去る8月24〜25日、八ヶ岳高原音楽堂にて、『岩崎宏美&国府弘子 ピアノ・ソングス』が開催された。昨年はトンボ帰りの八ヶ岳だったが、今年は1泊してノンビリと高原の清々しい空気を吸ってきた。2日間共ランチは軽井沢住みO氏のアテンドで、地元最高のグルメをリーズナブルに味わって来た。車で移動中は、もちろんずっと宏美さんの楽曲を皆で熱唱🎤🤣。そして夜は、大浴場付きホテルで仲間たちと楽しい部屋呑み〜❣️🍻都合で25日のステージは参加できなかったが、今日は皆様にライブレポートをお届けしたい。以下ネタバレになりますが、よろしくお願いします。

 

 

【1部】

WHEN I FALL IN LOVE

ひまわり娘

 

 スタンダードの「WHEN I FALL IN LOVE」で幕開け。弘子さんも「大好き」と言われる宏美バージョン、レコーディングから30年近くが経過し、宏美さんの中で熟成、さらに弘子さんのピアノで歌われると発酵というか、新たな魅力で聴かせてくれる。親友伊藤咲子さんのこの「ひまわり娘」は久しぶりに聴いた気がするが、弘子さんのラグタイム風のピアノとのやりとりが最高に楽しい。

 

大切な人

●思秋期

 

 「大切な人」は、言うまでもなく宏美さん作詞・弘子さん作曲であり、『ピアノ・ソングス』では外せない1曲。弘子さん曰く、「派手な曲ではないが、10年の間に皆様に育ててもらった曲」。定番の「思秋期」と共に、宏美さんの声や歌のより良い部分を引き出す弘子さんのピアノが流石すぎる件。

 

18才の彼

●男と女

愛の讃歌

 

 先日閉幕したパリ五輪にちなんでのシャンソン特集。「18才の彼」は、後半ピアノの音数がどんどん減っていって、音量もppに。極限までピアノを抑えて、宏美さんの歌を引き立たせる弾き方だ。歌い終えた宏美さんが緊張から解き放たれ、「怖かった〜」とひとこと。「男と女」は、宏美さんのオリジナルではないので、お間違いなく。良美さんのレパートリーでもあり、もちろんヨシリンは原語で歌われているが、宏美さんは全てスキャット❣️🤣「愛の讃歌」は、青柳&古川コンビでも聴いたが、シロ子姐さんのピアノは、やはり圧巻なのです。

 

 オリンピックの話題は、概ねコットンクラブのMCと被っていたが、今回熱く語られていたのは、惜しくもベスト8で散った男子バレー。イケメントリオの名前もスラスラおっしゃっていたが、リベロの山本の話になり、リベロの存在も名称もルールも、今初めて知った!と言う宏美さん(汗)。顔しか見てなかったのかなぁ😜。

 

【2部】

●すべての山に登れ(国府)

 

 2部のスタートは、『ピアノ・ソングス』恒例の、シロ子姐さんのピアノ一丁によるリクエスト・コーナー。1部でも予告があったが、今回はお得意のビートルズではなく、映画音楽でやると言う。考える時間があったため、私はこの高原音楽堂にふさわしいのは、やはり『サウンド・オブ・ミュージック』だな、と考え、ライブでもテレビでも披露されていた「すべての山に登れ」をリクエストしようと思ったら、なんとドンピシャ!リクエストの前に弘子さん自ら選び、弾いてくださった。

 

●ニュー・シネマ・パラダイス

〜太陽がいっぱい

〜サウンド・オブ・サイレンス

サムホェア

ピープル

〜ララのテーマ(国府)

 

 この6曲がお客様からのリクエスト。真っ先にリクエストされたのが、私の好きな洋画トップ5に入る「ニュー・シネマ・パラダイス」。いきなり涙モノである。先日アラン・ドロンの訃報が流れたので、これは出るかなぁと思っていたのが「太陽がいっぱい」。シロ子姐さんが弾きながら、メロディが入ってから7小節目に、「このコード*がいいのよ!」と言われた。激しく同意❣️😍

*画像譜面参照

 

 「サウンド・オブ・サイレンス」は、お仲間Rさんのリクエスト。宏美さんもリクエストを尋ねられ「ウェスト・サイド・ストーリーかな」とのお答え。弘子さんはレコーディングもしている「サムホェア」を弾く。「この歌もいつか宏美ちゃんの歌でやりたい」と宣う。うんうん、「宏美さんは以前、コンサートでもテレビでもこの曲歌ってるんですよ」と教えてあげたかった😊。ついでに言えば「ピープル」も宏美さんのレパートリーである。

 

 最後の「ララのテーマ」は、弘子さんも自信がなかったようで、『これかな?」と言いながら弾き始めると、リクエストされたご夫婦が大満足で大きくうなずかれていた。

 

夢やぶれて

 

 「映画音楽と言えばこれもそうですよね」と言うシロ子姐さんの言葉に続いて、『レ・ミゼラブル』からこの曲。私の後ろのご婦人方から「本当に上手いわねぇ」と言うお声が、ため息と共に聞こえてくる。

 

●万華鏡

〜すみれ色の涙

〜ロマンス

〜シンデレラ・ハネムーン

 

 ここからは宏美さんのオリジナル・ヒット・メドレーだが、国府弘子アレンジはひと味もふた味も違う。さらにピアノのフレーズも毎回違い、宏美さんとの駆け引きも楽しい。

 

●いのちの理由

●ジプシー・バロック〜聖母たちのララバイ

 

 国府バージョン「いのちの理由」も引き算の美学。一番最後の「♪ 愛しいあなたを護るため」は、ピアノは全く弾かずに、宏美さんの声だけが、聴く人の胸に沁み入るように響く。そして国府さんのオリジナルから始まる「聖母〜」は、何度聴いてもドラマチック。クライマックスで炸裂するクラスター(腕を肘まで使って弾く奏法)の破壊力は凄い。そして歌われる宏美さんのお姿も神々しいのである。

 

【アンコール】

月見草

 

 アンコールに応えて、デビュー曲「二重唱」のB面の「月見草」である。キャパ250で音響の良い音楽堂ならではのノーマイクでの歌唱!これは私の知る限り、一昨年の浜離宮朝日ホール以来、約2年ぶりのことである。高原の大自然の中、音響の素晴らしいホールで、常に宏美さんの歌に寄り添う弘子さんのピアノで聴く、ひと味違う『岩崎宏美の世界』に酔いしれ、その余韻に浸りながら八ヶ岳高原音楽堂を後にした。

 

 

 参考までに私が参加できなかった2日目のセトリを上げておいた。国府さんの映画音楽コーナー以外は、ほぼ1日目と同じである。唸ったのは「始まりの詩、あなたへ」というリクエストである。宏美ファンなら先刻ご承知、宏美さんが歌われた『能登の花ヨメ』の主題歌である。もちろん弘子さんは曲をご存知なく、宏美さんがサワリだけア・カペラで歌われたとのこと。

 

 これも後で聞いたことであるが、弘子さんはこの2日間体調を大きく崩されており、それを押しての演奏だった。2日目のアンコールのみ「太陽が笑ってる」が入っているが、これは弘子さんを休ませるため、宏美さんが急きょカラオケで歌われたものである。

 

8/25 バースデーイヴのシロ子姐さん(宏美さんのSNSより)

 

 シロ子姐さん!どうぞしばしゆっくりお休みになり、早く元気になってまたバリバリ弾いてくださいね。また宏美さんとのコラボも楽しみにしてまーす❣️