ワインは素敵な恋の道しるべ -9ページ目

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

5月のこと、ちぃさんと竹芝の「インターコンチネンタル東京ベイ」のメイン・ダイニング、『ラ・プロヴァンス』で過ごす、素敵な夜の続き。

 

最初の料理は、パレット・アート・オードヴル。

芸術家が愛した南仏プロヴァンスより五種の味覚。

これは、井上シェフのスペシャリティ。

 

シェフが自ら描かれた説明書きも届く。

 

”苦み”は、ル・カスレ。

白いんげん豆のエスプーマ。

カスレはスッド・ウエスト地方の白いんげん豆が入った肉料理。

 

”旨味”は、ル・パプトン。

茄子のパプトンのタルト。

パプトンは、南フランス・アヴィニョンの料理。

茄子をピュレにして卵や牛乳を混ぜてオーブンで蒸し焼きに。

フレッシュ・トマトソースが添えられている。

 

”塩味”は、ラ・ソッカ。

ひよこ豆のガレットサラダ仕立て。

ソッカはニース名物のひよこ豆のクレープ。

 

”酸味”は、ラ・ピサラディエール。

オニオン、アンチョビ、オリーブをブリニと共に。

ピサラディエールはプロヴァンス地方のピザのような郷土料理。

 

”甘味”は、ラ・カマルグ。

トマトのキャラメリゼ、カマルグ塩との調和。

カマルグはゲランドと並ぶ、フルール・ド・セルの名産地。

 

パン・オ・ノアとプチブールが届く。

 

お供は、E.V.オリーブオイルとフルール・ド・セル。

ゲランドかカマルグの塩かと思い庄司支配人に尋ねたところ、以前はゲランドを使用していたが今は復興支援のため能登の天然塩を使っているとのこと。

 

アントレが届く。

 

アントレは、季節の前菜、鮮魚と野菜のマリネ。

鮮魚は鰹。

ソースは、緑がバジル、黒がバルサミコ。

 

添えられているのは、モチムギとエダマメのリゾット、ダイコンのマリネ。

砕いたナッツも良いアクセント。

 

鰹は肉厚の切り身を炙り、二枚に切り分けられている。

 

今夜のシャンパーニュは、アンドレ・ディリジャン、ブリュット・トラディション、ヴェメンス。

二本目を抜栓。

今夜も飲み過ぎの予感。

 

ポワソンが届く。

 

オマール海老、シェフのインスピレーション。

オマール海老が見えない。

マルサラ酒と白ワインのソース。

緑が何なのかは聞き逃した。

 

ジャガイモのガレットを切り分けると、タルトに入った大きなオマール海老が現れる。

 

シャンパーニュがどんどん進み、二本目も飲み干してしまいそうだ。

 

ヴィアンド用に、赤ワインをグラスで。

 

シュヴァリエ・デュ・フラン・テロワール、ルージュ。

グラン・ヴァン・ド・ジロンドが造る、気軽なヴァン・ド・フランス。

ちぃさんと過ごす、「インターコンチネンタル東京ベイ」のメイン・ダイニング、『ラ・プロヴァンス』での素敵な夜は続きます。

 

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと新橋で待ち合わせ。

 

二人で向かったのは、ゆりかもめ。

若い頃はお台場でよく遊んでいたのでゆりかもめに乗ることが多かったが、引退してからはほとんど利用することが無くなった。

 

向かったのは、竹芝。

新橋から二駅、僅か4分の乗車。

 

竹芝駅を出ると、左手には竹芝埠頭にある日本丸のマストを模したモニュメント。

 

そして右に行くと、「インターコンチネンタル東京ベイ」。

 

ここは現役時代にはよく利用していたホテル。

何に利用していたかは、言わぬが花。

 

最近はベイエリアで食事をすることがあまり無く、今回は3年3ヶ月振りの訪問。

竹芝駅から地上に下りずに移動してきたので、エントランスを入ると、そこは三階。

 

