ハーバード大学の研究者たちは、妊娠中のストレスが、アレルギー性の喘息と関連があることを発見した。

彼らが行った実験は、妊娠しているマウスを3つのグループに分け、異なるストレス下の環境で、その変化を観察するというもの。

 

その結果、ストレスホルモンが、母親の体内で増えると、それが胎盤を通じて、胎児のストレスホルモンも増加した。

その結果として、胎児が喘息やアレルギーになりやすいということが明らかとなった。

 

また、女性が妊娠すると、グルココルチコイドというホルモンの分泌量が、通常よりも増えることが知られているが、このグルココルチコイドは、ストレスを感じると、それを抑制しようとする働きがあり、大気汚染や花粉などに対するアレルギー性の反応が高まってしまう。

 

これらのことから、女性が妊娠中にストレスを感じると、胎児にアレルギー性のさまざまな影響を及ぼす可能性があると考えられている。

 

妊娠すると、体型が変化していくことや出産に対する不安を感じ、あるいは、不眠や眠気といった普段とは違う体の変化に、イライラすることも多くなり、赤ちゃんにも影響を与えてしまう。

 

そのため、情緒不安定な子どもが生まれてくるとも言われている。産前産後に生理学的なリラクセーション状態を作り出す、ホメオストレッチの機会を持って欲しい。

飲酒は睡眠の質を悪化させ、睡眠障害の重大な原因となります。

飲酒はメンタル疾患のリスクを大きく高め、多量飲酒者では、うつ病のリスクが3.7倍、認知症のリスクが4.6倍、自殺リスクを3倍にも高めています。

メンタル疾患を治療中の人は、「禁酒」が必須です。お酒を飲んでいる限り、ぐっすりと眠ることができず、メンタル疾患は治りにくくなります。

 

お酒をほとんど飲まない人が、「お酒は健康にいいらしい」という理由で、無理して飲むのは百害あって一利もありません。

アルコールは、脳の興奮を抑えるギャバを分泌する神経を活性化します。つまり、鎮静剤を飲んでいるような気晴らし効果がありますが、それは問題の先送りでしかありません。問題を先送りすると、事態は悪化して対処不能になり、ストレスは増える一方になります。お酒でストレス発散は、ストレスを蓄積、増加させていくリスクがあります。

 

参考資料:厚生労働省2023年11月発表「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン(案)

ストレスケアを進める上で、飲酒は少量ならOKではなく、

少量でもNGであることを助言していく必要があります。

 

1.        メンタルへの悪影響

2.        癌、うつ病、認知症の発症リスク

3.        睡眠障害のリスク

4.        脳機能の低下

5.        生活習慣病のリスク

 

ストレス解消? 飲酒の危険性

 

「お酒でストレス発散ができる」という考えは、科学的に間違い。

お酒を飲むとストレスホルモンである「コルチゾール」の分泌が増える。飲む期間が長くなるにつれ、ストレス耐性が下がり、抑うつの度合いも高まる。

 

ストレスが溜まって、飲酒量が増えることは、うつ病に向かって、一気に突き進んでいることと同じことです。

最近の研究では、少量の飲酒でリスクが下がるのは虚血性心疾患、脳梗塞、2型糖尿病などの限られた疾患であり、高血圧、脂質異常症、脳出血、乳がんなどでは、飲酒量が増えるほどリスクが高まるということが明らかにされています。

お酒は飲めば飲むほど病気リスクを高めることが分かってきているのです。

 

明日へ続く

 

ケアギバーが抱えるストレスは、肉体的、感情的、社会的なものがあります。

日常のケア活動や医療手続きの負担、認知症患者の行動やコミュニケーションの変化に対するストレス、自己の生活バランスの維持の難しさなどが挙げられます。

 

ストレスコントロールは認知症のリスクを低減し、認知症患者やそのケアギバーの生活の質を向上させるために必須の課題となります。

 

ケアギバーとは、

通常は家族や友人などが、病気や高齢者の介護を行う人のことを指します。

認知症の患者の場合、日常生活の支援や医療の管理、心理的なサポートなどを提供すること。

増加していく認知症

世界保健機関(WHO)によると、2019年時点で、世界中で約5,0億人が65歳以上であり、そのうち10%から20%が認知症を患っています。

2020年代半ばまでに、世界中で認知症患者の数は1億人を超え、2050年には2億人以上に達すると予測されています。

日本でも高齢化が進行しており、それに伴い認知症の患者数も増加しています。

厚生労働省の調査によると、2020年時点で日本国内における認知症の推計患者数は約720万人程度であり、65歳以上の高齢者の約7人に1人が認知症を患っているとされています。

この数は将来的に増加し、2040年には約1000万人、2060年には約1400万人に達すると予測されています。

 

ストレスと認知症の研究

最新のストレス研究は、COVID-19パンデミックが個人や社会全体に与えるストレスの影響が焦点となっています。

社会的距離の実践、経済的不確実性などがストレス要因として特定されています。

ストレスは、脳の構造や機能に影響を与え、記憶、注意力、思考能力などに悪影響を及ぼしています。

 

また、最新の疲労研究では、疲労が身体的な活動やストレス応答、神経伝達物質の変化など、さまざまな生物学的メカニズムによって引き起こされることが示されています。

特定のホルモンや神経伝達物質が疲労感にどのように関与するかについての研究も進行中です。

疲労は、思考能力や判断力、記憶力などの認知機能に影響を与える可能性があり、疲労が長期間持続する場合には、うつ病や不安障害が懸念され、慢性的なストレスが認知機能の低下や認知症のリスクを増加させています。

