《前編》 より
【進化し続ける宇宙】
これが、「複雑系の知」の最も基本的な大前提である。だから、法則性を前提として思考している「単純系の知」では、非平衡系の時代に入った現在、未来予測はできないのである。 “歴史は繰り返す” とは言っても、それが可能なのは平衡系と目される時代範囲内に限定される。
要するに、新しく出現してきたレベルにおいて進化を支配する法則は、それまでのレベルにおいて進化を支配してきた法則とは、まったく異なったものになるのである。それが、「進化のプロセスも進化する」 ということの意味である。 (p.121)
「すべてのものは変化(進化)し続ける」という法則は、法則自体をも含んでいる、ということ。これが、「複雑系の知」の最も基本的な大前提である。だから、法則性を前提として思考している「単純系の知」では、非平衡系の時代に入った現在、未来予測はできないのである。 “歴史は繰り返す” とは言っても、それが可能なのは平衡系と目される時代範囲内に限定される。
【 「予測」パラダイムの終焉 】
しかし、著者は、直感力を養えとは書いていない。
《参照》 『人を敵にまわすか味方にするか』 小山政彦 大和出版
【将来への予測から現在を考える】
「複雑系」の世界においては、未来を「予測」することはできない。「複雑系の知」が教えるものは、この「予測」という発想の限界であり、「予測」というパラダイムの終焉なのである。(p.137)
「予測」というパラダイムが終焉しているのなら、未来は “直感” 的に捉えるしかないだろう。かつての日本の経営者の中には、 “直感力” に秀でた方々が多かったという。(もちろん現在でも少なからずいるのであろうけれど・・・) 彼らは、古典などに関する教養も深かった。日本の文化性は、そもそも分別知(「単純系の知」)を離れたところにあったのだから、それも当然と言えば当然である。しかし、著者は、直感力を養えとは書いていない。
未来を「予測」する最良の方法は、それを「発明」することである。(p.143)
「市場調査」や「市場予測」などの客観的手法よりも、「ビジョン」などの主観的目標にもとづく「市場創造」を行うことが重要になってくる、と書いている。さらに、
「ビジョン」を語るときに重要なことは、「言霊」(ことだま)である。「言霊」とは、生命力をもった言葉である。その言葉を聞くことによって、創造力が高められ、新しい価値の創造が促されるような言葉である。(p.144)
経営において「未来」を語るということは、「予測」を語ることではない。
それは、何よりも「意志」を語り、「希望」を語り、「夢」を語ることである。そして、こうして語られた「生命力溢れる言葉」こそが、力強く未来を「創造」していくのである。(p.145)
直観による状況把握よりも、言霊形成力による未来(市場)創造という点にポイントをおいている。経営において「未来」を語るということは、「予測」を語ることではない。
それは、何よりも「意志」を語り、「希望」を語り、「夢」を語ることである。そして、こうして語られた「生命力溢れる言葉」こそが、力強く未来を「創造」していくのである。(p.145)
《参照》 『人を敵にまわすか味方にするか』 小山政彦 大和出版
【将来への予測から現在を考える】
【「複雑系の知」が教えるものの究極 】
大学生時代の私は、ここから興味が密教へと向けられていったのだけれど、密教だけでは不完全だったことを、今では気づいている。(インドを源流とする)密教だけでは、どうしても空虚な部分が残ってしまうのである。日本をベースにしなければ、東洋の「叡智」は完成しないのである。
空海に密教の奥義すべてを伝えて、日本に密教を持ち帰らせることを意図した真言宗第七祖恵果は、日本に生まれかわって “日の本(霊の元)の一厘” を得て、霊智、霊格、あらゆる視点で最もバランスのとれた天神(菅原道真)になったという。菱研を主宰するスーパー・シャーマンである深見東州所長が語っていた過去の講演録を、私はつい先ごろ聞いた。こういう話を信ずるかどうかは人それぞれだけれど、私はこの話を聞いたとき、心の奥がただただ闇雲に嬉しかった。
《参照》 日本文化講座 ② 【 松竹梅 】
我々がさらに深く見つめておくべきことは、この「複雑系の知」というアンチテーゼが、まさに、近代科学技術と西洋合理主義の “胎内” から誕生しようとしていることである。それは、決して、東洋思想の中から誕生しようとしているわけではない。その思想の本質が、まさに東洋思想の奥深くに宿る「叡智」であるにもかかわらず。
それは、なぜか?
このことを考えるとき、著者には、かつて、『論理哲学論考』において「ロゴス」(論理)の深奥を究めた、哲学者ルードウィヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉が聞こえてくる。
我々は、「言葉」にて語り得るものを語りつくしたとき、
「言葉」にて語り得ないものを知ることがあるだろう。
「複雑系の知」が、われわれに教えるものは、究極、このことにほかならない。(p.154)
この記述、大学生時代に読んだカウンターカルチャー関連書籍に共通するクロージングであり、正に、このムーヴメントのモーメンタムとなる結節点そのものである。それは、なぜか?
このことを考えるとき、著者には、かつて、『論理哲学論考』において「ロゴス」(論理)の深奥を究めた、哲学者ルードウィヒ・ヴィトゲンシュタインの言葉が聞こえてくる。
我々は、「言葉」にて語り得るものを語りつくしたとき、
「言葉」にて語り得ないものを知ることがあるだろう。
「複雑系の知」が、われわれに教えるものは、究極、このことにほかならない。(p.154)
大学生時代の私は、ここから興味が密教へと向けられていったのだけれど、密教だけでは不完全だったことを、今では気づいている。(インドを源流とする)密教だけでは、どうしても空虚な部分が残ってしまうのである。日本をベースにしなければ、東洋の「叡智」は完成しないのである。
空海に密教の奥義すべてを伝えて、日本に密教を持ち帰らせることを意図した真言宗第七祖恵果は、日本に生まれかわって “日の本(霊の元)の一厘” を得て、霊智、霊格、あらゆる視点で最もバランスのとれた天神(菅原道真)になったという。菱研を主宰するスーパー・シャーマンである深見東州所長が語っていた過去の講演録を、私はつい先ごろ聞いた。こういう話を信ずるかどうかは人それぞれだけれど、私はこの話を聞いたとき、心の奥がただただ闇雲に嬉しかった。
《参照》 日本文化講座 ② 【 松竹梅 】
【梅】
<恵果と天神を結ぶ物的共通項こそが 「梅」 なのだろう>
<恵果と天神を結ぶ物的共通項こそが 「梅」 なのだろう>
普通の日本人である私にとっては、「複雑系」という言葉を聞いただけで、「ごちそうさま」と言いたくなってしまうようなたいそうシンドイ時代ではある。
しかし、「複雑系」 にモロに直面している今日的状況にあっては、「経営」こそが時代の最先端を行く世界だからこそ、シャーマニスティック感覚と、真の「叡智」を持つ日本人が、この分野に位置するのは必然的なことなのだと思っている。
《参照》 『驚異の「気能力」』 悟楽 現代書林
【気能力による経営コンサルティング】
しかし、「複雑系」 にモロに直面している今日的状況にあっては、「経営」こそが時代の最先端を行く世界だからこそ、シャーマニスティック感覚と、真の「叡智」を持つ日本人が、この分野に位置するのは必然的なことなのだと思っている。
《参照》 『驚異の「気能力」』 悟楽 現代書林
【気能力による経営コンサルティング】
<了>