尖閣諸島の問題における「菅政権の国家観の低さ」を議論しあっていた時のこと、
ふと、自衛隊にいた頃に、ある部隊長から聞いた話を思い出しました。

「國」という漢字は何を表していると思いますかはてなマーク
国構えの中に注目してください。「ロ」は人間を表し、「__」は土地を表すのだそうです。そして「戈」はホコと読み、武器を表します。
つまり、「人間が戈を手に自分の土地を守り、領域を明確にして(=国構え)、初めて国家となる」との話でした。

「国防は、国家存立の基本条件である。」という趣旨の話です。

じゃあ、「国」という漢字ははてなマーク

ふと気づいたのですが、国という漢字の構えの中は

「玉」 = ギョク = なんと目、こりゃあ、元首たる天皇陛下じゃありませんか目ビックリマーク

日本の政治は、伝統的に天皇がカリスマ的権威を持ち、時の政権が政治的権限を天皇から与えられるという、権威と権力の分散を図ってきました。この権威と権限を分散し得なかったときに、我が国は戦乱に見舞われることを、日本の歴史は示しています。

つまり、日本の伝統的・歴史的な国の形を考えるときに、天皇陛下の国家権威としての位置づけをないがしろにしては、日本らしい国づくりはおぼつかないのではないでしょうか。

民主党の先生方、どう思われますはてなマーク

一国会議員として、単なる政策コンテストなどで、国の行く末を決めるのではなく、そもそも日本とは何かはてなマーク国家とは何かはてなマーク そういう本質的なテーマから、政治を捉えていきたいと思っています。






謹啓 一新人議員がこのような形で、一国の宰相に対しご意見申し上げる非礼を許しください。
本日、ようやく第一七六回国会が開会されました。この四ヶ月、日本には政府が無きが如き有様でした。
そして本日、参議院本会議場において、ようやくあなた様の「所信表明演説」を拝聴することができました。しかしその内容には、言葉を失いました。

自らを省みて・・・

恥ずかしくはございませんでしたかはてなマークしょぼん
国民に対し、申し訳なくありませんでしたかはてなマークしょぼん

私がどうしても看過できないのは、第六項目目の「国を開き未来を拓く、主体的な外交の展開」です。まずはその部分を正確に引用(青文字)させていただきつつ、ご意見(赤文字)させていただきます。

六 国を開き未来を拓く、主体的な外交の展開
五番目の重要政策課題は、主体的な外交の展開です。
むっ今回の中国漁船の船長の処分保留釈放、一体どこが主体的だったのでしょうかはてなマーク教えてください。

今日の国際社会は、安全保障面でも経済面でも「歴史の分水嶺」とも呼ぶべき大きな変化に直面しています。
むっ民主党政権の外交的失態の連続が、この分水嶺を起こしているのではないですかはてなマーク鳩山政権から繋がる①日米同盟への亀裂、②沖縄米軍基地移設問題のゴタゴタ、③代表戦にかまけていたことによる政治的空白、これらが重なった隙を、中国からつけ込まれたのがお分かりになりませんか!?


新興国の台頭で世界の力関係も変貌を遂げています。我が国周辺地域に存在する不確定性、不安定性は、予断を許しません。
むっ我が国にとって、もっとも脅威となる新興国は中国に他なりません。アジアの国々は、一様に中国に警戒感を持って見ています。その中国や、我が同胞を拉致し返そうともしない「ならず者国家」の北朝鮮が存在する、不確定かつ不安定なアジア地域と「東アジア共同体」なる、空想的と言っても過言ではないような極めて危険な妄想は、即刻お捨てになるべきではありませんかはてなマーク

こうした国際社会の下、天然資源、エネルギーや市場を海外に依存する我が国は、いかにして平和と繁栄を確保するのか。受動的に対応するだけでは不十分です。
えっ中国からレアアースを輸出制限されて、初めて知ったのですかはてなマーク世界中全ての国家は、生き残りを懸けて必死になって努力しているのです。国民の命を護るとか、国民の生活が第一なんて言ってたら、国は滅びます。政府が第一に責任を追うべきは「国家の存続」ではありませんかビックリマーク国が滅びて、国民の福祉も幸福もないのです。国防こそ、最大の福祉なのですビックリマーク

