人の可能性を引き出す生理学的リラクセーション、

意味記憶によって更新されている幸福感などのイキイキとする認知能力を高め、

自分自身や周囲の大切な人を変化させ、

困難を乗り越える適応力を発展させていきましょう。

生理学的アプローチ

認知の修正よりも優先して、

生理学的なリラクセーション状態の行動への影響力に注目し、

そこに自己成長モデルによって介入することで、

環境要因と個人要因の統合を可能にすることを目的にしています。

 

行動的アプローチ

相手の行動に焦点を当てて観察し、

行動そのものを体系的に整理・記録し、

反復訓練などで改善していきます。

脳幹をイキイキさせる生活術、

目標を設定してそれに向かって進めていくことや、

自己評価や自己理解を高めるワークなどがあります。

 

感情的アプローチ

起きている事態や環境よりも、

相手の感じ方に焦点を当てて、

自分自身の体験に対する受容力を高めていきます。

 

認知的アプローチ

人の感情は思考により影響され、

問題があるときは非合理的な思考によって考えたり行動したりする。

したがって、認知の仕方を合理的に変えれば行動も変わっていきます。

ストレスケアでは、

  • 家族問題
  • 嫁姑問題
  • 夫婦問題
  • 親子関係
  • 職場の人間関係
  • 育児問題
  • 仕事
  • 人生観の問題など、

多様化したそれぞれ独立した問題を扱うことになります。

 

親子関係などある問題に特化してストレスケアを行うということはありません。

 

それは、ストレスケアは、どのような問題であれ、

その人にかかっている無理なストレスを解除するというスタート地点は同じであるからです。

 

その意味でストレスケアカウンセリングは、

広範囲な問題に関与することが可能になります。

 

ストレスケアの援助の対象となるのは、

健常者で、社会的に常識がありカウンセラーとの交流がスムーズにできる人。

日常生活からこぼれていない段階の人になります。

 

例えば、健康を害して医療機関で治療を受ける必要がある人の場合には、

治療が優先されるべきであって、

医師の判断でストレスケアが妥当と判断された場合に限り、

援助が出来るものとしています。

 

また、ストレスケアカウンセリングの対象を一言で言えば、

自分の人生をこれから良くしていこうと考えている人であり、

別の意味で言えば、積極的に生きることを選択している人になります。

家族、親族、友人、知人、同僚などへのカウンセリングは、

すでに何らかの人間関係が形成されていて、

新たにカウンセラーと相談者の関係を築くことが困難です。

 

また、お互いに知り合っているため、

相手の感情や状況に敏感であり、

慎重に行う必要があります。

 

すでに人間関係が存在するケースでは、

NGワードが存在していて考慮すべき注意点があります。

 

家族や同僚は一般的なカウンセリングではうまくいきません。

家庭や職場をより良い場所にするための

カウンセリングスキルを研修でしっかり習得していきましょう。

子どもの過酷な経験が及ぼす影響

 

親から尊重されず暴力や暴言(マルトリートメント・不適切な養育)を受けたり、

親と別離・死別したりする「逆境体験・ACE」を

18歳までに多く経験すると将来どういった影響が出るのか。

 

全国2万人を対象にした調査の結果、心身の病気や経済的な苦境、

人間関係上の困難さといった人生のあらゆるリスクが高まることが明らかになった。

 

米国では対策に国家レベルで取り組んでおり、

専門家は「日本も影響の重大さを直視すべきだ」と訴えている。

 

日本では散発的な研究にとどまっているが、

大規模調査は令和3年に京都大が実施し、

20~69歳の男女2万人から有効な回答を集めた。

 

18歳までに、親から殴られた、家族から大切に思われていないと感じていた、

親が別居や離婚をした、母が暴力を受けていた、

家族が飲酒の問題を抱えていたなど10項目を質問した結果、

驚くことに対象者の約4割が1つ以上の虐待を経験していることが分かった。

 

また、一般に貧困家庭で育つと逆境になりやすいといった傾向は知られるが、

こうした他の要因を排除する統計的な処理をした上で、

ACEの該当数が人生にどう影響するかを分析している。

 

その結果、スコアが4以上の人はゼロの人に比べ、

健康面で「重度のうつ・不安障害」に4倍、「自殺念慮あり」に

4・4倍、社会経済面で「中卒」に2・9倍、「失業」に1・8倍、

人間関係で「未婚」に1・3倍、「離婚」に1・9倍なりやすく、

スコア1~3でも段階的にリスクが増加する傾向があった。

 

さらにスコアが高いほど人に頼ることができないため孤独や孤立に陥りやすく、

3以上の人は自身が子供を虐待するおそれも2倍ほどになる。

逆境が世代間で連鎖しやすいことも示された。

 

リスク軽減は可能

 

ACEは、なぜこれほどの影響を及ぼすのか。医学分野の最新研究では、

慢性的なストレスにさらされることでホルモン分泌の異常や脳の萎縮、

DNAの働きの阻害が起きることが分かっている。

 

体内が変化することで、スコア4以上の人は

ゼロの人より脳卒中に5・8倍なりやすくなるなど、

具体的な病気のリスクが高まることも研究で判明している。

 

ストレスケアを行うことでリスクは減少させられる。

しかし、日本ではこうした虐待の及ぼす影響の知識が

一般にはまだ知られていないのが現状だ。

 

