2023.5.4 多客臨電撃復活の苦肉と思惑。185系「あしかが大藤まつり号」臨時“特急”の旅① | たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

たいちょ〜の心のつぶやき 第2章

『縁は、連結する』鉄道など交通を中心に興味の赴くままに、日々呟き語るブログ。
※最近すっかり鉄道ルポタージュ化してますが、言いたいことを素直に言うという意味でブログタイトルは変えてません。

定期運用引退から、早いもので2年。

2021年度前半期こそ、「あしかが大藤まつり号」や「鎌倉あじさい号」「谷川岳山開き号」と

相次いで多客臨時快速列車に充当されていたが、185系を巡った騒ぎを嫌い始めたか、はたまた

E257系の波動用車両(5000・5500番台)への転用改造が一段落したこともあったからなのか

特に2021年夏以降は多客臨時列車への運用がなくなり、時折イベントや有料撮影会での展示、

旅行会社主催のツアー列車などに細々と走るのみとなってしまった。

そうしている間にも、どんどん数を減らし…

実質稼働状態にあるのは6両化・緑帯が再現されたC1編成とストライプのB6編成のみ。

このまま多客臨時列車として乗る機会の無いまま、完全引退してしまうのかー。


ところが、2022年度末くらいから俄に動きが変わってきた。

端緒は、3月25日に大宮→宇都宮間でC1編成で運転された特急「とちぎ1号」だった。

この列車はツアー乗車もあったものの、一部号車は一般販売されたのである。

ただ、あくまでイベントの一環もあってイレギュラーだろうと思っていたのだが…


春臨で、次の列車の運転告知が出されたのだ。


特急あしかが大藤まつり号

大船9:21→桐生12:17

桐生14:14→大船17:02

運転日 4/22・23・5/3-6


特急谷川岳もぐら号

大宮10:37→越後湯沢13:38

特急谷川岳ループ号

越後湯沢15:19→大宮18:24

運転日 6/3・4・17・18


使用車両の欄には、どちらにも185系6両(全車指定席)の記載が。

なんと4月から6月にかけて多客臨時列車への復活だ。

ちなみに昨年は、あしかが大藤まつり号はE257系、谷川岳〜号はリゾートやまどりだったが…

651系の置き換えで波動用だったE257系5500番台が抜擢され、一転して車両不足に陥ったため

苦肉の策での再登板、ということなのだろうか?

(7両編成という使いづらさもあるのか、651系の臨時運用は無かった)


しかも、今回の設定はどちらの列車も特急とされていた。


まさかの格上げ!


指定席特急料金は、あしかが大藤まつり号は大船〜桐生間乗り通しの場合片道3,130円。

B特急でもない、大船を通る「踊り子」「湘南」の料金体系でもない料金設定らしく。

それでも、快速時代の指定席料金530円に比べたら+2,600円の大幅な値上げ。

往復だと6,260円…いずれにせよ約6倍の値上げというかつてない上げ幅。

車両は古くなっているのに(※車体ベースで)、どういう思惑があるのだろうか?


…そんなモヤモヤを抱えつつも、前後の予定を考慮して5月4日の指定席特急券を往復で手配。

ただでさえ、最近のみどりの窓口の減少に頭を悩ませてきたが、どうにか確保できた。


そして、運転開始。

4月の運転については、22日に北浦和駅で往路をサクッと撮ったのみだった。

なぜ撮影が一回しかしなかったかというと…


ストライプ、そろそろお腹いっぱい。


一昨年の多客臨時列車運転時も全てストライプ塗装で、定期運用終了に前後して多く撮影したり

乗車を重ねてきたせいもあり、記録に動く気持ちがイマイチ上がらなかった。

緑帯が再現されたC1編成は、昨年秋の新幹線リレー号のほか「とちぎ1号」には充当されたのの

諸問題の懸念から、基本的にツアー列車にも使用されることがなくなってしまっているし…


…それだけに、またストライプのB6編成が使用される列車には乗り気がしなくなっていた。

記録はおろか、この期に及んで乗るのもどうなのかな、とか。

2年前の「あしかが大藤まつり3・2号」でも乗っているし、今更どうなのかな、とか。


…そんなことを逡巡しながら過ごして、ついにGW後半戦になっていた。

天気予報も良いからと、結局そのままにして…思い直して…5月4日。

朝7時に自宅を出て、今回は南武線経由で大船に向かった。


しかしこの日は、高崎線人身事故の影響で東海道線もダイヤ乱れが発生。

川崎から大船に向かう電車も遅れており、大船到着はかなりギリギリになってしまった。

事前に友達から大船でのオススメ朝食をレクチャーされていたが、食べられずに終わる。


到着してほどなく、8:51。

平塚から回送でやってきたのは…


多客臨時列車として2年ぶりの登場、案の定185系B6編成である。


今回は回送到着から発車まで約30分と長いのと、撮り鉄対策なのか1番線に発着。


この日は「回送」幕のまま到着したので、前面・側面と撮り鉄が群がった。

しかし到着からなかなか操作が行われず、ようやく回転し始めたのは到着から10分ほど後。

またここでタイムロスしてしまい、軽食を買う余裕は少なくなってしまった。


それでいて、前面・側面とも表示は臨時特急のみと実にシンプル。

2年前もそうだったが、このあたりの素っ気なさはなんとも寂しい。


今回も行き先案内表示に「桐生」の文字は無し。


なんたってシンプルではあったが、かなりの数の撮影者が群がっていた。

ただ駅員氏に聞いてみると、思惑通りではあったがこれでも一番人出は少なかったとの由。



そんなこともあってか、撮影自体は比較的労せず記録に動くことができた。

というか、2年前とそんなに変わらずマンネリになりがちになってしまうが。


ほどなくして、大船駅社員による横断幕が登場。


旅立ちへの雰囲気が高まると、発車時刻!

麦茶を買って、いざ車内の指定された座席へ。


9:21。

およそ3時間に及ぶ、約2年ぶりの185系臨時“特急列車”の旅が始まった。

高崎線人身事故の影響という不安要素を孕みつつ、変わらぬ健脚で北を目指していく。