一番古い作品を絵本大賞に応募しました。
アカウントをお持ちの方は投票いただけると幸いです。
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一番新しい作品を応募しようとしばらく描いていた今日この頃で、新しい描き方をみつけてわくわくしていた僕は年を跨いでまだ試してみることにしました。
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小さい頃から長い間刺さっていた棘が抜けたおかげで今までどれぐらい痛かったかやっと分かるような、けれども穏やかであまりにも日々は綺麗で
この人生の使い方がわりと間違ってないとは思うけど、ボールの行き先は合ってるがピンまで届くだろうかというボーリング のようで、勢いよく当たらないとあまりピンが倒せない気がして、積み重ねるというよりは、勢いよく弾けるように当たりたい、そんな年の瀬。
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中学からの友達が突然ミュージカルに出て踊ったり歌ったりしていて、勝手に元気をもらった。
重い腰を上げて行った美容院ではまじまじと小一時間こちらを見る鏡が待っていて、そうだこんな人だったなあと、少し感慨深くなった。
怪獣を連れてきた人も
連れてこられた怪獣も
怪獣に言葉を教わった子も
もう随分遠くに行ってしまった。
またいつかみんなで話せるようにと
沢山沢山頑張ったけど
もうこれ以上考えなくてもいい。
長い時間を使ってしまった。
もういい。
もう疲れた。
それでも、
大変だった幼い日々に必死で見つけた傘は
自分を守り終えても捨てきれず
大人になってもまだ捨てきれずに
たまたま誰かの雨宿りになる日が時々あって
ああ、こういうふうに使いたかったんだと
思い出して少年は震える。
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一言でもありがとうとかごめんなさいとか言われたら全部許そうと誓いを立てる時
大体その言葉は微かにも現れなかったりするなあと
まばらな自由席の隅で考えていた。
とても暑かった日。
腐ったゴミのような気持ちで乗っていた帰りの電車の中で
しばらく生存確認が出来なかった友達からSNSにメッセージが届き
ああよかった生きていたんだと一気に救われた気がした。
枯れない花でも買おうと思って気まぐれで降りた駅前には
ちょうどよくサボテン専門店が客一人いない姿で構えていた。
少しずつ心が大丈夫になる。
停電の影響で途中で止まった特急列車の中で
高温化を避けるためカーテンを閉めるようにとアナウンスが入り
一斉に光が遮られた車内は不安でもなんだか居心地が良かった。
このまま走り出さなくてもいいと思うのにも飽きてきた頃、運転は再開された。
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この瞬間、ああこの瞬間と思う時が僕や僕らの人生にはあった。
嬉しい時だけではなくて、悲しい時も、うつくしいと感じられる瞬間が間違いなくあった。だからこれからもある。
ぱっとしない、ぱっとしない日常に何か何か大事な事を忘れてしまいそうでも、
それをうかつに言葉にして消えてしまいそうになっても、血液のように循環して体のどこかを去来していて、
世の中世の中、不意にニコニコと小さい頃の何かを踏んで蹴り飛ばされそうになっても、
けれどもしかしそういうものがあるかぎり、あるかぎり、発光素材は絶え間なく、僕らの運河を作っている。
28歳の頃の日記にそう書いてあった。
今思うとあの頃は本当にいろんな人に出会った。
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何十年も悩んできたことが突然もう考える必要が無くなると
その心を支配していたストレージをもっと大事なことに使えるんだと
友達からのDMで気付かされる。
心をもっと大事なことに使おう。
まだ描きたいものが沢山あるし、会いたい人も沢山いる。
「子供の頃毎日遊んだリスさんが
いつかここに帰ってきたら全部プレゼントしてあげるんだ。」
そう言って山のように大きくなったクマさんは
小さなままのリスさんがまた来るのを待っていた。
木の実やドングリを宝物にして集めているクマのおじさん。
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叶わないこともある。
久しぶりに描いた物語の中には何かを待っている人が沢山いた。
それぞれのワクワクした思いを携えて旅をする少年たちがいた。
僕はまだ描きかけのそれに色を加えながら賞の得票数を見守る近頃で、
緩やかに年明けの優勝をちんまりと待っている。
自販機で買ったスープの中のトウモロコシを取りきれず程々に噛み砕いて
目を合わせてくれないコンビニ店員から買ったパンとコーヒーを口に放る今日にも
やたらと楽しそうな冬の匂いが年の瀬を蹂躙している。
「準備」と打とうと思ったら「蹂躙」が出てきたので、もうそれでいいかと思った。
※アカウントお持ちの方はぜひ投票お願いします。着色はあと少し。
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僕たちは待ち続けたその長い時間が報われるかどうかに関わらず
