皆さま

 

散歩をしていると

 

良く思いますが、

 

自動販売機って

 

たくさんありますね。

 

今回は「道端で起きている幸せを綴る物語」の

以前掲載した長編シリーズの再掲載です。

 

「夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語⑧」

 

前回までの記事はこちらからご覧ください。

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語①

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語②

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語③

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語④

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語⑤

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語⑥

夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語⑦

 

とうとう怒りの剣、哀しみの盾、喜びの兜、不安の鎧を

 

捨てて身軽になった祐一郎さんと女性は

 

日本のお城を目指して歩いています。

 

自分を守っていた様々な隠していた感情が、

 

解放されることで祐一郎さんは随分と

 

身体的にも心の中も軽くなっていました。

 

「これで本来の目的地である日本のお城にまっしぐらで進めるぞ」と

 

祐一郎さんは意気込んでいます。

 

それを祐一郎さんは本当に良かったと感じています。

 

自分の勇気、女性のサポートに感謝が湧いてきているようでした。

 

どんどんと日本のお城が近づいています。

 

しかし、実は祐一郎さんはなぜだかある感情に

 

悩まされていたのです。

 

それは「不安」でした。

 

不安の鎧はもう返ってきません。

 

祐一郎さん自身もなぜ不安な気持ちになるのかわかりませんでした。

 

もう随分と身軽になって、そう、目的地にどんどん進みたいのです。

 

祐一郎さんはそんな自分の不安な気持ちに苛立っていました。

 

せっかく身軽になったのに、自分でネガティブな感情を

 

また積もらせていっています。

 

このままいくと、また祐一郎さんは不安の鎧を

 

身に着けることを選んでしまいそうです。

 

祐一郎さんはどうしたら良いかわからず、

 

女性に相談することにしました。

 

「どうしても不安の感情がなくならいんですが、どうしたらいいのでしょう?」

 

「不安はなくなりませんよ」

 

「でも、不安が多過ぎるんです。次から次へと湧きあがります」

 

「うーん、なんでだと思います?」

 

「いや、それがわからないんです。こんなに身軽になって目的地も見えて、どんどん進みたいのに」

 

「どんな風に見てます?」

 

「何をですか?」

 

「世の中というか、あなたが見えるものをです」

 

「特に意識はしていないです」

 

「そうでしょうか?」

 

「そんな意識するものですか?」

 

「ちょっとそのメガネが気になりますね」

 

女性は祐一郎さんがかけているメガネを指摘しました。

 

「このメガネですか」

 

「ちょっと貸してみてください」

 

祐一郎さんは不思議そうな表情を浮かべながらメガネを外して

 

女性に渡しました。

 

祐一郎さんは目をしぱしぱと瞬きをしています。

 

女性がメガネを手にとってよーく見ています。

 

「あったあった」女性は何かを見つけたようです。

 

そして、ある部分を祐一郎さんに見せました。

 

そこにはなんと「不安」と書いてあったのです。

 

知らず知らずのうちに祐一郎さんは

 

「不安のメガネ」をかけていたのです。

 

無意識に見える景色全てを

 

不安なものとして見ていたのです。

 

これでは大前提が「不安」になってしまいます。

 

祐一郎さんは唖然としています。

 

「だから、全てがなぜだか不安だったんだ・・・」

 

祐一郎さんにこれまでにない大きな気付きが

 

訪れているようでした。

 

女性は安心した表情で祐一郎さんを見ています。

 

「では、この不安のメガネはどうします?捨てちゃいますか?」

 

「いやあ、でも視力が悪いから見えなくなるな・・・でも不安のメガネはしたくないし・・・」

 

少しの間、祐一郎さんは考えています。

 

「あ、もう不安のメガネはいりません。これからは安心で楽しいメガネを買ってかけることにします」

 

祐一郎さんは何かに気が付いたように続けます。

 

「そうしたら、安心で楽しい世界を見ることができますからね」

 

そう語る祐一郎さんに深い笑みが刻まれているようでした。

 

【~続く~】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

祐一郎さんはこの目的地に向かう中、

 

一番の気付きがあったようです。

 

まさか自分が不安のメガネを

 

かけていたなんて誰も思いもしませんよね。

 

本人が一番驚いたことでしょう。

 

いよいよ目的地が近くなってきましたね。

 

続きは次回書きたいと思います。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。