国民一人ひとりが自分の問題として捉え、国民全体で考える主体的で能動的な外交を展開していかなければなりません。
ガーンだから、どうしてそうなるんでしょうか。外交は国の専決事項ではありませんかむかっ「この問題をどうしたらいいと思いますか」と国民の意見を聞いて、外交するのですかはてなマーク普天間基地移設問題から何も学んでいないのでしょうか!?
市民活動と国政の違いをお分かりにならないのなら、今すぐご退陣願いたく存じます。日本国民があまりにも不憫でなりません。


その際、国を思い切って開き、世界の活力を積極的に取り込むとともに国際社会が直面するグローバルな課題の解決に向け、先頭に立って貢献することが不可欠です。
むっ「国を開く」とは具体的に何をするのですかはてなマーク「国の垣根を取り払って、中国も含めた東アジアに日本を開放しよう」ということなのですかはてなマークそれは、とても恐ろしいことです。世界各国が、グローバル化することに警戒感を持ち、自国の安全を図る努力をしている中で、そんなことをすれば、日本国は確実にその悠久の歴史を終えることでしょう。

また、防衛計画の大綱の見直しに当たっては、真に役に立つ実効的な防衛力を整備するため、これからの時代にふさわしいものを本年中に策定します。

えっ「本年中に」と断言されましたね。その勇気には恐れ入りました。残り三ヶ月しかありません。「有言実行」内閣ですよね。もう、嘘は辞めてくださいね。出来なかったときには、「解散」という形で責任を取る覚悟を持って、必ず年内に仕上げてください。

色々とご意見申し上げましたが、私は反対のための反対は致しません。日本国の国益のために、しっかりした政治を行っていただくことを望んでいますし、納得のいく政策であれば、党派を超えて協力・支持することをお約束いたします。
日本の政治は、周辺の諸外国のためにするのではありません。我々は、日本の国益を護るため、日本人を守る為に国会議員になったのです。是非、日本のための政治をしていただきますことを、心より要望いたしまして、結びと致します。    敬白
                     
平成二十二年十月朔日
        参議院議員  宇都隆史


追伸

民主党代表の菅直人様へ

本日は国会の開会式でした。天皇陛下が御自ら御出座なされ、我々国会議員一同、議事堂前に整列してお迎えいたしました。しかし、おかえりの際に参列したのは、自民党議員ばかりでした。
なぜ民主党議員は、陛下がお帰りになられる際に、お見送りをしないのでしょうか。「開会宣言をしていただければもう用はないので、後はご自由にお帰り下さい」と言っているようなもので、極めて不敬な態度です。国会議員として国民に対し範を示すためにも、次回からは、必ず陛下の見送りにも参列するように民主党の全議員に徹底いただきたくお願い申し上げます。
国際社会の問題を考えるときに、よく「外交力」って言葉を使いますよね。

でも。私たちは漠然と外交力という、力が存在するのだって思っていませんでしょうか?

確かに外交交渉のための人脈や駆け引きする手腕といった技術力というのはありますよね。しかし、それは国家の「外交交渉能力」という意味であって、広い意味での使われている「外交力」とは、少し違う気がします。

では外交力って何でしょう?


私は、「外交交渉に使えるカードの総和が、一国家の外交力である」と考えます。

一般的に、国家が持ちうる外交カードとしては、次の三つが考えられます。

それは、情報力、経済力、軍事力です。

「軍事的議論の前に、まずは外交でもって…」こんなことを言う政党は全く外交を理解していないんですよドクロ


ところが、日本が持っているのは、この内、経済力というカードだけです。
「スパイ防止法」もないような情報天国の我が国に、「情報力」なんてあるはずもありません。

また、戦後65年間、平和憲法の名のもとに自衛隊を軍隊と明確にできないんですから、「軍事力」だって疑わしいものです。

しかも、中国に対して考えれば、経済すら追い抜かれ、まさに「打つ手なし…」といったとこでしょうか…。ショック!
(ODAってどうなったんだろう?今度調べてブログupしますグッド!)