また会えるかもしれないとか、手紙の返事が来るかもしれないとか、
誰かの目に映るかもしれないとか、声が届くかもしれないとか
そう思って生きてきたことでどうにか乗り越えられた日々が少なからずあった。
いくつもあった。待ち人が来なくても待っていた時間に救われたことが何度もあった。
これはきっとそんなお話。
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そんなことを思うと同時に
せめて僕の帰りを待ってくれているかもしれない所には顔を出しておこうかなと
地元のテニス部の友達からのラインをボチボチ打ち返し、
間違えないように帰省の準備をする。
どんぐりは乾燥に弱く長期保存には向かないらしい。
とりあえず今日は凍ったケーキを冷蔵庫で解凍しよう。
暮れていくという言葉を思うと暮らしというのはなんて切ないものだろうな。
気付けば三年ブログを書いていなくて、
結婚したり絵の仕事をしたりお腹を壊したり
けれども相変わらず猫背でチョコレートを食べています。
少しはデジタルで絵を描くようになりました。
近頃は、というか昨日からnoteに過去作品をまとめていこうという
思い立ったが吉日的な、けれども本当は前からやりたかったはずの事をしています。
ずっと前の何かを覚えていてくれる人がいるんだなと、
いろんなパターンで思い知ることがちらほらあって
本当にありがとうと思う日ばかりで
いつでもそこに帰れるように、自分でも思い出せるように、
しばらくは毎日一つずつ置いていきます。
白黒ウサギのアレンの
その震えた小さなマグカップが
長い長い帰り道で雨にさらされて
こぼさないようにと小走りで
なみなみと注がれた悲しみや虚しさに気を付けて
ようやっと家に辿り着いたところで
最後の一滴の要らない言葉をつい落として溢れさせたのは
茶色いウサギのエリオット。
煉瓦の家で帰りを待っていた君もまた
なみなみと注がれたマグカップをいくつも隠していた。
君にコーヒーをいれよう。
一緒に眠れなくなろう。
そう言って一緒に有り余るお湯を温めた。
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少し前に描き上げた物語の編集が終わったそうで、
絵が動くようになり、想像していた以上の仕上がりにしていただきました。
僕と同じ名前の、杉本戦車さんというアーティストの音楽にストーリーを添えました。
壊れて捨てられた手品師ロボットを助けた少女。
そこに空から降りてきた魔法使い達。
言葉のない短い物語。
誰かに関わる作品はいつも緊張して肩に力が入ってしまうけど
どうぞご覧ください。
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最近描いたのは遠い未来のロボットの物語。
一番置きたかったのは「せめてあと一週間、」のセリフ。
お元気ですか。
遠くから時々覗いていると信じて
しばらく会えない友達や昔の仲間たちに
僕はそれなりに元気です。という一方通信。
怪物と戦う者の顔もまた怪物のようにならぬようにとは
聞き慣れ過ぎた言葉だけど
近頃の僕たちは一体何と戦っているのでしょうな。
ともあれ
人間でも怪物でも
あなたがあなたであるようにと願う近頃です。
忘れないように記しておきます。
作った色々なものたち。
他にも沢山あるので
また少しずつ増やします。
●●●webマガジン連載(アパートメント)
●●●絵本
⑪風船が飛んだ日(絵本)
●●●掌編漫画
●●●短編マンガ
①ペッコリとケムポ全12話(ニュースサイト連載作品)
③漫画クリスマスプレゼント (動画)
⑦漫画なんばんめのももたろう (動画)
つらつらと増やしていきます。
ではまた◎
老いた桃の少年の話
少年が少年だった頃
少年の力ではどうしようもない世界に置かれて
少年は、そうだ我慢すればいいのだ、そういう最高の作戦を立てました。
感情のスイッチを切り、
心のライトを消して、
思いの窓に鍵を掛け、
言葉のフタを閉じ
めでたく少年は痛くもかゆくもない
そういうつもりになれました。
わざと滑稽でふざけた格好をして
そのまま大人になりました。
しかしふと、
なぜ私は今もこんな姿でいるのだろうかと思いました。
時代は変わり、もう我慢する必要はない。
だがしかし、戻り方を思い出せない。
感情のスイッチの位置を、心のライトのつけ方を、
鍵の在り方を、フタの開け方を、
随分老いた少年は忘れてしまいました。
けれども、通り過ぎる街の中で
桃の姿をしたちいさな少年に出会いました。
私は私の戻り方を忘れてしまったが、
何か少し思い出せることがある。
そんなにスイッチを切らなくていいし
そんなに鍵を隠さなくていい
時々私に会いにきて
こっそりライトをつけておくれ
そしたら君は忘れないだろう。
ライトのつけ方を忘れないだろう。
少年は「またね。」と手を振り笑って、
溶けそうなアイスを食べながら
壊れそうな家に帰っていきました。
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テレビを買い替えて、
今までと同じものを見てるはずなのに全く別の何かが目の前にあるような
そんなことを考えながらチップスターをかじった週末。
