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  『歴史に学ぶ智恵 時代を見通す力』 よりも先に出版されていた書籍なので、その書籍で言及されていることが、より具体的に分かりやすく記述されている。 2006年6月初版。

 

 

【日中戦争を企画するAEI と 日本側受け皿人間の一大結集】
 アメリカン・エンタープライズ・インスティチュート(AEI)というワシントンにある主要なシンクタンクがあります。これが 「ジャパン・ハンドラーズ」 即ち日本を意のままに操るためのアメリカの人材養成の本山の一つなんです。いわゆる凶暴なネオコン派の牙城です。
 平成17年(2005)の10月25日と26日に、そこの所長のクリストファー・デムズ (Christopher Demuth ) 以下、日本側からは安倍普三、民主党前党首の前原誠司、外務省の鶴岡公二総合外交政策審議官、防衛庁の山口昇防衛研究所副所長(陸将補)、それから元ワシントン公使の阿川尚之と、今のアメリカから大事に育成されている者たちが国会議事堂の裏のホテルキャピトル東急に集まっています。ジャパン・ハンドラーズと日本側受け皿人間(カウンターパート)の一大結集でした。 (p.29)
 そこで語られた主要な内容は、日中戦争のデザインである。安倍普三内閣の時に、防衛庁が防衛省に格上げされたのも、「俺たちの大和」などの戦争映画がプロデュースされているもの、AEIの基本計画に沿って行われたことである。

 

 

【阿川尚之の父、作家・阿川弘之】
 阿川氏は広島県出身で、いま85歳。戦時中は学徒出陣でいわゆる予備学生で海軍軍人した。で、戦後に海軍3提督ものの 『米内光政』  『井上成美』  『山本五十六』 を書くのです。この3冊のせいで日本では、先の戦争について、いわゆる 「海軍善玉・陸軍悪玉説」 が定着します。(p.34)
 元ワシントン公使・阿川尚之の父である作家・阿川弘之は、日本を戦争に引きずり込んだアメリカのエージェントであった米内光政らの個々の所業を隠蔽し、逆に美化するというディスインフォメーションを行った。
    《参照》   『歴史に学ぶ智恵 時代を見通す力』  副島隆彦  PHP研究所 <後編>
             【日米開戦を仕組んだのは米内光政と山本五十六である】
    《参照》   『ジャパン・ハンドラーズ』 中田安彦・副島隆彦監修 (日本文芸社)

 

 

【内から鍵を開けた人々と、彼らを美化した作家】
 欧州・ロスチャイルドに対して “内から鍵を開けた人々” である明治維新の元勲たちを美化して伝えたのが司馬遼太郎だとすれば、第二次世界大戦で、米国・ロックフェラーに対して、 “内から鍵を開けた人々” である海軍提督を美化して伝えたのが阿川弘之ということになる。
 近代史の事実であってすら、真実は見事に隠蔽されてきたのである。

 

 

【資本と軍事の二つの刀を使って繰り返されるアメリカの搾取】
 私(副島)の考えでは、平成10年(1998)10月の金融ビックバンは橋本龍太朗内閣がアメリカに脅かされてやらされた。同じく、昭和5年(1930)1月から実施された “金解禁” も浜口首相と蔵相だった井上準之助は、ロックフェラー財閥に個人的に脅迫されてやらされたのだと思います。 (p.81)
 浜口雄幸は民政党で元々ロックフェラー系だから、あの時期に金解禁をするために首相にさせられた。小泉が 「郵政民営化」 のために首相(2001年4月)にさせられたのと同じです。 (p.82)
 金解禁と郵政民営化、いずれも日本の巨額な資金をアメリカに移動させるためのアメリカの力技である。
 金解禁から10年後、米内光政が首相を務めたのを契機に日本は第二次世界大戦に引きずり込まれてゆく。郵政民営化の10年後は2011年。中国のオリンピックと上海万博が終わって、日本と同様に経済は上向かず、不況の中、人民の不満のはけ口として日中戦争が企画され、両国をここへ向かって引きずり込むというシナリオは実に見事である。
  《参照》  『第3次世界大戦、始まる!』  ゲリー・ボーネル  VOICE
            【2011 バクダッド】
 先の大戦と同様に、日本と中国が再びアメリカのカモにされるとしたら、アメリカの戦略を誉めるより、日本と中国の政治家の無能ぶりを慨嘆すべきであろう。

 

 

