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 ロスチャイルドとロックフェラーの関係について、副島さんは、両者は明確に対立してきたのであって、ロスチャイルド家を陰謀の主体と見る陰謀論者の見解を否定している。しかし、陰謀論者の皆さんは、副島さんが書いている客観的事実を読んで、「だからそれこそが陰謀じゃないですか」と言うような気がする。
 副島さんは、ルシフェリアンといったような宗教的意識をもつ人々に言及することは、注意深く避けているらしい。だからあくまでも欲が絡んだ人間達の作為としてありうる事という視点で陰謀論を否定することになる。
 副島さんは、アルバート・パイクにも言及していない。陰謀論を明確に否定するなら、アルバート・パイクの予言と現実の世界史の連動に関して説明が必要だろう。
   《参照》   『勃発! 第3次世界大戦』 ベンジャミン・フルフォード (KKベストセラーズ) 《前編》
             【はるか以前から存在していたシナリオ】

 それとも、その予言の実現に関わったのはロスチャイルドではなくあくまでもロックフェラーであるということだろうか。2012年6月初版。

 

 

【情報の偏りが、真実を隠している】
 広瀬隆のロスチャイルド研究(『赤い楯 ロスチャイルドの謎』)が抱えている大きな欠陥は、情報のソース(源泉)の偏りであろう。どのような人々によって、広瀬隆にあれらの情報がもたらされたのか。
 それはセリッグ・ハリソンというCIAの高官からであろう。(p.26)
 この記述は、下記リンクの中にも含まれているけれど、この本では、下記リンクに書き出した内容が、より具体的に記述されている。
   《参照》   『暴走する国家 恐慌化する世界』 副島隆彦・佐藤優  日本文芸社  《中》
             【現代史の中心はヨーロッパ(イギリス)とアメリカの戦い】

 

 

【「薄らバカ」も真実の一端を観ている】
 私は、たくさんの本で「日本の陰謀論者たち」の主張の土台を切り崩してきた。あまりにも根拠のない、異星人(宇宙人)やら爬虫類人(レプティリアン)などという、証明のできない“お化け(妖怪)”を、まるで実際に居るのだとおどろおどろしく故意に信じあって、喜んでいる薄らバカたち、すべてを退治してみせる。(p.28)
 レプティリアンに言及しているのは、中丸薫さんやエハン・デラウィといった人々であるけれど、チャンちゃんもレプティリアンに関しては、疑うことなく書き出しているから、副島さんが言うところの「薄らバカたち」に分類されてしまうのだろう。
   《参照》   『宇宙のニューバイブレーション』 中丸薫・坂本政道 (ヒカルランド) 《前編》
             【悪魔的宇宙人のアヌンナキ/レプティリアンの実績】

 通常の視力では見ることのできないレプティリアンのような世界は、近年ハリウッドで制作された映画の中でも取り上げられているけれど、最も古いところでは、おそらく平井和正の『幻魔大戦』(角川文庫)だろう。全20巻からなるあのような長編小説は、個人的な構想や作為で書けるものではない。実在するからこそ、作者は本当に見ていたか、あるいはインスピレーションがもたらされたはずである。この小説を読んだ当時の、魔物が凝集してボール状になっているような映像イメージが、今でも印象に残っている。チャンちゃんがこの小説を有意と見なしている理由の一つは、登場する若者たちが正しく更生してゆく過程が描かれていたからである。当時の自分にとっては本当に学びのある(内面において向上をもたらす)内容だったのである。もう一つの理由は、学生時代に京都に通って密教を学んだ過程で経験した霊的世界のことども(悪しき霊体に憑依されている人間は人格も行動も変わってしまうという事実)に幻魔大戦の世界が符合していたからである。
 副島さんは「副島隆彦は“真実言論派”である」という小見出しの章に上記の事を記述しているけれど、普通の人の目には見えない世界(神霊界)の真実だってあるのだから、「レプティリアンを語っている中丸薫さんだって“真実言論派”である」と言えるだろう。チャンちゃんは両者から学ばしてもらう。それぞれに視点が異なっているからこそ、それぞれに有益な記述といえる部分があるからである。
 また陰謀であるか否かという事を抜きにして、参考になる記述はあらゆる著作の中に見出すことができるものである。チャンちゃんはいつもそのような心構えで読んでいる。

 

 

