チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる -19ページ目

チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

次の世代に仕事の知を伝えなければいけない。



そんな了解は、ほとんどの職場に共通しているものです。



しかし、じゃあどうやっていこうか、となると、

色々問題が出てきて、実際に中々進まないのが実情です。



時間がない、というのは共通している永遠の課題ですが、



研修の場で無記名で上げてもらうと、大方以下の4つにまとまります。



1.何を伝承すればいいのか分からない

2.場を共有できずに経験知を伝えることは難しい

3.自分と後輩とで仕事の内容が変わってしまった

4.教えてしまうと、自分の存在価値が無くなってしまう


実際に組織で“伝承”を進めようとするなら、

掛け声だけではダメです。

こうした問いに答えていかなければ、前に進めることはできません。



ではまず、一つ目から。



“何を伝承すればいいのか分からない“



あいつを一人前にしろ、

お前のKHを“伝承せよ”、“教えよ”と言われて大抵陥る問題です。



“伝承せよ”と言われるものだから、ついつい自分から“発信”

しなければいけない気持ちになるのですが、



それが間違いです。



やるべきことは実は逆。



まずは部下、後輩の話をしっかりと聞くこと。 

彼(女)らの文脈に自分を入り込ませ、



彼(女)らのストーリーを完成させるまで、

じっくりと聞くことが大切です。 

必要なら言葉を促し、分からなければ問いを入れて、

可能なところまで語りきらせることが大事です。



実はそこで伝承は一区切り。 

納得のいくストーリーを語らせることが、伝承になるからです。



二つ目。 ”どうやって伝えればいいのか”という疑問。



暗黙知は、伝承の最重要かつ最難関のテーマです。



いくつかのアプローチを組み合わせる必要がありますが、

その代表はストーリーの語り。 経験を物語で伝える方法です。



他の方法としては、部下・後輩の経験に共感を向けつつ、

そこに問いを入れたり、フィードバック(アイメッセージ、という

スキルを使います)を行って、思考を進めさせる。



このやり取りの中で、ここでも“伝承”が進みます。



3つ目は、昨今IT開発現場などで急増している問題です。



自分がやってきた仕事の知は既に陳腐化したり、現場で使われなく

なったりして、知識・経験を伝えてもそのままでは意味を成さない。



こういう場合に、伝承すべきことは2つの方向に分かれます。



ひとつは「考え方」の伝承。 

自分の持つ知を、概念的なレベルに上げて、そのエッセンスを伝える。 

これをする上では概念化のスキルを鍛える必要があります。



もうひとつは、仕事体系全体を捉えて、その回し方、マネジメントの

方法を伝える。 しくみが変わってしまうと、全部変わってしまった

感覚になりがちですが、実は全体の一部に過ぎず、実際に重要なのは

人や組織の動かし方、だったりするものです。



そして4つ目。 



”教えてしまうと自分の存在価値がなくなるかもしれない”というのは、

いま、多くの中堅社員に切実なところでしょう。


研修の中で私は「覚悟して前に進め」と、言うことにしています。



今の時代、自分が持っているスキルがどこで陳腐化し、無用化するかなど、

分かりません。 生涯〇〇、という時代は、もう望めないのです。



とはいえ一方で、ある領域で得られた知識や経験が別の領域で役に立つ

時代でもあります。 



重要なのは、自分が蓄積してきた知識や経験を活かしていける

応用力、他者に分かりやすく伝えたり、全く異なる価値を

そこに見つけたりできる力です。



その力が、陳腐化した自分の知を踏み台にして、次のキャリアを

開いていく真の力になるのです。



“伝承“という機会は、自分の持つ知と経験を客観化していく

またとないチャンスです。 

そこはしたたかに活用する意識を持ってください。



そんな風に、私は勧めることにしています。

 




【仕事知セミナーのお知らせ】 


上にあげた”仕事知の伝承力”が、今回セミナーのテーマです。


日時: 7月26日(火) 19:15 -

場所: 東京ハートカフェー(メトロ西早稲田駅より徒歩5分)