5月12、13日のデザインフェスタの展示を見に来てくれた方々、ありがとうございました。
即興でその場で描いた絵を売るのがとても好評で、
物語を気に入ってくれた人も沢山いて
そこに立ってる意義のようなものを感じた。座ってたけど。丸椅子に。
インターネットであれリアルであれ
何年前のあの時から見ていました、って
何年も経ってから話しかけてくれる人が時々いて
じゃあ例えば今この瞬間が、
いつか知り合う誰かにとっての何年前かもしれないなと、よく思います。
なので、いつの時も金太郎飴みたいに、どこ切っても「自分」だったなあといえるような
そんな日々がいいなあ。
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ガリガリくんを食べたら当たりが出た。
続けて食べたら寒くなった真夏日の夕暮れ。
「羊飼いは羊の言葉を聞くことなく、それでも羊飼いでした。
いつから羊飼いだったのかも忘れてしまったけれど
気付けば羊飼いと呼ばれ、誰も彼を羊飼いではないと思いませんでした。
羊が好きで、羊のことをよく知っていて、
と勝手に人々からはそう思われていましたが、
それが真実かどうかは彼自身にもよく分かりませんでした。
一度も羊の話を聞いたことはありませんでした。
羊の皮をかぶっていた少年は、いつしか羊になっていました。
そして話の分かる羊飼いが来るのを、羊たちとともに待っていました。」
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戦って走ってきた人がある日、迷って立ち止まった時のなにか人間味のような美しさは、
ただずっと迷い続けている憂いのそれとはすり替えられないなあと考えながら
さっき紅茶を買ったセブンイレブンの屋根を10分後には見下ろすような坂道を歩いていた日、
どうしてここまで歩いたんだっけと振り返ったら黒猫が寄ってきて、
それじゃあまあいいかと背中をなでた。
道端の知らないおばちゃんに野菜ジュースを貰ってまた道を登る。
畑ばかりが映る帰りの車窓から、勝てる試合に負けた日のことを思い出しながら
この景色にも飽きたなあと思いながら
作ってきたものがいろんな人に会わせてくれたことを思い返す。
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デザインフェスタ(5月12、13日)に参加します。東京ビッグサイト、一階のブース幅2mぐらいのC210で展示予定です。
昨年末の横浜の展示はしずかなミュージアムでしたが、今回は騒がしいところです。
そこにいたり、ぶらぶらしたり、しています。
気まぐれに遊びに来てください。
「誰もいない国の王様」
迷子の少年は
迷子のウサギと出会った。
迷子になりそうな森の奥に来たのだから無理もない。
触れようとされるだけで怖がられたが、やがて馴れた。
冷めた木陰でただじっと朝日を待っていた。
そして太陽と共に迷子の羊達は迷子のウサギを連れてやってきた。
ウサギは会いたかったウサギに会えたのでもう迷子ではなくなった。
「そろそろ行こう。」少年と羊達はそう言って、また何処かへ歩き始めた。
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夕飯を作っていると外で喚く橙色の野良猫は、
ドウゾと扉を開けて迎えるとやっぱり出て行こうとする。
遠退いた彼は洒脱な紳士のように佇んで生ごみ達をしばらく眺めていた。
「欲しい物を知らない虚しさ」と「手に入れ方を知らない悔しさ」
そなたが湖に落としたのはどちらだと問う女神に、
君の方こそどうなんだと問う木こりを空想しているうちにオムライスが出来た。
たぶんそこでデミグラスソースの作り方を間違えたんだと思う。
美しい日々をごちそうさま。
傾けて置いてしまった食器洗剤から少しずつこぼれていて
それでも皿はピカピカだったから、大丈夫。
頼まれ物をもうすぐ描き終えそうで終えられない夜に、
頼まれてもいないのにしてしまうあれこれを何だか尊く思って
ともあれするべきことがある今をむしゃむしゃ猫のように噛みしめていたら
削れた氷のやたら美味しい夏に来ていた。
もうすこし頑張る。
楽しい夏が待っている。
冠をかぶった迷える羊、
子連れのサンタクロース、
着せられたウサギや急ぐウサギ、
工場を背負って泳ぐ魚達、
崖の上に立たされた王子様、
手に追われるカラス、
煙に巻かれる猫。
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極端に言葉の少ない絵本や言葉のない漫画を作ってきましたが
この一枚の中に散りばめられたものたちに具体的な物語はなく、
見る人の中にゆるやかに言葉や展開があればいいと思います。
ARTIST DATA BASEにて紹介していただきました。
http://plginrt-project.com/adb/?p=55041
「ドローイング作品 よわいものたち 販売開始」
※お求めの方は購入希望額と氏名を明記の上4/2~4/9までにご連絡下さい。
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どこかをじっと見ているような、誰とも目が合わないような、静かな者達。






















