中央線で読む新書 -29ページ目

万世一系のまぼろし

内容が散漫。

元老院が起草した明治憲法の第一次草案では女帝が認められていた。
第三次草案ではやむを得ない場合は女性による継承が認められていた。
「皇統に関して男系とか女系とか言い出したのは西洋の学問を摂取した
明治以来のこと」(田中卓)で、その田中の見解では井上毅がプロイセン、
ベルギー、スウェーデンなどで採用されてきた中世以来のサリカ法が男帝
しか認めていないことに関心を示したことに男子による皇統継承は起因する
とのこと。

【つまみ読みにGOOD】 2007年
中野 正志
万世一系のまぼろし

日本とフランス 二つの民主主義

「一人一票」的な考え方を経済や社会の領域にまで援用する平等主義を実現する
ための民主主義(アメリカは自由を実現するための民主主義と言える)による
社会民主主義国(GDPの55%を一般政府総支出が占めている。日本は38%)とし
てのフランスについて。

フランスではNPOや市民団体の行政参加が極めて非民主主義的と見なされること
さえあるという。全員に与えられた一票以外の意思表示が政治に作用するのは平
等主義に反するため。また徴兵制廃止に反対する勢力の理由は、国防を平等に
になうべきとの考えによる。

【話のネタ本にGOOD】 2006年
薬師院 仁志
日本とフランス 二つの民主主義

国際政治

10年ぶりぐらいに読む。
初版1966年。

戦争を回避するのは文民の知恵である。

【古びない】 1966年

高坂 正尭
国際政治―恐怖と希望

ホラーハウス社会

凶悪犯罪はむしろ減っていながら、凶悪犯罪に過敏になり防御を進めている。
なるほどサディスティックな事件があるとホラー映画やゲームの影響が言われるが、
そんなもののない時代から、サディスティックな事件はあった。

というわけで、現代は事件が起きる事に監視カメラが増えていくだけなのだ。

【つまみ読みにGOOD】 講談社+α新書 2006年

芹沢 一也
ホラーハウス社会―法を犯した「少年」と「異常者」たち

反時代的毒虫

車谷長吉の対談集。

文学界に掲載された上智大での講演を読めば充分。

【わざわざ読むほどのものではない】 2004年

車谷 長吉
反時代的毒虫

物語 オランダ人

再読。ちょっと不思議なオランダ社会の読み物。
またサンフランシスコ講和条約で連合国が賠償を放棄する中でオランダは放棄せず。
ベアトリクス女王が来日した際も宮中晩餐会で戦争被害をスピーチで述べるほど。
大切な大切な植民地だったわけだ。

【つまみ読みにGOOD】 2001年
倉部 誠
物語 オランダ人

朝鮮半島「核」外交

まとまりがない。

ざっくりまとめると、世襲であるうえに儒教の国であるがために
改革することは父・金日成の否定となるので出来ない。
また他の社会主義国家と違ってテクノクラートがいないため、
市場主義のための知恵もない。

エキセントリックにならず、つまらない国をつまらなく書いた新書。

【つまみ読みに】 2006年
重村 智計
朝鮮半島「核」外交―北朝鮮の戦術と経済力

下流喰い

半端にルポルタージュ。
「おんな市」(女性債務者を風俗店が買う市場)やサラ金しかない地方など
薄く書いているが、それだけで充分一冊いけよう。

【惜しい】 2006年
須田 慎一郎
下流喰い―消費者金融の実態

秘密結社の世界史

淡泊。
せっかくの題材なのに。

【話のネタ本にGOOD】 2006年
海野 弘
秘密結社の世界史

鎮魂 吉田満とその時代

よくよく考えると粕谷一希の書籍を始めて読む。もったいぶったりしない文章で好感。
「戦前」と闇雲に括ってしまっては見逃してしまう事柄を、ページを繰る事に見つけ出せる新書。

【つまみ読みにGOOD】 2005年
粕谷 一希
鎮魂 吉田満とその時代