お申し込み、詳細は こくちーず http://kokucheese.com/event/index/405555/

をご覧ください。

去る15日(水)に開催した仕事知探求セミナー(第14回)について、

この場で報告したいと思います。




今回のテーマは『創造的学習の方法』でした。




“学習”というと私たちは、

新たな「知」の獲得をイメージする傾向があります。




新しい「知」を得ることで、“世界”について、これまで以上に

理解できる様になったり、




新たな利便性や物事の価値が見えてくることを、期待しているの

だろうと思います。




例えば“脳のしくみ”が分かってくることで、“言語”というものの

機能や可能性が分かってきたり、それを活性化する方法についての

認識が高まってきたりします。




ただ、これと似たようなことは、



従来の行動や発想を変化させた場合でも、起こります。




例えば今までいつも目玉焼きを醤油(しょうゆ)で食べていた人が、

たまたまソースのかかった目玉焼きを食べて、その美味しさを

実感するようなケースが、それに該当します。




見かけ上、特に新しい知識は加わっていませんが、

この人には間違いなく学習が起きており、

それは、すぐに実践で使える性格を持っています。




一橋大学の野中郁次郎先生らが提唱したSECIモデルは、

「知識創造」の方法論として有名です。 このモデルは

まさに、従来の見方を変えていく方法論と言っていいでしょう。




野中先生達の研究では、

企業の新商品開発などが紹介されていたからか、

SECIモデルをたいそうなものだと思い込む傾向があります。




ですが、SECIの構造をしっかりと理解し、

すこし注意して日常を見渡せば、

意外と身近にこのモデルは回されていることに、

気づくことができます。




今回は、参加者それぞれが、自らの日常実践をワークの場に持ち込んで、

それを題材にSECIモデルの効果を実感してみました。




例えば、

「製品(おかし)のカロリー計算を仕組み化する」

「ファイル整理を任せることで業務理解を高めよう、という新任担当者教育」

「本社ビルの移転事業推進」




みな、参加者がいまさっきまでやっていた実践であり、

ここではそれぞれの行為の“社会化”が進んでいます。(S)




セミナーではそれぞれの“実践”を5マスKPTというフォームに記入頂き(E)


各々の「知」を“問い”を軸にしたコミュニケーションで繋ぎあわせ(C)


“繋ぎあわせ”で生まれた「気づき」を元に、NEXT STEPを考えてもらい、

最後に自身の内側で行動のイメージ化(I)を行ってもらいました。




さて、何が起こったか。




一人あたり僅か10分足らずの共有時間にも関わらず、参加者全員が

“いい気づき”を実感し、SECIモデルのパワーを認識した時間になりました。




正直、こんなに綺麗に結果が出るとは、想定外でした。




反省を言えば、




テーマとして掲げた「創造的学習」という表示は、イマイチ今回の

内容と繋がっていなかった様子で、




“創造的振り返り”とか、“身近なSECIモデル活用法”みたいな方が

しっくりくる、との印象だったようです。




ワークとしては、まあ成功なのかもしれませんが、


私の“仮説”は、相当大きくズレていたみたいです。




ということが分かったところが、今回セミナーの”重要な”成果だと理解すべき

なのでしょう。 




言い訳をせず、結果を受け止めたいと思います。

とてもありがたいことです。





ご参加の皆様に感謝です。










【第15回仕事知探求セミナーのお知らせ】




次回は“伝承”がテーマです。 私は3年前、このテーマで電子ブックを出し、そこでひとつの仮説を示しました。 その仮説は、仕事知の一部の領域にはあてはまるものの、新陳代謝の激しい技術的な知の領域には、いまひとつマッチ出来ていないものでした。 そこで始まった3年間の格闘。今回は3年間で自分なりに掴んだ結果をフレームワーク(ナレッジ・チャート)で公表しようと思っております。

 



日時   726日(火) 19時15分~
場所   東京ハートカフェ (JR高田馬場駅より徒歩10分)

テーマ  ナレッジ・チャートと『伝承力2.0

参加費  1,000円(当日会場で集めます)