【戦争とはロックフェラーにとって “公共事業” 】
 戦争(という政治)は、ただただ 「資金力」 と 「軍事力」 の問題なのです。
 いくら戦う強い意志があっても、十分な資金と軍備がなければ戦争は起こりません。逆に、もうすっかり戦争に倦んでいるはずのアメリカ国民が今も一向に戦争を止められないのは、ロックフェラー家がそのための十分な資金をアメリカ政府に提供しているからです。・・・中略・・・。
 繰り返しになりますが、特にロックフェラー家にとって戦争とは “公共事業” なのです。そのロックフェラー家が、そろそろ日本をまた戦争に駆り出そうと決めた以上、この10年以内に必ずそれは起きます。彼らは、やると言ったら、必ずやるのです。 (p.134)
 9・11がデッチアゲであったことは、 『戦争を企画する者たち』 に収録したテレビ番組を見れば十二分に納得できる。 それ以外にも、 “やると言って、必ずやってきた“  過去の実例が以下のものである。

 

 

【アラモ砦・メイン号爆発・真珠湾攻撃】
 1835年に、テキサスのアラモ砦に立てこもった独立義勇軍が、メキシコ軍と戦って全滅しました。・・・中略・・・。しかし、この時、アメリカ軍はすでにアラモ砦から10キロほどのところまで来ていて、彼らを助けようと思えば助けられたんだといわれています。
 それをあえて見殺しにした。・・・中略・・・。アラモで英雄たちが悲劇の死を遂げたとして、メキシコに対する戦意を盛り上げたわけです。結局、このあとアメリカはこの戦争で、メキシコの領土の50%以上をアメリカ領にしました。(p.140)

 1898年。ハバナ湾に停泊していたアメリカの軍艦・メイン号が爆発して260名の乗組員が犠牲になる事故が起きました。当時は、スペインと一触即発の状態でした。アメリカはこの爆発事件を ・・・中略・・・ スペイン人の仕業だとして、これを理由に当時カリブ海の国々を領有していたスペインと開戦します。すっかり国力が落ち込んでいたスペインは、何度も 「誤解だ」 とアメリカに申し開きをしたのですが、もちろん聞く耳をもつ相手ではありません。最初から自分たちが仕組んでいたのですから(笑)。(p.140)
 日本を戦争に引きずり込んだ真珠湾については書くまでもない。米内光政などの指示を含んだ露骨なヤラセである。

 

 

【渋沢栄一と岩崎弥太郎】
 渋沢栄一はフランス・ロスチャイルド系であり、渋沢の起こした銀行が日銀の母体になっている。一方、三菱の創業者である岩崎弥太郎はロックフェラー系である。二人について船井幸雄さんが書いている。
 渋沢の 「論語とソロバン説」 は、「正しい方法、正しい理念によって儲けたお金なら、それを恥じることはない」 というものです。また彼は、「上げた利益は、社会に還元すべきだ」 とか、「商売は世のため、人のためになるものでなくてはならない」 と言っています。
 ・・・中略・・・。
 対して岩崎弥太郎は渋沢と同時代の人なのに、ずいぶん考え方が違っています。
 というよりも正反対です。当初の三菱の社規には、「当社は会社の体はなしてはいるが、その実は全く岩崎家の事業である」 と謳ってありました。・・・中略・・・。「会社の利益は全く社長の一身に止まるべし」 と書いてあったのです。まさにロックフェラー流のビジネス感覚です。(笑)(p.173)
 ロスチャイルド家 VS ロックフェラー家 の抗争は今でも続いている。

 

 

【西武が潰された訳】
 堤は早稲田の柳井柳太郎という学者出身の政治家の子分をやっていた。大隈重信の流れですからアメリカに近い。ですから西武は始まりからロックフェラー系ですね。息子の堤義明は、国際オリンピック委員とかやってヨーロッパ貴族(大きくはロスチャイルド系)たちとの交際を深めて気取った。それでロックフェラーの怒りを買って、西武財閥はたったの2代で潰された(西武=コクド解体)のだろうと私は見ています。(p.179)
 副島さんの解明である。
 下記の書籍は、副島さんのように堂々とロックフェラーを名指ししてはいなかった。というより、タイトルだけ見るならば、ロックフェラーサイドの情報操作役エージェント著者ととられかねない。
   《参照》   『西武を潰した総会屋 芳賀龍臥』  平井康嗣  WAVE出版
 副島さんや船井さんのように、勇気をもって堂々と言論する人々はまだそれほど多くはない。大方は、西武堤氏のように潰される事をおそれてダンマリを決め込んでいる。
 寝て起きて食べてウンチしているだけの畜生的白痴生活者は論外だけど、これらのことを知っていながら生活防衛のために黙り込んでいる人々に対して、非難はできないけれど少々は厭味を書いてみたい。
 「あんたらの根性じゃ、世界は変わらないじゃん」 と。
 これらのブログを書き続けてきた程度の度胸はチャンちゃんにでもある。
 
 
<了>