《前編》 より

 

【NATO】
 マンガのセリフから。
 「結局日本はNATOなのデース!
  No Action Talk Only (言うだけでなにもしない)だからデース」 (p.139)
 小泉改革はまさに結果的にNATOだった。多くの国民は小泉首相によって改革は為されたと思っているんだろうけど、実際はすべて尻切れトンボだった。
 「ベンジャミンもNATOじゃん」
 「なぜワタシがNATOなのでスカ――?」
 「Nナンパしたけど、A相手にされず、Tトイレで、Oオナニー」 (p.139-140)
 活字を読むのが苦手な人は、この本のマンガのページだけ読めば笑いながら楽しく理解できるだろう。
 マンガによると、ベンジャミンさんはママチャリで都内を走り回って取材していたらしい。

 

 

【日韓のリストラ比べ】
 いまの韓国企業には、50代以上の社員の姿はほとんど見られない。大手企業を例にとれば、LG電子で50代以上は全体の1.7%、45~49歳の社員も4.5%に過ぎない。・・・(中略)・・・ だから日本のリストラは韓国から見ると、まるでぬるま湯のようなものである。(p.261)
 だったら、韓国の50歳以上のオジさんたちは、今どうしているのだろうか。その状況を知りたいけれど、その事が書かれていたビジネス書に出会ったことがない。
 日本をずっとマネ imitate てきた韓国では、「政・官」の癒着 politico-bureaucratic collusion やもたれ合いinterdependence の体質は、日本とよく似ていた。しかし、そうしたしがらみにとらわれず、改革を断行したのである。しかも、韓国はいまでも改革の手綱をゆるめていない。(p.262)
 そうは言っても、改革後の韓国は日本よりひどい格差社会になっている。結果的に、どっちも悪魔のサイクルに入ってしまっているとしか言いようがないだろう。
   《参照》   『サムスン栄えて不幸になる韓国経済』 三橋貴明 (青春出版社) 《前編》
             【実質賃金が下落している国】

 だから韓国人は、失望と希望の両方込みで外国に移住するのである。
 韓国人の「海外脱出」は、すでに10年以上前からはじまっていた。だから、カナダにかぎらず、アメリカ、オーストラリアなどでは、韓国移民 Korean immigrants が増加の一途という状態になっている。・・・(中略)・・・。ニューヨークやロサンゼルスに行った人ならご存知だろうが、街のデリカテッセンやグローサリーストアは、いまではほとんど韓国人の経営である。(p.267)
 以下リンクのように、具体的な立法によって、海外に脱出せざるをえなかった人々も多い。
   《参照》   『トンデモ! 韓国経済 入門』 三橋貴明 (PHP) 《後編》
             【売春婦輸出大国・韓国】

 

 

【アルゼンチンと日本】
 19世紀の終わりに、世界の人々は、「次の20世紀を引っぱっていく国はどこか?」と語り合った。このとき、殆どの人があげたのが、アメリカとアルゼンチンだった。アメリカは予想通り世界覇権 world hegemony を手にしたが、アルゼンチンは没落 fall down した。
 20世紀の末、21世紀を前にして、また同じ話題が人々の口に上った。「21世紀はどの国の世紀になるだろう?」と。そして、ほとんどの人があげたのは “ライジング・サン”(the Rising Sun)の日本だった。
 しかし、いまではそれも悪い冗談だったと言うしかない。 (p.334-335)
 著者は、このような類推から 『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』 という本を表わしていたけれど、当時のアルゼンチンと今日の日本を比べれば、技術力と文化力において比較にならないほど日本の方が優れている。だから、日本は結果的にアルゼンチンタンゴを踊らずにすむだろう。
 しかし、最終的に日本は、経済大国ではなく文化国家として存続することになるらしい。その頃、世界一の経済大国は、フルフォードさんが帰化する前の国、カナダになっているのだという。あと15年くらい先のことだろうか。
   《参照》   『大除霊』 深見東州 (たちばな出版) 《後編》
             【ちょっと先の未来】

 

 

<了>