詳細およびお申し込みは→ http://kokucheese.com/event/index/405555/




ご参加をお待ち致します。










































































プレゼンであれ新しい企画案であれ、ドイツ人は何かと異を唱えてくる、

という話を、

先日、大学の「異文化コミュニケーション論」の授業でしたら、



「そういうの、僕は好きです」



と言ってきた学生がいました。



対立構造の中で議論をして、プレゼンも企画も磨かれていくのだから、

結構なことではないか。 

対立を避けようとする日本人は、だから弱体化しちゃうんでしょ、と。




確かに。 



弁証法の歴史を持つヨーロッパには、そういう文化が確かにあるけれど、

日本ではちょっと・・・、

という話を授業ではしていたのですが、



最近の学生の中には、

そんな対立に違和感を感じない人が増えてきたのかなあ、

などと、考えてしまいました。



問題を曖昧にして対立を回避するか、

あえて対立構造を明確化して議論を深めるか。



異文化コミュニケーションの領域で問題とされる

大きなテーマの一つです。



いくつかの研究で日本は“対立回避型”の最右翼とされており、

インドネシア、タイなどが大体同じような評価を受けています。



これに対してドイツ、フランス、オランダなどは、対立明確化の

急先鋒。 

アメリカ、イギリス、インド、中国などは、その中間くらい、

というデータがあります。



ともあれ日本は最右翼なので、これらどの国の人とのやり取りでも、

日本人から見れば、大部分が“対立明確化型”に見えてくるはずです。




ただ、

こうした国(地域)別データは、参考にはなりますが、

2つの点は押さえておかないといけません。



ひとつは、同じ国(地域)の中にも個人差があり、単純に日本人は・・・、

ドイツ人は・・・と、捉えてしまうと、しばしば間違えること。



もうひとつは、現代の様に時代が大きく動いていると、世代の間でも

相当の差異が生まれていて、“古い”(上記は20世紀終盤ころの調査らしい)

データが、若い世代には必ずしも適用できないこと。



冒頭の学生などは、その典型的な例かもしれません。



つまり、今日のようにグローバル化が進み、色々な情報、特に日本を

相対化して見る様な情報がメディアから普通に流れてくる時代には、



感受性の高い(特に若い人ですね)人たちが日本の“あたりまえ”を

批判的に見て、異なる行動を選択していく可能性は十分に出てきます。



それが会社の様な組織に持ち込まれれば、世代間対立の種になりかねません。



議論を煽るようなことを言う奴は、

以前であれば、“理屈っぽくて生意気な奴”、だったのでしょうが



段々と勢力を増してくれば、

組織内でコミュニケーションが断絶していく可能性も

十分ありうるでしょう。



断絶したり、接触を回避していくことで、確かに対立は回避できます。



しかしそれだと、上の学生が指摘するとおり、対立を回避し問題を“見えない化”

していくことで、企業の競争力を落としてしまう可能性は膨らみます。



これは、日本の組織が今直面している課題と捉えるべきでしょう。



あまり気づかれてはいないけれど、かなり深刻な気がします。



これを克服するには、



対立を明確化しよう、という意見を潰さない、



少なくても

“問題の見えない化”に進む空気を、遮断できる組織の理性を

育てていかなければいけません。



組織の中に“対立”が生まれそうな時に、

関係を壊さないようにすることは大事ですが、



一方でその時に“見えない化されている問題は何か?”を問うことは、



大きな価値があるものです。



“対立”という構図を人と人の対立に結び付けず、

事柄と事柄の対立に持っていく。



“関係”を守りながら、共に“問題”を探り議論を深める技術を、

もっともっと、開拓しなければいけないのだと思います。






【仕事知探求セミナーのご案内】


仕事の知を共に探求する場を開いております。 

次回は、6月15日(火)19:15-  から。 

テーマは知識創造モデルで知られるSECIモデルを学習に繋げる方法の探求です。 

詳細、申し込みは → http://kokucheese.com/event/index/399166/


ご興味がありましたら、是非いらしてください。












第12回「仕事知」探求セミナーを開いたので、内容をこちらで
ご紹介したいと思います。


今回のテーマは『フィードバックを糧にする』でした。


私たちは仕事の場でも、また仕事以外でも、周囲から無数の
フィードバックをもらっています。 


それらの多くは、私たちの成長にとって有益でありうるにも拘らず、
私たちはしばしば、
“拒絶してしまい、目の前にある学びのチャンスを逸失して“いると。


『ハーバード あなたを成長させるフィードバックの教科書』


の著書であるD.ストーン、S.ヒーンの両氏は指摘しています。





 





