※画像は米公式ホームページから
 
WESTLAND
SHERRY WOOD
 
AMERICAN SINGLE MALT WHISKEY
 
NON CHILL-FILTERED
NON COLORING ADDED
 
産地:アメリカ
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:46%
樽構成:バーボン樽、シェリー樽
希望小売価格:700ml / 8,800円(終売品)
 
 
色:焦げ茶
トップノート:4
アタック:3.5
香り:トフィー、モルト、黒糖、バニラ、レーズン
味わい:オイリー、シナモン、カルダモン、カヌレ、ショウガ
アルコール感:3.5
ピート感:1
 
 
 
総評:3.8
 
 
 
■ ウエストランド蒸留所について
 
2010年にワシントン州シアトルに誕生したシングルモルトウイスキーの新興蒸留所がウエストランドです。
創業者のマット・ホフマンはエジンバラの大学で蒸留学を学び、モルトウイスキーのイロハを習得したが、スコッチの再現ではなくアメリカらしさを押し出す地元ならではのウイスキー、テロワールを実践しています。
スコッチではウイスキーの味わいの8割が樽由来だが、ウエストランドでは5割になるようにモルトフレーバーにこだわって調整してるみたいです。
 
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはトフィー菓子の厚みある甘み。
それらは大麦麦芽の蒸した甘みも。
黒糖のような芳ばしさやバニラの甘みも感じられます。
奥に若干レーズンの甘みと酸味が感じられます。
アタックもあまりなく、シェリーカスクウイスキーの中ではトップに良い香りかなと思いました。
 
味わいは口当たりオイリーで滑らか、どっしりシェリー。
シナモンやカルダモンのようなピリッと酸味あるスパイス。
カヌレのような洋菓子の甘み。
樽材のエグミがほんの少し覗きますが良いアクセントになってます。
余韻は長くショウガが喉を温めるようにフィニッシュ。
 
 
 
■  ウエストランド シェリーウッドの考察
 
シェリーウッドはアメリカンオークと同じ5種類のモルトを使い、新樽とファーストフィルバーボン樽で3年間熟成させた後に、40~80年使用した本物のオロロソシェリー樽とペドロヒメネスシェリー樽をスペインから輸入し、シェリー樽フィニッシュ原酒を50%、シェリー樽熟成原酒を30%バッティングしてるみたいです。
かなり本格的でレシピの内容が透明性あって好感持てますね。
 
 
※画像は公式ホームページから
 
 
WESTLAND
AMERICAN OAK
 
AMERICAN SINGLE MALT WHISKEY
 
NON CHILL-FILTERED
NON COLORING ADDED
 
産地:アメリカ
原料:モルト
容量:30ml
アルコール:46%
樽構成:アメリカンオーク
希望小売価格:700ml / 7,500円(終売品)
 
 
色:焦げ茶
トップノート:3
アタック:3
香り:レザー、バニラ、ゴム、トフィー
味わい:バタースコッチ、漬物、ショウガ
アルコール感:3.5
ピート感:1
 
 
 
総評:3.8
 
 
 
■ ウエストランド蒸溜所について
 
2010年にワシントン州シアトルに誕生したのがウエストランド蒸留所です。
創業者はマット・ホフマンとエマーソン・ラムの二人です。
アメリカンウイスキーといえば「バーボン」ですが、バーボンはケンタッキー州で製造工程に厳しい制約が課せられたウイスキーですね。
そしてケンタッキー州以外でのウイスキーとなると普通に大別してアメリカンウイスキーとなります。
そのなかでウエストランドはアメリカでも珍しい「シングルモルト」を製造するメーカーとなったわけです。
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちはレザーのドライな刺激。
ほんのりバニラの甘さがあり、ゴムタイヤの香り立ち。
樽香の芳ばしさはトフィー菓子のよう。
アタックはさほど感じず、芳香はグッドスメル。
 
味わいは口当たり滑らかで、バタースコッチの甘み。
若干漬け物の酸味が現れ、そのあと甘みとスパイシーさが支配します。
スパイスはショウガのような清々しさ。
おそらくバーボンカスクによるアメリカンオークなんだろうと思いますが、芳ばしく甘い味わいはなんとも言えません。
 
 
 
■ アメリカンシングルモルトの考察
 
アメリカのシングルモルトですが、スコッチを飲んでるかのような完成度で新鮮というか違和感というか味わい深いものがありますね。
この深い色に芳ばしい味わいはメーカーズマークを思わすのもがあります。
満足感のある重めの飲み口や鼻に抜ける芳醇なアルコール香はブレンダーの腕になりますね。
これをプレゼントとして貰ったら喜ばないウイスキーマニアはいないでしょう。
 
