元漫画少女の雑記帳 -81ページ目

ジェイムズ君(エロイカより愛をこめて)

おいら


彼の名前は「ジェイムズ君」。

ジェイムズでもジミーでもありません。

「ジェイムズ君」。

この「君」は名前の内に入っておるのです。


国籍は多分イギリス。

だけどもしかしたらどこか別の星から来たのかもしれません。

年齢も謎。

電話を通すと子供に間違われます。だけど多分大人です。

身長も謎。

謎な上に年々縮んでいます。初めは9頭身はあったのに、今や

5頭身くらいでしょうか。時々足も消えうずまきになります。

好きなもの

それはお金。しかも札ではなく小銭。

小銭の音がすると即座に反応し拾ってしまいます。そうして貯めた

お金は一つの金庫に収まりきらず、何箇所も隠し場所があります。


あとは惨めさ。

ふかふかのベッドで眠るより、むしろと古毛布を好みます。

縛られてゴミ箱につっこむ「KGB式」の留守番方法を好みます。

食べ物は残飯。美味しそうな食べ物写真を見ながら食べると

残飯は豪華料理の味に変化するそうです。


彼が出てくるとどんなに硬派に話が進んでいても、途端に貧乏臭く

なってしまうからアラ不思議。

ただ貧乏臭くなるだけじゃなく、実際に人間離れした能力で

時には邪魔をし、時には警察犬顔負けの臭跡捜査で効果をあげる。

お金の為ならエンヤコラ。限界を超えた能力をも生み出す不思議な男。

彼の登場により、かつての少女漫画の主役的ヒーローは

妙に庶民的になり、「スーパーマーケット」「腐ってドロドロのバナナ」

という言葉さえも自然に吐くようになりました。

少女漫画に登場する美男子にこんな言葉を吐かせるのは彼くらい?


女性漫画家の描く少女漫画でここまで壮絶なキャラクターというのも

大変レアだと思います。


また美しい物を好む読者には多少ウケは悪いかもしれません。

だけどなぜなんだろう(笑)。

私はこのキャラクターが愛しいのです。


ちなみにモデルはギターの神様、ジミー・ペイジ。

もし彼がドケチ体質じゃなかったら、このキャラクターも生まれて

なかったかもしれませんね。

ペイジがギターの神様なら、ジェイムズ君は小銭の神様ってとこ

でしょうか?


エロイカより愛をこめて(32)  「エロイカより愛をこめて」青池保子 1~32巻

                (現在「プリンセス」で連載中)


エロイカより愛をこめて(18)    文庫版 現在1~20巻

関連本・作品   『エロイカより愛をこめて』の創りかた

           青池保子公式キャラクターガイドブック

           魔弾の射手    Z(ツェット)

「ラリサ・ミハイロフ」(はいからさんが通る)

はいからさんが通る(5) はいからさんが通る(4) はいからさんが通る(7)


「はいからさんが通る」にも美形の名脇役たちが多数

登場します。


さらに男性の美形たちはみんな揃って主人公の紅緒の

事が好きだけど紅緒は少尉一筋で、その少尉も満州で爆撃を

受け、記憶喪失になり・・とマジメに考えると悲劇的な要素も

たっぷりなのですが、それは主人公やお貞というユニークな

キャラクターたちがカバーして、笑いあり涙ありの名作となりました。

そしてこの作品には主人公たちの恋の障害として登場しながらも

実はとても人間らしくてそして立派な女性たちが登場します。

一人は紅緒の親友である北小路環。

初めは少尉に憧れていましたが、紅緒と彼が婚約した(させられた)

後は、意外と短期間であっさりと諦め以降ずっと彼らの理解者として

傍に居続け、やがて少尉の部下を追いかけて日本を離れた格好いい

女性です。


更にもう一人。

こちらは少尉と紅緒のファンからは嫌われていそうですが、少尉を

戦場から救い出し、彼が自分の夫サーシャ(ロシア人。少尉とは

母親が同じ兄弟。少尉は父親が日本人のハーフ。)