三階にはオールデーダイニングの『シェフズ・ライブ・キッチン』がある。

ここのブッフェは素晴らしい。

 

予約しているレストランがある一階に下る。

この居心地の良い空間は、『ハドソン・ラウンジ』。

 

こちらの豪華な空間は、『ニューヨーク・ラウンジ』。

一階には他にイタリアンの『ジリオン』、『鉄板焼 匠』がある。

 

そして私たちのディナーの場所はホテルのメイン・ダイニング、

フレンチの『ラ・プロヴァンス』。

 

案内のスタッフがドアを開けてくれ室内に歩を進めると、豪華な空間に迎えられる。

 

案内されたのは、前回の訪問時と同じテーブル。

 

前回の訪問記事は、こちら。

 

 

 

 

今夜はシャンパーニュ・ディナー。

早速シャンパーニュのボトルを抜栓。

抜栓したシャンパーニュは、アンドレ・ディリジャン、ブリュット・トラディション、ヴェメンス。

 

アンドレ・ディリジャンは、コート・デ・バールの中心、ビュクセイユ村に本拠地を置くR.M.。

17世紀からぶどう栽培をしている家族で、シャンパーニュの元詰めを始めたのは第二次世界大戦後。

 

今回のミュズレはブラック。

アンドレ・ディリジャンのミュズレの色は、ブラックとシルバーの二色がある。

 

ちぃさんと乾杯。

熟した洋梨やパッションフルーツの香り。

黒果実を感じる濃厚な果実味、後味には炒ったナッツやブリオッシュのニュアンス。

セパージュは、ピノ・ノワール85%、シャルドネ15%。

 

今夜の井上シェフの料理も楽しみだ。

 

シェフのスペシャリティ、パレット・アート・オードヴルが届く。

ちぃさんと竹芝の「インターコンチネンタル東京ベイ」で過ごす素敵な夜は続きます。

 

 

 

 

 

 

5月のこと、板橋仲宿の『MIKIYA GYOZA STAND』で開催された”イタリアワインの会”の楽しい午後の続き。

メンバーは、しづちゃん、mayuさん、ノムリエさん、Mr. Vinさん、そして私。

今日はMr. Vinさんに提供していただいた秘蔵のイタリアワインを、三木さんの創作餃子と共に味わう会。

 

ポルチーニ汁しゅうまいが届く。

 

ポルチーニの香りが素晴らしい、贅沢な一品。

 

三本目は、赤ワイン。

 

ピエモンテ州のサン・フェレオーロが造る、サン・フェレオーロ、ドリアーニ、スペリオーレ、2016年。

 

樹齢は50~70年の古木のドルチェットから造られている。

熟成はピエモンテの伝統的大樽で約二年間。

 

ぶどうはドルチェット100%。

ピエモンテの赤と言えばネッビオーロで、ドルチェットはその次だと思っていた。

しかしこのワインを飲むと、ドルチェットはこんなに素晴らしいのかと認識を新たにする。

 

続いて、再び焼き餃子。

鹿肉のラグー餃子、チーズ餃子、青唐辛子餃子。

鹿肉のラグー餃子は、福岡県豊前市の鹿肉を赤ワインで煮込み、餃子の餡にしている。

 

四本目は、アンティノリが造るスーパータスカン、テニャネロ、2007年。

ティニャネロを飲めることに興奮してしまい、写真撮影を失念。

しづちゃんにお願いして送ってもらった。

 

昔は飲んでいたが、今は価格が高くなり手が届かない。

久し振りに飲むティニャネロが限りなく美味い。

セパージュは、サンジョヴェーゼ79%、カベルネ・ソーヴィニヨン13%、カベルネ・フラン8%。

 

五本目はロゼワイン。

熟成が進み、ロゼと言うより琥珀色。

 

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の、ラディコン、ピニョーリ、2013年。

 

ぶどうはピニョーロ100%、樽熟成は5年間、アルコール度数は14.5%と高い。

 

ピニョーロを飲むのは初めて。

このワインも12年近い熟成を経て、最後の一杯には少量の澱。

 