だからこそ、この尖閣問題は「外交の失敗」なんて簡単なものではなく、非常に根の深い問題なのです。

安倍元総理の時に実現できなかった日本版NSC(国家安全保障会議)も作らなきゃいけないし、やっぱり自主憲法を制定して、自国を護るための国軍をもつという「独立国家としてのあるべき姿」にしなくちゃいけないのです。



ちなみに、情報力についてメモしておきます。ので、ご参考にグッド!


※情報力について 
 アメリカが世界に対して冠たる地位を占めているのは、世界一の軍事力を持つからだけではありません。実は圧倒的な質の高い情報量なのです。皆さん「エシェロン」って聞いたことありますか?
アメリカと中心とした情報組織の名称です。参加国は、アメリカ合衆国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドのアングロサクソン国家。元は英米同盟(UKUSA、ウクサ。United Kingdom & United States of America)の間で締結された通信情報に関する秘密協定に始まり、世界中のありとあらゆる電波を傍受しながら情報的優位を確保しています。
日本にも青森県三沢基地や、沖縄県那覇基地に通称「像のオリ」と呼ばれるアンテナ施設がありますよね。あのアンテナで、様々な電波を収集分析しているのです。一説では、一般の携帯電話の会話内容も採られているとか!?叫び
本日は朝から閉会中審査の「衆議院予算員会」を傍聴しに行きました。私は参議院なので、衆議院予算員会に傍聴に行くのは初めてです。(別に行っても構わないようです。)

TVでも放映されていたので、ご覧になった方も多かったと思いますが、小野寺外交部会長の質問が素晴らしかったですねクラッカーグッド!テンポよく、肝心の部分を追求し、今回の尖閣問題における政府の対応の何処がまずかったのかを明確にしてくれました。(大いに勉強になりました。目

まだ見ていない方は、必見ですよ小野寺五典代議士の質問だけでも、是非見てください。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php

それに比べて、
政府の答弁のいい加減さ…何ですかあれは?パンチ!

菅総理はほとんど答弁にならないばかりか「衝突時を記録した海保のビデオは見ていない」と明言…迷言むっはてなマーク

これだけ、国民の怒りが噴出している国家的大問題なのに、国のリーダーが当該事件の様相を記録したビデオに全く関心を示さないなんて…皆さん、こんな総理に私たちの未来を預けられますか叫び

方や、仙谷官房長官は、明らかに時間稼ぎと思われるようなダラダラとした答弁で、完全に逃げの姿勢。しかも、質問してもいないのに発言を求めたり、質問者が
「総理にお聞きします」
と言っているにもかかわらず、代わって答弁をしたり…いつから総理になったんですかはてなマーク仙谷さんプンプンDASH!

まぁ、前置きはこれくらいにして、

さて、戦後史上最大の対中外交の失策を演じた菅政権ですが、批判ばかりしていても仕方がありません。勿論、菅政権の責任問題はきっちりと追求して行きますが、事は外交問題なので、

これからどうすれば、対中外交において国益を護っていけるのか
ってことを、党派を超えて考える必要があります。
「尖閣諸島に自衛隊を持って行けビックリマーク」などという先鋭的な発言をする方々もいますが、自衛隊を配置してどうするというのです?それで本質的な解決になりますか?

自衛隊は法的根拠がなければ、行動できません。
海上自衛隊が平時において警察権を行使するには「海上警備行動」を発令すべきですし、平時においての武器の使用については、正当防衛と緊急避難以外については、まともな法律すら定まっていないのが現状です。

そこで、

災い転じて福となせ!!

まずは、今回の事例を教訓に「領域警備に関する一般法」を整備すること。そして、それで満足せず、実際に武力衝突が起きたら何ができるかということを、国民も巻き込んだ議論を盛り上げ、

「憲法を改正して、自衛隊の国軍化すべきだメラメラ

という国民運動を展開しましょう!!