にあまりに似ていたので、彼を夫の代わりにしてしまったロシア人女性。

子供の頃読んでた時は邪魔者として嫌いな存在だったのですが

大人になって読んでみると決して憎めないし、かわいそうな人なんだと。

さらに穴場の関東大震災のシーンでは・・正直うるうると来て

しまいました。

彼女はロシアの貴族の娘で内気な性格。

女の子たちに人気のサーシャをこっそり見つめているような、

奥ゆかしい少女でした。

ところがこのサーシャと結婚する事が決まり、幸せいっぱいだった時

ロシア革命・・・。その時多数の貴族たちが殺されたそうですが、

彼らはなんとか脱出します。

なのに軍人だったサーシャは彼女たちを守るために囮になり

そのまま・・。


彼女は彼の母親(少尉の母でもある)とも別れてしまい、一人で

彷徨っていた時に偶然被弾して息も絶え絶えになっていた少尉が。

そして記憶がなかったので「サーシャになってもらった」のです。

その為に紅緒をはじめ伊集院家の人たちは、彼が戦死したものと

悲しい思いをしたたし、大変罪深いことをしてしまったのだとは

思うのですが・・・彼女の側として考えると、彼女の行為はただ

悪だとは決して思えません。いや、悪い事ではあるんですけどね。。

憧れの人とやっと結婚してこれからという時に革命・・。

彼は自分たちを守る為に死んでしまう。

更には家族とも生き別れ、貴族の大人しいお嬢様がたった一人で

大陸を彷徨い続けていた時に出会ったのが愛しい男と瓜二つの人。

状況考えるとね・・・。

彼の記憶が戻った時は異国の地だったし、なかなか

「じゃあ実家に帰れ。さよなら」なんて言えないでしょう。

しかも結核にまでかかってしまって・・・。
まだラリサが強い人ならそうしたんでしょうけど、彼女はとても弱い人。


それでも地震の時自らを犠牲にして少尉を救い、紅緒の元に行って

詫びて欲しいと涙を流す・・・。

単純なのかもしれないけど、彼女も強くなったんだなと思いました。

物語としても彼女の存在は重要だし、悪に徹し続ける事も出来ない、

だけどもう孤独になるのは恐ろしい弱い女性。


そんなわけで実は私はラリサさんも好きなのです。

私にとって「名悪役」というのは考えたらいないかもしれん。

「クソ悪役」ならいるでしょうけど。


はいからさんが通る(3)  「はいからさんが通る」コミックス版 全8巻

はいからさんが通る(2)  「はいからさんが通る」文庫版 全4巻

はいからさんが通る ◆20%OFF!  はいからさん映画版・・


「霧野疾風」(伊賀野カバ丸)

