愛天使(セラピム)
この話はファンタジーな世界の裏側に、大人たちの悲しい
事情や悩み、子供たちの悲しさや悩みという現実的で
どろどろとした悪が凝縮されている。
表紙は少年と天使たちのとても美しい絵で、モノクロ印刷を
されているのがとても残念。
精神をわずらってしまった少年の元にやってくる天使。
天使は少年を優しく抱きしめどこかに連れて行こうとする。
そして親が離婚し、母親に育てられていた少女が出てくる。
彼女は母親が亡くなってしまい、位牌の前で父親に
「お父さんの家に下宿させて下さい」と言う。
再婚相手が家庭を壊し、母に苦労させ結果的に早死にさせて
しまったから・・という理由で、これは彼女の密かな復讐。
そして父親の家にやって来ると、腹違いの弟と妹、そして
派手な感じの父の再婚相手、お手伝いのいる家だった。
そしてもう1人・・天使に愛されたあの少年も。
彼はいわば隠されて育てられていたのを彼女が見つけて
しまう。彼はとても美しくて物静かな少年だった。
お手伝いさんに事情を聞いた彼女は少年の世話をし始め
少年も彼女を慕うようになる。
彼は言う。
「天使だよ。あの窓の中に。」
彼女もその窓を見ると天使の顔らしきものが見える。
また彼女は実際に鳥もいない所で大きな羽音を聞いた事も
ある。やはり天使は存在するんだろうか?
彼は言う。
「天使は湖の中に住んでいるんだよ」と。
そして2人が親しくなった時、彼の母親に見られてしまう。
彼は事故の後、自らを閉ざすようになっていたのだった。
母親がいくら語りかけても反応しなかったのに、先妻の娘とは
笑って語り合う息子を見た時、母親の心の中は嫉妬で渦巻く。
嫉妬に取り付かれた母親は、子供に対して言うべきでない事を
感情の波に乗ったまま話してしまう。
「婚約していた私たちの間を引き裂いたのはあなたの母親だ。
あなたが出来たという事で別れるはめになったのだ。
実際本当にあなたが旦那の子供なのかも分からないけどね」
彼女の中にある聖母のような実母の肖像が崩れる。
実際こういう問題は決して珍しくもない。
だけど一番悪いのは父親と実母であり、子供には何の関係も
責任もない。それは子供に言うべき事では決してない。
結果的にはそれで彼女は傷つき家を飛び出してしまう。
そして彼女が友達と湖でボートに乗って遊んでいた時、湖の
中で嬉しそうに天使に抱かれる弟を見る。
彼は溺死していたのでした。
葬儀の後、再婚相手は涙ながらに彼女に謝罪する。
「あなたが羨ましかった」
更に母親として今までとても傷ついてきたことを打ち明ける。
子供が事故の後、心を閉ざしてしまったことについて、医者から
「母親の愛情が足りない。母親の不安定な精神状態が
子供に反映するのだ」と言われたこと。
「まるでまるで狂人のように攻め立てられた」と・・。
この言葉は母親の心を切り裂いてしまっていた。
そしてどんな母親でもかなり心に突き刺さる言葉ではないか。
母親だけが悪いのか?
