皆さま

 

10月に入ってとても

 

日が落ちるのが早くなりましたね。

 

日が落ちて行く夕方って

 

僕はとても好きな時間帯です。

 

今回は「道端で起きている幸せを綴る物語」の

以前掲載した長編シリーズの再掲載です。

 

「夢にたどり着きたい祐一郎さんが道案内をしてもらった物語①」

 

祐一郎さんは30歳代の男性です。

 

祐一郎さんは小さなころから自分には何かあるのではないかと

 

思いながら生きてきました。

 

だからなのか、何をやっても情熱が込められず

 

長続きしなかったのです。

 

今は長らく遠くに見えるお城を目指して

 

祐一郎さんは歩いています。

 

遠くの方にぼんやりと洋風のお城が見えるのです。

 

だから、祐一郎さんはその洋風のお城が

 

自分の行きたいお城かは半信半疑です。

 

祐一郎さんの進む道はかなりの獣道で

 

全身に装備をして、大量の荷物を持って

 

一歩一歩進んでいきます。

 

毎日、持ってきた寝袋で寝ていますが

 

祐一郎さんは大変に疲れているようでした。

 

それでも、あの洋風のお城まで行けば何か

 

自分の夢のようなものに近付けると

 

信じて歩き続けたのです。

 

そして、かなりの期間歩き続けたある日

 

目指していた洋風のお城とは違う方向に

 

ぼんやりとした恐らくお城らしき物体が

 

祐一郎さんの目に入るようになったのです。

 

そのお城は今目指している洋風のものではなく、

 

日本のお城のように見えます。

 

祐一郎さんはぼんやりと見える日本のお城がとても

 

気になるようになりました。

 

しかし、今は洋風のお城を目指している最中です。

 

「今更、目的地を変えることなんてできない」

 

「ここで目的地を変えたら今までのことはなんだったんだ」と

 

祐一郎さんは思い、洋風のお城を目指して歩きます。

 

祐一郎さんも人間なので、重装備で大荷物、さらには

 

獣道なので体力・気力ともに限界に近付いているようです。

 

ましてや、洋風のお城が本当に求めている目的地かも

 

祐一郎さんは半信半疑なのです。

 

すると、そんな体力・気力の限界を迎えかけている

 

祐一郎さんでしたが、獣道の途中でなぜだか

 

女性に出会います。

 

「こんな獣道に女性がいるなんて」と

 

普通なら思いそうですが、

 

この時の祐一郎さんは意識半分になるほど

 

疲弊していたので、

 

特に気になっている様子はありませんでした。

 

女性は祐一郎さんに話しかけます。

 

「あなたはどこへ行くのですか?」

 

「あの洋風のお城に行きたいのです」

 

「本当に行きたいところは、その洋風のお城なのですね?」

 

「え、はい。もちろんそうです」

 

女性は祐一郎さんに少しの間、色々な質問をしました。

 

祐一郎さんはなぜ女性が自分に色々聞くのか

 

わかりませんでしたが、藁にもすがる思いでしたので

 

聞かれる通り答えていったのです。

 

そして、女性は祐一郎さんに

 

「こちらの道の方が歩きやすいと思いますよ」と

 

言って、祐一郎さんを道案内しました。

 

「ありがとう」と祐一郎さんはお礼を言って、

 

女性と一緒に歩き始めたのです。

 

しばらくすると小高い丘に出ました。

 

「ちょっとここで一休みしましょう」

 

女性は祐一郎さんにそう言います。

 

「この丘はとても景色が良いので、よーく見てみてください」

 

祐一郎さんは女性にそう言われて、景色を見てみました。

 

すると、その場所からは祐一郎さんが半信半疑で

 

目指していた洋風のお城と、ずっと気になっていた

 

日本のお城が同時に見えました。

 

祐一郎さんが驚いていると、女性が言います。

 

「あなたが行きたいのはあの洋風のお城で間違いないですよね?」

 

祐一郎さんは答えに困りました。

 

「あ、はい。でも、ちょっと同時に見える日本のお城がとても気になります」

 

「そうですか。でも、まだ洋風のお城を目指しますか?」

 

「それは、もちろんそうします。だって、ずっと目指していましたから」

 

「では、今かけているメガネを貸してください」

 

女性が祐一郎さんからメガネを受け取ると

 

どこからともなく綺麗な布を出してきて、

 

拭き拭きし始めました。

 

祐一郎さんのメガネはピカピカになりました。

 

祐一郎さんは綺麗になったメガネで

 

もう一度その景色を見てみたのです。

 

すると、目指していた洋風のお城は

 

ぼやけて姿が良く見えなくなっていました。

 

代わりにずっと気になっている日本のお城が

 

くっきりとその姿を見ることができたのです。

 

その日本の城を見ながら祐一郎さんは

 

息を飲んでいるようでした。

 

【~続く~】

 

皆さまいかがでしたでしょうか。

 

祐一郎さんは洋風のお城をずっと目指してきました。

 

でも、気になる日本のお城が途中から見えるように

 

なったようです。

 

途中出会った女性に景色の良い場所に

 

道案内してもらい、メガネを拭いてもらうと

 

なぜだか気になっていた日本のお城が

 

くっきり見えるようになったようです。

 

祐一郎さんはこの先どう進んでいくのでしょうね。

 

続きは次回書きたいと思います。

 

現在、不自由や不安を感じる人生を送っている人が

このブログを読んで少しでも新たな一歩を踏み出してくれる

きっかけになったら嬉しく思っています。

世の中には親切な人は意外といます。

そんな願いを込めて書いています。

 

何か生きる上でのヒントになりましたら幸いです。

 

皆さまよろしくお願いいたします。