カバ


80年代、アニメ化に収まらず映画化までもされた人気作品の

「伊賀野カバ丸」なのですが、この作品にも沢山の名脇役が

登場しました。美老人の素顔を隠した才蔵じいちゃん、

「まんぷく亭」のおかみスーばあちゃん、才蔵じいちゃんの

若かりし頃の恋人!?蘭ばあちゃん、影の総長の身分を隠し

普段は品行方正な沈寝さま、のぐそかお・・・コホン・・

野々草かおるさん、主人公のカバ丸(本名 影丸)の思い人で

後に奥さんとなる大久保麻衣などなど。

その中でニヒルな魅力で下手すると主人公よりも人気がありそう

なのが、彼の兄弟子である霧野疾風(はやて)。

彼は皮ジャンとジーンズが似合う忍者。

なぜ血の繋がりもない伊賀野の家で忍者の修行を受けたのかは

番外編である「出逢い」(この番外編はマジで泣けたよ~)に

詳しく書かれておりまして、これでまたさらに疾風ファンは増えたこと

でしょう。

彼は初め裏切り者の悪役として描かれてきました。

カバ丸が通う「金玉(きんぎょくっっっですわよ)学園」のライバル校、

王玉(おうぎょく)学園の為に他校の内情などを探ったりという

まさに密偵の仕事を影で引き受けていたわけです。

だけど彼は悪に徹する事は出来ず、最後の最後に格好いいところを

見せてくれ、そして格好よくまた伊賀の忍者として山に帰っていく

わけですが、連載当時何人の少女たちがあのへんのシーンで

とろけたことでしょう。ふっふっふっ。

だけどこの後にしばらく続いた番外編(コミックスだと9~12巻)や

さらにカバ丸と麻衣の子供が主役の続編「伊賀野こカバ丸」でも

相変わらず格好いいところを見せてくれています。

また、こカバの最新刊5巻に亜月裕さんと俳優の中村俊介さんが

対談しているのですが、その中で亜月さんが疾風の少年時代の

構想も考えているとおっしゃっていたので、これは少しだけ期待して

いいかもしれません。

忍者は格好いいんだけど、どうもカバ丸は「やきそばーーっっ」

「おおくぼまいーーーっっ」とイマイチ格好よさに欠けている部分が

多かったけど、この兄弟子の登場でびしっと場の雰囲気もさらに

良くなったと初登場のマラソン大会の話で思いました。


まる  「伊賀野カバ丸」本編1~8巻 番外編9~12巻、

        「出逢い」「じゃぱにーず・ひーろー」

伊賀野カバ丸(外伝 1)  「伊賀野カバ丸」文庫版 全4巻、番外編全3巻

伊賀野こカバ丸(5)  続編「伊賀野こカバ丸」1~5巻


「ミケ」(動物のお医者さん)

動物のお医者さん(第2巻) 動物のお医者さん(10)  うう・・かわいい。


生き物を飼ってる方、家にいるペットにセリフつけて遊んだり

きっとこんな事言いたかったり思ってるのかなあと想像した

事ありませんか?

空のごはん皿まで誘導して「にゃーにゃーにゃー」言ってたら

おなかへってんだなあというのはわかるけど、さらにセリフを

つけると実に面白い。

「みかん絵日記」のみかんみたいに可愛らしい言葉でも面白いけど

もっと面白くするにはちょっとひねってみる。

「にゃーにゃーにゃーにゃー」

(訳:ちょっと●●さん、これは嫌がらせですか?このワタクシの皿に

何も入ってないだなんてっ!息子もこんなヨメどこが気にいって・・略)

だの

(訳:このカラの皿を見ると一句詠ってみたくなるのう。

「はらへりや むなしくおかれる カラのさら」ふっ)

(訳:あんたちょっとゴハン入ってないやん。ご・は・ん!

教えてやるけん、はよ出しい。んまんま言って食べてやるけん)

など想像するともれなく可愛さも増します。・・・多分。


で、このミケはただの猫。特に変わった特徴もないただの猫。

人間語を喋るわけではなく、ごく普通の猫の動作に関西弁のセリフを

つけている。またそれがとても良く似合う。

どちらかというと画風もあってかほのぼの風味の作品の中で

ある意味過激派として登場するけど、なんにも特殊なところはない。

ただの猫。

小鳥やカエルを見れば普通に狙うし、しつこい子犬はうっとうしいからと

怒って追い払う、おなかがすけばとりあえず何か食べる、

知らない猫を見るとなわばりを主張する、おいしいものは良く知ってる、

飼い主が本や新聞を読んでたりなどすると邪魔をしてくる。

全然普通。

猫の性格にもよるけど、大抵の猫は同じような行動パターンを

するでしょう。

なのに猫の気持ちをセリフとして吹き出しなしで、さらにそれを

関西弁(舞台は北海道)にしてしまうと一気にいい味付けが

出来るからとても不思議。

動物のお医者さんに出てくる動物は犬の方が有名になって

しまったけど、そっちはちょっとハスキー犬としては不自然な

シーンも割りとあった。(つか、あんなに大人しいのはマレだ。

シーザーなどがとても自然。)

だけど特にブームにならなかったとはいえ(良かった・・)

こんな猫の自然な姿を面白おかしく表現した漫画も

案外少ないんじゃないかなと思ったりするのでありました。


動物のお医者さん(第1巻)  「動物のお医者さん」コミックス版 全12巻
動物のお医者さん(第1巻)  「動物のお医者さん」 文庫版 全8巻


「姫川亜弓」(ガラスの仮面)

アユミ  


漫画だけじゃなく小説、映画、アニメーションなどなど"物語"

