中央線で読む新書 -52ページ目

怪談の心理学

題名通り。
装丁がふるっている。

【他によいものがある】 1994年

中村 希明
怪談の心理学―学校に生まれる怖い話

サザエさんと株価の関係

行動ファイナンスの書物。
大和証券のアナリストらしく、TOPIXとの相関性を数値で
出しているので、決してこじつけではない。
(ベンチマークとなるのがNY市場と翌日のTOPIXの相関係数が0.58)

○サザエさんの視聴率が下がると株価は上がる。
→日曜日の夕方の在宅率をサザエさんの視聴率が顕すため
 (相関係数0.86)

○イヌのニュース件数が増えると株価も上がる。
→犬を飼うコストは年間12万円でそれをまかなえる家計の余裕を
 顕すため。(相関係数0.96)

○東証のディスクロージャー表彰制度の表彰企業はTOPIXよりも
 上昇率が上回る。(これは単純に材料が多いと言うことで市場に
 インパクトを与える回数が多いと言えるので行動ファイナンスとの
 関係は薄かろう)

【つまみ読みにはGOOD】 2006年
吉野 貴晶
サザエさんと株価の関係―行動ファイナンス入門

悪役レスラーは笑う

なかなか読ませる。
写真もいい。

プロレスにせよ芸能にせよ、戦後の日本人を支えたのは
日本人のこころを表現する異人(主に朝鮮人)であった、
この事実を今であるが故に今ならではの手法で追う。

往年のプロレスラー・グレート東郷の出自を追う。
その過程で浮かび上がるのは「虚構」である。

プロレス自体がリアルファイトではない虚構であり、
今以上にミイラや元ナチスというふれ込みのレスラーが
いた昭和のプロレスはなおさら虚構であり、朝鮮出身の
力道山が日本人の体現者であったという虚構。
この虚構を巡る冒険。

【通勤用にGOOD】 2005年

森 達也
悪役レスラーは笑う―「卑劣なジャップ」グレート東郷

昭和の墓碑銘

週刊新潮で長年続くコーナーより
54人分を収録。

軍人・学者・タレント……故人となったからといって
手放しに誉める出もなく、けなすでもなく、まさに
清濁あわせて飲む、そんな趣の墓碑銘。

【わざわざ読むほどのものではない】 2006年
週刊新潮
昭和の墓碑銘

スクープ

企業倒産・企業合併で数々のスクープを取った
日経の記者による。

政治部社会部であれば、それはたんに情報のリークに
過ぎないが、経済部の場合は実に地道な取材活動と
洞察力の成果である。その分、裏話には広がりがなく
こうして読むと面白みがない。

倒産などは、やはり企業側の脂汗をかくようなやりとりの
方が面白いわけであるし。

【わざわざ読むほどのものではない】 2004年
大塚 将司
スクープ 記者と企業の攻防戦

隠すマスコミ、騙されるマスコミ

最終章の「国際報道の実態」は読む価値あり。
記者クラブ制度により外国メディアを排除するために
アメリカのメディアは東京から北京に拠点を移しつつある。

これは国益を損ねるのは明かである。
東京初のニュースが減り、北京発が増える。
日中間の問題をアメリカメディアが報じる場合は
当然中国側の言い分のボリュームが厚くなる。

【つまみ読みにGOOD】 2003年
小林 雅一
隠すマスコミ、騙されるマスコミ

電波利権

新潮新書だけに、あっさりよめる代物ながら、
提案する問題はタイムリーであり重要である。

放送局はIPによる配信をかたくなに拒否している。
これを許すと電波を独占的に持つ存在意義を失うからである。
しかしIPによる配信の方が国民にとっては便利である。

放送局はドラマやバラエティのみを制作しているのであれば
IPによる配信を拒否しようが構わないであろう。
しかし記者クラブに加盟し、その大義名分が「国民の知る権利」で
ある手前、はたしてそれが妥当であるのか。

ソフトバンクは言わずもがなだが、NTTなり、東電なり、そうした
巨大企業が着々とコングロマリッド化していく現在において、
放送電波利権の崩壊はそう遠くないかもしれない。

【つまみ読みにGOOD】 2006年
池田 信夫
電波利権

「格付け」市場を読む

ムーディーズやS&Pを紹介しながら格付け市場を解説。

山一証券が破綻前に格付けが一気に落ち込んでいった。
それが批判された。しかしご臨終間際の山一はジョージ・ソロスの
好む理論の「再帰性」を体現していよう。
市場における格付けとはそういうものなのかもしれない。

【わざわざ読むほどのものでもない】 2004年
岩崎 博充
「格付け」市場を読む

遊女の江戸

結婚以外に希望のない遊女とそれに入れあげる男の
逸話の羅列。 編集者がちゃんと仕事をしないと 
のんべんだらりとした書物となる。

碩学が書けば面白かったかもしれない。

【つまみ読みには】 1993年
下山 弘
遊女の江戸―苦界から結婚へ

株価の読み方

今更な代物。
古いから仕方がない。

【今更読んでも仕方なし】 1997年
安達 智彦
株価の読み方