 

明日へ続く

興味本位や快楽を得るためではなく、学校生活や仕事、人間関係など、ストレスを抱えた若者たちが、現実逃避や嫌なことを忘れたいという理由で、入手しやすい医薬品を過剰摂取することにより薬物依存に陥っています。

 

薬物への依存に陥りやすい背景として、自己肯定感の低さや人間関係の悩み、本音を言えない孤独さなどの心理が関係しています。

 

その他にも、自身の健康や家族・家庭、社会全体の問題も複雑に影響しています。安心して人に相談することができず、薬物という「毒」を通じて、心理的苦痛を自身で和らげようとしています。

近年10代・20代の若い世代を中心に、薬局やドラックストアで簡単に購入できる市販薬のオーバードーズが深刻化しています。

周囲の人が本人に対してオーバードーズをしたことを注意したり、責めたりすることは、根本的な解決にはなりません。オーバードーズの裏にはいじめや虐待、親との関係が悪い、学校での孤立など、深刻な問題が潜んでいる場合があります。原因となっている悩みや問題に、周囲の人も一緒に向き合うことが解決の第一歩です。

 

オーバードーズに使われる市販薬

市販薬の乱用や依存で問題となるのは鎮咳薬、感冒薬、鎮痛薬、睡眠薬、カフェイン製剤です。わが国で乱用が報告された市販薬としては、ジヒドロコデインリン酸塩を主成分とする鎮咳薬が圧倒的に多く、メチルエフェドリン塩酸塩などを含む感冒薬、抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンを含む睡眠薬などです。

 

オーバードーズの副作用

過剰量の摂取を継続してしまうと、副作用による身体への悪影響が懸念される上、依存症になってしまうケースもあります。一度、依存症になってしまえば、急に薬の服用を中止、又は、減量しても、吐気、嘔吐、手の震え、幻覚、イライラする、落ち着かない等の離脱症状があらわ、この離脱症状の苦痛を和らげる為に、また薬を服用してしまうという悪循環に陥ります。最悪の場合、重症化、死に至る場合もあります。

 

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ACEは、なぜこれほどの影響を及ぼすのか。

 

医学分野の最新研究では、慢性的なストレスにさらされることでホルモン分泌の異常や脳の萎縮、DNAの働きの阻害が起きることが分かっています。体内が変化することで、スコア4以上の人はゼロの人より脳卒中に5・8倍なりやすくなるなど、具体的な病気のリスクが高まることも研究で判明しています。

 

ストレスケアを行うことでリスクは減少させることができます。

 

しかし、日本ではこうした虐待の及ぼす影響の知識が一般にはまだ知られていないのが現状です。

 

ACE (Adverse Childhood Experiences)の頭字語。

「子供期の逆境体験」と訳され、18歳までに虐待やネグレクト(育児放棄など)、家庭の機能不全にさらされる体験を意味する。さまざまな悪影響が明らかになりつつあり、欧米を中心に研究が進められている。

子どもの過酷な経験が及ぼす影響

 

親から尊重されず暴力や暴言(マルトリートメント・不適切な養育)を受けたり、親と別離・死別したりする「逆境体験・ACE」を18歳までに多く経験すると将来どういった影響が出るのか。

全国2万人を対象にした調査の結果、心身の病気や経済的な苦境、人間関係上の困難さといった人生のあらゆるリスクが高まることが明らかになりました。(令和3年に京都大が実施し、20~69歳の男女2万人調査)

 

18歳までに、親から殴られた、家族から大切に思われていないと感じていた、親が別居や離婚をした、母が暴力を受けていた、家族が飲酒の問題を抱えていたなど10項目を質問した結果、対象者の約4割が1つ以上の虐待を経験していることが分かりました。

 

また、一般に貧困家庭で育つと逆境になりやすいといった傾向は知られていますが、こうした他の要因を排除する統計的な処理をした上で、ACEの該当数が人生にどう影響するかを分析しています。

 

その結果、スコアが4以上の人はゼロの人に比べ、健康面で「重度のうつ・不安障害」に4倍、「自殺念慮あり」に4・4倍、社会経済面で「中卒」に2・9倍、「失業」に1・8倍、人間関係で「未婚」に1・3倍、「離婚」に1・9倍なりやすく、スコア1~3でも段階的にリスクが増加する傾向がありました。

 

さらにスコアが高いほど人に頼ることができないため孤独や孤立に陥りやすく、3以上の人は自身が子供を虐待するおそれも2倍ほどになる。逆境が世代間で連鎖しやすいことも示されたのです。

 

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3月9日(土)11:00~12:00は

2024年、1回目のオンラインJASCA研修です。

テーマは「自己成長」です。

 

自己成長、自己認識、自己受容、自己実現の

関連性や理解を深めるともに、脳幹部―前頭前野-楔前部の脳のネットワークから自己成長を科学的に理解していきます。

 

また、過去の経験の意味を更新、洗練させるためには、学習や行動が必須になり、個人要因を軸にして選択する

必要があります。ここでは、生理的要因、心理学的要因、環境的要因の影響を理解していきます。

 

自分自身の可能性を引き出し、発展させるカギは何か?

「自己成長をもっと知りたい」という人に、

是非、お勧めしたい内容です。

視聴に関する情報はJASCAのホームページをご覧ください。

 

【受付開始】3月9日「バランスセラピー学と自己成長」JASCAオンライン研修 - 一般社団法人 日本ストレスケアカウンセラー協会 (jasca-btu.or.jp)