果てしない道 | コーヒーブログ

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福井県小浜市にある珈琲屋すいしょう(旧喫茶SVZ)店長のブログです。

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現在、日本男子バスケ代表である竹内公輔がNBAのサマーリーグに参加しています。

サマーリーグはNBA本体から見れば、比較にすらならないレベルです。

若手やドラフト指名された選手、NBA入りをドラフト外から狙う選手が参加するリーグなので、トップクラスの選手はまず参加しないです。


しかし、プロとしてバスケットをやっていこうと思う選手にとっては、アピールする絶好の場。

みんな死に物狂いです。

NBAと比べればレベルは格段に低くとも、参加するのは大変です。

まずはチームに招待されなければなりません。チームも若手育成の意味合いが強いリーグとは言え、最初っからチーム入りする可能性のない選手を参加させるほど酔狂ではありません。

ですから、竹内がサマーリーグに参加できたのは日本のレベルから考えるとすごいことなのです。


去年の川村卓也は一試合で解雇されました。田臥勇太も2004年は開幕ロスター入りを果たしましたが、それ以降はサマーリーグにも参加できたりできなかったり。

公輔の双子の弟、竹内譲次も参加を目指していますが、結局どこからも声がかかりませんでした。

竹内兄弟は、10代で今のレベルならNBAドラフトにもあるいは…とNBAの現職ヘッドコーチから言われるくらいの実力はあります。

しかし10代、すなわちまだまだ成長の見込める年代で、日本代表の中心的存在となっている今のレベルに到達しなければNBAは難しいと言うことです。

現状の日本バスケの協会の体制、指導のレベルではまだまだ難しいでしょう。

日本バスケが弱い理由に、身長や身体能力をあげる人がたくさんいますが、残念ながら日本バスケはそこまでのレベルに達していません。

オリンピック等でフリースローが弱点と言われ、フリースローが入らないからスペインやアルゼンチン相手に不覚を取るんだ、と言われているアメリカより、さらに下です。

日本は身長だなんだと言う前に、フリースローが入らないのです。フリースローに身長も身体能力も関係ない。

また、2000年代初頭に日本代表の監督に就任した、クロアチアのジェリコ氏に、

「代表入りしてきた選手にドリブルやピボットの基礎から教えなければならないとは思わなかった。

 代表の監督とは、選手に技術を教えるのではなく、技術が成熟している選手を使ったチーム戦術を考えるのが仕事ではないのか」

と言われていました。

とにかく、日本バスケは(世界的に見て)技術レベルが低いのです。


逆に考えれば、若い内から技術に磨きをかければ日本人でもトップクラスの選手であれば通用する、と言うことです。

日本人選手の最大の課題は身長でも身体能力でもなく、技術。

アメリカのトップアスリートで構成されたチームに勝てない、なんてレベルではないのです。

台湾やフィリピン、果てはボスニア・ヘルツェゴビナ(世界ランク40位前後)の一クラブチームのジュニアチーム(中学生主体)に負けているのが、今の日本バスケのレベル。

まだまだ向上の余地があるのに、身長や身体能力の差を負けの言い訳にして、努力を怠っているのが日本バスケの現状。

なのに、日本人の心の奥底には、外人に体格や身体能力では負けるけど小手先の技術では勝っている、との意識が強いのか、その現実を見つめようとする意識が希薄に感じます。

残念ながら、小手先の技術でもアメリカはもちろん、ヨーロッパや中東、一部のアフリカの国々にも劣ってますから。

にもかかわらず、技術だけならアメリカにも負けない、下手をすれば勝ってる。なのに勝てないのは体格で劣るせい、とか言ってる人もいてビックリしますわ。

フリースローも入らないレベルの国の技術が、なにがアメリカに勝ってる、か。


そんな日本でも、ようやく外国のコーチを招き入れたり、代表クラスの選手たちのNBA挑戦を認めたり、高校生の内からアメリカへ留学する選手が出てきたり、と変化が現れ始めました。

松井啓十郎や伊藤大司など、アメリカの高校~大学を経て、NCAAの舞台に立ってから日本に帰ってきた選手もいます。

富樫君のように、アメリカの高校へ旅立った子もいます。

日本がNBAに定着する選手を産み、バスケの強豪国になるのは果てしなく遠い話です。

NBAに入るには、ドラフトされれば一番近道ですが、竹内のようにサマーリーグから入るのなら、


・サマーリーグに招待される

・そこで目立った活躍をする

・開幕前のトレーニングキャンプに招待される

・プレシーズン(オープン戦)メンバーに登録してもらう(一チーム20~25人程度)

・プレシーズンで使えると判断してもらう

・開幕メンバーに登録してもらう(15人)

・まずは保証がない契約をしてもらい、出場機会を得る

・ある程度活躍して、保証のある契約をしてもらう


これだけの関門をクリアしていかなければなりません。

世界中からトップクラスのバスケ選手が集まってくるのに、その中から(30チームなので)450人しか登録してもらえないのです。

しかも、ベンチ入りできるのは12人までなので、ベンチに入るのはさらに難易度が増します。

ベンチから外れた3人は、12人の中で同一ポジションの選手がケガでもしないと、機会を与えられません。結局機会が訪れることなく解雇されることもざらにあります。

さらに試合に出るのはだいたい12人中7~9人程度。残りの選手は主力がファールトラブルに陥ったり、よほどの大差が付かない限り使ってもらえません(田臥はこの扱いだった)。

そして、これまた機会がないまま解雇もよくあることです。


日本人のNBAプレイヤーが現れること、日本がバスケの強豪国になること。

まずは、日本が勝てないのは身長や身体能力を言い訳にするなど百年早いほど技術レベルが低いんだ、と言うことを理解しないとダメですね。

幸い、アメリカのバスケに触れた選手が増えてきてますから、ガンガン他の選手に伝えて、その勢いで協会の意識ややり方を変えるくらいになって欲しいです。



ちなみに、NBAをいきなり目指さず、中国やヨーロッパを目指したらどうなんだと言う意見もあります。

ですが、アメリカ以外の国は外国人枠があり、そこに入るのは容易ではありません。

日本のプロ野球でも、外国人枠に成長を見込める若手とか、ピンポイントで使う代打または代走要員を入れたりしないでしょう。
外国人枠は主力級の戦力と認められない限り、食い込むことは難しいです。

レベル的にはNBAほどではなくとも、ユーロリーグや中国のリーグに入ることは、NBAを目指す以上に困難なのです。
それに、ヨーロッパだと言葉の問題もありますしね。英語が簡単とは言いませんが、一番身近な外国語ですから。

イタリア語やスペイン語になると、もうわけわかめなので、ヨーロッパを目指すとなるとその点でも苦労しそうです。
となれば、枠がない上に下部リーグも豊富なアメリカを目指すのは妥当と言えます。

今年はサッカーのワールドカップがありましたが、実はバスケも世界選手権(トルコ)があります。

アジア10位の日本は当然不参加。

例え一勝もできないとしても、自力で日本が出場できる時が来ると良いんですけどね…



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