妖女伝説 2巻/星野之宣
どれも歴史的史実や昔話・伝説を作者が怪しく悲しい
ストーリーにアレンジしています。
絵柄は線も太く男性的ですが、少女漫画にどっぷり漬かって
きた私でさえみるみるうちに引き込まれ、読後は代表作
「ヤマタイカ」まで揃えるに到りました。
(そのヤマタイカは友だちに貸したまま戻ってこん 泣)
歴史に興味がある人は勿論、そうじゃないけど恐い話や
不思議な話は好きだという方にもおすすめです。
個人的には1巻・長編のクレオパトラの話やキリストの話
もかなり面白いけど、2巻もたくさんの不思議な話が
詰まっています。
【ローレライの歌】
ドイツのライン川(エロイカファンにはお馴染みかな。)の
ローレライ伝説をベースにしています。
主人公である少年はなぜか名前が一切出てこず話は進行します。
なぜ名前が出てこないのかは衝撃のラストでわかります。
少年たちが川で桶ボートで遊んでいると、崖の上で歌う
女性の姿が。これはその歌を聴くと船が沈没するという
ローレライなんだろうか?
【カーミラの永い眠り】
ガラスの仮面で亜弓さんが演じたアレです。
(乙部のりえを潰したあの伝説の舞台ね。)
という事でこれはヴァンパイヤ伝説がベース。
19才の少女カーミラの突然の自殺、それから半年後
その時駆けつけていた看護婦・ジョルジアは彼女の屋敷に
招かれます。そこで起きた恐怖の惨劇。
ラストぱ驚いた!この作者は大ドンデン返しが上手い。
【月夢(げつむ)】
こちらはかぐや姫伝説と800年生きたという八百比丘尼
をベースにしています。
八百比丘尼といえば手塚治虫の「火の鳥 異形編」を
思い浮かべますが、こちらの話も恐くて面白いです。
またかぐや姫ベースといえば清水玲子さんの「輝夜姫」も
ありますが、月夢はじんわりとした恐さがあって好きです。
歴史雑誌の記者に語る彼女の気が遠くなる程の半生。
そして冒頭に出てくる日本人宇宙飛行士の正体とは?
・・・・読むしかないです。
【メドゥサの首】
こちらはギリシャ神話でお馴染みのメドゥサ伝説がベース。
やたらとリアルな石像がいくつも出て来ますが・・
「誘惑したのはあなた・・・魅入られたのは私・・」と
夜中に動き出しそうな迫力です。(すいません。また
エロイカの話だ。「魅入られたのは・・」は。)
ついでにメドゥサは髪の毛がヘビで、その姿を見て
しまうと石になってしまうと言われています。
日本人少女が訪ねたギリシャの美女の館には多数の
(伯爵がヨダレたらしそうな)歴史的美術品がありました。
それらは彼女に雇われた青年が海底から引き上げてきた物
なのですが、その青年に恋をする少女と、少女の若さを
実はねたんでいる美女。
ラストは思わず「うわっ」と声が出てしまった位恐い。
【挽歌】
雪女伝説がベース。とても不思議な女性たちの話。
恐い話ではあるけれど何か泣けた。
【日高川】
悪魔の花嫁の嫉妬に狂った文楽人形の話を思い出しました。
でもこちらも絵がリアルな分恐さが増しました。
人形の嫉妬という共通点もあり、なんとなく似てはいますが
良かったら両方共読んでみて下さい。
【歴史は夜つくられる】
これは面白い!
もしタイタニックに伝説の女性スパイ、マタ・ハリと
「アラビアのロレンス」でお馴染みのTEロレンスと
(くどいようですが、SISのロレンスじゃないですのよ。)
そしてロシアの怪僧・ラスプーチンが乗り合わせていたら?
更にラスプーチンがKGBのエージェントで、他にも
尼僧に変装した(シスターエロイカではないですの。)
KGBの軍団も乗り込んでいたら?
