元漫画少女の雑記帳 -75ページ目

バロン~猫の男爵/柊あおい

バロン


柊あおいさんというと「りぼん」で連載されていた星の瞳のシルエット

という作品を昔借りて読んでたなあと思い出す。

あの頃から20年程経ってまた彼女の作品と再会した。

絵柄も大きな変化があるわけでもなく、柊さんの世界はそのまま

だなと感じちょっぴり懐かしい気持ちがした。

(勿論上手くなっているんだけど、絵柄の個性は守っている印象)

この「バロン~猫の男爵」は「猫の恩返し」というジプリのアニメを

漫画化したものかなと思っていたけど逆らしい。

ジプリ側が柊さんに原作をお願いし描かれたものがこれ。

そしてこの作品を元にアニメ映画化したものが「猫の恩返し」

なんだそうだ。

たった1冊の漫画で描かれている世界はとても広くて夢いっぱい。

これぞりぼんの作家さんが作った世界だなあと思う。

映画の感想サイト を覗いてみると、子供っぽいとか少女趣味

なんて感想もあったけど、これが「りぼん」の世界なんだし

その「りぼん」の代表的作家が作った物語なので当然なのです。

だから映画も(まだ見てないけど)この原作に忠実に作られた

という事でしょう。

猫助けをした主人公にお礼だとうじゃうじゃとやってくる猫たちと

猫の王様。

王様はお礼に猫の王子と結婚させてやるという。

主人公は聞こえてくる不思議な声の言うとおり、白くて大きな猫を

探し、その猫の案内で男爵という猫の人形と出会う。

彼は人形でありながら動き、正義のヒーローのように彼女を

守る騎士のような不思議な猫人形。

主人公と大きな白猫は猫の世界に連れて行かれてしまうが

そこにいたのがリボンをつけた白い猫。

この猫は主人公が子供の頃に飼っていた猫・ユキで、いつの

まにかいなくなってしまってたのです。

愛猫との再会、そして猫の王様とバロン(男爵)との戦い、

そして愛猫との別れ・・と笑いあり涙ありスリルありという可愛い

作品なのです。

最後の方でユキはいいます。

「ここは人の世界にいられなくなった猫の来るところ」
そう。失踪したユキは事故死していたのでした。

猫飼いとして・・これは救いの話です。

うちも去年の春に猫を突然亡くしてしまいました。

だけどもしかしたら彼もこんな猫の世界に行ったのかもしれない。

死んだからといっておしまいというわけじゃない。

会いたいよ・・と泣いた事もあったけど、こんな楽しい世界に

いるのかもしれない。いたらちょっと嬉しい。

早いうちオカマになった上にシスコンだった彼が、猫の国では

猫王子のように恋をしてたら・・嬉しいな。

そして今いる猫は・・楽しい世界はあと10年先20年先(おい・・)で

いいから暫くはこっちの世界で付き合ってもらおう。

猫の国に行ったらまたシスコン男からベタベタ~だろうなあ。

そしてこの作品で柊あおいさんが以前よりもずっと大きくて広い

世界で活躍している事に嬉しくなったのです。

映画はまだ見てないけど、今度借りてみよう。


ジブリの猫たち   猫の恩返し/ギブリーズ episode2   ジブリコレクション耳をすませば・バロン(アクリルケース付き)「耳をすませば」(C)1995柊あ...

左から

「ジプリの猫たち」という本。売り切れなので探してみよっと。

「猫の恩返し」のDVD。

「バロン」のお人形。
漫画のイメージではロシアンブルーロシアンブルー ←これ
という感じだったバロンだけど、アニメ版では茶色で


アビシニアン アビシニアンっぽい感じなんですね。
(「みかん絵日記」のみかんのモデルにもなった猫っす)