には必ず「脇役」は登場するものだけど、主人公を食ってしまう

脇役、主人公を引き立てる脇役、そして主人公のライバル的

存在として位置付けられている脇役・・実に色々いる。

そして名悪役と名脇役との違いはと考えてみたけど、それが意外にも

難しいと思う。というのは主人公の優位に立ち、あまりもの環境や

才能の違い、それによって主人公は惨めな気持ちになったり

相手を憎んだり。またあえて主人公をいじめてみたり、心とは

裏腹にあえてきついことを言って主人公を奈落の底に突き落とす。

そんな脇役たちもいる。

ただ主人公を窮地に陥れる人間が悪役と簡単に処理も出来ない。

主人公を上から見下げてツンとすませば悪役だという事もない。


昔の少女漫画の典型的な「悪役の少女」たちで良くあったパターンが

お金持ちで美人で非の打ち所がなかったりする。性格もクール。


名脇役・姫川亜弓も登場したばかりの頃はそんな位置付けだった。

両親は有名な映画監督と大女優。家は豪邸で使用人も多数いる。

母譲りの美貌と演劇の才能を生かし、幼い頃から光り輝く舞台の上で

公私共々過ごしてきた典型的なお嬢様。


主人公・北島マヤに対してもあえて挑発するような態度を取ったり、

コンプレックスを刺激するようなキツイ事を言ったりなどして

気の弱い主人公を激しく落ち込ませたりもする。

だけど彼女はただの意地悪ではない。

早期から主人公の演劇の才能を見抜き、主人公を笑う素人たちを

逆に「そんなことも気づかないで、バカは貴方たちね」と突き放す。

主人公が別の女優に陥れられたときも、その女優に近づきしっかり

落とし前をつけてしまう。どれも主人公の目の前でやらないところが

潔くて格好いい。

思い返せばこの脇役によって主人公は何度もピンチを脱したり

一歩前進していたりする。

しかしそれを主人公がやっと気づいても、決して暖かいだけの友情

にはせず、あくまでライバルとしての関係を築こうとしている。
もう誰よりも・・主人公よりも演劇が好きなのだ。

素人ならライバルが一人でも減れば安心するし少し達成感を感じる。

だけど彼女はライバルが必要なのだ。

常に緊張する事で更に才能を伸ばそうとする。

これもきっと家庭環境などが安定しているからこそ出来る技だと思う。

根がしっかりしているから、多少の事で惑わされる事もない。

未だにまだ根がしっかりしていない主人公に対して、決して甘やかさず

時には厳しく時には優しく時には敗北感を感じる。


このお嬢様の潔さ、格好よさ、演劇に対する真剣な姿勢・・・

これは本来なら主人公を応援している読者さえも魅了していく。

そして物語を更に深く厳しく仕上げていく。

更に名脇役の意外な素顔等も出されてしまうと、主人公よりもこの

脇役に魅力を感じ、応援してしまうようになったファンも

案外数多くいるんじゃないかと思う。


姫川亜弓たちについて考えてみると、結局名作になる話というものは

主人公ではなく、脇役たちの影響が実は大きいんじゃないだろうかと

思わされました。

実際に主役より魅力のある脇役を彼女自身が何度も演じました。

それによってその舞台はかなりの賞賛を浴びることに。

これはこの作品の中の劇に限らず、物語制作全般にも共通する

事なんだろうと思いました。


で、核心の「紅天女」ですが、演劇に対する姿勢や情熱などを

考えると個人的にはこの脇役が勝ち取っても全く異存がない。

なにやらコミックス未収録の話では、彼女が失明したりなど

するらしいが、そのエピソードを今後使うんだろうか?

そんなことをすると姫川亜弓が主人公状態となっちゃったりして。
とりあえずそういうエピソードを42巻(しくしく・・)では全く出さず

温存?破棄?したのは正解とは思います。


このままだと本当に主役が入れ替わってしまったりしてね。

その位この脇役には魅力が大きいと思うのです。

ガラスの仮面 1~42巻 美内すずえ/作  「ガラスの仮面」 コミックス版 1~42巻

【古本】ガラスの仮面 1~10巻セット  「ガラスの仮面」文庫版 1~22巻