さまざまに悶々とする事柄はあるにはあったが、そうなる以前から立てていた計画があった。
臨時快速「あしかが大藤まつり」号への乗車だ。
ここ数年は、この時期にあしかがフラワーパークで行われている「あしかが大藤まつり」に合わせ
首都圏から両毛線桐生駅まで直通臨時列車が運行されるのが恒例になっていた。
その存在は知ってはいたのだが、これまでは折々の仕事などの都合もあって見送ってきていた。
しかし今回は、定期運用から外れたばかりの185系が入るとのことで、早い段階から計画を練って
指定席券も早いうちから確保して準備を進めてきた。
しかし、定期運用終了前から何かと185系界隈は不穏な空気が漂っていた。
コロナ禍もあったが、最大なるものは
西川口駅での撮影トラブル
であろう。
これが起きて、一気に気持ちが切れかけるほどの激しい怒りが沸き起こっていた。
これまで幾度となく注意喚起してきたはずなのに、またか!と。
…まぁそれでも列車は今年は動く、というので。
直前に細かい予定変更を仕掛けつつ、その日に備えていた。
5月5日朝、あしかが大藤まつり号運行最終日の南へゆっくり動き出す。
あしかが大藤まつり号は上野発着の1・2号と大船発着の3・4号、常磐線いわき発着の5・6号があり
このうち1〜4号が185系で運転とアナウンスがされていた。
個人的には上野から発車するのも胸熱ではあるのだが、より長い時間を楽しむならやはり大船発の
3号を選んでおいた方が良いかな、という結論を引き出した。
このため、今回の旅で最初に向かった先は大船駅である。
但し185系自体は折り返しの都合上、回送で先に平塚まで入線していたが撮る時間はなかった。
直前に急遽、青梅線西立川駅で485系お座敷列車「華」の撮影を組み込んだからである。
↓その時の撮影↓
発車ギリギリになるので、ここは潔くバッサリとカットして、発車15分ほど前に大船駅に先着。
9:00 2番線 東海道線
案の定撮り鉄は多かったが、件のことがあったからかやはりこちらもおとなしめ。
少し場所選びに逡巡し、どうにか3番ホーム側から良い位置を確保。
8:51。
そういやここで185系を撮ったことはなかったなと、入線してから気づく。
いかに40年間、日常の姿として馴染み切っていたということか。
ごく一部は自分さえ良ければ、だが、それでもまだ穏やかな雰囲気に救われる部分も。
ここでこれから始まる旅の意欲を削がれるようなことが無かっただけ、まだ良かった。
結構カツカツかなと考えていたが、周りが落ち着いていたからそれなりに多く撮影できた。
この時点で発車3分前。
水分補給となる麦茶だけ買って、ギリギリに列車に飛び乗ることに。
クハ185は京浜東北線乗り入れに対応して前4席が潰され、ATC機器を搭載した車両だった。
この車両の外見は何度か撮っているものの、実乗は初だったのでここも注目ポイント。
改造当初はアナログATCだったから、機器スペースもそれなりに必要だったのだろう。
指定席を取るにあたり、音鉄拘りを持つ自分としてそれは拘りを持って選んだものだ。
MT54の唸りを聴きながら、まずは久しぶりの走りを堪能。
列車は定期列車の合間を縫って、かつての快足よりは劣るものの東海道線を快走。
シートカバーが外されてはいたものの、乗り心地は約2ヶ月前となんら変わらない。
しばらくはその走りにゆっくり浸っていた。
しかし、A席にしたことには若干残念だったことも。
それについては後々触れたい。
しかし、横浜到着目前にググッと減速。
何かな?と思ったら身体が一気に左に振れた。
横須賀線下り線を跨ぎ、一気に横須賀線上り10番線に入線。
湘南新宿ラインとは違う臨時列車ならではの走りルートに、一瞬車内がざわつく。
ここから横須賀線廻りで品川へ。
激レアな10番線発着に、短い1分停車でもこれは撮っておきたいと思ったのだった。
…これから先、各所で185系の撮影をするわけだが、先に乗った友達の投稿によると撮りに夢中に
なるあまり乗り遅れ、荷物が延々車内に取り残されていたという目撃事例もあったため、各駅では
発車メロディ、構内放送に十分注意を払いながら動いていくこととなる。
もちろん、周囲に迷惑をかけないことも第一で!
…それだけに、デッキ中央にたむろしスピーカーにマイクを向ける音鉄はちょっと邪魔だった。
たいして広くもないデッキを数人で占拠する形だったのはちょっといただけないかなと。
南武線方面からの利用客を取り込みたいのだろうか、ここの停車のために横須賀線に寄ったか。
それならまだ乗り換えが楽な川崎でも良かろうにとも思うが。
なんにせよ、2ヶ月ぶり、かつ珍しい上り横須賀線で185系乗車にテンションは上がる。
駅を出ればまたスピードも上がり、良い走りっぷり。
通常常磐線方面の上野東京ラインが発着するホームに到着し、これもレアな姿となった。
ここでも1分停車、あまり感慨には浸れなかったが…