2023.12.30 波瀾続きの2023年〆は北関東・会津へ。ドタバタと初めてを濃縮した年末 ④ | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

波瀾旅は、まだまだ続く

SL大樹に、遂に今回は乗った。

実は、行きの特急と共に手配をしておいたのだった。

また一味違う野岩鉄道への旅の序章が、ここから始まった。


この12月30日は、下今市駅界隈も、遠くの日光方面も、申し分ない快晴だった。

冬の快晴の青空はことのほか澄んでいて、実に綺麗だ。


…だが同時に、異変も察知した。


申し分なさすぎて、雪がない…?!


ここから、1年前の同じ日との違いを次第に実感していくことになる。

自分は3号車に座席を確保。

今度はスペーシアのようなトラブルはないw

しかも国鉄時代のままの簡易リクライニングシート!

かつての国鉄特急・急行の旅気分を味わえる、極めて貴重なアイテムである。

そして車内放送も「ハイケンスのセレナーデ」から始まることにまた感涙!

とうにJR線内からは思い出の彼方に消えてしまった風景が、音が、まだこの栃木で生きている。


…だが、そんな懐かしい雰囲気を堪能するのもそこそこに、車内探検に繰り出す。

東武鉄道オリジナル形式になった2号車のオハテ12の展望スペースは、早くも賑わいが。

時折前方から、石炭の懐かしい匂いを連れて煙が流れてくる。


列車は軒先を掠めながら、ゆっくり北上を続けていく。

そもそも電車もゆっくり走る東武鬼怒川線、SL大樹も負担のかかりにくい速度を維持している。


2号車のオハテ12の客室部分は、JR四国在籍時にグリーン車に改装されていたが展望車化に際し

大型テーブルを配したボックスシートに復元されている。

もっとも、寸法は国鉄時代と変わらないが、手摺などにオリジナルの意匠が見える。


さて、車内探検もそこそこに指定された座席に一度戻る。

放送で、記念乗車証を配布すると告知されたからだった。

ほどなくして、アテンダントが記念乗車証を手渡してくれた。


記念乗車証と、手作り感溢れる「SLアテンダント通信」も。

前々から駅で見ていて気にはなっていたが、SL運転にかけるホスピタリティの高さはなかなか。


車内販売も、精力的に。

片道30分弱にもかかわらず、商魂逞しく販売していく。


2号車アテンダントによる案内も、すっかり名調子。

うるさ過ぎない良い塩梅に案内を進めていた。


とにかく、車内の雰囲気が明るいのである。

それはアテンダントの努力の賜物であろう。


そんな中、1号車先端に辿り着いた。

ブルートレインの時にはよく牽引機の息遣いを見に行ったものだが、SL大樹はATS機器搭載車の

ヨ8634が介在しているため、あたかも貨物列車に便乗している錯覚に襲われる。


ドリームカー500番台を除き、扉はこれまた懐かしい折り戸。

何から何まで昔の栄華を偲ぶには申し分ない。

ギリギリブルートレインや夜行急行に乗った経験があるから、それはまた格別である。


唯一当時と違うのは、荷物置き場が設けられて座席一列分が撤去されているくらい。

しかし、当地の観光需要と傾向、もともとの車両設備を考慮するとどうしても必要なものだ。



14系の車両番号は国鉄・JR時代のものをそのまま引き継いでおり…

もちろん車内のプレート類も、修繕施工が追加された以外はしっかり維持されている。


SLも客車もまるまる動態保存!


大手私鉄・東武鉄道の並々ならぬ心意気は、とにかく凄いものだと改めて実感させられた。