GLENMORANGIE
LEGENDS
THE CADBOLL
 
HIGHLAND SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:43%
樽構成:バーボン樽、フレンチ白ワイン樽後熟
希望小売価格:1000ml / 9,800円
 
 
色:琥珀色
トップノート:3
アタック:2
香り:バニラ、レザー、リコリス、バタースコッチ
味わい:フィンネル、バタースコッチ
アルコール感:3
ピート感:1
 
 
 
総評:3.3
 
 
 
■ グレンモーレンジィ カドボールについて
 
グレンモーレンジィ・カドボールは、免税店向けレジェンドシリーズのデュサック、テインに続く第三弾として2018年にリリースされました。
自社栽培によるカドボール大麦とそれに自生する酵母菌などを原料にしているオリジナリティあふれるものですね。
そしてバーボン樽熟成のベース原酒をミュスカ種とセミヨン種使用の甘口フレンチワイン樽でフィニッシュした商品になっています。現在発売されているカドボールエステート15年は、アモンティリャード・シェリー樽にて後熟されていますので全く味わいを変えているのが分かります。
 
カドボールとはグレンモーレンジィハウスの創設者でマクラウド家の所有した銀のワインカップ「カドボールカップ」から名付けられているため、厳選されたワインカスクにて作られているみたいですね。
 
グレンモーレンジィの所有する大麦畑があるカドボール地区には「ヒルトン・オブ・カドボール・ストーン」という古代の石碑があります。
グレンモーレンジィハウスの近くにその石碑はあり、6~9世紀に栄えた言葉を持たない人種のピクト人によって建てられたと言われています。ピクトとは古代ローマ人が名付けたもので、ピクト人が体に刺青を施していたことから「体に絵を持つ者」としてピクト人と呼称したそうです。英語ではピクチャ(絵)になる言葉ですね。
 
 
 
※画像は海外サイト、ジョイオブミュージアムから
 
今建っている石碑はレプリカ品で、本物はスコットランド博物館に展示してあります。
上から3番目の絵を見ると分かるとおり、グレンモーレンジィのシグネット印が掘ってありますね。
シグネットマークの元ネタはカドボールストーンからインスパイアされているんですね。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはバニラエッセンスの甘み。
奥からドライなレザーの酒質が香りたちます。
リコリスのゴム感やバタースコッチの甘みもあり、すぐにバーボンカスクのような芳香が分かります。アタックはさほどありません。
 
味わいはフィンネルのスパイシーさに、強めの渋みが口中に広がります。歯茎など収れんするほどの渋みです。
奥にはバタースコッチの甘み。
余韻は辛味と渋みで長いフィニッシュ。
 
 
 
■  グレンモーレンジィガドボールの考察
 
かなり渋みの強いウイスキーです。
口中の収れんさは渋柿などの渋い果物を食べた時のような感覚です。
辛さもありグレンモーレンジィによる熟成がなければとんでもない味わいになってると思います。
しかしまあ、グレンモーレンジィです。
スタンダードとは違った毛色を見せてくれますね。
熟成は十分なのでこれはこれでアリのシングルモルトだと感じました。
 
 
 
 
GLENMORANGIE
14 YEARS OLD
THE QUINTA RUBAN
 
PORT CASK FINISH
 
HIGHLAND SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
NON CHILL-FILTERED
 
産地:スコットランド ハイランド地区
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:46%
樽構成:バーボンカスク、ルビーポートワインカスク後熟
希望小売価格:700ml / 7,800円
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:2
香り:ハチミツ、バニラ、レザー
味わい:ハチミツ、若草、クリーム、アニス、青リンゴ
アルコール感:3
ピート感:2
 
 
 
総評:3.5
 
 
 
■ グレンモーレンジィ14年 キンタ・ルバンについて
 
スコットランドのハイランド地方にあるテインの街で、1843年に創業したグレンモーレンジィ蒸留所。
水源となるターロギーの泉に湧く硬水での仕込みや、スコットランドで最も背の高いポットスチルでの蒸留、そして熟成に使用する樽へのたぐいまれなるこだわりなどにより、“完璧すぎる”とまで評されフルーティで華やかなウイスキーを製造。
グレンモーレンジィのウイスキー造りは、基本的にバーボン樽などで通常の熟成を行ったウイスキー原酒を、ワイン樽など別の樽に詰め替え、数カ月から数年の追加熟成を行うカスクメイツの元祖でもあります。
 
このキンタ・ルバンはポルトガルのポートワインの最上級である「ルビーポート」の熟成樽で仕上げの熟成を行った意欲作。
「キンタ」はポルトガル語で『ワイナリー』、「ルバン」はゲール語で『ルビー』の意味。
公式ではブラックチョコレートとミントの風味が立ち、ベルベットのように滑らかな口当たりですっきりとした味わいとなっているようです。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはハチミツの芳醇な甘みに、バニラエッセンスのデザートのような甘み。
奥からレザーの酒質が香りたちます。
アタックはさほどなく、これぞウイスキーといった芳香がしますね。
 