この話の裏側を読むと心にひっかかりを覚える。
彼女の父と母の件。
心を閉ざした少年の件。
なぜこの女性ばかりが攻め立てられ恨まれてしまうのか。
彼女だけが悪いのだろうか。
その裏側に潜むモノを見た時、言葉に出来ない不快感と
不気味な気持ちになってしまいました。
一見、天使に愛された少年の綺麗な話のようでも、裏側を
覗いてみると大人たちのどろどろとした念が渦巻いていて
とても不気味であり、考えさせられ、そして深い作品なのです。
(ちなみにこの作品は角川発行の「山岸凉子全集30・愛天使」に
収録されていますが、現状は手に入りにくい部類です。
文庫には今の所まだ収録されていないようです。)
少佐の年齢
野暮な事書くとアラスカだぞ
エーベルバッハ少佐たちの年齢・・・
なんか色々なサイトやブログを見ていると色々推測されていて
面白く読んでます。
で、実際いくつなんでしょう。
コミックス版16巻~19巻の「皇帝円舞曲」の中にちょっとしたヒントが
ありました。
「32年間眠り続けた女か・・・いやな相手だぜ」
という名セリフに注目。ふむふむ32年ね。
更に同じ「皇帝円舞曲」に「あいつはおれがおむつをしとった頃から
スパイをやっている」という少佐のセリフがあるのです。
ふむふむ、おむつをしていた頃ね。
で、少佐の母親代わりの執事さんのセリフ。
「ご主人さまはおむつも取れるのも早く・・・」
ふむふむ、おむつ離れが早かった・・と。
で、まさにおむつほぼ卒業の男がうちにいるわけですが、彼は3才。
特に早いというわけでもない。
という事は、「皇帝円舞曲」の少佐は32+3才以下・・つまり35才以下。
いくら少佐といっても、0才、1才におむつ卒業とはちょっと考えにくいので
2才なら・・うん。2才なら早い方だ。というわけで独断と偏見?により
あの頃で34才だと解釈しています。
伯爵は「失礼な・・私は少佐より若いんだぞ」(「9月の7日間」)というセリフ
があるので、それマイナス・・・どの位でしょう?20代後半位?
そして今の「ケルティック・スパイラル」の少佐は・・・
もうソ連崩壊が1991年とかそういうのはスルーしちゃいましょう。
マジメに歴史的事実と付き合わせれば、少佐も伯爵もとんでもない年齢に
なってしまうんだけどねっ。
ワタクシゴトですが、30過ぎたら途端に体力なくなったなあと
実感する次第です。
なのにこうして今も世界中を走り回る少佐の元気のよさ。
もうそれでいいじゃありませんか。ふっ。(なんてごまかす)
でも、高校の頃素敵だなあと思ってた「皇帝円舞曲」の少佐の年齢に
やっと追いついてきたんだなあと思うとしみじみしてしまうのです。
これからも永遠の30代で世界中を駆け回って欲しいです。
第18話「真澄のボタン飛ばし」
更には病室でも稽古。倒れ方が悪いと月影せんせえ
ビシバシ鍛えております。
・・・と思ったら次のシーンではさっさと病院抜け出して
いつもの服着て教会でまたもやビシバシと。
そしてすぐに真澄さんがやって来る・・展開速すぎ。
せんせえが病院の屋上でいらなくなった物干し竿を貰うなど
前置きは一切ありませんが、そういうのを削った理由は
すぐにわかりました。(もうね・・・・)
真澄さん来たらすぐにまたタイミング良くマヤが倒れ
起こそうとする真澄さんに「やめろ」と叫ぶせんせえ。
そしてマヤが腕から血を流す。驚く真澄。
原作そのままの急速な流れですが、急速にしたのは
わけがあった。
服を脱げと真澄。
そして・・・・・嗚呼・・・・・・もういい加減にしろ。
突然画面はスローモーション。
キラキラした背景・・・・
ぴよーんと飛び散るボタン・・・・
脱がす真澄とマヤの下着がプワーン・・・・
驚く真澄、怯えるマヤ・・
これがやりたかった為に倍速モードだったわけね。(呆)
こんなんじゃ、風邪ひいたマヤに口移しで水を飲ませる真澄・・
社務所で悶々とする真澄・・・
コートをくんかくんかと嗅いで「あの子の匂いが」な真澄・・・
いちれんが死ぬ前の晩のことも思い切り時間取るんだろうな。
ああもうっ。別の作品でやれっ(泣)
で、次はもうせんせえはまた強制入院させられていると。