両氏は言います。


誰の頭の中にも、フィードバックを受けた時に弾かれやすい
3つのトリガー(引き金)がある。


そのうちのどれか一つでも弾かれてしまうと、もう、
フィードバックのメッセージは受けいれられなくなってしまう、と。


3つのトリガーとは、真実のトリガー、関係のトリガー、
そして、アイデンティティーのトリガー。


真実のトリガーは、フィードバックの送り手の意図が、
受け手の期待とズレることから生まれる。


女の子は、泳ぎが上手くなった自分を褒めてもらいたい。
だけど父親は、息継ぎの方法を教えようとする。
女の子は“なぜ『頑張ったね』と言ってくれないの”と泣き出す。 


関係のトリガーは、そのそもの関係性に問題があるケース。


“なぜ、早く言わなかったんだ”というフィードバックに、
“現場を知らないあんたが、何で偉そうに言うんだ”
と、熱くなってしまう。


そしてアイデンティティーのトリガーとは、
“君はまだ、顧客の心を掴めていないな”というフィードバックに、
“俺は営業の才能がない”と、悲観的になってしまうケース。


3つのケースはどれも、トリガーが作動した途端、
改善を進めたり、学習したりする方向が閉ざされてしまいます。


『あなたを成長させるフィードバックの教科書』には、


それらの“トリガー”によって引っ張り出されてしまう
様々な“ノイズ”(この表現は同書にはなく、私が使っている
だけです)を制御し、


純粋なメーセージをフィードバックから取り出す道が
示されています。


今回のセミナーは、
フィードバックを受けた自分にどんなことが起きているか、
どんなトリガーが弾かれそうになっているかを、
体感頂いた時間でした。


そしてフィードバックで引き出された感情やストーリーに
意識が向いたところで、


いくつかの操作を通じて、純粋メッセージの抽出をやってみる。


というのが、今回ワークの流れ。


これで終わってくれれば順調に終了、
という感じだったのですが、


終了間際に参加者から、こんな話が出てきました。


自分は会社でもフィードバックを時々受けているけれど、
どうも素直に聞けない。 

考え方は人それぞれなのだから、違ったってよいではないか、と。


自己紹介でこの参加者は、“私は○○○という面があります。 
また、私は△△△もやっています、といった話をされていました。


それに対して別の参加者からは、○○○と△△△との
つながりが分かりにくい。


もっと分かりやすいとよかった、というフィードバックが
出されていました。


ご意見は、そのフィードバックに対してのものです。


ワークでは「自分をよく知ってもらう自己紹介」を

お願いしていました。


この方は、自分を知ってもらおうと自分について語った。 

同氏の中では○○○と△△△は、矛盾なく繋がっていた。


ところがこれが他者の目には繋がって見えない、
というフィードバックが送られてきた。


しかしだからといって、
これを修正する必要はあるんだろうか、と。


うーーん。


そうかもしれません。 


フィードバックを受け取って、
“分かりやすく“説明しようとした際に、
“正しい自分”が“分かりやすさ”の犠牲になっては意味が
ありません。 


今のところ自分の中で矛盾なくしっくりしているのなら、
他者には分かりにくくても、正直に語る方が相手には
“よりよく”伝わるのかもしれないからです。


フィードバックはスクリーニングせよ、とは、上術の本にも
指摘されています。


ですが、他者の視点を入れ、それをどう扱うべきかは、
また別のレベルでの検討を要する問題だと気づかされました。 


といった思いがけない収穫も含め、

フィードバックを受けて
他者の視点を自分の思考の中に入れてみることの意義は、
今日のワークで実感することができました。


自分の内側にあって、フィードバックと同時に
殆ど無意識に弾かれてしまうトリガー。


まずは自分の中の、どのトリガーが作動しそうになっているか、
それに気づけるレベルを目指したいと思いました。


ありがとうございました。



【第13回「仕事知」探求セミナーについて】


次回の開催は5月17日(火)です。


テーマは「場を創造的にする話の聴き方」です。


詳細は 
こくちーず 
http://kokucheese.com/event/index/393238/
をご確認ください。

第11回「仕事知」探求セミナーを開いたので、内容の一部を

こちらに紹介したいと思います。







今回のテーマは「職場における学習効率をどう上げる?」でした。



