【巻頭コラム】しがく新聞2月号 | キャリアコンサルティングの広報室

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下駄を履かせることは、教育ではない

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コロナ下での生活も一年が経ちます。

 

世の中の管理職は、リモートワークが多くなる中で、

より一層、社員教育の難しさに直面しています。

 

しかし「こうすれば必ず上手くいく」

という答えを出すことは難しいものです。

 

今回は私の失敗談を含め、

人が成長していくポイントについて考えてみましょう。

 

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20代前半、マネジャーとして奮闘していた頃。

 

強い組織を作るため、課にエースとなる存在が必要でした。

ある社員を集中的に育て、エースに引き上げることにしました。

彼の営業力アップと彼の顧客のフォローに、

私は多くの時間を使いました。

 

結果、彼はポジション以上の成果を出し、

見事月間MVPを獲得、そして主任に昇進しました。

 

この成果に私は満足し、

自分には指導力があると過信していました。


他の社員も同様に育てようとすると、

エースになったはずの彼が遅刻をし始め、

仕事中も緩い空気を出し始めます。

 

私は、彼のフォローや指導に割く時間が増えました。
 

つまり、彼はエースではなく、

ただ手のかかる主任になってしまったのです。

 

私は彼に「下駄を履かせる教育」をしてしまい、

彼はそれを自分の実力だと勘違いしてしまったようです。

 

根本は、エースに仕上げたかった私のエゴが

上辺だけの好成績者を作り出してしまったのだ、

と大いに反省しました。

 

結局、彼の成績は復調せず、

私の下から去っていきました。
 

あれから20年以上が経ちました。

 

リーダーシップの基礎教育「しがく式」を開始して7年半。

 

しがく式で実力を高めた多くの若者が、

社会で輝かしい成果を上げており、

本当に喜ばしいです。


その秘訣の一つは認定試験。

 

ランクごとの試験で実力をチェックします。

 

合格率は初級で8割、中級は6割、

上級になると3割と厳しくなります。

 

もう一つは郷中教育。

先輩が後輩に教えることで指導力が身につきます。

 

薩摩藩の郷中教育を参考にした

この方法は非常に良い効果を上げています。


ところが先日、

大変残念で悲しくなる出来事がありました。

 

とある社員のチームが合格偏重主義に陥り、

「試験対策」と言って、先輩が良かれと思い、

自分の経験から合格ノウハウをレポートにまとめ、

半ば答えを後輩に教え、

合格させようとしていたのです。

 

拒否しない後輩メンバーにも少しは非があります。

 

しかし今回の大きな問題点は、

教育の目的が「実力をつけさせる」ことから

「試験に合格させる」ことにすり替わっていたことです。

 

後輩が、壁に直面して、

もがく中で成長する貴重な機会を、

先輩が奪っていたのです。

 

この行為に気づかなかった社員や私は猛省しました。


人材育成は簡単なものではありません。

 

良かれと思ってしたことが間違った指導だった

ということも多くあります。

 

時には育つまで待つことや突き放すことも必要です。

 

教える教育もあれば、教えない教育もあるのです。

 

流行りの「褒めて伸ばす教育」だけで

上手くいくほど単純ではありません。


人には、それぞれの生き様があります。

 

ぶつかるべき壁があったり、

悩み落ち込んだりすることも必要です。

 

努力が報われない経験もあるでしょう。

 

それでも、考えて、誰かに相談して、

最終的には自分で解決していくことで

人としての成長があるのです。


若い皆さん、楽な道と茨の道、

どちらを選びたいですか。

 

全てとは言いませんが、自分の成長のためなら、

ぜひ茨の道を選んでください。

 

長い目で見れば、努力は裏切りません。

 

皆さんには実力をつけて

周りを幸せにできる人材に成長してほしいと、

心の底から思っています。 

 

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