【徴税請負人としての宮廷ユダヤ人】
 いつの時代であっても戦争にはお金がかかる。だから王様は宮廷ユダヤ人たちに借用証書を書いて資金提供を受ける。しかし、戦争に勝ったとしても王様は借金を返せない。
 「王様、お金は貸しました。お願いです。そのお金は、私に返さなくていいです。そのかわりに、新しい税金の項目をつくってください。そして、その税金を国民(王様の臣民。サブジェクトたち)から取り立てる権限を、どうか私めに与えてください。 ・・・(中略)・・・ 」と、言ったのだ。
 そうやって借金証書を王様の目の前で燃やしてみせた。「なんという忠臣よ」と王様たちは感激した。(p.39)
 現在の諸国家の財政機関も、このような経済カーストの上位にある者たちによって恣に膨らまされた借金を返済するために、庶民から税金としてカツアゲしているのである。
 国家財政ついでに書いておけば、FRBは言うまでもなく、政府日銀といわれる日本銀行も実体は公的機関ではなく私有銀行である。国家の正統な公的機関として地球上に唯一存在していたのはリビアの国立銀行だけだった。しかしそれも先頃カダフィが殺されたことで無くなった。国家の金融を私有銀行が支配して通貨発行権と徴税権を手にするという歴史上の手口は、ロスチャイルドを嚆矢として、今年、カダフィ殺害を行った事例まで、作為的に繰り返し行われてきたことである。国際金融資本家たちに従わない国々には、彼らが支配するメディアを使って「悪の枢軸国」とレッテルを張って貶めるのである。
   《参照》   『勃発!サイバーハルマゲドン』 ベンジャミン・フルフォード (KKベストセラーズ) 《1/4》
             【消されたリビアのカダフィ】

 

 

【金融ネットワーク】
 このネットワークなるものの恐ろしさは、現在の私たちにも少しずつわかってきた、ネットワークを持つ者たちが、その国を支配するのである。
 ロスチャイルド家は、シオン修道会=テンプル騎士団が700年かけて築いた全欧州金融ネットワーク(為替による信用制度)を、引き継いで、大きく隆盛した。だからロスチャイルド家は「テンプル騎士団の正統の嫡子」なのである。(p.52)
   《参照》   『ステルス・ウォー』 ベンジャミン・フルフォード (講談社) 《後編》
             【闇の支配者の系譜】

 

 

【ロスチャイルド家の最大の財産源】
 1830年代になると、ヨーロッパは鉄道建設の時代に突入する、鉄道こそはロスチャイルドの最大の財産源だったのである。(p.66)
 欧州ロスチャイルド家は、鉄道事業によって、金貸し資本(王様たち相手の金融業)から産業資本に成長していったのである。当然、周辺の土地が、値上がりしていった。日本でいえば、まさしく三井ロスチャイルド系の渋沢栄一と小林一三である。(p.68)
 パリからベルギー国境付近まで伸びた北方鉄道の路線図が掲載されているけれど、馬車に頼っていた時代では不可能だった重たい資源や商品のような物資を、鉄道で運べば莫大な利益になったのである。
 東急の渋沢、阪急の小林、いずれもそれぞれに独創的なビジネスモデルを考案したのではなく、欧州ロスチャイルドの成功事例に追随しただけのことだった。
 ロックフェラーも新大陸でこれをマネしたのである。しかし、「石油」というエネルギー資源の輸送に絡んでいたことが、ロスチャイルドとはチョット違っていた。
   《参照》   『鉄道と近代化』 原田勝正 (吉川弘文館)
              【鉄道と近代化】

 

 

【戦争&金融崩壊という最初の典型的なビジネスモデル】
 19世紀のフランスでは、ロスチャイルドとペレール兄弟が鉄道事業を巡って金融戦争をしていた。
 ナポレオン3世に加担しすぎたペレール兄弟は、フランスとオーストリアの戦時公債をあまりにも引き受けすぎて、没落する。それらがフランスの敗戦とともに紙クズとなって大損した。(p.72)
   《参照》   『富の王国』 池内紀 (東洋経済新報社) 《前編》
             【世界が経験した史上初めての金融戦争】
             【プロシャ・フランス戦争】
 諸国家に散らばっていた血縁関係からなる強力な国際金融力をもつロスチャイルド家は、普仏戦争に乗じてビジネス上のライバル(ペレイル兄弟)を上手いこと没落させたことになる。
 戦争&金融崩壊というペア戦略は、このときロスチャイルド家が見事に実現していた。後にロックフェラー家もこの方法を繰り返し使った。第一次大戦(1914~18)で諸国家を戦時国債漬けにしておいた結果としての世界恐慌(1929)も勿論セットである。今後も世界規模で起こらないとは言い切れない。