能力的にそう変わらないのに、仕事の中で伸びる人とそうでもない

人がいます。 原因はいくつか考えられますが、仕事の中でおきる

「学習」の差は、ひとつの主な要因と思われます。



冒頭ではまず過去の「学習体験」を共有しあったのですが、

出てきたケースはいずれも“意図した学びではない”ものでした。

学ぼう、と構えてはいなかったところに、学びは生まれていました。



とはいえ、起きていた学びを分解していくと、

「学習」を導く要素は色々現れてきます。 

職種や場面は違っても、いくつか共通点があることも分かります。



仕事は人間が意図をもってする、外界への働きかけです。 

目的をもって行動し、外界からの反応を受け取り、

結果を評価して次につなげる。 



基本的には、どんな仕事もこのサイクルを回しています。



そして、サイクルが正常に回る中に、学習が起きる契機もあります。

結果がうまくいかなかった時は、

目的は妥当だったのか、スキルは十分あったのか、などと、

原因を突き詰めていくことで、修正の道筋も見えてきます。



問題は、このサイクルがうまく回らなくなる阻害要因が結構あるし、

昨今はその種類が増えてきていることです。



自らの仕事の有効なところと不十分なところが顕在化したり、

自分の仕事の意味や意義が意識されていたり、

プロセスを俯瞰して検証したりする中に「学習」が生まれるのですが、



しばしば見えなくなってしまう領域が生まれ、学習が阻まれてしまうのです。



例えば、仕事の結果が聞こえてこない。 納期までに仕上げろと言われて

必死に仕上げたけれど、その後何も教えてもらえない、という話。



また、命じられて書類を作ったが、そもそもの目的や用途について

ちゃんと説明をしてもらえない、という話。



次々にノルマをこなすのに汲々としてしまい、流れをじっくり

振り返る余裕がない、という問題、など。



「学習」が進むということは、実践の知が向上する、ということです。 



どうやったらより早く、そして正確にこの業務を進められるのか。

どのような広告が、より沢山のお客を引きつけるのか。

社内のコンセンサスを取り付けるのに、どういう方法が有効なのか。



日々の実践を通じて、世界がどうなっているかを知り、

より有効な形での振舞い方を学んでいくプロセス。



仕事をそう解釈することも可能です。



“世界をどう捉え、そことどう組み合っていくか“



やや大げさな感じですが、

これは自分が世界とどう対峙するか、について、

自分なりの方法論を確立していく歩みと、言えるのだと思います。



そう考えると、結局日々の実践という「学習」を通じて、

私たちは「生き方」を磨いていると、捉えてもいいでしょう。



セミナー後半には、

現在の仕事環境において、「学習」がどれだけ機能しているかを

10項目のリストで確認し、それぞれの背景にあるものを考えてみました。



リストには、

 自らの行動を自己決定できているか

 自分の行為の結果や反応は自分が受け取れているか

 モデルや反面教師、相談相手はいるか

 行動のサイクルを振り返る機会を持っているか



等が並びます。



これらの項目をみていくと、

仕事に元々備わっている「学習」機能の一部が、

システムに「奪われて」しまっていることに気づいたり、



逆に、無意識のうちに自ら学習機能を停止させていたり、

知らぬ間に学びのチャンスを逸失していたことに気づいたりします。 



データベースの便利さにすっかり寄りかかってしまい、

自ら考えなくなっていくケースなどは、この典型です。



無論、中には自分の力で取り戻すことが困難な領域もあります。

設計した部品が海外で生産されていて、それが第3国に売られているような

ケースでは、お客の声を聞くことなど確かに難しいでしょう。



とはいえ、元来仕事が含み持っている「学習」の機能は、

働く当事者が注意を向けることで、かなりの部分回復することが可能です。 



「学習」という視点を自己の仕事実践に導入してみることで、

日々の働き方は大いに違ってくるだろうと思います。



とりあえずやれることはかなりありそうだ、と、

改めて確認できたところが、今回セミナーの収穫でした。



ありがとうございました。




【第12回「仕事知」探求セミナーについて】



次回の開催は4月21日(木)です。

テーマは「フィードバックの上手な受け方」です。



詳細は 

こくちーず http://kokucheese.com/event/index/384479/

をご確認ください。