の偽造付替え」という不正行為を数多行ってきたが故に、偽造であると認めた判例を1件でも出すと、農協の財政基盤を揺るがすことになってしまう。故に、農林省と法務省の官僚タイアップで堂々と黒を白に転ずる不正裁判を行うのである。(この全裁判記録・全裁判資料は、ネット上に公開されている。「裁判所が公正な機関である」と思っているおめでたい人は、「日本は腐敗の極致にある」ことを明確に理解できるだろう)
 JA梨北の澤井實理事長・土橋明共済部長は共に「裁判所の判断に従うだけ(偽造して得た不当利得の50万円は返却しない)」と言っている。
 JA梨北の共済保険業務は、職員全員が年度替わりで携わっている。つまり、退職した職員を含めて、全職員が1件当たり50万円の横領に加担し、それぞれ懐に収めているのである。年配の職員たちは一人当たり平均10件、500万円くらい、当たり前に横領着服しているはずである。「建更契約書」の偽造のみならず「融資契約書」まで偽造して一人の口座から700万円という多額な横領もやり抜けているそうである。JA梨北は、上から下まで不誠実極まりない悪徳人罪不正詐欺組織である。

 「魂の進化レベルが、あまりにも低い輩ばかりが集った下等人材組織である」 ということ。
 ついでに書いておけば、この露骨な社会不正義に関して、NHK甲府はマトモに対応せず、YBS山梨放送の記者さんは、誠実に対応し「農協相手の裁判は、全敗ですよ。農協には口座を持たないことです。それしか防止方法はありません」と真実を語ってくれたけれど、「裁判に勝たないと、報道はできません」とも言っていた。中央も地方もマスゴミはマスゴミである。今や日本に、誠実な組織などどこにもないだろう。
   《参照》  『大崩壊渦巻く[今ここ日本]で慧眼をもって生きる!』 増川いづみ×船瀬俊介 《前編》
              【裁判所の実態】

 

 

【何であろうと労働とは立派な行為である】
「地味な仕事、惨めな仕事であろうと構わない。その仕事に込めるスピリット次第で、価値が生み出されていくのだ。何であろうと労働とは立派な行為なのである。そして、自らの職業を意義ある優れたものとならしめるのは、我々自身にほかならない」(p.252)
  《参照》  『アドベンチャー・ライフ』 高橋歩 (A-Works)
            【この仕事ができて幸せよ】

 

 

【お前が為すこと全てに】
「お前が為すこと全てに、愛を注ぐのだ。そうすれば、お前の人生で、素晴らしい生活の場を創り出すことことができよう。お前は、愛そのものに変身するのだ・・・。愛はお前の創造を待ち望んでいる。・・・中略・・・」 (p.260)
 「愛」と「創造」という2つの単語を見て、下記のリンクの詩のような記述を思いだす。
   《参照》  『愛は愛をも超えて ニーチェの恋愛論』 白取春彦 サンマーク出版
            【本題:ニーチェの恋愛論】

    

 

<了>