講師:杉本彩
内容:
◆第2部 パネルディスカッション
パネリスト:
杉本彩
中島克元(神戸市獣医師会会長)
津久井進(兵庫県弁護士会会長)
コーディネーター:細川敦史
テーマ:
動物虐待事案に対応できる
福祉の方からの
連絡。
高齢者さんが緊急搬送され、
容態は不明。
『大丈夫ですか?』
『まだ、何もわかりませんが、
介護士が付き添っているので』
とのこと。
高齢者さんは一人暮らし。
歩くのもちょっと大変な状態なので、
いろんな福祉の方が関わっています。
14歳の猫を
とてもとても
大切に飼っていて
その猫さんのことで
何度か相談を
受けていたことから
高齢者さんの今後、
介護の方針をどう進めるか?
というようなミーティングに
呼んでもらうようになりました。
蚊帳の外?
蚊帳の中?
それまであまり実感は
ありませんでしたが、
緊急の時、こんなにすぐ連絡が
くるんだとビックリしました。
こういう時どう対応するか
福祉の方とも共有できているので、
双方慌てることもありません。
いざという時、つなげようとしても
そんなにうまくはいかないと思います。
つながるのではなく、
つながっていることの大切さを
ますます感じます。
高齢者さんは、
それほど大したことはなく、
入院せずに済んだそうです。
『ということで、キャサリン(猫)のお世話は、
通常モードに戻してもらって結構です』
と連絡が入りました。
キャサリンは
高齢者さんの生きる支えに
なっています。
一日も長く元気でいてもらって
14歳のキャサリンを
最後まで
見守ってもらわないと
いけないのです。
そのことを
福祉の方と共有できていることが、
前進したなぁと思います。

2ヶ月ぶりの定期訪問のとき、
白黒猫さんの口内炎の悪化が発覚。
口もかなり痛そうで、
元気もありません。
口の周りや身体の汚れが
目立っています。
高齢者さんは、
病院で診てもらって
ほしいとのこと。
優しくておとなしくて
いつも高齢者さんに
くっついている白黒さん。
早速、猫さんサポートサービス
の方につなぎました。
ちょっとした猫のお助けを
とても低価格で
やってもらえるサービスです。
福祉の現場の方や高齢者さんが、
ペットのことで困ったなぁ、どうしよう?
と悩むことでも、
私たちなら簡単に
出来てしまうことが、
意外と多いのです。
伊丹の動物病院にて診察中。
ついでに鼻水猫さんもいっしょです。
白黒猫さんは、
歯が一本
グラグラになっているそうです。
抜歯が必要みたいですが、
痩せすぎで麻酔をかけられません。
しっかり食べさせて
体重を増やしてから、
処置をしましょうという事に
なりました。
後日、様子を見に行くと、
お薬が効いていて、
白黒さんはしっかりご飯を
食べていました。
高齢者さんも
ひと安心の様子でした。
今日、
高齢者さんは
施設へ行きます。
雨模様、、
私たちは、
ゴエモンを迎えに
行きました。
ゴエモンは
見るからに機嫌が
悪そうでした。
唸り声をあげたりして、
みんなどうなることかと
不安になりましたが、
ベテランボラさんが
散歩に連れ出してくれました。
ゴエモンは、
大好きなトリマーさんのところへ
シャンプーに行くのだと
思ったのだと思います。
あっさりと
車に乗ってくれました。
雨が降ってきて、
最後に、
高齢者さんがなんて
ゴエモンに声をかけたのかは、
聞こえませんでした。
施設に持っていくビニール袋の中身は、
ゴエモンの写真ばっかりって、
福祉の方の会話が聞こえてきました。
高齢者さんの
迎えの車が、
到着しました。
どうかお元気でと
ひと言だけ声をかけて、
ゴエモンと私たちは
出発しました。
ゴエモンは、
寂しくて一晩中
鳴いていたそうです。
ボランティアさんが
ずっと添い寝をしてくれて
落ち着いたそうです。
ゴエモンの
笑顔の写真が届き、
安心しました。