定期運用引退から、早いもので2年。
2021年度前半期こそ、「あしかが大藤まつり号」や「鎌倉あじさい号」「谷川岳山開き号」と
相次いで多客臨時快速列車に充当されていたが、185系を巡った騒ぎを嫌い始めたか、はたまた
E257系の波動用車両(5000・5500番台)への転用改造が一段落したこともあったからなのか
特に2021年夏以降は多客臨時列車への運用がなくなり、時折イベントや有料撮影会での展示、
旅行会社主催のツアー列車などに細々と走るのみとなってしまった。
昨年の新幹線イヤーに伴う新幹線リレー号も、実際は旅行ツアーの一部。
そうしている間にも、どんどん数を減らし…
実質稼働状態にあるのは6両化・緑帯が再現されたC1編成とストライプのB6編成のみ。
このまま多客臨時列車として乗る機会の無いまま、完全引退してしまうのかー。
ところが、2022年度末くらいから俄に動きが変わってきた。
端緒は、3月25日に大宮→宇都宮間でC1編成で運転された特急「とちぎ1号」だった。
この列車はツアー乗車もあったものの、一部号車は一般販売されたのである。
ただ、あくまでイベントの一環もあってイレギュラーだろうと思っていたのだが…
春臨で、次の列車の運転告知が出されたのだ。
特急あしかが大藤まつり号
大船9:21→桐生12:17
桐生14:14→大船17:02
運転日 4/22・23・5/3-6
特急谷川岳もぐら号
大宮10:37→越後湯沢13:38
特急谷川岳ループ号
越後湯沢15:19→大宮18:24
運転日 6/3・4・17・18
使用車両の欄には、どちらにも185系6両(全車指定席)の記載が。
なんと4月から6月にかけて多客臨時列車への復活だ。
ちなみに昨年は、あしかが大藤まつり号はE257系、谷川岳〜号はリゾートやまどりだったが…
651系の置き換えで波動用だったE257系5500番台が抜擢され、一転して車両不足に陥ったため
苦肉の策での再登板、ということなのだろうか?
(7両編成という使いづらさもあるのか、651系の臨時運用は無かった)
しかも、今回の設定はどちらの列車も特急とされていた。
まさかの格上げ!
指定席特急料金は、あしかが大藤まつり号は大船〜桐生間乗り通しの場合片道3,130円。
B特急でもない、大船を通る「踊り子」「湘南」の料金体系でもない料金設定らしく。
それでも、快速時代の指定席料金530円に比べたら+2,600円の大幅な値上げ。
往復だと6,260円…いずれにせよ約6倍の値上げというかつてない上げ幅。
車両は古くなっているのに(※車体ベースで)、どういう思惑があるのだろうか?
…そんなモヤモヤを抱えつつも、前後の予定を考慮して5月4日の指定席特急券を往復で手配。
ただでさえ、最近のみどりの窓口の減少に頭を悩ませてきたが、どうにか確保できた。
そして、運転開始。
4月の運転については、22日に北浦和駅で往路をサクッと撮ったのみだった。
なぜ撮影が一回しかしなかったかというと…
ストライプ、そろそろお腹いっぱい。
一昨年の多客臨時列車運転時も全てストライプ塗装で、定期運用終了に前後して多く撮影したり
乗車を重ねてきたせいもあり、記録に動く気持ちがイマイチ上がらなかった。
緑帯が再現されたC1編成は、昨年秋の新幹線リレー号のほか「とちぎ1号」には充当されたのの
諸問題の懸念から、基本的にツアー列車にも使用されることがなくなってしまっているし…
…それだけに、またストライプのB6編成が使用される列車には乗り気がしなくなっていた。
記録はおろか、この期に及んで乗るのもどうなのかな、とか。
2年前の「あしかが大藤まつり3・2号」でも乗っているし、今更どうなのかな、とか。
…そんなことを逡巡しながら過ごして、ついにGW後半戦になっていた。
天気予報も良いからと、結局そのままにして…思い直して…5月4日。
朝7時に自宅を出て、今回は南武線経由で大船に向かった。
しかしこの日は、高崎線人身事故の影響で東海道線もダイヤ乱れが発生。
川崎から大船に向かう電車も遅れており、大船到着はかなりギリギリになってしまった。
事前に友達から大船でのオススメ朝食をレクチャーされていたが、食べられずに終わる。
到着してほどなく、8:51。
平塚から回送でやってきたのは…
多客臨時列車として2年ぶりの登場、案の定185系B6編成である。
今回は回送到着から発車まで約30分と長いのと、撮り鉄対策なのか1番線に発着。
この日は「回送」幕のまま到着したので、前面・側面と撮り鉄が群がった。
しかし到着からなかなか操作が行われず、ようやく回転し始めたのは到着から10分ほど後。
またここでタイムロスしてしまい、軽食を買う余裕は少なくなってしまった。
それでいて、前面・側面とも表示は「臨時特急」のみと実にシンプル。
2年前もそうだったが、このあたりの素っ気なさはなんとも寂しい。
なんたってシンプルではあったが、かなりの数の撮影者が群がっていた。
ただ駅員氏に聞いてみると、思惑通りではあったがこれでも一番人出は少なかったとの由。
そんなこともあってか、撮影自体は比較的労せず記録に動くことができた。
というか、2年前とそんなに変わらずマンネリになりがちになってしまうが。
ほどなくして、大船駅社員による横断幕が登場。
旅立ちへの雰囲気が高まると、発車時刻!
麦茶を買って、いざ車内の指定された座席へ。
9:21。
およそ3時間に及ぶ、約2年ぶりの185系臨時“特急列車”の旅が始まった。
高崎線人身事故の影響という不安要素を孕みつつ、変わらぬ健脚で北を目指していく。