シュリンクス・パーン

シュリンクス・パーン  読後感はいい話です。


孤独な子供がこう言う。

「人に愛してもらえない人間をパーンっていうんだって」

この子には親もいない。

どこからか逃げてきたようで、たった一人で森の中で

暮らしている。

食べ物は20キロも離れたお店に歩いて行きそこで盗むか、

オールド・バターシーハウスと呼ばれる人里から孤立した家

に1人で暮らす風変わりな男性から貰う。

食べたらすぐに出ていく事というルールもある。

この男がこの子に「シュリンクス」という名前をつけた。

シュリンクスとは美しい妖精のことで、醜い姿のパーンから

求愛され恐れ1束の葦に身を変える。

そしてその葦で笛を作ったパーンは、彼女を想いこの笛を

拭き続けたという伝説がある。

そして男は自分は「大きいパーン」と名乗り、奇妙で温かみの

ない関係をこの子とだけ築いていた・・。

その男が亡くなり、家を継ぐ事になったのが彼の甥のオシアン。

大きくてもかなり痛んだ家に不平をもらしながらもそこで暮らす。

叔父の遺言である「パーンを一匹世話すること」に疑問を

感じながら。

それからこのオシアンとシュリンクスの、人間と野良犬・猫にも

似た関係から、少しづつ変化していき、「良かった」と安堵する

ラストな話。たった42ページの作品とは思えない濃さです。

かといって話や絵を無理矢理詰め込んでいるというわけでは

ないのが山岸凉子さんの凄いところ。

「人に愛してもらえない人間をパーンっていうんだって」

主人公・オシアンの叔父が子供に教えた事。

子供にこんな事を教える叔父さんの気持ちはどうなんだろう?

親族にも人間嫌いだと言われていた彼が、シュリンクスだけは

異常な形とはいえ、傍に置いていたのはなぜなんだろう。

行く所もない子供を見てどう思っていたんだろう。


人間扱いをしていないのは分かる。

だけどペットや野生動物としての扱いというわけでもない。

彼は人間嫌いと称して他人を遠ざけながらも、実は孤独感で

いっぱいだったのではないだろうか。

他人と付き合うのは嫌だ・疲れる・辛い・余計に寂しい。

だけど完全なる孤独も辛い・悲しい。

そこに距離の大きい特殊な付き合いの出来る人間と出会う。

本当に人間嫌いならこの子も拒否したはずだと思う。

寂しいなら(嫌いでなければ)犬や猫を飼えばいい。

だけどこの子を傍に置いた。そして仲間を育てようとしていた・・

そうじゃないかと思った。


伝説の中でパーンが恋焦がれたものの拒絶したシュリンクス。

現実で彼が焦がれた暖かい他人=シュリンクス。

自らを「大きいパーン」と呼び、子供には「小さなパーン」と

名づける虚しくて変質してしまった仲間意識。

この子につけた「シュリンクス」という名前からも、彼の悲壮感・

孤独感が強く感じられて悲しいのです。

この奇妙な関係は手紙だけの友人、メールだけの友人などと

ある意味似ているような気がしてなりません。

またこの叔父のような人間も世の中には沢山いるのでは

ないかと思う時もあります。

勿論この作品そのままの生活・他人との付き合い方をしている

わけではなく、心の奥底に潜む問題として。

「愛されない人間」

愛さないと愛されないのが普通だと思う。

また愛したから愛されるというわけでもない。


彼は誰も愛さなかった。だから愛されない人間となった。

自虐的に自らをも「パーン」と読んだ彼が悲しい。

シュリンクス・パーン (文庫版)


奇子(あやこ)