そしていきなり真澄さんに思い出を語り始めるせんせえ。
この流れについていけません。
で、真澄さんにいちれんの自殺の原因はエースケよっと
せんせえは自信満々に言いますが、せんせえよ・・・。
もしアンタとの事が美人妻にばれたらどうしようと我に返ったとき
衝動的に自殺しちゃったのかもしれないじゃんよ。
表向き(遺書の内容とか)はたとえ別でも、
そりゃ書けないよ。劇団の若い子と浮気しちゃったから死にますとか。
で、その後は今度は真澄さんはマヤに進路について話してます。
オンディーヌに来たら云々。
そのバックはクリーニング屋さんなんだけどさ・・・
「ノムークリーニング」。
ノムーってなんだよ。ノムーって。
もうスローモーションでボタンがはじけ飛ぶ場面作ったら
どうでも良くなっちゃったんでしょうか。
次はもう中学の校長室。
校長先生がマヤに紫のばらを一本渡してる。すばやいぞ。
その後マヤは携帯男の学校へ。
バス停で女の子3人に囲まれ楽しそうなヤツを見て悲しく
なります。だがこの後すごい。
携帯男たちを乗せたバスが走り出したと思ったら急停車。
降りてくる携帯男。非常に迷惑な客であります。
バス停以外でドア開けてしまったら、その後何かと面倒
なんだってば。設定戻すの忘れたら料金が全部ずれて
後が地獄なんだってば。ひどい客だ。
で、マヤに「ヒースクリフ・・・うらやましかったよ・・・・」と
恒例になりそうな「・・・」多様のセリフを吐きます。
で、次はいきなり地下の喫茶店跡。そうです。劇場に
なるあの場所です。もう場面の変化が慌しすぎ。
この建物にはドーンと大きく「カフエ」とカタカナで書かれて
います。「カフェ」ではありませんよ。「かふえ」です。
でもこの「カフエ」に後で心霊現象が起こります。
向かいには大きなオリオン劇場。
で、またしても喫茶店跡に。みんなで修理してますが
なぜ教会が使えなくなったかなど一切説明もないので
原作を知らない人はわけがわからないと思います。
で、今度は万福亭。春さんがクビになってしまい、店主が
費用を出すという事で病院へ電車で向かいます。
そこで「嵐が丘」のマヤの記事を見て涙するというシーンの後
唐突にマヤと麗は禅寺に。なぜ禅寺とか一切説明は
ありません。・・とこんなに説明不足が続く回で、スローで
ボタンがピーン・・・ですよう。おかしいね。
そしたらもう本番です。
何人かのお客と亜弓さんと間島君。
弁護士役が少し小太り程度の人って事は、枕さんはあの人か。
随分とダイエットがんばったんだね。見習わなくちゃ。
「石の微笑」の話は淡々と進み、正直イマイチでした。
そしておケイさんが着ているマクドナルド・マークのシャツ、
あれ現実に売ってたら着る人いるんだろうかと思ってたら終了。
そして心霊現象は最後の最後です。
なんと・・・
「カフエ」が「CAFE」になっています。あーびっくり。(棒読み)
元ネタ「人形の役」
眠れない夜は・・・開き直る
特に意味はないけど・・
一時期続いた雑文だけど、ここ暫くはまともに本の事書こうと
ちょっとだけがんばってまして、久々の雑文となりました。
今何時だよ・・・。なんか眠れないので開き直って遊んでます。
それにしても早いもんです。だって明日は2006年ですよ。
なんかこんな時期に1人(息子は親が今日連れてった。)っつーのも
かなり寂しいというかなにやっとんだ・・というか、気楽というかって
感じではありますが、テレビのアンテナの配線がなんか良くわかんなく
なっちゃってテレビも見てないけど、スーパーによれよれと犬連れて
行くと年の瀬だなあとしみじみ思います。
スーパーの前に並ぶ正月飾り屋さん・・ああ年の瀬。
正月飾りは簡単な物なら100円ショップにあったし、売れなくなった
だろうな。子供の頃は大体の家や車があれを付けていたけど
最近はアレつけているといったら、お年寄りか物凄く変てこりんな
改造を加えたような車しかついてなかったりするし。
で、明日はもう初詣にカウントダウンに初売りだね。
カウントダウンは昔良く行ってました。その後カラオケ行って、お神酒と
