すずの創作物語 -12ページ目

誰よりもあなたが… 32

私たちは、学校帰りやバイト帰り、時間が合えば一緒にいた。
買い物したり、散歩したり。遊びに行ったり。
「もうすぐ夏休みだねぇ。」
「そうだな。どっか行こうな。」
「うん。計画たてようね。」
「そういえばさ、まだ言ってなかったけど、夏休みにあのバイト連中とアメリカに旅行に行くんだ。」
「アメリカ?すごいね~。」
「計画立てたのが結構前だったからさ、まさか彼女が出来るとは思わなかったから…なんか、一週間もはるかと離れるの寂しいなっ!」
「何言ってるの。楽しんできたらいいじゃない!」
弘人は「そうだな」と言って、ポンと頭をなでた。
弘人と付き合い始めて数ヶ月。彼の隣は、どんどん居心地のいい場所になっていった。

夏休みに入って、遊園地のバイトは大忙し。でも終われば弘人と一緒にいれるから、それも苦にならなかった。
バイトの休みを合わせて海に行ったり、遠出したり、2人の夏休みを満喫していた。

3日後に弘人たちはアメリカ旅行に出発するという日、2人で旅行にいるものを買い出しに行った。帰りの車の中、弘人が口を開いた。
「はるか…あのさ…」

誰よりもあなたが… 31

「だったら、それでいい。それに今初めて好きってちゃんと言ってくれたし、弘人って呼んでくれたな。すげー嬉しい!」私…ちゃんと好きって言ったことなかったっけ?こんな話聞いて、いい気持ちしないだろうに、それでいいと言ってくれる弘人。私、この人をちゃんと大事にしないと。
前の恋は愛して、追いかける恋。今は、愛されてるなぁと実感できる恋。
弘人のことを私ももっと愛していかないと。
そんなことを思った。
「はるか…ここでキスしたら、イヤ?」
私は静かに首を振った。「イヤじゃないよ…」
弘人は、抱きしめていた私の体を離すと、頬にそっとキスをした。
そして、静かに唇を重ねた…。
静かな、優しいキスだった。
幸せだなぁ。
弘人の心臓の鼓動をききながら、心からそう思った。

その日、私たちは何度もキスをした。

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私の手を握って、ゆっくり歩く弘人。
しばらく歩いてベンチに座ることにした。
「はるか…?」
「え?なに?」
「なんか…様子変だぞ?」
「そ、そう?」

その公園は…壮介と初めてキスした場所。
別れてから、どうしても足を踏み入れることが出来なかった場所。
まさか、ここに連れて来られるなんて…。
でも、そんなこと言えないよ…。
様子が変って…私まだそんな引きずってるのかな?
そんなことが頭をグルグル回ってた。

「はるか…オレさ、聞きたいことがあるんだ。前さ、前に付き合ってた人の話聞いたことあっただろ?あの時の一瞬変わった表情と、今と同じ顔してる。なんでそんな表情になるのか…全部話してくれないか?気になるんだ。」
「え…。」
「不安になるんだ。その顔を見ると。」
弘人の真剣な顔。私は嫌われるの覚悟で話した。壮介のこと。すごく好きだったこと。この場所のこと。ずっと引きずってたこと。
じっと聞いていた弘人は、
「今、オレとここにいることはイヤか?」
私は首を振った。
「イヤじゃないよ。今は弘人が好きだから。ただ、思い出してしまって…ゴメンね。嫌だよね、こんな話。嫌いになった?」
弘人は黙っていきなり私を抱きしめた