味わいは口当たり滑らかで、優しいハチミツ、クリームケーキのコク、奥から大麦の若草、アニスのスパイスでフィニッシュ。
甘みから酸味まで青リンゴのような味わいです。
 
 
 
■  グレンモーレンジィ14年の考察
 
キンタルバンは赤ワイン樽による熟成ですが、それでいて香りの芳醇さや味わいの爽やかさが珍しくマッチしたウイスキーに仕上がっています。
カスクメイツの元祖としてグレンモーレンジィのブレンディングは秀逸です。
 
 
 
※画像は公式ホームページから
 
TALISKER
18 YEARS OLD
 
ISLAY SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
NON CHILL-FILTERED
NON COLOUR
 
産地:スコットランド
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:45.8%
樽構成:ヨーロピアンオーク・リフィル・シェリー樽
希望小売価格:700ml / 13,000円
 
 
色:琥珀色
トップノート:3
アタック:2
香り:ヨード、ハチミツ、ヘザー、モルト、茹で卵
味わい:タバコ、黒蜜、モルティ、ビターチョコ、ペッパー、キウイ
アルコール感:3
ピート感:5
 
 
 
総評:4.2
 
 
 
■ タリスカー18年について
 
クラシックモルトシリーズがリリースされてから18年後にリリースされたのがタリスカー18年。
タリスカー10年はアメリカンオークのリフィル樽で熟成させた原酒を使用していますが、
この18年は3割程度、ヨーロピアンオークのリフィル樽(スペインでシェリーの熟成に使用された樽)
で熟成させた原酒を使用しています。
年間数量限定でリリースした商品は、瞬く間にウイスキーラバーの間で評判になり、
そして翌年の2007年に行われたWorld Whisky Awards(以下WWA)に出品されます。

このイベントは1年に1回最高のウイスキーを選ぶため、審査員がブラインドテイスティングを行い、世界1位を決める大会です。158のウイスキーを3回にわたって審査し、最終先行に残ったのはわずかに5本。そして3月初旬にロンドンで行われた最終審査で栄えある1位になったウイスキーです。

 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちはヨード香が漂い、茹で卵の蒸れた香り。
草花のようなドライ香に大麦麦芽の甘さ。
奥からスモーキーさも発せられています。
アタックはさほどなく、香りの良い芳香ですね。
タリスカーあるあるの弱めの芳香です。
 
味わいはヘザーピートのスパイシーな刺激とフローラルに鼻に抜ける熟成香。
タバコの煙。
ビターチョコレートの芳ばしいコク。
モルティの甘みも感じられます。
酸味はドライマンゴーのよう。
余韻は口中をしびらせるホワイトペッパーのスパイスが長くフィニッシュ。
 
 
 
■  タリスカー18年の考察
 
さすがタリスカーの分かりやすい煙たくてスパイシーで旨味ある酒質です。
10年を8年寝かせばこうなるでしょうという段階を感じることが出来ます。
熟成香は芳醇でふくよかだが、スパイシーさでキレの良い淡麗さも感じます。
エグミも全くないことを踏まえると、先に飲んだゲームオブスローンズVer.は考えたブレンドなんだなということが分かるというもの。
タリスカーに15年と21年ってあるんでしょうかね?この区切りの熟成ウイスキーも知りたいところです。
 
 
※画像はキリンホームページから
 
 
FOUR ROSES
SINGLE BARREL
KENTUCKY STRAIGHT BOURBON WHISKEY
 
産地:アメリカ合衆国 ケンタッキー州
原料:グレーン、モルト
容量:100ml
アルコール:50%
樽構成:アメリカンオーク新樽
市場小売価格:750ml / 5300円
 
 
総評:4.5
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:4
香り:溶剤、木材、キャラメル、バニラ
味わい:キャラメル、コーヒー、デーツ、木材、ピンクペパー
アルコール感:4
ピート感:4
 
 
 
■ フォアローゼズについて
 
『バーボン』の成り立ちは1700年代後期にブランド銘柄でお馴染みの、エヴァン・ウイリアムスやエライジャ・クレイグが始祖と言われています。そしてフォアローゼズはそれらより100年くらい遅れて、1888年の創業になります。しかもこのころのアメリカはすでに800もの蒸留所があったみたいです。
 
1865年に4年にも及んだ南北戦争が終わり、勝利を収めた北部の資本がケンタッキー州に流れ込んだわけですよね。
フォアローゼズもその同じ流れを汲んだ企業といえるみたいですね。
創業者のポール・ジョーンズ氏はジョージア州アトランタの南部出身で、ケンタッキー州のルイビルに移住してローレンスバーグにてフォアローゼズを興したといわれています。
 
 
当時は禁酒法やウイスキーの人気の低迷が拍車となり、ケンタッキー州にピーク時には200あった蒸留所も12蒸留所まで減っていきました。今では近年稀に見るウイスキーブームも相まってクラフト系蒸留所がかなり増えてるみたいですね。
 
 
 
■ フォアローゼズ シングルバレル
 
フォアローゼズのウイスキー造りは、他のウイスキーメーカーと違って10種類のフレーバーの異なる原酒レシピを混合させて作るみたいです。原料から瓶詰に至る過程や詳細な原酒レシピさえHPに記載されてるのは好感を持てますね。
シングルバレルのレシピを見ると、1番のOBSV「マッシュビルB」と「酵母V」の組み合わせになっています。
そして7年から9年かけて熟成された一樽から230本あまりのウイスキーをボトリングするみたいです。
 

※本国ホームページから切り取り

 

この表めちゃくちゃ「粋」ですよね!!!

