開業95周年の上星川駅…790円で「バンザイ!」した駅前温泉の御膳
横浜駅からネイビーブルーの電車に乗って6駅(12分)、1926年(大正15年)12月1日の開業から95周年を迎えた上星川駅で降り、駅前温泉「満天の湯」に来ています♪
開業当初は、こちらが現在2つ隣(横浜寄り)にある「星川駅」を名乗っていたそうですよ。
※1933年(昭和8年)4月1日改称
理由は、1927年(昭和2年)5月31日に神中鉄道(相模鉄道の前身)の北程ヶ谷駅として現在の星川駅が開業した当時は、この駅が横浜側の終点であり、厚木方面への玄関口でした。
鉄道会社の営業戦略としては、旧東海道の宿駅であり知名度もある「保土ヶ谷(旧称・程ヶ谷)」の文字を入れて、横浜市街への近さをアピールしたかったのでしょうね。
先ずは鎮守社へご挨拶
古くから(旧)坂本村民に崇敬されている蔵王高根神社は、明治43年時の政府の「一村一社」の方針で矢崎村(明治43年仏向と坂本が合併)杉山社に合祀されましたが、その後も村民は社殿を残して遥拝し、昭和24年8月に再び合祀して独立したという歴史をもちます。
当時の坂本村は幕府へ提出する『村鑑(むらかがみ)』-現在の国勢調査にあたる-によると延亭4(1747)年の家数は16だったのですが・・・
幕末の天保11(1840)年には11となっており厳しい自然社会環境の下にあったと思われます。
そのなかで現在でも地神講、稲荷講、薬師講などが続いて、「宿」鈴の家に集まり昼食会をもつなど昔ながらの風習が残っているそうです。
拝殿の背面には東海道貨物線の高架橋が横切っていますが、防音シェルターで完全に覆われているため、走行する列車を見ることはできません。
「宿場」をイメージした満天の湯
旧東海道の保土ヶ谷(程ヶ谷)宿からは2.5km離れているのですが、東海道の宿場町をイメージした内装になっているスーパー銭湯「天然温泉 満天の湯」。
駅の目の前にある商業施設内(2階)に入口・・・1階が食品スーパー(相鉄ローゼン)で、同じ建物内にはゴールドジムも入居。
大別して6種類のお風呂がありますが、露天の岩風呂と寝湯のみ天然温泉を使用しています。
温泉は関東南部「あるある」の薄い茶色掛かった感じですが、こちらは海水が混ざらず無味。
再入浴する場合は1階フロント受付に申し出て、特殊な光を当てると反射する(肉眼では見えない)特殊なスタンプを手の甲に押してもらう必要があります。
※館外へ出ると無効になるので、館内飲食・サービス利用時だけの限定措置と理解すべし
※浴槽写真は□施設公式HPより引用
ややツルすべ感ある温泉ですが、源泉は17.2℃なので41℃まで加温のうえで循環利用。
※湧出量:60L/分、pH:8.73、成分総計:452.5mg/Kg
ただし、加水はしていないようです。
メタ珪酸の含有量が50.7mg/kg(温泉法の規定は50以上)なので、ギリギリ「温泉」を名乗ることができているが、療養泉の規定には達していないので泉質名は付かないとの事。
しかしながら、メタ珪酸が50mg以上もあるということは、肌の角質膜の形成を促進効果あり!
成分総量の少ない弱刺激性の温泉なので子供や高齢者にもお勧めできるのが強みかな。
似たような泉質イメージの温泉としては、南関東の事例で言うと・・・
食事処で「バンザイ!」
1000円でお釣りがくるという横浜市内としては比較的安価な料金設定の割には、館内の内装に高質感があり、所々に心が満たされる装飾も多いのですが・・・
残念ながら、風呂上がりにゴロリと寝転がって寛ぐような仮眠休憩スペースは皆無。
ロビーの木製ベンチとお食事処が、風呂上がりで休憩できる僅かなスペースとなります。
(立地の良さから、休日には「芋洗い」レベルの混雑なんだそうです)
でも、ここのお食事処は、全体としての席数は少ない(5席程度)ですが、中央のカウンター席にはUSBにも対応するスマホ充電用の電源コンセントが付いているではありませんか!
※但し、大多数のテーブル席には未設置
さて、今回頂いたのは“自称名物”の「おばんざい御膳(税込・食券事前購入790円)」。
まぁ、この値段にしては見映えも立派だし、おかず(小鉢)も複数付いてコスパに優れたお買い得メニューと言えるのではないでしょうか?
少なくとも、「温泉行って、ちょっと贅沢な食事してきた」気分には浸れるかと思います。
特筆して旨いという点はありませんでしたが、味付けは老若男女に好まれる「無難」な感じにまとめられていました。
浴場がある2階のロビーから、目の前を相鉄本線に沿って流れる二級河川の帷子川(かたびらがわ)を眺める・・・
いかがでしたでしょうか?
今回は、値段の割には高級感があり、休日にはかなり混雑するという相鉄線「上星川」駅前にある天然温泉(スーパー銭湯)「満天の湯」をご紹介いたしました。
残念ながら、風呂上がりに寝転がって寛ぐような仮眠休憩スペースはありませんでしたが、お食事処には数は少ないながらもスマホ充電可能なコンセントが設置されています。
提供される食事のクオリティレベルも、お値段の割には上質感があるので、それなりに満足感は得られるかと思います。
横浜駅からネイビーブルーの電車に乗って6駅(12分)の駅前・・・本当に「駅を降りてすぐ」の場所にあるので、皆さんも是非とも利用してみてはいかがでしょうか?
ちなみに、本記事内容とはあまり関係ないけど、相鉄の新型電車(20000系)って、座席端の袖仕切りは強化ガラスを採用し、荷棚まで届く形状とすることで、ドア付近の立ち客と着席客との接触によるトラブルを防ぐ工夫が施されているのですね♪
確かに、裾仕切りの無い車両では寄り掛かった立ち客にお尻を押し付けられたり、裾仕切りが付いていても上から(特に女性の)長い髪が座席側に靡いてきたり・・・
毎朝の通勤で東京都心に入る電車に乗ると、結構不快な思いをする機会が多いですからね。
電車の製造コストは余計にかかるとは思いますが、他の鉄道会社も相鉄の新型電車の設計を見倣って欲しいと思い、最後に触れさせていただきました。