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 それぞれのページに、一文が添えられている。今日は七夕。

 

 

【人生とは】
 人生とは、解くべき謎などではなく、経験すべき事実。   キルケゴール

 

 

【化学反応】
 二人の人間が出会うというのは、
 一種の化学反応のようなもの。
 どんな組み合わせであれ、二つともが変化する。   ユング

 

 

【自分が知っていることを・・・】
 わたしは、引用句が嫌いだ。
 自分が知っていることを話したまえ。   R・W・エマソン

 

 

【呪文】
 あとがきに、こう書かれている。
 今でこそ翻訳や書き物だなんてちょっとお利口そうな仕事をしていますが、
 10代のころは本当に夢中で魔法使いになる 「修行」 をしたものです。
 実際、イギリスにまででかけて、有名な魔術の師匠に教えを乞うたこともありました。
 僕は師匠に真剣に尋ねました。
 「月の女神を呼び降ろして願いをかなえる、本物の呪文を教えてください!」
 その老人は優しい目で、血気はやる魔法使い志願の少年を、こう諭したのです。
 「シェークスピアやゲーテほど強力な呪文をしたためた魔法使いを、わたしはしらない」

 それから10年以上。
 今、ようやくその師匠の言葉の意味がわかりかけてきた気がします。
 それぞれの内なる智慧が、言葉に反映し、言霊に込められる。
 言葉とは単なる音ではなく、意志と想念が込められた言葉である。
 あらゆる人生の局面を体験し、内なる研鑽と修練を経たであろう、
 文豪と言われるような人々の魂が語る言葉であればこそ、
 神々もようやく感応し降臨することを良しとするのだろう。
 
 この書籍のタイトルこそが、呪文の真実を示している。

             【『ファウスト』】

 

<了>

 

  鏡リュウジ著の読書記録

     『魔女入門』

     『魚座の君へ』

     『オルフェウスの卵』

     『魂の言葉』

     『女神の法則』