たった30ページとは思えない濃い内容です。
エロイカファンにもアラビアのロレンスファンにも
是非是非読んで欲しいです。
こういう話、エロイカの番外編でも読みたい気もする。
【ボルジア家の毒薬】
有名なボルジア家の話をベースにした話です。
エロイカファンにはおなじみの絵画も出てきますが
それはあえてスルーして・・と。
ヨーロッパ中世の歴史の本には大抵登場して、ファンも
多いというチューザレやルクツィアがふんだんに出てきます。
(ついでにウンチク。少佐と伯爵がローマの地下通路を
掘っていて、風呂場に出てくるシーンがあります。
悲鳴をあげた全裸の美女はそのルクツィア、悲鳴をききつけて
駆けつけながらもしっかり妹の裸を見ているのは
チューザレなんだって。青池さんの遊び心にやられましたぜ)
このチューザレとダ・ビンチとカテリーナ・スフォルツァ
(中世イタリア全土に勇名をはせた女傑・・らしい)が
絡んだとしたら?そしてルクツィアの恐ろしい本性とは?
これらの短編で構成されている、とても密度のある一冊です。
一巻もとても面白いので良かったら併せて読んでみて下さい。
妖女伝説 全2巻 星野之宣 600円 なんか安いね
完全版妖女伝説(vol.1)
完全版妖女伝説(vol.2)
文庫版
1巻
2巻
今日のふたり/池田さとみ
個人的にはあまりハズレのない池田さとみさん作品。
最初は東盛先生から入ったのですが、冒険物あり、恋愛物あり、
オバケ物あり、仕事物あり・・と、ジャンルも幅広くかつキャリアも
長いので沢山本も出ています。
有名なのだと「適齢期の歩き方」だろうか。
その中のこれは短編集になります。
【ようこそ】
いきなりの旦那の「好きな人が出来たから離婚して」の
びっくり発言により、主人公・佳子(かこ)は結婚一年半で
バツイチになってしまいます。
彼女はリサイクルショップを経営する祖母の元に身をよせます。
そこで昔好きだった人と偶然の再会。
作中の
「ただの汚れたガラクタでも、欲しいと思う人には
ピッカピカなのよ」というおばあさんの言葉がいい!
【Mポイント】
ダイビングの海中ガイドアシスタントの七海。
彼女には過去の汚点があった。
好きだった人が実は既婚者だったこと。
その彼がダイビングに参加してきた。
と、同時にちょっと「ヤナヤツ」なお医者さんも参加。
恋愛ってそうすんなり上手くいかないもんだな。
【あ~ん!!】
個人的にはこれが一番好きだったりする。
付き合いで参加したお見合いパーティで出会った
ちょっと変わった歯医者さん、きっかけは主人公・千晶が
歯医者嫌いでほっておいた虫歯がパーティの時に
死ぬほどうずき、それを救ってくれたのがその歯医者さん
だったりするんだけど、池田さんらしくほんわかした
締めくくり方で読後優しい気分になれます。
ただ現在絶版中。中古探すしかないのが難点です。
犬を飼う/谷口ジロー
また読みたくなった本が、この「犬を飼う」です。
初めてこの本と出会ったのは、この本が新刊コーナーに
あったのを見つけた時だったから、早10年以上前になります。
とてもかざりっけのない素朴だけどとてもリアルな絵柄と、
淡々と語られる作者の愛犬の一生に涙しました。
漫画を読んであそこまで泣いてしまったのは今のところ
この本だけです。
動物を飼うとその死も経験する事になります。
だけどその死はただの悲しい出来事で済ますだけでなく
その動物が与えてくれたいろいろな思い出を
残してくれた事を感謝したいと思うのです。
以前私は愛犬を亡くしました。
その時は鬱になり、俗に言う「ペットロス」の状態に
なってしまいました。
だけど飼い主がそれでは犬は心配でいつまでたっても
天国に行けないと訓えられました。
動物の死を悲しむのは当たり前のこと。
だけどただ悲しむのではなく、最期に
「今までありがとう」
と、感謝して天国に送り出したい。
そう思うのです。
この本もある犬の一生の物語です。
その中の老いから死までを中心にまとめた話ですが
色々と考えさせられる部分も多数あります。
「死」とは何か?
