旅の友、再び。
時を遡ること、ルクソール神殿を見終わったころ。
お昼ごはんを食べようとマクドナルドに向かっていると、
どこかで見たような女性が向こうから歩いてくるのが見えた。
A美だ。
ルクソール空港からタクシーを相乗りしてきたA美に、
偶然ばったり再会した。
まあ、同じルクソールの町にいる限り、
観光するところなんてほとんど同じ。
「また会うかもね~。暑いけど気をつけて~」
と、そのときは、別れた。
そして、カルナック神殿にて、再び再会。
「また会うかもね」とは言ったものの、
まさか、本当に会うなんて。
せっかくなので、しばし立ち止まって、
お互いに、その日たどってきた道のりを話し合った。
A美は、マクドナルド前で私たちと別れた後、
翌々日カイロに向かうための列車のチケットを買いに駅に行き、
その後、あまりの暑さに耐えかねて、ミイラ博物館に避難。
涼しいには涼しかったが、内容のしょぼさにがっかりしてから、
カルナック神殿に来たという。
私たちは、ルクソール神殿前で捕まえたタクシーに対する
ムカつきっぷりを披露。
そしたらA美ってば、
「私、タクシー待たせてるから、よかったら一緒に乗ってかない?」
って、なんて良い娘!
お言葉に甘えて、乗せてもらうことにした。
さらに話は翌日の予定におよび、
A美も私たちと同じく西岸を回りたいのだが、
一人だとタクシーチャーターが高くつくから困っているという。
当然今度は、私たちが誘う番。
私たちが80LEでチャーターしているタクシーで一緒に回ることを提案し、
「ホントに? ぜひ!」ということに落ち着いた。
思いがけぬ旅の道づれを得て、
女3人、A美の待たせていたタクシーに乗り込むと、
“良い人”のにじみ出た運転手のジイチャンが言った。
「A美、明日の西岸どうする?」
「あ・・・ゴメン、その話、やめとく・・・」
「どうして?」
「う・・・うん」
「なんなら、3人でどうだ?60LE にしとくよ」
えーっっ?!
そんなに安くなるの?!
あー・・・やっぱり、きちんと交渉するんだった。
一瞬、80LEでチャーター済みのニイチャンを捨て置いて、
この、人の良さそうなジイチャンに乗り換えることも考えた。
でも、そんなことしたら、
自分も、あのムカつく旅行会社カルナックと同罪になってしまう。
そこは、思いとどまって、
ジイチャンの話をお断りすることにしたのだが、さて…。
一番、“人が良い”のは、誰なんだか。
このときはまだ、わかっていない。
哀れ!ミン神
カルナック神殿、すごい迫力!
という話をした後に、ちょっと細かい話をひとつ。
エジプトの神々の中に、ミン神という豊穣の神がいる。
豊穣ということで(?)、
純情な女子が「キャッ!」となりそうな、こんな姿をしておられる。
このミン神が、カルナック神殿大列柱室の、
入って左奥の壁にいらっしゃるのだが、
どうにもかわいそうなことになっていた。
ジャン!
豊穣の象徴が、削られてますよー。
しかも、この壁に3人くらいミン神が描かれているのだが、
みんなそろって削られていた。
いつの時代の、どんな人が、何を思って削ったのか。
そういう私は、何を思って写真におさめているんだか。
キャッ!
すさまじき迫力のカルナック神殿
さて、気を取り直して、カルナック神殿。
歴代ファラオが、増築に増築を重ねただけあって、
その迫力たるや、すさまじい。
アブシンベル神殿のスケールもすごかったけど、
あれはドドーンとしたスケール。
カルナック神殿は、なんていうか
ギュ~ッとつまったスケールのでかさ。
右も左も前も後ろも、さらには上までも
迫りくる見所に、写真の撮りどころがわからないほどだった。
いきなり、超巨大な壁画がそそり立ってるし。
巨大な柱が、134本も林立!
見上げても、迫りくる柱たち。
本当に、私の技術では写真におさめきれない圧倒的な迫力が、
カルナック神殿には存在した。
しかも、とにかく広い。
そして、暑さ絶頂の時間帯。
太陽は、こんなにギラギラ。
ムカツクタクシーは、2時間なんて待てないって言いやがったけど、
2時間みっちり、たっぷりかかりましたとも。
ゆっくり、休みながらじゃないと体力的に危険だし、
この生でしか味わえない大迫力。
せかせかしたんじゃ、もったいない!