自衛隊を一個部隊配置するよりも、憲法を改正し自衛隊を国軍化するほうが、予算はかからないし、よっぽど抑止力となり中国の暴走にブレーキを掛けられるし、我が国の安全保障環境を極めて健全にすることができる!

一挙で三得じゃないですか!!
本日は、参議院において閉会中審査の「外交・防衛委員会」が開かれました。

勿論争点は、「何故、政府は外交問題に発展する事案であることを承知しながら、処分保留のまま釈放することを承認したのか」「そこに、政治的指示が存在したのか?」という点です。

自民党の質問者は、われらがヒゲの隊長こと、佐藤正久国防部会長代理。

問題の争点を解明するため、政府側に対し、官房長官、外務大臣、法務大臣、防衛大臣、海上保安庁長官に対して、委員長を通じて出席を要請したのです。

しかし、最も重要な仙谷官房長官からは返答なしむかっ

「一万歩譲って」(佐藤議員がそう言っていた)瀧野欣彌 官房副長官への出席要請をしていたのにもかかわらず、委員会開始10分前になって初めて「欠席むかっ」の通知がきました。

即座に委員会を止めて、改めて要請をし、質疑中でも構わないから出席するように求めたのですが、結局両名とも、委員会の開会中には姿を現しませんでした。プンプンDASH!

政府が国会を侮辱しているとしか受け取れません

皆さん、こんなことを許してていいんでしょうか!!

次は9月30日に、衆議院の閉会中審査「予算委員会」を傍聴し、皆様にレポートする予定ですメラメラ
菅内閣の対応は最悪のパターン

さて、当初、政府は外交的影響が大きい問題であることを認識しつつも、「国内法に基づき粛々と対処する」方針を打ち出していました。

振り返ってみるに、菅内閣の取るべき道は2つしかなかったのではないでしょうか。

一つの道は、前原大臣もおっしゃってたように、「国内法において粛々と対処する」選択肢です。

中国の心理的・経済的圧力に屈することなく、冷静に淡々と法の裁きにかけて、処分を下せばよかったのです。

国内法である刑法第95条「公務執行妨害罪」に照らして、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金の処分を下し、その後に国外追放すればよかったと考えます。

しかし、起訴するまで最低3か月はかかるでしょうから、その間、中国からの不当な経済的対抗措置や人的交流の断絶、あるいはいわれのない邦人の拘束など、数々の嫌がらせに耐えることを日本国政府として覚悟しなければなりません。しかし、これが最も筋の通った選択肢でした。

もう一つの道は、妥協の選択肢です。あまり選択したくはないですが、今後の日中関係を考え、政治的配慮により中国との取引の後、身柄を開放するのです。

この場合、日本国内からの「弱腰外交」に対する批判は逃れられないでしょうし、今後も中国から尖閣海域においては、強気の行動に出られることは覚悟しなければなりません。しかし、自国の憲法においてさえ自衛隊を軍隊と認められないような、自主独立の気概のない現在の日本の安全保障環境の中で、経済力・軍事力両方において追い抜かれた中国に対しては、実効的外交カなど無いに等しいのですから、戦後65年、「国防」をまともに考えなかった戦後の日本人全体が負うべきツケとも言えます。

首相が、あるいは法務大臣、外務大臣が、「日本国の国益を考え苦渋の選択ではあったが、自分の責任において、現在取れうる最良の判断を下した。」と腹を括るしかなかったのです。

勿論、法務大臣の解任、あるいは国内世論に信を問う内閣解散も免れないかもしれません…。
しかし、それ位難しい高度な政治判断が求められる案件であったのです。



ところがビックリマークえっ今朝の朝日新聞の記事にもあるように、菅首相は早期解決を望んでいました。次々にエスカレートする中国に対し、そのプレッシャーに打ち勝てなかったのです。

結果は外交的な取引もないまま、処分保留のまま釈放ショック!

完全にひよった訳です。
官邸から指示や圧力があったかどうかはわかりません。民主党の言い分は、
「官邸からの政治的指示はなかった。司法の領域に立法府である内閣が介入すべきではない」
というのですが、それは被疑者が日本人であった場合のことでしょう!?

