これほどまでに
生活が、
破壊されてしまう。
ここに人が
暮らしていたなんて
想像もできない。
たった数匹の猫を飼い、
そこに、飼い主の
高齢や病気が重なって、
普通の生活が、
たちまち
壊れていく。
きっかけは、
道端で可哀想な子猫を
拾っただけ、
だったかもしれない。
癒されたいと
1匹の猫を飼いはじめた、
それだけ
だったかもしれない。
けれど、
私たちが入った
多頭飼育の部屋は、
人が、
生きていける場所では
なかった。
猫を飼うことに、
これだけのリスクが
あることを、
私たちでさえ、
毎回、
毎回、
思い知らされている。
この現状を
何年か前から
行政や議員、
国にも投げかけてきた。
市議会や
国の予算委員会分科会でも、
何度も取り上げていただき、
尼崎市では、
多頭飼育不妊手術助成金や
多頭飼育危険度チェックシート
などの対策ができてきた。
が、
こうしてまた、
多頭飼育崩壊が
勃発する。
行き場のない猫が
次々に溢れてくる現状に
ただただ、
途方に暮れている。
泥沼やな・・
私たちは、
社会は、
この問題にどう取り組んで
いくべきなのか。。。
成城大学「学びの森」
打越綾子先生の
「動物問題と社会福祉政策
~多頭飼育問題を深く考える~」
全6回を受講しました。
私たちも、多頭飼育問題や
高齢者とペットの問題に関わることが
多くなっています。
知っているようで知らない
福祉の組織や仕組み、
それに関わる法律のことなど
いろいろ学ぶことができて、
とても貴重な機会でした。
多頭飼育問題では、
動物愛護と福祉の連携が大切と
言われていますが、
講義の中では、
多機関・多職種の連携
というお話しがありました。
医療や福祉では普通に、
使われる言葉で、
支援を必要な人が、
社会的に孤立し、
家族的問題を抱えていて、
経済的な問題もあり、
健康上の問題もあり、
法的な問題もある
というように、
いくつもの問題が
絡み合っている場合、
関連する職種の方々が集まり、
連携しながら問題を解決しながら、
より良い支援を行っています。
その支援が必要な方が
ペットを飼っている場合、
私たちも、
多職種連携の会議に
呼ばれるようになりました。
たしかに、
医療や介護関係の方だけでなく、
弁護士さん、民生委員さん、
社協の方、
時には警察の方などが、
参加されていて、
それぞれの立場で
具体的な対策を出し合い
かなり踏み込んだ
意見交換が行われていました。
意外なほど私たちの話にも
耳を傾けてくださり、
問題解決に向かおうとする
真剣さが、
普通の会議とは
まるで違う気がします。
福祉の皆さんとの
連携が進めば、
動物の様々な問題も
解決が早まるのではと
思えてきました。
そもそも、
動物の問題は、
人の問題ですもんね。
講師:杉本彩
内容:
◆第2部 パネルディスカッション
パネリスト:
杉本彩
中島克元(神戸市獣医師会会長)
津久井進(兵庫県弁護士会会長)
コーディネーター:細川敦史
テーマ:
動物虐待事案に対応できる
福祉の方からの
連絡。
高齢者さんが緊急搬送され、
容態は不明。
『大丈夫ですか?』
『まだ、何もわかりませんが、
介護士が付き添っているので』
とのこと。
高齢者さんは一人暮らし。
歩くのもちょっと大変な状態なので、
いろんな福祉の方が関わっています。
14歳の猫を
とてもとても
大切に飼っていて
その猫さんのことで
何度か相談を
受けていたことから
高齢者さんの今後、
介護の方針をどう進めるか?
というようなミーティングに
呼んでもらうようになりました。
蚊帳の外?
蚊帳の中?
それまであまり実感は
ありませんでしたが、
緊急の時、こんなにすぐ連絡が
くるんだとビックリしました。
こういう時どう対応するか
福祉の方とも共有できているので、
双方慌てることもありません。
いざという時、つなげようとしても
そんなにうまくはいかないと思います。
つながるのではなく、
つながっていることの大切さを
ますます感じます。
高齢者さんは、
それほど大したことはなく、
入院せずに済んだそうです。
『ということで、キャサリン(猫)のお世話は、
通常モードに戻してもらって結構です』
と連絡が入りました。
キャサリンは
高齢者さんの生きる支えに
なっています。
一日も長く元気でいてもらって
14歳のキャサリンを
最後まで
見守ってもらわないと
いけないのです。
そのことを
福祉の方と共有できていることが、
前進したなぁと思います。



















