元漫画少女の雑記帳 -82ページ目

「刀自古郎女と布都姫」(日出処の天子)

日出処の天子(第1巻)


特に主役である厩戸王子のファンから何かと嫌われている

ように見受けられる女性の登場人物たち・・。

蘇我毛人の妹である刀自古(とじこ)と

毛人の子(蘇我入鹿)を産んだ布都姫。

実は私は2人とも結構好きです。

この2人がいたからこそ面白くなったとも思うのです。

刀自古は実の兄に対する恋心を実らせようと、実に自分勝手で

後先を考えない暴挙に出て、その結果兄をどん底に突き落とし、

自身は王子の形だけの妻になって以降修羅の道から抜け出せ

なくなってしまう。

布都姫は蘇我と物部というたとえは悪いかもしれないけど

ロミオとジュリエットのような関係である蘇我毛人と相思相愛では

あるが、なかなか恋を成就出来ず、苦難を経て結ばれても

子を産んだ直後に亡くなってしまうお姫様。

彼女の存在は厩戸王子を嫉妬に狂わせてしまう。

そして王子が布都姫に対してやってしまった事がばれた時

王子は毛人を完全に失ってしまう事になる・・・。

王子と毛人の奇妙で微妙な関係を応援するファンにとっては

彼女たちの存在は大きな障害物であり悪役でもあるのでしょうが、

物語全体を考えると彼女達の存在はなくてはならない

重要な脇役たちだと思うのです。

彼女達がいたからこそ話はより深刻に、狂気に満ち溢れ
あの衝撃的なラストの為に必要であり、またそれを読者にしっかりと

納得させる事が出来、漫画としても面白くなったと思うのです。

とはいえ彼女たちは揃って不幸です。

過ちを犯したために、その後の人生も破綻した女・・

好きな人とやっと結ばれ子も出来、これからだという時に

死んでいった女・・
どちらも不幸です。

そして彼女たちの周りの男たちも不幸です。悲しくなるほどに。



正直救いのない話ではありますが、ここまでの名作に仕上げたのは

やっぱりこの女たちの存在の大きさだと思うのです。

という事で彼女たちも名「脇役」として挙げておきます。

(やっぱりどう考えても「悪役」とは思えないんだよう・・)


日出処の天子 全11巻 山岸凉子/作   日出処の天子 コミックス版 全11巻
日出処の天子(第1巻)   日出処の天子 文庫版 全7巻



「セレム」(エイリアン通り)

エイリアン


「エイリアン通り」とは「CIPHER(サイファ)」などでおなじみの

成田美名子さんの初の長期連載作です。

この作品は80年代の明るくてポップなイメージと、主役である

シャール君に心奪われた元少女たちも多いのではないでしょうか。

明るくてハンサムでアラブの王子様で・・という理想的な主人公の

影に沢山の脇役たちもいるんだけど、特にその中でも名脇役といえば

このセレムじゃないでしょうか。

彼は子供の頃からシャールに仕え、もはや使用人なんてレベルではなく

彼の兄・心の支え的存在でもあります。

シャールのキラキラとした明るさと、セレムのどこか暗い影。

この光と影の調和がまたバランスよく取れていて、

セレムがいるからシャールが、シャールがいるからセレムが引き立つ・・。

主役を光らせながらも存在感も大きいし魅力もある。

これも名脇役の条件じゃないでしょうか?
・・なんて彼を見てそう思うのです。

連載当時は主役派とこの脇役派に別れていたりもしましたっけ。
あなたはどちらのファンでしたか?


エイリアン通り 全8巻 成田美名子/作  「エイリアン通り」コミックス版 全8巻

エイリアン通り(ストリート)  文庫版 全4巻

「エーベルバッハ少佐」(エロイカより愛をこめて)

エロイカより愛をこめて(第29巻)


名脇役の中の名脇役というとこの男を思い浮かべます。

え?なぜ少佐?

そう思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、彼は元は脇役

だったのです。主役は伯爵の方でした。

ところが作者と読者の愛を得たのと、初登場時からの存在感の

大きさで気づくと主役の座を意外と短期間で得て、以後現在も

名主役として頑張っています。

こういうパターンも漫画界ではレアじゃないでしょうか?

