本日はカレント2月号に掲載されました
◇現代社会と青年◇
での室舘による記事をご紹介いたします。
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緊張感と対極にいる若者達
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人材育成事業に携わり三十年が経ちます。
三十年前は、世の中もいわゆる「スパルタ教育」の傾向が強い時代でした。
我々の会でも、縦社会の厳しさが強い傾向にあり、
先輩の前では常に緊張して、
リラックスとは真逆の雰囲気でした。
その分、挨拶や礼儀は見事なものでした。
現代の世の中は、
教育においてスパルタ的な空気が淘汰されるにしたがい、
上下関係が希薄になる傾向にあるようです。
親子関係も上司部下関係も、
まるで友達のような接し方になってきたように感じます。
最近、初対面の大学生数名と話をしている時に、
驚くことがありました。
ある学生が私との会話の中で、
笑いをとるために大げさにボケたのです。
まるでお笑い番組に出てくる芸人のようでした。
初対面の大人に対して、ボケて距離を縮めるなど、
常識的にはあり得ません。
初対面では、その人の発言が本気なのかウケ狙いなのかはわからないからです。
周りは笑っていましたが私は苦笑いでした。
最近は、私の前で大げさにボケる学生に対しては、
全く乗らずに真剣に「そうですか」と返します。
「え? なんで乗ってきてくれないの?」と、
逆に学生の顔が引き攣ります。
教育で大切なのは、仲良くすることではありません。
大人は大人を、先生は先生を演じることです。
妙に若者との距離を縮めたがるのは、
指導者側がリーダーとして
自立できていないからでしょう。
誰とでも瞬時に打ち解ける能力がある若者は、
魅力的にも見えますが、
一方では馴れ馴れしい奴だと思われかねません。
ドラマ「三年B組 金八先生」で
お馴染みの武田鉄矢さんが以前、
イマイチ伸びきらない子役について語っていました。
それは「撮影現場で妙にリラックスしている子」だそうです。
逆に見事に成長していく人は、
撮影現場ではガチガチに緊張していたタイプなのだとか。
私も二十代前半まで、あがり症に悩みました。
しかし実力をつけて場数を踏むと、
大抵のことには慣れ、緊張しなくなった実感もあります。
ただ、それでもある時、天皇陛下より御会釈を賜った時は
ガチガチに緊張しました。
それを恩師に話すと、
「緊張すべきところで緊張することはとても良いことです」
と言ってもらいました。
私も指導者として、
実力がついてきた若者には
「適切な緊張感を持ちなさい」と
指導をしています。
常に緩んでいるのではなくて、
相手や状況に合わせて、リラックスしたり、
緊張感を持ったりできる若者の指導に励んでいきます。
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