・熟成期間は最低で3年、平均4~5年。
・原料は5種類のペールモルト、ローストしたペールモルト、ミュンヘンモルト、EXスペシャルモルト、ブラウンモルト、ペールチョコレートモルト。
・酵母菌はビール用のベルジャン・セゾン。
・熟成は新樽が主でアメリカンオーク材。
 
 
■ ウエストランド アメリカンオークの終売
 
ウエストランドでは設立当初から「テロワール」を掲げており、原材料をアメリカで完結する方針により、初のシングルモルトウイスキーの3種類はテロワールが確立できて来たのでこの度終売となっています。
 
 

 

 
TAMNAVULIN
RED WINE CASK EDITION
[ FRENCH CABERNET SAUVIGNON CASK FINISH ]
 
SPEYSIDE SINGLE MALT
SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド  スペイサイド地区
原料:モルト
容量:700ml
アルコール:40%
樽構成:アメリカンオーク樽、フレンチカベルネ・ソーヴィニヨン 赤ワイン樽
小売価格:3,850円
 
 
色:茶褐色
トップノート:3.5
アタック:3
香り:プラム、ブラウニー、黒糖、トフィー
味わい:ハチミツ、プラム、レーズン、アニス
アルコール感:3
ピート感:0
 
 
総評:4
 
 
■ タムナヴーリン蒸留所について
 
タムナヴーリン蒸留所は1966年スペイサイド地区に建設され、スコッチ界隈としては比較的新しいメーカーになります。
蒸留所名はゲール語で「丘の上の水車」を意味し、リベット川沿いにあることから正式名称は「タムナヴーリン・グリンリベット」と言うそうです。
 
 

 
タムナヴーリンは基本的にブレンデッドウイスキーであるホワイト&マッカイの原酒を作っていますが、2010年ごろからシングルモルトとしても少量販売を始めています。
タムナヴーリンでは全てファーストフィルのバーボン樽で熟成されており、シェリー樽とワイン樽にて後熟を行い現在は6種類がリリースされています。
今回のレッドワインカスクエディションは3種類が展開されています。
 
・フレンチカベルネ・ソーヴィニョン・カスク(ISC2020・2021金賞)
・スパニッシュ・グルナッシュ・カスク(ISC2020・2021金賞)
・ジャーマン・ピノノワール・カスク
 
 
 
■ テイスティングノート
 
香り立ちは全体的に洋酒を含んだブラウニーケーキのような甘み。
熟したプラムのような芳醇さ。
トフィー感も相まって黒糖のような甘み。
ワイン樽仕込みの熟成ある良い香りがしますね。
 
味わいは口当たり滑らかでファーストタッチは芳ばしいハチミツの甘み。
樽由来のスパイスは円みを帯びていて、ほとんどトフィー感丸出しの芳ばしいカベルネ・ソーヴィニヨンの甘みが広がります。
余韻は心地よく口中をしびらせ、ほどよくオイリーに伸びやかにフィニッシュ。
 
 
 
■  タムナヴーリン レッドワインカスク[FCS]の考察
 
アルコールが40%まで落とされているにも関わらずコクの薄さを全く感じないのは、ファーストフィルのバーボン樽原酒による酒質の強さと赤ワイン樽のフィニッシュが効いているのは確かです。その上、加水でクドさも薄まるわけですから、次の一杯にも手が延びるブレンドに仕上げていると思います。
これがカスクストレングス仕立てだと、グレンドロナック カスクストレングスっぽくなるんでしょうかね。
 
タムナヴーリンの現行品は、インターナショナル・スピリッツ・コンペティションにおいて金賞を獲得しています。
先に書いたように6種類リリースされていて、ダブルカスク、ホワイトワインカスク、シェリーカスク、レッドワインカスク3種の中のジャーマンピノノワール以外は全てが金賞という味のお墨付きです。
やはり酒質が良いこととブレンダーの腕でしょうかね。マッカランよりカスクのブレンドがうまいように思います。
このフレンチカスクを飲み終えたら全部味わいたいと思っています。

 

 

 

 
PURE MALT
BLACK
PRODUCT of NIKKA
 
BLENDED MALT WHISKY
 
産地:日本  千葉県
原料:モルト
容量:500ml
アルコール:43%
販売価格:2500円(税込み)
 
 
色:琥珀色
トップノート:3
アタック:3.5
香り:ハチミツ、熟したりんご、バニラ
味わい:ハチミツ、モルティ、シェリー渋み、スパイシー、たばこ
アルコール感:3
ピート感:3
 
