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 『ブッシュのあとの世界』 の5ヶ月後(2007年6月)に出版された書籍。

 

 

【ニューヨーク・タイムズ】
 慰安婦問題を大きく何回も伝えたのが 『ニューヨーク・タイムズ』 だったことはすでに述べたが、アメリカのリベラル派のマスコミが中国に近いことはワシントンでは誰でも知っている。
 2007年1月に中国が気象衛星を攻撃することに成功したとき、『ニューヨーク・タイムズ』 は、「中国が衛星をミサイルで攻撃する実験に成功したことは、ブッシュ大統領に反省のチャンスを与えることになった。アメリカだけが宇宙防衛ミサイルの能力を持ち、勝手なことをやる時代は終わった。中国が実験に成功したのは平和のために良いことだ」 (p.162-163)

 ことあるごとに日本政府の悪口を言って日米関係を悪化させようとする中国の見方をしている。 (p.164)
 日本の朝日新聞に相当するのが、アメリカのニューヨーク・タイムズなのであろう。
 リベラル派のマスコミが中国に近いのは、アメリカのメディア王の出自が、戦前の中国大陸で宣教師をしていた一族であったからである。このメディア王の系譜に関する詳細は、寺島実郎・著、 『「正義の経済学」ふたたび』 か 『脅威のアメリカ希望のアメリカ』 のいずれかの中に書かれていたと記憶している。
 ついでに、中国の軍事指揮系統に関して、
 中国の衛星撃墜実験に関して、スパイ衛星の情報から実験を察知していたアメリカ政府が、北京政府に事情説明を要求したが、胡錦濤主席をはじめ中国政府首脳たちは、実験が行われたことすら知らなかったと書かれている。
 「この事件は中国政府がコマンド・コントロール・システム、つまり軍事上の指揮系統システムを持っていないことを暴露した」 (p.209)

 

 

【拝金タッグ】
 ハリウッドのプロデューサーの中には、資金をもらいさえすれば、どんな映画でも作るという輩が大勢いるのは確かである。
 そういったいかがわしいプロデューサーにこと欠かない映画業界に、中国政府が多大な資金をつぎ込んで、自分たちの政治目的にかなう映画を作らせることはたやすいことである。これはウォール街ばかりでなく、あらゆる金融関係者の間では常識となっている。
 アメリカのポールソン財務長官はウォール街の出身だが、中国からの資金集めの中核のような人物で、これまで70回以上も中国を訪問している。2006年の暮れにこのポールソン財務長官が900人にもぼるアメリカ政府の高官や関係者を引き連れて、北京を訪問した。 (p.166-167)
 2006年暮れの訪問の後、2007年の春に、中国政府が中国融資の元締めであるアメリカの投資銀行に資金提供したことが報じられたから、アメリカによる意図的な中国経済破壊工作は起こらないことになったのだろう。

 

 

【日本にとって、最悪の次期アメリカ大統領】
 政治的に左、つまりリベラル派の大統領が平和主義者であることは常識だが、いま民主党の有力候補といわれているヒラリー、オバマ、エドワーズの3人の政治家が大統領になった場合には、アメリカの力による世界秩序が壊れ、世界が大混乱することは十分に予想される。 (p.203)
 ヒラリーの旦那、クリントンが大統領だった時、日本に対していかなる恫喝がなされていたかは、下記リンクの中に書き出しておいた。
 ヒラリーが大統領に当選すれば、ふたたび日本からシャブリ取る恫喝政治が始まるのである。
 ロシアは、昨日(12/2)の選挙の結果、「ロシアは旧ソビエトの体制となんら変わることはない」と明言しているプーチン大統領が率いる一党独裁制に復帰している。
 中国はこれまで決して友好国とはいえなかったロシア海軍と協力関係を結ぼうとしている。2006年には大がかりな合同軍事演習を展開したが、これは台湾に脅しをかけるためだったとペンタゴンの専門家は見ている。だが同時に、この訓練は明らかに日本に対する恫喝でもあった。 (p.174)
 中国・ロシア共産党の軍事力で日本を脅し、アメリカの豪腕で日本からシャブリ取る。ヒラリーが次期アメリカ大統領になれば、日本にとって最悪となることは間違いない。
 
<了>