どのフレーバーのレシピか分かるし、製造工程すべて自社完結してるからこそ出来る業でもありますね。

日本のメーカーにも見習ってほしいかも。

最近キリンフォアローゼスのホームページがリニューアルされ、このレシピが日本語版として公開されるようになりました。

とても読みやすく分かりやすいです。ぜひ見てみて下さい。

 

 

 
 
 
■ テイスティングノート
 
香りはバーボン特有のケミカルな香りやホワイトオーク樽由来の木材のエキス感がアーモンド香としてトップノートに現れます。
キャラメルのような甘さが立ち込め、バニラエッセンスの香りと芳醇なアルコールが鼻を抜けます。
 
味わいは濃厚なキャラメルの甘みと、香りにも現れたバーボン特有のケミカルさがコーヒーの苦味となり舌にざらつきを残します。
アメリカンオークから析出した酸味はドライデーツのようで芳ばしさがあります。
余韻にまで残るピンクペッパーのスパイシーさをともなって口中と唇をしびらせフィニッシュします。
ストレートで鼻に抜けるこれぞバーボン香は大人の嗜みを教えてくれます。
 
 
 
 
     
※画像は公式ホームページから
 
 
THE SINGLETON
18 YEARS OLD
SUBLIMELY SMOOTH
 
SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
 
産地:スコットランド スペイサイド地区
原料:モルト
容量:100ml
アルコール:40%
樽構成:ヨーロピアンオーク樽、アメリカンオーク樽
小売価格:700ml / 9,800円
 
 
色:琥珀色
トップノート:3
アタック:2.5
香り:バニラ、ゴム、レザー、プラム
味わい:水飴、ブラウンシュガー、麦わら、ホワイトペパー
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
 
総評:3.5
 
 
 
■ ダフタウン蒸溜所について
 
スペイサイド地区中心部で1896年に設立されたダフタウン蒸溜所。豊かな土壌と良質な水が得られるこの土地で、伝統的な製法と何世代にも受け継がれるクラフトマンシップで、良質なウイスキーを作り続けています。非常にゆっくりとした蒸溜工程と、ヨーロピアンオーク(シェリー樽)・アメリカンオーク(バーボン樽)両方で熟成されたウイスキーから造られているため、非常になめらかで親しみやすいシングルモルトに仕上がっています。
ダフタウン蒸溜所で造られる原酒のほとんどは、「ベル」などのブレンデッドウイスキーに使われています。
 
 
 
 
■ ザ・シングルトンについて
 
「シングルトン」というウイスキーブランドは3つの蒸留所が使用していて、この方式は世界でもこれだけです。
普通は単一蒸留所が何個かブランドウイスキーを所有し販売するものですが、シングルトンはその逆になります。
3つの蒸留所とはグレンオード、ダフタウン、グレンデュランになります。
この3つともにブレンデッドウイスキーの原酒として使用され、シングルモルトウイスキーとしては年間生産本数は少ないみたいです。中でも日本で手に入りやすいのがダフタウン蒸留所のシングルトンになります。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはバニラのような香り。
ゴム系のリコリス香。
蒸留過程のフェインツによるレザーや書庫のドライな香り。
ドライプラムの香ばしさ。
香りたち弱めでアタックもほとんどありません。
 
味わいは口当たり滑らかなテクスチャ。
水飴の優しい甘み。
ブラウンシュガーの香ばしさ。
ほのかに麦わらの草感。
ホワイトペパーのほどよいスパイス。
熟成香が鼻を抜け余韻はほどよく伸びる。
 
 
 
■  シングルトンダフタウン18年の考察
 
少し期待外れな感が否めません。
ダフタウン12年の美味しさに惹かれてこの18年は結構期待していたのですが、まあ普通です。
しかしながら美味しさはあります。
18年の熟成香は円やかではありますが、クーッと口中に広がるアルコールは長熟ならではの味わいです。
そうか、若い12年は40%でもメリハリがありますが、18年で40%のままだと円やかさが悪目立ちしてしまうのかもしれませんね。
個性的なウイスキーだったり、刺激的なウイスキーに疲れてきたときに一人しっぽりと嗜むのはダフタウン18年が最適なのかもしれませんね。
普通のウイスキーだが長熟の余韻は欲しい人にうってつけですね。