最近は何でもカタカナが増えてきました。
事業部長も、BU長(ビーユーチョウ)Buziness Unit)と名を改めたり。
会社によって事業部やBUの定義は異なると思いますが、教科書的に言われていることは以下の通りです。
・事業部・・・事業部制組織におけるプロフィットセンターであり、経営の原動力となる組織。
スタッフ部門についても、基本的に事業部に属する。
ヒト、モノ、カネの経営資源を、事業部長傘下に集め、事業部長の権限でそれを行使できる。
事業部長はプロフィットセンターを預かる者として、経営責任を負う。
・ビジネスユニット・・・機能別組織におけるプロフィットセンターとしての位置づけ。
企画、マーケティング機能を中心とし、事業に直接関係する部門のみBU傘下に集約。
スタッフ部門は共通部門として、効率化とサービスの高度化をはかる。
BU長はプロフィットセンターを預かる者として、経営責任を負う。
こうして書いてみると、良く似ているようですが、実は違いがあります。
それは、リーダーシップのスタイルです。
事業部長のリーダーシップは、直接的な指示になります。
部下はみんな事業部傘下。
指示命令と共同体意識で、強力な行動力を生み出します。
工場で生産が追い付かなければ、営業や技術者を生産ラインに投入するなんてことも、事業部長判断で簡単に出来ますからね。
コミュニケーションは単純明快ではありますが、スタッフ部門の増加と専門性の低下を招きます。
これに比べて、BU長のリーダーシップは、間接的な指示になります。
自分のBU傘下のところには指示命令で動かすことが出来ても。
共通部門や、仕事上密接なつながりのある別組織には、お願いや根回しなど、柔らかな対応が必要となるケースが多くあります。
それだけ、コミュニケーションの質も量も増えることになります。
組織を動かすのが、それだけ難易度が上がります。
組織論に正解は無く、その時の経営状況・経営環境に応じた組織形態に変化させればいいのですが。
機能別組織も、この経済危機下ではコミュニケーションの難しさが出てきてはいないでしょうか?
危機においては、強力なリーダーシップを持った人物が待望されるもの。
組織間コミュニケーションに着目した、新たな組織形態が開発されるかもしれませんね。