じゃあ何故これまで、官邸・外務省・法務省間で協議を持ちつつ対応してきたのでしょうかビックリマーク
それは、本件が、極めてセンシティブな外交的影響をはらむ事案であり、高度な政治的判断を求められるという認識があったからなはずなのです。

ところが、政府は驚くべきことに、「検察が独自の判断をした」と、本件の責任を検察になすり付けました。えっあせる

処分保留のまま釈放した、検察側の説明(概略)は以下の通り

●漁船が故意に衝突させたことは明白である。
●巡視船の航行障害を発生させる恐れや、乗組員が海に投げ出される恐れのあった危険な行為
ただちに巡視船の航行に支障が生じるほどの損傷ではなかった。⇒結果論むっ
追跡を逃れるために咄嗟にとった行動で計画性はない公務執行妨害の阻却理由にはならないプンプン
被疑者には我が国における前科がない⇒公務執行妨害と全く関係ないプンプン
我が国国民への影響や今後の日中関係を考慮した それって…ドクロ

政府が言うには、「検察が勝手に判断した」わけですよ…しかも、上記のような全くもって的外れな理由で…。
しかも、最も問題視されるべきは、検察が勝手に「今後の日中関係を考慮」するような政治的判断を行ってもいいのか!!ってことなんです。

その後の推移を見てごらんなさい。中国は本件を「外交的勝利」と位置付け、賠償と謝罪!!という更に高いハードルを突き付けてきたのです。(冗談じゃねぇプンプンDASH!

検察が責任とれるんですか!?とれるわけがないんですビックリマークこのような高度な政治的判断を要する問題は、文民たる政治家が腹を括って対処し、その進退を以て責任をとるしかないのです。

場合によっては、その責任者が「自分の判断が間違っていた」と解任させられることで、中国との関係において、将来的な外交関係の禍根を残さないことができたのに、ひよった菅内閣は、その選択肢を封印してしまった訳ですショック!

こと防衛の現場においては、シビリアンコントロールという言葉を多用する政府が、こと外交の場においては、全くシビリアンコントロールをするでもなく、政治主導をするでもなく、検察にお任せしますグッド!って…

あんたら本気で日本の国益を護る気があんのかいプンプン!!!!

もう、怒りを通り越しますね…。あまりの体たらくに言葉も失うほどです…。ガーン

つまり、今回の政府の罪は、事件を早急に解決したいがあまり、「検察に絶対に越えさせてはならない「政治的判断」という罪を押し付け」結果として、日本の国益を極めて損なった上に、だれも責任をとれない収集不可能な泥沼事態を生起させたことなのです。
中国漁船の船長はなぜ逮捕されたのか?

尖閣諸島は我が国の領土であることは歴史的にも国際的にも明らかです。その領海内で今回の衝突事件は起こりました。

まず前提として押さえておくべきは、最近の当該海域の状況です。
今年の八月中旬以降、尖閣諸島周辺において、多数の中国漁船が操業をするようになっていたということです。
(海保の説明では、多い日には200隻以上の船が、周辺海域で操業しているとのこと叫び
こんなにも多くの漁船が存在する理由の一つは、当該海域が非常に良い漁場となっているということがあります。(穿った見方での、「中国の国家的意思が絡んでいるのではないか」というのは推測の域を出ません)

そのような環境の中で、海上保安庁の巡視船は
「我が国の領海内における違法な航行を取り締まる」
ために、以下の監視活動を行っているのです。

操業しながら領海内に入ってきた外国漁船(中国)に対して、

①マイクにより「我が国の領海内に入っている」ことを認識させ、退去のための警告を行う。
②聞き入れない場合は停船させ、立ち入り検査を行う。
③警告等を受け入れず、悪質と判断される場合には検挙する。

ちなみに、③の検挙まで行ったのは今回が初のケースでした。


少し話はそれますが、今回の中国トロール船「ミンシンリョウ5179」が抵触した罪は、
「領海侵犯ではない」
ということ。

私も勉強不足だったのですが、実は海の法律では「領海防護に関する法律」は無いんですよ叫び

国連海洋法条約により、
「軍艦を含めてすべての国の船舶は、外国の領域における無害通航権を有する」
「事前の許可又は通告の要否は条約に規定されておらず、国際慣習では不要」