称して朝までガンガン飲んだりと楽しかったなあ。
やけに正月の朝日がまぶしかった。ふっ。
でも今年は大人しくします。
2日から母が叔母んちで姉妹集まるらしく、息子も連れて行きたい
そうです。私は足も痛いし車もないので居残りします。
宗像教授の実家の神社(すごーーーく混む)に行きたかったけど
どうせ車ないし、父ので行っても駐車場入るまで渋滞で時間かかるし
足痛いしで、もう少しだけでも落ち着いてから行きます。
初売りも西松屋の福袋がなかなか良いと聞いて、行ってみたかった
けど、どうせ足痛いし車ないから(泣)諦めます。
だもんでお正月といってもなんか普段と変わらなかったりします。
ところで今日こんなサイトを教えてもらいました。
「■80年代■Disco♪文化♪ファッション♪世相♪
」
懐かしい曲とか文化など色々紹介してあり、特にたけのこ族の
ところではジンギスカンやアラベスク等も聴けるという。
もうジンギスカンはCD買ったし、車でもかけろと言われるので
あれからすっかりなじみとなりました。
きっかけとなったフラッシュはもう全然見てないです。たまに
ライブ動画見て堪能はしてしまうけど。
思えば今年の音楽・・といったらジンギスカンかもしれない。
氏は良く踊りを覚えたもんです。曲のラストのポーズなんて
最高さっ。(いいのかこれで・・・)
あとねこんなん教えてもらった。精神年齢鑑定Ver.4
。
私は・・・実年齢より少し高めでした。
嬉しいような悲しいような・・ちょっと複雑。みなさんはどうだろ?
しかしまあ早いもので今日で2005年もおしまいです。
今年はこのブログを作ってみて、その結果お友達も出来ました。
ありがとう。
もう時々後で読み返すと赤面するアホ文章も書くやつですが
来年も良かったらよろしく頼んます。
来年はみんないい年になりますように。
元漫画少女(なつかし・・)より愛をこめて
悪夢
夢と現実と・・。
山岸凉子さんが実際に起きた事件を元に作った作品というのは
岡山の村里で起こった津山30人殺しの「負の暗示」なども
あるのですが、この作品もそうなのです。
10才の時に2人の男の子を殺した少女が主人公。
実は気になって調べてみるとすぐに事件が実際に起こった事だと
わかりました。(メアリー・ベル )
作品では彼女は終身拘禁の刑を受け、現在も服役中とありますが
あの後出所し結婚して子供もいるそうです。
ストーリーはというと、夢と現実の区別がつかなくなった女性が
主人公。母親と暮らしており、ラドというボーイフレンドもいる。
そんな彼女は変な夢を見るんだと母親に話し出す。
小さな自分が裁判所にて話を聞かれていたり、氷の中に大人や
子供の死体があること、小さな自分が男の子ばかりの寄宿舎に
いて、からかわれていること、夢の中で少しづつ成長している事等。
そんな彼女に母親は
「なにをばかな事を言ってるの。あなたはずっとこの家から
学校に通っているでしょう。それよりもボーイフレンドとピクニックに
行くなら早くお弁当作らなくちゃ」と笑顔で優しく語りかけます。
作品を読んでいると彼女がおかしな夢を見ているんだなと
思ってしまうのですが、よくよく読むと出てくるボーイフレンドの
表情や顔の角度、ポーズがいつも同じだったり、母親がいつも
化粧をして綺麗にしていたりと不自然なのですが、普通に
読めばそういう事も特に気にならないのが不思議。
最後になって彼女の夢は現実で、現実として見ていたい夢を
夢で見ていたという複雑で悲しい現実が見えるのですが
それまで多少読者に不信感を抱かせつつも、悪夢を見続ける
かわいそうな美少女の不思議な夢に夢中になってしまうのです。
更に夢の中で一番大きな存在であった母親が、実際には
プレゼントも贈ってくれない事も分かり、彼女が何を切望している
のかが分かって更なるどん底に突き落とすというストーリー
作りはもう見事としか言えません。
文庫版だと「タイムスリップ」
にされています。
その他、朝日ソノラマから出ているコミックス「鬼来迎」などにも
収録はされていますが、手に入れにくいです。
事件についての本「マリー・ベル事件
」