手塚治虫漫画全集(197)   Girl in the box・・・  手塚治虫漫画全集(198)
手塚治虫氏の作品というと夢があったり感動したりわくわく

したり・・という印象があるけど、この作品は違う。

暗くて陰湿でそして異常。

それはこの話の舞台となる田舎の旧家も原因だろうと思う。

そして設定された時代。

時代設定は昭和24年から始まりそして40年代にポツンと終わる。

終わり方も実に寂しく読者は突き放された気持ちになるのです。

タイトルは「奇子」と書いて「あやこ」と読む。

これが驚く事に少女につけられた名前なのです。

そして実際に彼女の出生から異様な空気に満ち溢れています。

というのは・・彼女の父親は、彼女の母親の夫の父親だから。

自分が死んだ後の財産を渡すという条件で、好みの若い女性を

長男の嫁にし、そしてそのお嫁さんを妊娠させ産ませた子供

なのです。

夫である長男も、下に2人もいる弟、1人いる妹と分けるより

自分が独占した方がいいと奥さんを父親に抱かせる。

だけど嫉妬心等から妻の産んだ父親の子供を虐待する。

子供の名づけ親については書かれていなかったけど、

おそらくこの長男ではないかと推測してしまいます。


物語は次男が戦争から戻ってくる所から始まります。

彼はアメリカ軍の捕虜となっていて、抜け出す為にアメリカの

スパイとなりました。

恐らく戦争で失ったであろう眼球の跡に通信文を潜ませ

最後になっても正体不明だった組織からの任務を遂行します。

彼は死体を線路に置くという指令を出されました。

相手は共産主義の男。しかも妹の恋人でした。

任務はなんとか完了出来たものの、証拠隠滅する所を

使用人と僅か4歳だった奇子に見られてしまいます。

そして「見てしまった事」から更なる異常な生活を強要される

のです。

死んだ事にされ、土蔵の中に閉じ込められる4歳の女の子。

一族の中から犯罪者が出るのを恐れた親族・家族が、子供を

犠牲にしてしまったのです。

結果、以降15年近くも幽閉され成長した奇子は妖しくそして

異常な美しい女性に成長していきます。

そしてスパイである次男の人生も波乱万丈です。

家から逃げた後も人を殺し、闇社会で名を馳せるようになりながら

自分も死んだことにし他人としての人生を生きる事になるが、

組織とも縁が切れたようでありながら踊らされていただけの人生。

そんな彼は自分のせいで幽閉された奇子に責任を感じ、

多額の送金を続けているという心優しく義理堅い面もある。

奇子は暗くて狭い土蔵の中で、食べ物を運んでくる気弱な母と

勉強を教えてくれる三男としか関わりがない。

しかも母親が義父に抱かれているのを見てしまったり、兄の

くれた婦人雑誌に書いてあった性の記事を読んでしまったが

為に、彼女にはもうそれしかなくなってしまう。

勿論相手は三男しかいない。

昔から近親相姦を続けてきたというこの旧家の血を呪いながら

自らも妹を抱き、まともでありながらも狂っていく三男。

暗い・・なんて暗いんだ・・・

この奇子はなんてかわいそうなんだ・・・

読むと辛くなるエピソード満載なのに夢中になって読んでしまい

そして最終回で気が抜けてしまうようになるのです。

それにしても手塚さんというとブラック・ジャックやレオ、アトム、

サファイア姫などという正義の味方的なキャラクターも

生み出してきましたが、こんなに悲しくて残酷な救いのない

エロティックな話も生み出していたというのが凄いと思う。


成長した奇子の性しかない姿を見ると残酷で泣けてきます。

そんな彼女の王子様的・・サリバン先生的な役割のハナオとの

幸せな人生を期待してしまってただけに・・・とにかく悲しい。


またこの作品に取り入れられた下山事件 というのも現実に

あったそうです。結局犯人はわからないままだという事です。


文庫版 奇子(上巻)   奇子(下巻)