私もわかりません。
ただ肉体と魂が分離する?
その魂が転生して新しい命になる?
わかりません。
だけど、死に対して、涙と共に
「今までありがとう」とその子に対して
感謝したいのです。
そして肉体と魂は送り出しますが、思い出だけは
一生大切にしていきたいのです。
この本は動物を飼っている人にも飼っていない人にも
是非読んで欲しいです。
驚いた事にまだ増刷され続けているそうです。
更に文庫版も出ているようです。
この本が読者に問いかけること、作者のメッセージを
感じ取って下さい。
そして今動物が傍にいる方は是非抱きしめてあげて下さい。
そして死を迎えた時「もっとこうしてあげたかった」と
後悔をしないように、たくさんたくさん愛情交換して
あげて下さい。
最期に「ありがとう。君がいてくれて本当に良かった」って
送り出してあげるために・・・。
そしてこの本は死の悲しさの次に、生の希望の話が収録されています。
決して長年生きてきた犬が死んだ・・という絶望感で終わりという
わけではないのです。
いわば生と死についての一冊と言ってもいいと思う。
だけど決して難しい内容ではありません。
「生」の方の話とは・・
犬を亡くした作者夫婦の元に捨てられていた雌猫が託されます。
この猫はその時既に妊娠していました。
そしてこの家の猫となってから出産。
産まれてきた子猫たちの強さ、愛らしさ、今から生きていくんだと
いう希望。と共に捨てられて人間不信になった猫が本当の意味での
「この家の猫」となるまでの変化。
以前、「死を知って生を知る」なんて言葉を聞いた事があります。
(生死が逆だったかも・・・)
一冊読んでそうなんだなと感じました。
この猫の話と並行して、親の離婚・再婚により傷ついた少女の
心の葛藤、反抗、そしてその変化についても表現されています。
とてもとても内容の濃い特別な一冊です。
「犬を飼う」文庫版
「犬を飼う」通常版
今日、灰になりました。
今日は朝から出勤しました・・・が、昼前で帰されました。月曜までしっかり治してこいと言われた。あーあ・・。病院も行ってきました。インフルエンザだって。でも息子たち(すんません。両親にもうつしました。現在父が寝込んでます。)は高熱が出たのに、私はそうでもなかった事を言ったら色々なパターンがあるそうです。月曜まで外出控えてゆっくりします。散歩も治るまで近場で我慢してもらいます。
今日はそういうわけで一旦帰宅し弟宅へ行って、そのまま猫を火葬してきました。
物凄くあっけない別れでしたが、個人的にはその方がいいと思っています。
かなり前に愛犬を亡くした時、私は思い切りペットロスになりました。
その時言われたのが
「飼い主は出来るだけ引きずるな。でないと動物はそれが
心配で天国に行けなくなるから」と。
なので昨日は私も弟(泣けたらしい)もそれぞれ涙して
今日は「天国で頑張って来い」という気持ちで・・
別れではなく見送りをしてきました。
弟はずっと一緒だった分ペットロスがとても心配だけど
その時は、以前ドッグセラピーのボランティアやってる
人に「素質がある」と言われた愛犬を派遣します。
そりゃ私だって寂しいけど、ペットロスを経験して
ボロボロになった事もあるから犬に頑張ってもらう。
人間大好きで優しいわんころなので、彼女は上手く
やってくれると思います。
私もへこんでもいられない。
見送ったのだから。
ご心配かけてしまってごめんなさい。
そして数々のコメントありがとうございます。
幸い?まだパソコンも使えるようなので、
いらん事考えないためにも今日は更新します。
長生きしてね