そう。
11:58、高崎駅13番線に入線。
デジタルATC化により入線速度は向上したが、それでも思ったより撮りやすい。
まだそんなに撮る人もおらず、ゆっくり腰を据えて撮影ができた時期だった。
11番線には北陸新幹線「あさま609号」もちょうど到着して、一瞬の並びも。
ここでは多客臨で追い越していく列車があるのだろうか、およそ4分もの停車時間があった。
そんなこともあり、後ろから前へ歩きながら撮っていく。
二階グリーン車・一階普通車指定席の合造車であるE444。
新潟寄りの8/16号車として連結されていた。
先頭車はE1系と比べてノーズが長くなり、窓数もそれにつれて少なくなり独特なスタイルに。
出たばかりの頃はそれがかなりの違和感につながり、何歩も引いた感じになっていたのだ。
高速化と大量輸送を両立させるための苦心が、特に両先頭車には詰め込まれていた。
撮れば撮るほど、愛着は少しずつ増してくる。
東京〜上野間の走りのようにゆっくりではあるが、確実にその時への思いは重なっていった。
…やっとのことで前へ着くと、早くも発車の時間になっていた。
16:22、Maxとき326号が21番線に到着。
入れ替わりに発車していくE2系との並びが。
地下鉄のような、随一の異質な雰囲気の上野駅新幹線地下ホーム。
こんな構造物のほぼ真上で授業を受けていたとか、今にして思えばなかなか得難い経験だった。
しかし、その時含め全般に新幹線への興味はあまりなく、そのままズルズルきていた感がある。
もっとも自分が通っていた頃は東京駅まで開業して久しく、かつ長野行き新幹線開業前後のために
ほとんどは東京駅ホームは1面2線、まだそれなりに折り返し列車も残っていた時期だったはず。
部活の合宿で上越新幹線も利用していたが、それでも興味が深まることはついぞなかった。
いまや、上野駅は北の玄関口とは言えなくなっている。
それでも、いざ立ってみるとやはり独特な佇まいにグッとくるものがある。
それは、身体の半分を流れる東北県人(山形)の血筋がそうさせるのだろうか。
…あとは、これだけ酷暑続きだから地下ホームは絶好なクールダウンにもなるし。
…そんなことを考えていたら、さっき東京駅に向かったMaxとき326号が、早くもMaxとき333号に
名前を変えて、およそ20分ほどで19番線に入ってきていた。
16:45、19番線着。
上野駅ホームは、そこまで乗る人は多くない。
時期も時期ではあったにせよ、寂しさも感じながらホームに佇み出迎え、見送りを繰り返した。