王家の谷で、トゥトゥアンクアメン!
王家の谷、といえば、
ツタンカーメン!
エジプト人風に言うと、
トゥトゥアンクアメン!
・・・という、二番煎じのお土産画像は、いいとして、
王家の谷といえば、超有名なツタンカーメンの墓である。
なんとこのお墓、1枚で3つ入れる70LEのチケットとは別料金。
しかも、1人80LE(=約1800円)!
日本の映画館で映画が見られる金額に、がぜん、期待が高まる。
入り口でカメラを預け、いざや本物のツタンカーメンとご対面!
!!!
………。
???
せまっ…。
あさっ…。
そっけなっ…。
玄室以外の壁は、真っ白で何も書かれていないし、
降りていく階段は短く、中も狭い。
正直、ツタンカーメンの墓だということを知らずに見たら、
他の墓の方がずっと見栄えがするつくりだ。
うーん…これで80LEか…。
さすがに、ぼったくりではなかろうか。
期待が高かっただけに、拍子抜けしてしまったよ。
でもね、じゃあね、80LE払って入る価値がないのかというと、
そういうわけではない。
王家の谷に行くなら、ぜひとも入っておいた方が良いと思う。
特に、カイロのエジプト考古学博物館に行くなら、絶対入るべし。
博物館にある山のような財宝が、
この狭い空間に収まっていたと想像すると、
それだけで感動がアップする。
それにしても、この小さなツタンカーメン墓でさえ、
あれだけの財宝がつまっていたんだから、
もっと大きな墓たちは、もし盗掘されずに見つかってたらと思うと…。
本気で目がつぶれんばかりの煌きだったろうなぁ。
王家の谷で、叱られた。
王家の谷のそれぞれの墓の中は、撮影禁止である。
入り口にも、だいたい張り紙がされている。
でも、メルエンプタハの入り口には張られてなかった
ような気がしたんですよ。
それで、あまりの良い雰囲気に思わずシャッター切っちゃったんですよ。
そしたらですね、
「おい、そこのお前!」
「え?私・・・ですか?」
「カメラ没収。」
「えー・・・」
「見終わって戻ってきたら、オレのところに来い」
「はい・・・」
ということに、相成りました。
仕方なく、言うとおりにカメラを渡し、
ちょっと不安に思いながらも、メルエンプタハの予想外に良い雰囲気を堪能。
戻ってから、入り口のオッチャンの元に直行しました。
「そこで、待ってな。今、警察呼ぶから」
「え・・・マジですか。警察沙汰ですか」
「3分で来る」
(今まで撮ったデータ、全部没収されたらどうしよう・・・。
代償として、法外なカネ要求されたら・・・
まさか、このまま連行なんてことは・・・)
「あのね、君が写真撮るだろ。来年、また来たとするだろ。
どうなってると思う?
壁画、消えちゃってるんだよ。わかるか?」
「はい」
「ちゃんと、未来に残していかなきゃいけないんだよ。
わかるか?」
「はい」
「わかったら、もう行きなさい」
「え・・・?いいんですか」
「いいから。このことは、誰にも言うんじゃないよ」
結局、データもカメラもカネも我が身も無事で、
警察に引き渡されることもなく、
オッチャンのお説教だけで放免されたわけだけど、意外と堪えた。
私みたく、うっかり撮っちゃう人がいるから、
ラムセス9世みたいにガラスで覆われちゃう墓が増えちゃうのかもって思った。
だから、「誰にも言うな」って言われたけど、書いちゃった。
撮っても放免だよってことじゃなくて、
撮ったら、マジ、ダメだからってことで。
「いいよ、撮っちゃいなよ」って言ってくるエジプト人が多いけど、
こうやってちゃんと先のことを考えてるエジプト人もいるんだね。
オッチャン、叱ってくれて、ありがとう。
明るいお墓、王家の谷
王家の谷。
歴代ファラオの墓のある谷。
見つからないようにと、荒らされないようにと、
密やかに墓をつくった谷。
それを、色々な想いを持った、色々な性格の発掘家たちが、
豪快に爆破してみたり、
1センチ単位で気が遠くなるほど緻密に掘り進めてみたり、
それぞれの方法で掘り当ててきた。
呪いだ、祟り(たたり)だ、なんて話も多いけど、
そういう垂れ込めた雰囲気は、
まったく、なし!
ほらね、まったく
なし!
この実に明るく、健康的で、雄大な岩山に囲まれた谷が
王家の谷であり、ファラオの墓が集まる場所。
今のところ、誰のかわかっていないものも含めて、
60あまりの墓が見つかっているという。
その中で、公開中のものは、約15個。
さらにその中で、1枚のチケットで見られるのは3個。
『古代エジプトうんちく図鑑』に付箋を貼りまくって予習した情報と、
公開しているか否かと、時間と体力とを総合して
どうにかこうにか私たちが選び出したのは、この3つ。
メルエンプタハ(kv8)
一番良かったと思う。
事前学習では、まったくのノーマークで、
たまたま、「暑いし、いいよ、とりあえずココ入ってみよう」という
適当な気持ちで入ったけど、なかなかどうして。
壁画の感じ、墓の長さ深さなど、良い雰囲気だった。
ラムセス9世(kv6)
本当は、ラムセス6世が見たかったんだけど、
閉鎖中とのことで、代わりに入った。
6世墓と同じく、壁画がキレイに残っているという話で、
確かにキレイに残っていた。
が、ガラスに覆われてるの。
うーん…後世に残すために、仕方ないんだろうけど、
一気に博物館な感じ。
キレイだけど、雰囲気台無し。
ラムセス1世(kv16)
玄室の壁画が素晴らしかった。
後ろからどんどん人が来たけど、しばらくかじりつきで見てた。
じゃあ、どんなんだったの?って言われると説明できないけど、
ビッチリギッシリ黒い線で、耳なし法一のごとく描き詰めてあったのが印象的。
ちょっと他の壁画と違った感じだった。
他にも、閉鎖中のため見られなかった一番デカイというセティ1世墓(kv17)、
体力に不安を感じて諦めた
地上30メートルの高さに入り口があるというトトメス3世墓(kv34)など、
見所はまだまだたくさん。
時間と体力があれば、もう1枚チケットを買って、もう3個見たいくらい。
神殿とはまた違った雰囲気で、魅力的な場所だった。