と定められているのです。

では、どういった行為が無害通航に抵触するかと言えば、武力行使情報収集行為調査活動や測量活動、そして漁獲活動などがそれに当たります。

つまり、今回の漁船も漁をせずに領海内を通行するだけなら、国際法上問題はないわけです。
しかし、この中国漁船は、我が国の領海内であるにもかかわらず、漁業行為を行っていました。
よって、海上保安庁は、我が国の国内法
「外国人漁業の規制に関する法律」(昭和42年7月14日、最終改正平成13年6月29日)
に基づき、対処したわけです。

公務執行妨害による逮捕までの経過です。

9月7日10:15 巡視船「よなくに」が領海内で操業する当該中国漁船に対し、操業を止め退去するよう警告したが、漁船は揚網を終えて航行を開始しつつ、巡視船「よなくに」に衝突ドンッしてきた。

9月7日10:56 巡視船から、停船命令を発するが、漁船は無視して航行を続ける。巡視船「みずき」「はてるま」により、立入検査をするために停船させるための追跡中、「みずき」が漁船の前方約70m付近を併走し、停船命令を継続していた時に、漁船は急に左転の舵を切り、再び「みずき」に衝突ドンッした。

9月7日12:56 久場島の北北西約27km(日本領海内)において、「みずき」が当該漁船に強硬接舷し、海上保安官6名が乗り込み強制停船及び立ち入り検査を実施。

9月8日02:03 漁船船長(ヂァン・チー・ション 41歳 中国人)を、「海上保安官に対する公務執行妨害の容疑」で通常逮捕した。

逮捕までに、実に13時間を要している訳ですが、ことが外交上の影響を及ぼす問題だけに慎重になったというのは仕方がありません。

前原外務大臣の「尖閣諸島に領土問題はない。我が国の国内法に基づいて、清々粛々と対処する」と言われた当初の判断は間違ってはいなかったと考えます。

この時点までは…-その2-に続く
本日は大雨の中、世田谷観音寺にて「第59回特攻隊慰霊祭」に参加してまいりました。
涙雨だったたのでしょうか・・・英霊の涙が天から降ってきているかのように感じられ、吹きこむ雨粒を避けようともせずに、身に浴びていました。

「俺達の死を無にするな!」

そう言っていたのかもしれません。

さて、びしょびしょになったままで、次の予定に向けて戸塚へ移動。
日本ディベート教会会長のT先生宅を訪ねました。

お会いした瞬間から、ビビっと来るものがありましたドンッ
「この出会いは一生の宝になる!」と直感し、体に電気が走ったのです。出会いは共に過ごした年月ではありません。一度も会ったこともない人なのに、会った瞬間から友情が芽生え、同志になれる人がいます。

だから、人との出会いって面白いドキドキニコニコ

奥様の手料理に舌鼓を打ちながら、盃を傾けていると、本当に昔から知っているような気分になりました。(年齢から言えば、私の父と変わらないのに、不思議ですにひひ)

この日は、もう一つ、悲しい別れもありました。
私にとって大きな存在だった人との別れ・・・汗
突然の知らせだっただけに、本当に言葉を失いました・・・しょぼん
しかし、出会いは別れの始まり、仕方のないことです。

また、来世で会えるかもしれない・・・でも、せめてもう一度でいいから会いたかった・・・汗

新しい出会いの高揚感と、突然の別れによる喪失感で、入混ざった感情を噛み締めながら、「人とのご縁の妙」について考えさせられた一日でした。


最近の中国の経済成長や、それに伴う軍事費の急速な伸び率。そして南西諸島沖での中国海軍の無頼な振る舞いや、中国政府の強硬な姿勢に対して、私たちは無意識のうちに「中国脅威論」を頭の中で膨張させているのではないでしょうか!?

