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 アメリカの深謀遠慮に関わる国際情勢は、私のような一般の日本人にとって、第一級の推理小説よりも遥かに面白い。基軸通貨ドルという最終ライン防衛をめざして見境のなくなっているアメリカ。アメリカ帝国のエンディングに近づきつつある現在、その面白さは並みの推理小説の比ではない。

 

 

【次の世界皇帝は】
 ロックフェラー家の当主争いが起こっており、世界の政治経済情勢におおきな影響を及ぼしている。
 ジェイ・ロックフェラー vs デイビッド・ロックフェラー である。
 以下では、前者をJ、後者をDと記述する。

 

 

【日本の構図】
J:ゴールドマン・サックスはJの持ち物(p.191):日本の政界の実力者を集めて「アメリカに逆らうな」と、怒鳴りつけ、日本の金融をボロボロにしたクリントン政権(ロバート・ルービン元財務長官:ローレン・サマーズ元財務長官)(p.48):ロスチャイルド系ヨーロッパ金融財閥:三井住友(前頭取の西川善文さんは、不良債権処理で竹中平蔵大臣と大激論を交わしたが、5000億円の株式を売り崩されてゴールドマン・サックスが筆頭株主になり、J に屈服した。そして郵政民営化法案でアメリカに乗っ取られた日本郵政株式会社の社長になったのである):12チャンネル・テレビ東京:小泉改革派:孫正義:小沢一郎:榊原栄資(p.60-61)
D:シティ・グループ (p.191):三菱(p.62)
 増田俊男さんの本と読み合わせると、戦後から一貫して、日本:韓国:中国を繋ぐ暗黒資金の連携は D の系譜で行われてきたらしいことがよく分かる。しかし、そのDの系譜は、日本からも韓国からも中国からも撤退しつつある。IMFで韓国は J の軍門にくだったことはいうまでもなく、日本も上述のような状況である。しかし日本も中国もやや風向きが変わりだしている。

 

 

【小泉体制の崩壊】
 最近、中央青山監査法人の公認会計士が粉飾決算に関与して逮捕・起訴され、・・・。中央青山監査法人は竹中金融改革を支えた中核的存在で、竹中金融庁が一連の「銀行成敗」をした時に使ったのはこの中央青山監査法人でした。今、この監査法人を与謝野金融相が厳しく成敗しているというのは、いわば非小泉・非竹中化が進んでいることの象徴的な現れです。 (p.188)

 

 

【中国の構図】
 江沢民とその前の鄧小平時代の政権背景勢力は華僑ないし客家。江沢民の息子も江綿恒といって、ゴールドマン・サックス勤務です。アメリカとの大きな連携がある。 (p.76)
 どうも私の見るところ胡錦濤国家主席や温家宝首相というのは北京大学エリートで、・・・この新しい中国の指導部は、ちょっとやそっとじゃアメリカと妥協しないのです。(p.77)
 青木直人・著 『人脈で読む中国の真実』(実業之日本社)という本の中に、朱鎔基前首相の周辺は、アメリカ企業から派遣された韓国系アメリカ人に取り囲まれていると書かれていた。また、アメリカに留学した共産党幹部の師弟には、上限なしのゴールド・カードが渡され、彼らの貴族生活をアメリカ政府が保障していたという。
 江沢民政権時代の中国ではお話にならず、その後においても、アメリカ留学経験のある幹部師弟が政権を担当する限りにおいて、日本と中国の友好関係は生じない。アメリカによる 「分断と統治」 が完璧に機能するからである。
 こうしてみると、胡錦濤・温家宝政権は、日本と中国がアメリカによって分断されない可能性のある政権であるとも考えられる。背後のロシアとタッグを組んでいるのだから、直にその可能性を喧伝することはできないが、さて・・・・。

 

 

【胡錦濤政権の対日政策】
 2006年3月31日、橋本龍太郎、高村正彦、野田毅、平山郁夫ら日中関係7団体の代表が中国を訪問したとき、胡錦濤主席は以下のように挨拶した。
 「日本は中国にとって最も大事な国だ。いかなることがあっても、色々困難があっても困難を乗り越えて友好を結びたい。日本の力が中国の発展にとっても必要である」、「自分は若いときから日中友好でやってきた。その哲学に変わりはない」。
 胡錦濤主席は明確に江沢民路線を否定して、日中友好の重要性について演説しました。
 橋本龍太郎はこの胡錦濤のメッセージの意味を理解して、記者会見でそのことを話そうとしたのですが、橋本派への1億円献金疑惑が出た直後のため、記者の質問がそのことに集中しました。日中会談そっちのけの記者たちの態度はおかしかったのです。(p.223-224)
 これはとてつもなく重要な記述である。私はこの本を読むまでこのことを全く知らなかった。日本中が知らされていなかったはずだ。であるならば、電通をはじめとする日本のあらゆるメディアは、完全にアメリカの意向に支配されていると考えた方が自然のようだ。アメリカの基本政策=「分断と統治」。これはよくよく心中に銘記しておくべきである。もしかしたら橋本元首相は、永遠の口封じのために薬殺されたのではないかとすら思えてくる。

 

 

【エポックとなるであろう2008年】
 ソ連をつぶし、イラクのフセイン政権をつぶし、中東を握ろうとするアメリカ帝国主義の野望の歴史は、財政破綻で終わりを告げようとしています。2008年のアメリカ大統領選挙と北京オリンピックを契機に、世界は大きく変わるでしょう。 (p.228)
 胡錦濤主席の前述の発言が、本心から語られたものであるならば、日本は中国と連体し、東アジアは真に輝かしい繁栄を手に入れることになるであろう。
 
<了>