 
総評:3.4
 
 
■ ニッカウヰスキー蒸留所限定ピュアモルトについて
 
ニッカウヰスキーが所有する2か所の蒸留所では、蒸留所限定で容量500ミリのピュアモルトウイスキーが販売されています。
ブラックとレッドの2種類展開で、ブラックは「余市」寄り、レッドは「宮城峡」寄りの原酒構成になるようです。
価格は税込み2500円で、蒸留所では人気商品の一つです。
宮城峡蒸留所3回目の訪問でようやく2種類とも在庫があり購入することが出来ました。
ちなみに有料試飲も出来ますので購入まではいらないなとお考えの方にうってつけだと思います。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちは熟したりんごのような芳醇香。
ハチミツやバニラの芳香。
樽のカラメル香が芳ばしく漂います。
熟成も相まってアタックは和らいでます。
 
味わいは口当たり滑らか。
ファーストタッチはハチミツの甘み。
そして奥にはバナナのような甘み。
中盤からアニスシードのピリッとしたスパイスが唇をしびらせる。
たばこの余韻でフィニッシュ。
 
 
 
■  ニッカピュアモルトブラックの考察
 
ニッカウヰスキーの基本熟成期間は5年から17年。
巷ではピュアモルトブラックの原酒構成には、余市蒸留所原酒の比率が多いといわれていますが、テイスティングしてみると、「余市」の特色はそこまで際立ってはいません。バーボン樽によるドライなブレンドが特徴としてしてるのかなと思いました。
 
香りにはアルコールの若さがあり、味わいにもベースが辛みを伴う酒質でありますので、そこまで熟成深い樽は使ってないのかなと思いました。
しかし「ザ・ウイスキー」ともいえる香りと味わいのバランスが整った仕上がりであることは確かでした。
 
 
 

※画像は公式HPから
 
CHVAS REGAL
AGED 12 YEARS
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ーミズナラー
BLENDED SCOTCH WHISKY
 
産地:スコットランド スペイサイド地区
原料:モルト、グレーン
容量:30ml
アルコール:40%
樽構成:ミズナラ樽後熟
希望小売価格:700ml / 4000円
 
 
色:琥珀色
トップノート:4
アタック:3
香り:りんご、サイダー、ラベンダー
味わい:胡椒、ビターチョコ、焼き麦、ハチミツ、アニス、森林
アルコール感:3
ピート感:1
 
 
総評:3.5
 
 
■ ミズナラ(水楢)の利用について
 
 
ミズナラ(水楢)はどんぐりの木として有名で、北東アジア圏の日本、朝鮮、樺太周辺に分布する落葉広葉樹になります。
水楢という名前の由来は水分が多く燃えにくいのが特徴で名付けられたみたいですね。同じ仲間のコナラより葉っぱが大きいので別名「オオナラ」とも呼ばれます。
 
本来は家具などに使われていた高級木材でしたが、第二次世界大戦でシェリー樽などが輸入できなくなったため、サントリーは苦肉の策で熟成樽に使うオーク材を日本で唯一取れる同じナラの木のミズナラを利用したのが始まりみたいです。
 
新樽での熟成利用では成分の抽出や色づきなど十分すぎる程で、かなりエグミが強く出てしまうみたいですが、2回、3回とリフィルを重ねると白檀や伽羅のようなスパイスが立つみたいですね。
 
 
 
■  テイスティングノート
 
香り立ちは熟したりんご。
サイダーの清涼感。
ラベンダーのようなフローラル香。
アーモンドのようなナッツ系。
それらを合わせた複雑な香りを発するのは、ミズナラカスクのお陰なのかなと思いました。
けっこう独特な香り立ちです。
アタックはまあまあありますね。
 
味わいはピリッとした胡椒のスパイスがファーストタッチ。
ビターチョコのような硬い甘み。
後からくるハチミツのような心地よい柔らかい甘み。
中盤から余韻にかけてアニスのスパイシーさや、ほどよい木材のエグミがサーッと鼻に抜けていきます。
それら複雑なスパイスがミズナラによる和のわびさびの風合いを醸しています。
 
 
 
■ おわりに
以前、シーバス18年ミズナラを購入しテイスティングしましたが、18年は芳醇さがあり後熟によるミズナラの良さをかなり引き出したカスクメイツだなと感じました。そして今回はそれより若い12年をテイスティングしてみて、やはり熟成度の違いの大きさを感じました。
簡単に言えばアルコールの「芳醇さ」が違うといったところで、18年は芳醇がゆえミズナラを引き込みやすい。12年は若いがゆえウイスキー本来のアルコールさを強めに感じるというところでしょう。
シーバスリーガルは12年物が4000円以下で購入できるので、入門編としても玄人の常飲酒としても相応しい一品になりますね。