 

ACE 

(Adverse Childhood Experiences)の頭字語。

「子供期の逆境体験」と訳され、18歳までに虐待やネグレクト(育児放棄)、

家庭の機能不全にさらされる体験を意味する。

さまざまな悪影響が明らかになりつつあり、欧米を中心に研究が進められている。

家族問題は複雑で具体的な状況によって異なりますが、

以下は基本的な家族に関する考え方です。

 

●        家族にかかるコスト

 ①       時間・家族のための時間を作ること。

 ②       労苦・自分がしたくないことであっても家族の役に立つこと。

 ③       お金・家族のしあわせのために使うお金。

 

●        家族も変化していく

 ①        これまで家族の目標は豊かな生活へ向けての団結。いまは個々の自己実現。

 ②        親は子どもから育てられている。つまり親の成長が大切。

 ③        子ども中心の家族から親中心の家族へ。個人の目的や目標を尊重する

 ④        家族全体の問題以外に、家族成員のそれぞれの抱えている問題がある。

 

●        家族のマネジメント

 ①        激変する社会の中で家族はその影響を大きく受けるが、

     家族のリスク管理は行われていない。

     つまり、成り行き任せになっているのが現状。

 ②        家族であっても利己的な個人の集まりなのでルールが必要。

     介護、家事、育児など愛情のみに頼るのは限界がある。

 ③        家族を一つの構造と捉えた場合、問題を個別の責任とせず、

     家族全体の関与とコミュニケーションの改善に焦点を当てる。

 ④        何に価値を置いているのかを見定める自己認識力を身につけること。

     なぜなら、それが自分自身とって良い家族、

     良い人生とは何かの結論になる。

 ⑤        家族に認められたい、嫌われたくない、必要とされたいは、

     自身の悩みを深める。

 

 ●        知  知識と経験に基づく冷静な論理

 ●        情  理不尽や不合理を許容する情緒

 ●        意  内発的な強い意思

 

哲学者カントは、人間の精神のはたらきとして「知・情・意」を説いた。

夏目漱石が書いた「草枕」の有名な冒頭の一節では、

「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」と書いているが、

知情意の3つの統合とバランスが必要になる。

 

くさらず、力まず、力を抜いて歩んでいきましょう。

日常生活を単純化すれば、

仕事をする⇒疲れる⇒休養する、ということを繰り返していることになります。

 

しかし、このサイクルが、

仕事の量が増える⇒疲労が増加、

蓄積する⇒眠っても疲れがとれない、というパターンになることもあり、

 

休養、睡眠でも疲労が取れず、翌日に繰り越してしまいます。

そこで、カウンセリングでは、

仕事の質と量、疲労の状態、

休養という点でチェックして、

ホメオストレッチと合わせて助言することが心身の回復を早めます。

 

しかし、ストレス初期症状として、

疲労をうまく自覚できず、

そのために休養も取れず、

疲労が蓄積して、ポキンと折れるようにダウンして、

再発する人が少なくありません。

 

そのような場合、

アローバランスグラフを作成して、

ストレスや疲労を可視化することで、

本人に気づいてもらうことが必要です。

ストレスは自分を守るための生理学的な反応ですが、

ストレスが不快なことだと誤解されているため、

ストレスに対する誤った考え方があります。

 

以下は、誤解されているストレスについての考え方の一部です。

 

1.         感情を押し殺すこと、我慢することが良いと考える

2.         仕事や活動を増やすことがストレス対策

3.         感情を表現しないことが知的で大人びている

4.         完璧主義が良い結果を生む

5.         ストレスのない生活を求めることが目標

6.         快楽追求が人生の幸福をもたらす

7.         他者の期待に応えることを優先する

8.         気晴らしなど問題を無視して避けることが解決策

9.         常にポジティブであることが重要

10.     他人と関わらないのがストレスの回避になる

 

このようなストレスへの誤解は、

無理な生理的状態をますます悪化させていきます。

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

人は多くの他者や情報と関わることで

自分の欲求や意図を知ることができます。

自分の意識が見えてきます。

他者との関わりの中で、はじめて、

相手と自分との違いを知ることができます。

 

この世にたった一人の自分しかいなければ、

他者との比較も生じないし、

人間関係などの悩みも生まれません。

このように、自分自身とは、

外からの多様な刺激を集約する世界の中心です。

それが今の自分を作り上げています。

 

新しい年が始まり、あらゆる関わりの中心である

自己の成長と人と共に過ごす時間が

ますます大切に感じられます。

菜根譚の菜根は粗末な食事、つまり困難や苦しい状況のことです。

譚は談という意味です。

中国の古典の中では比較的新しく明の末期、洪応明という人が著者です。

中国は儒教と道教が主流ですが、これに仏教の思想を融合させているところが革新的です。

日本には江戸時代に伝わり、多くの日本人も愛読しています。

 

菜根譚の一節

徳によって得た幸せは、野山に咲く花、自然に豊かに成長する。

功業によって得た幸せは、鉢植えの花、他所に移されたり捨てられたりする。

権力によって得た幸せは、花瓶の花、根がないからたちまち枯れてしまう。

 

なにが幸せかというと平穏無事より幸せなことはなく、

何が不幸かというと、欲求過多より不幸なことはない。

来年も穏やかに過ごせますように、健やかな年をお迎えください。