一国が海軍を持って、それを訓練し、一流と言われるように習熟するまでには、100年以上の月日を要するともいわれています。
日本が敗戦したとき、連合国の海軍軍人の間には
「こんなにも訓練された日本の海軍を解体するのは、世界の海軍にとっても損失だ」
というような意見が多かったというような話を聞いたことがあります。

そこで、調べてみれば、中国人民解放軍海軍の創立は、1949年のこと。
生まれてからたった、61年しか立っていないなんて、「お子様海軍ヒヨコじゃないですか!?

我が国の海軍の歴史は、1872年に遡ります。なんと、約128年の伝統と歴史ある海軍なのです。しかも、その間、日露戦争と大東亜戦争という大きな海戦を二度も経験したまさに、「経験豊富な大人の海軍しし座なのですグッド!

中東のアデン湾には、海賊対策のために世界の海軍が集まっています。
日本を始め、韓国、マレーシア、シンガポール、イラン、アメリカ、ロシア、インド、オーストラリア、フランス、ドイツ・・・そして、件の中国人民解放軍海軍もシラー

海軍軍人の間には、共に海を仕事場にする者同志として、国家の枠を超えた「海の男の絆波があると聞いたことがあります。ですから、各国の海軍の間では、頻繁に交流が持たれています。

しかし、他の海軍が交流が盛んなのに対して、中国海軍はなかなか輪に入ってこようとしないそうです。しかし、世界の海軍の中にも、ルールや常識、慣習などがあり、共に海賊対策を行う仲間として協調性を持って貰う必要があります。そこで現地では、海上自衛隊が中国海軍をできるだけ表に引っ張り出し、海軍としての国際ルールや慣習を理解してもらうための交流に努力をしているというのです。

さすが、日本の海上自衛隊、エライ!!

生まれたばかりの経験の浅い海軍なだけに、ルールや慣習を知らずして無頼を働いているのだとすれば、いちいちメクジラを立てるのも大人気ないというもの。ここは一つ、海洋国家として大先輩である日本の器量を見せてやろうじゃありませんか!!

ヤンチャな中国海軍を、「秩序とルールを守れる大人の海軍」に善導するのも大きな意味での外交手腕ですから。

あ、でも政治の世界での妥協は許されませんよ!!それとこれとは、別の話です。解ってますよね、前原大臣べーっだ!
今朝の産経新聞「正論」欄に、鳥居民氏の「中国の反日では権力闘争も疑え」という記事に、その通りだと感銘を受けました。ビックリマーク

要約すれば

「中国は一枚岩などではなく、中国の最高首脳部も、最近の南西諸島域における軍部の派手なパフォーマンスには手を焼いている」

つまり中国国内での政治と軍部との権力闘争が生起している可能性が高いというのです。

確かに、現在の中国の政治首脳部にとって、最も警戒している脅威は、

軍部が力を持ちすぎて、政治的に統制が効かなくなること。
民主化した市民の、ナショナリズムの高まりによる反日デモを抑えきれなくなること。


市民に対し、対外的な敵愾心を煽ることで国威を発揚しようと、反日教育を徹底したり、軍事力をちらつかせたりしてきた中国ですが、実はそれこそが中国にとっての最大の両刃の剣であることを、彼らは気づいているはず。

そこに気が付いていないのは、実は日本人だけなのではないのでしょうか目

最近の南西諸島の中国海軍の横暴ぶりには目に余るものがあります。しかし、中国の政界がそれを統制しているのではなく、軍人の優遇と国防費の増額を飲ませるための軍部の権力闘争であるとしたら、我が国の対応は定まってきます。

徹底的に毅然とした外交姿勢を貫くと同時に、
「中国政府は、自国の軍部を統制できていないのではないか!?
というメッセージを国際社会にアピールしなければなりません。
特に、中国の海上軍事力の拡大を快く思っていないアジアの親日派の国々に対して、「アジアの安定には、日本の力が頼りになる」という安心感を与える必要があります。


外交は駆け引き、相手の武器に見えているようなものが、実はアキレス腱であったりするもの…。
是非、前原大臣には、大局を見据えた外交姿勢を貫き、日本の国益を護っていただくことをお願いいたします。