そして彼が主役になった途端、作風もガラリと変わり、ハードボイルド

的要素と、かつての主役たちのコメディ要素が見事にマッチし

今も男女不問で人気のロングラン作品となりました。

伯爵好きな私でもこのまま伯爵が主役だと、ここまで人気が出たか

どうだろうかとちょっと悩むところ・・・かも。


そういう面でもこのかつての脇役は、作品に対しての貢献度も大きいと

思ったりするのです。これぞ名脇役の中の名脇役たる所以です。



エロイカより愛をこめて(32)  「エロイカより愛をこめて」青池保子 1~32巻

                (現在「プリンセス」で連載中)


エロイカより愛をこめて(18)    文庫版 現在1~20巻

関連本・作品   『エロイカより愛をこめて』の創りかた

           青池保子公式キャラクターガイドブック

           魔弾の射手    Z(ツェット)

Z-Ⅱ~DIE FRAU AUS DOR

Z君   涙で終わった恋心・・


「Z」の第二話からサブタイトルがつくようになりました。

そのサブタイトルが表示されているのは、話の一番ラストです。


ちなみにこの話が発表された時は本編では「アラスカ最前線」

記事 )と殆ど同じ時期のようです。

(参考:青池保子作品リスト(80年代)

つまりお金のプリントゴッコにジェイムズ君が歓喜したり、

ボーナム君の「NATOのおっさん」発言があったり、

少佐と伯爵は狼に襲われたり、ソ連の原潜の中で大暴れした上

戦闘機を奪ってソ連から無事に帰還してきたりとド派手な話が

進行しつつ、サイドストーリーではこんなに切ない話が展開されて

いたのですね。(涙)


まだまだ若く任務中でも綺麗な女性はチラチラと見てしまうZ君

ですが、この任務では年上の未亡人と知り合い、密かに恋をし

そして目の前で展開された悲惨な出来事により涙を流します。

もしかしたら少佐もこんな目に遭ったのでしょうか・・

涙を流すZ君へのフォローが優しいのです。

傷が痛いから涙が出るというZ君に対し、初めは傷が痛い位で

べそかくなといいつつ、ぼそっと「彼女のことは忘れることだ」。

ああ、やっぱり分かってらっしゃる。

いつかこういう新人時代の少佐の砕け散った恋の話も読んで

みたいなと思いつつ、伯爵がもしその事実を知れば嫉妬に

悶えるのかと想像すると・・・くすくすっ。


第二話は「NATO エーベルバッハ少佐」というメモだけを遺して

死んでいた男、そして少佐の元に送られたボルト一本、

東側の企業スパイ、東ドイツからの逃亡者というハードな素材と、

この死んでいた男の妻の悲しい事情・・そしてZの恋心という、

まさにローデが言ってた非情で暗くて陰惨なスパイ物語

となっています。

Z君は東側のスパイ探しのために、コンピューター技師となって

問題の企業に入り込み、未亡人と接触します。

初めは「コンピューターおばさん」(彼女、まだ20代なのよう)

と恐れていたZ君だったけど、次第に惹かれていく・・

そして非情な東側のスパイ。

彼はこの未亡人を利用していた。

彼女は東ドイツに人質に取られた弟の為にスパイ行為に

協力していた・・。
そして最後に彼女が選んだ決断は・・・・・・。


もうあんまりだよ・・Z君が可哀相だ。

だけどこういう悲惨な経験をしてまた一歩成長したZ君。

本編でも「あいつ結構悲惨な経験しているからなあ」と

先輩に言われている彼ですが、間違っても

「あれは1980年のデュッセルドルフだった・・・・。」

なんていつか出来るかわからない後輩に語る事はないでしょう。


個人的に選んだ名セリフ

「スケベ心をおこすな。彼女は美人だ」(少佐)
・・・・Z君のこと良くわかってらっしゃる・・・・

「いい匂いだな・・どこを見ているんだバカ!」(・・Z君)
・・・・若いっていいなあ・・・・

「少し窓を開けます。あなたの香水によっぱらったみたいです」

(Z君)

「彼女はすてきだ。ボンドでなくて残念だけど」(Z君)


「ぼくの任務はまだ終わっていません!」

(撃たれたものの彼女を助けようと必死なZ君  泣)

「さようなら・・・やさしいスパイさん」(レナーテ)

「忘れてこい。次の任務につくまでにな。

仕事はきさまを甘やかしてはくれんぞ」(少佐)


「忘れてきます・・・・忘れます・・・」(Z君)