ドン・ペドロは実はちょっと嫌い

1巻   ふっ


実は私はドン・ペドロという人はあんまり好きじゃない。

「アルカサル-王城-」という作品そのものは好きなんだけど

ドンちゃんのキャラクターがそう好きじゃないって事なんだろうな。

実際あの時代の王様ってこんな感じで、歴史の本とか家系図などを

見ても、これは王様に限らず、ヨーロッパに限らず日本でも

そうみたいなんだけど、女の人は大変な思いをしてきたんだなあと

思ったりした。

この作品は凄く分かりやすく描かれているし、作者がアレンジして

いるけど、それでも「やなやつぅぅ」と思ってしまったりする・・。

特にブランシュ姫という・・親に決められたとはいえフランスから

お迎えしたお姫様を正妻にしたものの、彼女が何をしたという

わけではない。ただ自分が嫌いなお母さんに雰囲気が似てると

いうだけで速攻で幽閉してしまって、自分はというと愛妾マリアと

子供を4人も作るのが読んでて悲しくなってしまった。


もちろん当時の王家だから、身分とか政治的な事で好きな人とは

結婚するのも難しい時代。そして嫌いだからと追い返したり

離婚するわけにはいかないという不自由な時代だから仕方ないん

だけど、それでも悲しすぎるよ。こんな時代に生まれなくて良かった。

(といっても生まれててもおそらく平民だろうけど)

ただどうしてもブランシュ姫の気持ちに感情移入しちゃって、幽閉する

シーンなどは読んでてとても辛かったです。

私は青池作品は最初に読んだのが「エロイカ」だったから、その

青池作品でこんなに悲しい気持ちになるって驚いたし改めて

すごいなと思ったんだけどさっ・・。

で、マリアも何かと苦労をしてる。

命を狙われたり、従妹と子供作られてしまったり。

今は連載がストップしているけど、また更なる大変な苦労が待ち受けて

いるんですよね。あう。中世ってつくづくドロドロしてますね。

豪華でロマンティックなイメージがあるけど現実は・・。

で、あまり好きじゃないキャラクターなはずなのに、いつのまにか

夢中で12巻まで読んでしまう自分もいる。

彼の最期も調べてみて愕然としたけど、知ってしまうと青池版

ドン・ペドロの残り短い余生はどういう風になるのかもとても気に

なってしまうのです。

幸い「日出処~」のように子供たちがみんな死ぬという事はない

ので、残された子供たちのこの先の人生まで描いて欲しいな

という気持ちです。


・・なんだけど、密度の濃い青池作品。同時進行なんて多分無理。

「アルカサル」が再開したらまた少佐や伯爵、ジェイムズ君、

ロレンスたちに暫く会えなくなってしまうよね。そこが辛い。


ちなみにそんな私が好きな「アルカサル」のキャラクターは

どこかで見た柄(この遊びごころが嬉しい)の帽子を被る

エル・ラビとブランシュ姫、そして髪を切って着替えたら

Qの親戚ぽくなるロペス、部下E君の善良な顔に少佐のような

髪型のファドリケ。(ドンちゃんが殺してしまうのが・・泣)

あとはもういい加減にしつこいぞ~~!と言いたくなるような

性格を持つエンリケもちょっと好きだったりする。わはは。

ドン  好きな表紙の一枚だけど、これを見ると

脳裏で「暴れん坊将軍」のテーマがいつも流れ出すのです。

アルカサルー王城(第1巻)アルカサルー王城(第12巻)


スクラップブックは使い辛いね

私のブログの初期は背景が今と違っていた為、見づらそうと

思って、文字を太字にしていました。
でもその後なるべくシンプルに・・と白一色の今の背景となりました。


そうなると過去記事は読むだけで目が痛くなりそうな太字の連続。

まあ、過去記事まで読む方はかなり少ないとは思いますが

検索して来て下さる方は多いし、それでお気に入りの漫画を見つけても

いざ検索して到着してアレでは申し訳ないと思い、せっせと太字を

直していました。

そうなるとどんなに過去のものでもスクラップブックでは

一番上に来てしまうのです。

以前は日付順で整理されていたのに・・こんなのあんまりだ。


しかも自分で作ってみたブックは3つあり、どれも参加して下さって

記事を投稿してくれる方もいるのに、下の方へと流されてしまう。

まあ・・そんな理由で太字直しをしていませんでしたが、やっぱり

見てるとかなりキツイ。

投稿して下さった方ごめんなさい。

もううちのブログ宛でいいのでTBしたりなどして上の方に

遠慮なく上げて下さい。


そう・・・TBしただけで上に上がってしまうのです。

こういうのどうにかならないのでしょうか。

スクラッププックが全体的に盛り上らないという事ですが

こんな変なシステムだからじゃないのかな。