C11 325号機が下今市駅構内に出て行ったタイミングで、再び自分も駅ホームへ。
まだまだその動きから目が離せない。
4番線に停車していたのは「リバティけごん12・リバティきぬ112号」。
すっかり500系も3両単位の小輸送で全系統をカバーする主力とはなったが、特急の利用需要の
戻りもあって、逆に輸送力不足を露呈する場面が多々見られるようになったのは皮肉だ。
それもあって、新型車両投入の割には100・200系の淘汰が進んでいない。
今日の「SL大樹1号」はいわゆる“青編成”。
2号車に展望スペースを設けたオハテ12を連結するスタイルが確立している。
ふと、ホームをぶらついていると20400型が3編成も並ぶ場面が。
ほんの数年前までは都心まで乗り入れていた電車が、大改造を経て未だ現役。
トイレとボックスシートは無くなったが、こうして走り続ける姿は頼もしくもある。
かつては上野あたりだと、地上を14系客車が、地下を20000系が走っていた。
または北千住でそれとなく並んでいたりもしていたのだろうか?
今はこうして、同じ線路で余生を送る。
運命は数奇でドラマである。
とにかく、下今市駅構内は今なお入換作業が活発な駅だ。
列車本数は多くない割に、その動きは見ていて飽きない。
栃木方に引き上げられていた20400型が、SL大樹編成の横に入ってくる。
すると今度は、SL大樹編成が退行運転で上り本線へ!
さらにその間隙には、大宮駅で会った253系が下り「きぬがわ11号」で入ってきた。
気合いの入れようの割に、残念ながら利用率は芳しくなかったようである。
…ここまでが、およそ15分くらいの動きであった。
そして、9:26。
蒸気を目一杯噴き出して…
SL大樹1号、入線!
C11のドラフト音と、14系客車の発電ディーゼルエンジンの音。
どれも、昭和時代の愛おしい音たち。
それがまだ聴ける、この耳福たるや!
2番線は朝も早くから、観光客で賑わっていた。
今年で運転開始から7年。
保守の難しさに直面しつつも、よく維持できている。
この生きた感じは蒸気機関車ならではで、近くで見ると格別の感があるが…
…え、のんびり眺めている場合じゃなかった!
1番線に「スペーシアX1号」が発着するのを横目に…
SL大樹に、乗った!
見送りを受けて、なんと7年目にして初乗車のSL大樹の旅が始まっていく。