皆さま
できないこともあれば
できることもある
できることって意外と
多かったりしますよね。
今回は「道端で起きている幸せを綴る物語」の
以前掲載した長編シリーズの再掲載です。
「夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語④」
前回までの記事はこちらからご覧ください。
洋風のお城を目指していた祐一郎さんでしたが、
日本のお城を目指すべく、来た道を女性と戻ってきました。
そして、見えてきた分岐点に立ち止まります。
重装備の祐一郎さんは随分と疲れているようでした。
戻ってくる道で起きた様々な出来事に葛藤したことで
気持ち的にも少し疲れています。
それでも目的地を決めた祐一郎さんは以前よりも
表情がしっかりとしてきているようです。
女性が道の分岐点で祐一郎さんに聞きます。
「さあ、どちらの道を進みますか?」
祐一郎さんは二つの道を見ているようです。
右に曲がるか、真っ直ぐ行くかのどちらかです。
日本のお城は右に見えているので、方向的には
右に曲がると良さそうですが、右の道は
とても歩きやすく舗装されていて
真っ直ぐ行く道はやはりボコボコしていて
獣道のようでした。
「方向的には右に曲がった方が良いですが・・・」
「何か気になることでも?」
「あまりに綺麗な道で歩きやす過ぎやしませんか?」
「何か問題ありますか?」
「あ、いえ、新しく目的地を日本のお城にしたので・・・」
「その道は辛く険しい道でないとならないとでも?」
「ま、まあそんな気にはなりますよね・・・」
「そんな気になりますか?」
「せっかくのこの装備ですし・・・」
「あなたがこの辛く険しい道を選ぶのなら、それでも良いのではないですか」
「少し考える時間をください」
そう言うと祐一郎さんはしばらく考え込みました。
「右に曲がれば目的地の方向だから近付く」
「右の道は舗装されているから、ずっと愛用してきた装備たち、鎧・兜・盾・・・など、そして大きな荷物、これらは役立つのだろうか・・・」
「その装備や持ち物を活かすなら、真っ直ぐ行って獣道を進む」
「そうすると、どこにたどり着くのだろう」
「いや、まて本当の目的ってなんだったっけ?」
「この装備や荷物を十分に使ってやること・・・」
「いや、違う!」
「日本のお城に行くことだ!」
「危ない、危ない本当の目的を見失うところだった」
「そうだ、僕は今日本のお城を目指しているのだった」
祐一郎さんは考えるのが終わったようで、
表情を整え直しました。
そうして、女性を見て言いました。
「右に曲がって目的地である日本のお城を目指します」
女性は納得したような表情を浮かべます。
「わかりました。あなたが決めたなら私に異存はありません」
祐一郎さんと女性は右に曲がって、
舗装された綺麗な道を日本のお城に向かって
歩き始めました。
そして、しばらく歩くと女性は祐一郎さんに
不思議そうに尋ねました。
「ところで、あなたのその装備と荷物、この道を歩くのに必要ですか?」
「え」
「私には重そうで歩くのが大変のように感じますが」
「え」
【~続く~】
皆さまいかがでしたでしょうか。
祐一郎さんは目的地に向かって歩き始めました。
早速、分岐点があったようです。
そこで、しばらく考えたようですが
目的地に向かうという本当の目的に
照らし合わせて進む方向を選ぶことが
できたようです。
続きは次回書きたいと思います。
現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が
このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる
きっかけになったら嬉しく思っています。
世の中には親切な人は意外といます。
そんな願いを込めて書いています。
何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。
皆さまよろしくお願いいたします。