エロイカ年表

第9話「新しいじじつ」

ガラスの仮面メモリアル(全6種)    せんせえは人一倍丈夫だということ・・


さてさて早くも第9話です。

9話は「たけくらべ」のあらすじからスタートします。


このあらすじが終了して「つきかげ」の稽古風景へ。

そこでオンディーヌも同じ「たけくらべ」をやるとみんなが

知る事になります。

次はオンディーヌの門のシーン。

相変わらず「猛犬注意」の派手な看板と、走る車に向かって

吠える犬の姿・・(あほたれ・・)。

近所から文句言われないのでしょうか。

そして犬がわんわんわんわん言う中、亜弓さんたちは稽古をして

おります。

「やだねえ。おまえさん」←適当

「わんわんわんわんわん」

「およしよ、みどり」

「わんわんわんわんわん」

これならこれで面白いけどな。


で、またつきかげに戻りマヤの怒りの演技がダメダメと、せんせえ

マヤをぶちのめします。

原作ではかなり狂気に満ちていたシーンでしたが、アニメは

かなり抑えてますね。音だけで表現しちゃったりしてます。

「さんちゃんになんの・・」

「びしっ」

「さんちゃんになんの・・」

「ばしっ」

「さんちゃんになんの・・」

「ばきっ」
「さんちゃんになんの・・」

「べきべきべきべき・・・どかっ・・ズギューーーン・・」

「さんちゃんになんの・・」

「美しさは罪・・」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アレ?

とまあ、そんなシーンがありまして遂にマヤも怒りに燃えますが

原作では目の中に炎が出て、そのまま魔球でも投げそうな

雰囲気でしたが、アニメ版はそこまで再現してませんでした。

だけど声優さんすごいです。

声が急にエクソシストしてて迫力あったです。

そんなこんなあってマヤは紫のばらのはなびらで作った栞を見て

寝ます。

次のシーンは真澄さんち。

ここでちょっとびっくりよ。

真澄さんの部屋にはお母さんの写真が飾られております。

真澄母は原作では地味なお母さんという感じだったけど、アニメ版

ではとても家政婦とは思えない感じのキラキラ具合でした。

で、チビ真澄と「あははははは」と笑い合っている・・と。

なんでまたこんな・・・・。良くわかりません。


で、舞台稽古がオノデーラの陰謀により出来なくて、実にタイミング

良く、オンディーヌの舞台稽古が始まりそれを見たマヤは自信喪失。

そして小屋に閉じ込められるのですが・・

原作ではいかにも「物置小屋」という感じだったけど、アニメ版の

小屋はそのまま住めそうな感じ。結構綺麗で広いし、シンクのような

ものもちらっと見えました。

で、これがリアルで放映されたのはおそらく暖かい時期だと思う

のですが、gyaoでは今の時期。

アニメや原作でもひのシーンは真冬です。

雪が降って時々吹雪きます。

なのにマヤはいつもの超ミニスカ。

アニメの作画担当者の趣味なんでしょうが、あまりに超ミニスカだと

なんでだよと思うわい。

しかも今回は小屋内で倒れるマヤはパンツ見えそうでかなりキワドイ。

しかしなぜそこまで超ミニスカにこだわるんだろうと不思議。

チラリズムを「がらかめ」で追求してどうするんだ。

それなら月影せんせえでやれい・・・みたいな。


で、このシーンで楽しみにしていたのはやっぱりせんせえの顔です。

原作ではマヤの相手をしているせんせえの顔は見事なくらい

変わり、中にはとてもせんせえとは思えない位面白い顔も

あるので、そこらへんは半分諦めつつも楽しみにしてたけど

やっぱりカットされてました。ちっ。

そしてこうやってアニメになったものを見て改めて思った。


せんせえってば、人一倍体が丈夫です。

雪が降る中コートも着ず・・・いつもの格好(冬仕様?)で

5日間も夜間雪の降る中外にいる。

普通なら速攻で風邪ひきますってば。

なのにせんせえはせきこんでも決してコートなんぞ着ません。

こっそり外で見守るゲンゾーも持っているのは自分の傘のみ。

せんせえのコートは持っておりません。
ううう・・・コートじゃなくていい・・せめてジャンバー・・・。

せんせえから

「年寄り扱いするなァ!ばきっ」

とされるのが分かっているのでしょうか。

とりあえず多分いつもの服の下にはババシャツくらいは着ている・・?

結局稽古が無事終わり、亜弓さんとは別の美登利が誕生し

せんせえは倒れて気を失ってしまうのですが、心配する団員に

ゲンゾー「大丈夫。気を失っておられるだけです。」

風邪ひいて発熱してぶっ倒れたわけじゃない!!!

せんせえはやっぱり超人的な体力をお持ちだと思います。



・・・と、せんせえの老人パワー炸裂の一話でした。


元ネタ  第9話「新しい美登利」より


上の画像のせんせえとマヤはたけくらべの稽古中を再現したもの。

せんせえ・・・夢に出そうです。かなりホラーしてます。恐怖のアップ写真