第12回「仕事知」探求セミナー報告 | チエでつながる, ワザでつながる、ココロでつながる、価値を生みだす           ~ 物語思考が世界をかえる

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この世に生まれて間もなく、人は「ものがたり」と出会い、そこで広い世界とのつながりを作ります。このblogでは、「ものがたり」と共にある人の可能性を探求していきます。

第12回「仕事知」探求セミナーを開いたので、内容をこちらで
ご紹介したいと思います。


今回のテーマは『フィードバックを糧にする』でした。


私たちは仕事の場でも、また仕事以外でも、周囲から無数の
フィードバックをもらっています。 


それらの多くは、私たちの成長にとって有益でありうるにも拘らず、
私たちはしばしば、
“拒絶してしまい、目の前にある学びのチャンスを逸失して“いると。


『ハーバード あなたを成長させるフィードバックの教科書』


の著書であるD.ストーン、S.ヒーンの両氏は指摘しています。





 





両氏は言います。


誰の頭の中にも、フィードバックを受けた時に弾かれやすい
3つのトリガー(引き金)がある。


そのうちのどれか一つでも弾かれてしまうと、もう、
フィードバックのメッセージは受けいれられなくなってしまう、と。


3つのトリガーとは、真実のトリガー、関係のトリガー、
そして、アイデンティティーのトリガー。


真実のトリガーは、フィードバックの送り手の意図が、
受け手の期待とズレることから生まれる。


女の子は、泳ぎが上手くなった自分を褒めてもらいたい。
だけど父親は、息継ぎの方法を教えようとする。
女の子は“なぜ『頑張ったね』と言ってくれないの”と泣き出す。 


関係のトリガーは、そのそもの関係性に問題があるケース。


“なぜ、早く言わなかったんだ”というフィードバックに、
“現場を知らないあんたが、何で偉そうに言うんだ”
と、熱くなってしまう。


そしてアイデンティティーのトリガーとは、
“君はまだ、顧客の心を掴めていないな”というフィードバックに、
“俺は営業の才能がない”と、悲観的になってしまうケース。


3つのケースはどれも、トリガーが作動した途端、
改善を進めたり、学習したりする方向が閉ざされてしまいます。


『あなたを成長させるフィードバックの教科書』には、


それらの“トリガー”によって引っ張り出されてしまう
様々な“ノイズ”(この表現は同書にはなく、私が使っている
だけです)を制御し、


純粋なメーセージをフィードバックから取り出す道が
示されています。


今回のセミナーは、
フィードバックを受けた自分にどんなことが起きているか、
どんなトリガーが弾かれそうになっているかを、
体感頂いた時間でした。


そしてフィードバックで引き出された感情やストーリーに
意識が向いたところで、


いくつかの操作を通じて、純粋メッセージの抽出をやってみる。


というのが、今回ワークの流れ。


これで終わってくれれば順調に終了、
という感じだったのですが、


終了間際に参加者から、こんな話が出てきました。


自分は会社でもフィードバックを時々受けているけれど、
どうも素直に聞けない。 

考え方は人それぞれなのだから、違ったってよいではないか、と。


自己紹介でこの参加者は、“私は○○○という面があります。 
また、私は△△△もやっています、といった話をされていました。


それに対して別の参加者からは、○○○と△△△との
つながりが分かりにくい。


もっと分かりやすいとよかった、というフィードバックが
出されていました。


ご意見は、そのフィードバックに対してのものです。


ワークでは「自分をよく知ってもらう自己紹介」を

お願いしていました。


この方は、自分を知ってもらおうと自分について語った。 

同氏の中では○○○と△△△は、矛盾なく繋がっていた。


ところがこれが他者の目には繋がって見えない、
というフィードバックが送られてきた。


しかしだからといって、
これを修正する必要はあるんだろうか、と。


うーーん。


そうかもしれません。 


フィードバックを受け取って、
“分かりやすく“説明しようとした際に、
“正しい自分”が“分かりやすさ”の犠牲になっては意味が
ありません。 


今のところ自分の中で矛盾なくしっくりしているのなら、
他者には分かりにくくても、正直に語る方が相手には
“よりよく”伝わるのかもしれないからです。


フィードバックはスクリーニングせよ、とは、上術の本にも
指摘されています。


ですが、他者の視点を入れ、それをどう扱うべきかは、
また別のレベルでの検討を要する問題だと気づかされました。 


といった思いがけない収穫も含め、

フィードバックを受けて
他者の視点を自分の思考の中に入れてみることの意義は、
今日のワークで実感することができました。


自分の内側にあって、フィードバックと同時に
殆ど無意識に弾かれてしまうトリガー。


まずは自分の中の、どのトリガーが作動しそうになっているか、
それに気づけるレベルを目指したいと思いました。


ありがとうございました。



【第13回「仕事知」探求セミナーについて】


次回の開催は5月17日(火)です。


テーマは「場を創造的にする話の聴き方」です。


詳細は 
こくちーず 
http://kokucheese.com/event/index/393238/
をご確認ください。