先週末、大阪府内で二日間、貴重なる標記コンサートが開催された。以前から機会があれば生で聴いてみたいと思っていた由紀さおりさんの歌。しかもわれらが宏美さんとお二人だけのジョイントステージは初めてとか。これは遠征せねばなるまい。情報が入るなり即断即決である。
3/14(土)・浄るりシアター(能勢町)、3/15(日)・河内長野ラブリーホール。しかし、調べてみるとこの浄るりホールが何とも行きにくい場所にあるのだ。大阪駅からのアクセスを例にとってみると、阪急電鉄宝塚線→能勢電鉄妙見線→阪急バスと乗り継がねばならず、(電車20分/バス30分)と書いてある。問題はそのバスである。休日には何と行き7本、帰り6本しかないのだ(泣)。大阪人ですら「ムッチャ行きにくい」という浄瑠るりシアター。そう言えば、以前国府弘子さんや夏川りみさんとのコンサートがあった時もパスした私。今回も行って行けないことはなかったが、浄るりシアターはスキップし、ラブリーホール一本に絞った私だった。今日はその、本当にプレミアムなお二人のコンサートを、私なりの視点で振り返ってみたい。今回もセトリ付き、【完全ネタバレ】である。
今さらの大屋根リング🤣(左上)
「だるま」さんの串カツ(右上)
「ゆかり」さんのお好み焼き(左下)
左から川口さん、由紀さん、中井さん、宏美さん、上杉クン(右下、上手最前列!より)
【Ⅰ部】
●(ワルツ、インスト)
●夢で逢えたら(由紀・岩崎)
●ロマンス(岩崎)
●すみれ色の涙( 〃 )
●美女と野獣( 〃 )
●思秋期( 〃 )
●永遠のありがとう( 〃 )
●いのちの理由( 〃 )
●聖母たちのララバイ( 〃 )
指揮の中井章徳さんが登場、軽やかなワルツでステージの幕が開く。と、部隊下手から艶やかな衣装に身を包んだお二人のお出ましである。聞き覚えのあるイントロ、お二人がBSの番組でもデュオで歌われたことのある「夢で逢えたら」である。指揮の中井さんや京フィル、前半のピアニストの上杉クンの紹介、そしてお二人の自己紹介で大きな拍手。由紀さんは流石に余裕しゃくしゃくで、いったんはける。
というわけで、Ⅰ部は宏美さんメインのステージ。名刺がわりの「ロマンス」「すみれ色の涙」を披露、さおりさんのファンも惹きつけてしまう。
次いで、私にとってはやや久しぶりの「美女と野獣」。これが来るとは思ってなかったので、ちょっと嬉しかった。「歌だけでなくセリフも頑張ったので、まだの方是非ご覧になってください!」と、珍しく"声優アピール"も。
「思秋期」が始まると、由紀さんのファンと思しき私のお隣りの女性、「懐かしい!」と小声で呟き、ググッと感情移入されるのがよくわかる。歌い終わるとまた「すごい!」とひとこと。そのまま「永遠のありがとう」へなだれ込む。
そして「いのちの理由」を歌い始めると、今回はすぐに両肩にご両親が降りていらしたのか、宏美さんは涙声に。それが私の涙腺をも直撃。
宏美さんコーナーのラストは、もちろん「聖母たちのララバイ」。「思秋期」もそうだったのだが、恐らく初めて聴くオケのアレンジ。間奏や後奏のトランペットが印象的だ。
【Ⅱ部】
●夢先案内人(由紀・岩崎)
●手紙(由紀)
●恋文( 〃 )
●生きがい( 〃 )
●ルーム・ライト( 〃 )
●恋に落ちないように( 〃 )
●夜明けのスキャット( 〃 )
●あなたにとって( 〃 )
【アンコール】
●上を向いて歩こう(由紀・岩崎)
Ⅱ部は初めから由紀さおりさんお一人だと思っていたら、嬉しいことにお二人ともお召し替えになり、揃ってのご登場だ。そして、オープニングの曲が間違いなく今回一のサプライズだろう。「夢先案内人」である。宏美さんは、百恵さんの楽曲では「秋桜」「乙女座 宮」は吹き込んでいるし、「いい日旅立ち」はあちこちで歌唱される機会がある。だがこの「夢先案内人」は、恐らく初めて歌われたのではないだろうか。由紀さんのリクエストでの選曲とのこと。宏美さん曰く、「私ひとりで歌ったらもっと男っぽくなっちゃう。由紀さんのお陰で柔らかな歌になった」。それにしても宏美さん、ちょっとプロンプターガン見し過ぎですよ🤣。
ここからは由紀さおりさんのソロステージ。後半のピアノは川口大輔さんだ。いきなり「手紙」「恋文」とお馴染みの2曲で始まる。私はApple music のサブスクに入っている。その初期設定で好みの音楽ジャンルの設定画面が表示され、なぜか最初に「由紀さおりが好きか嫌いか」選ばされ、もちろん「好き」と答えた。そのせいだろう。サブスクで宏美さんのアルバムを聴き終わると、たいてい次に由紀さんの曲が流れるのである(笑)。しかも偏りがあり、非常によく流れるのが「真夜中のボサ・ノバ」と今回歌われた「恋文」なのである。
ヨシリンもカバーしている「生きがい」は、BSで宏美さんも歌われていた。「ルーム・ライト」は昔実家にもシングル盤があった大好きな曲である。由紀さんはMCで、「恋文」の歌い出しの"アズナブール"が一般の聴衆に理解されなかった話や、このルーム・ライトのデモテープをもらった時に「譜面に起こして欲しい」と頼んだら、16分音符だらけで、「譜面が読めても、少しばかり早くどんな音楽か掴めるだけで、音楽を表現する力とは別物である」と気づかれた話など、興味深いエピソードが次々に語られた。浄るりシアターにも参加した仲間の話では、「2日間セトリは同じだったが、由紀さんのMCは全く違った」とのこと。同じ府内での連日のコンサート、両方に足を運ぶファンがいることも想定しての配慮であろう。素晴らしいプロ根性である。昔ドリフとの番組でも培われたギャグセンスもここかしこに覗く、飽きさせないトークであった。
近年の商業音楽が、同じような音に満ちていることへの危惧もさりげなく表明。それゆえにまだ頑張って歌わなければ、という使命感もあらわに、「恋に落ちないように」を見事な表現力で熱唱。デビュー曲かつ紅白にも出場した「夜明けのスキャット」は心の奥底まで響いた。
由紀さんのステージの締めは、アンジェラ・アキさん書き下ろしの「あなたにとって」。近年のステージでは、必ず最後にこの曲をお客さんと共に歌っていると言う。温かく流麗なメロディーを一度由紀さんのスキャットのリードで練習する。私は初めて聴いた曲だったので、一度ではちゃんと覚えられなかった。だが心配は要らなかった。この歌は、その短い1コーラスを何度も繰り返すシンプルな構成だったのだ。最後には誰しもこのメロディーを覚え、客席全員の大合唱、感動的なフィナーレとなったのである。
最後には宏美さんが再度登場。お二人で「上を向いて歩こう」を歌われ、これも聴衆にジョイントを促す。われわれも手拍子しながら楽しく参加。2番以降は歌詞が怪しくなるが、お二人がジェスチャーで示したり、宏美さんが歌詞を言ってくれたり。余韻を残して本当にプレミアムなコンサートの幕を下ろしたのだった。
今回は初めて由紀さおりさんの生歌に触れたということで、宏美さんより由紀さん関連の記述が多めになりましたが、どうぞご容赦ください🙇。