ここでMr. Vinさんから嬉しい差し入れ。

トスカーナ州、シエナの銘菓パンフォルテ。

ナッツに果物の砂糖漬け、スパイスを効かせて焼き上げたお菓子で、その中でもマルゲリータはアーモンドとオレンジピールをメインとした伝統的なフレーバー。

これがワインに合って美味い。

 

六本目はデザートワイン。

右奥に見えているのは、三木さんが貸してくれたワインを濾す道具。

 

ファネッティ、サント、ヴィーノ・ビアンコ、1998年。

トスカーナを代表するデザートワイン。

 

古い樽をそのまま使い、常温(つまり夏は暑く冬は寒い)で10年以上の時間をかけて造られる特別なワイン。

ぶどうは、トレッビアーノ・トスカーノ、マルヴァージア・ビアンカ。

樹齢は30年前後。

 

ワインは全て、『MIKIYA』オーナーの三木さんにも味わってもらっている。

 

濾していても細かい澱が。

でも良いワインは澱まで美味い。

 

食後の餃子は、あんことチーズ。

デザート餃子は驚きの美味しさ。

 

ワインに詳しい皆さんと過ごす時間は最高に楽しい。

素晴らしいワインを提供していただいたMr. Vinさんに感謝。

 

ほろ酔い加減で板橋仲宿商店街を散策。

午後になり人出が増えている。

 

大きな八百屋さんが二軒り、どちらも品揃えが豊富でしかも安い。

皆さん、野菜を購入。

 

歴史を感じさせるお米屋さんもある。

 

ここまでは仲宿。

 

この先は板橋宿。

 

そして両者を結ぶ道は、旧中山道。

 

立ち寄ったのは、酒屋さん。

ここで羽根屋の酒粕を購入。

日本酒の品揃えも素晴らしく、蓬莱泉の入手困難な酒も良心的な価格で置かれている。

 

私の購入品。

 

ピーマンと茄子はよく見ると高知県産だった。

高知には毎年訪問し、今年ももうすぐ行くので何だか嬉しい。

友人達と板橋仲宿で過ごす、楽しい午後でした。

 

 

 

 

 

 

今朝のベランダ菜園の収穫。

 

ここ数日の好天で鷹の爪の色付きが進み、39本を収穫。

これで今年の収穫本数は985本。

大台まであと15本、頑張れ鷹の爪。

ピーマンは赤くなり始めたものから毎日1個を収穫して食べているが、今日は葉の裏に隠れていた大きな実を発見し、追加で収穫。

 

5月のこと、友人たちと板橋区役所前で待ち合わせ。

 

向かったのは、旧中山道にある仲宿商店街。

折角綺麗な街灯を設置しているのに、この電線や電話線が景観を損ねている。

日本はもっと電線地中化を進めなければと思う。

 

天気が悪い午後の早い時間なので人通りは少ないが、元気な商店街を歩くのは気持ちが良い。

 

八百屋さんの店頭で売られている格安ワインを見付けた。

瓶代と輸送費でこの価格を超えてしまいそうだ。

「どんな味なのか誰か買ってみて」とメンバーの一人。

でも顔を見合わせるだけで誰も買わない。

 

商店街から住宅街に入り、今日のワイン会の会場に到着。

 

会場は、『MIKIYA GYOZA STAND』。

 

ここは元々中華料理の『三木家』だったのを、2017年に現オーナーが引き継いで『MIKIYA GYOZA STAND』をリニューアルオープンした。

ここでワイン会を開催するのは二度目。

 

前回の”日本ワインの会”の記事はこちら。

 

 

 

 

カウンター上には今日のワインがずらりと並ぶ。

今日は、Mr. Vinさん秘蔵のイタリアワインを味わう、”イタリアワインの会”。

 

早速スパークリングワインで乾杯。

今日のメンバーは、しづちゃん、mayuさん、ノムリエさん、Mr. Vinさん、そして私。

私以外は皆さんワインのプロフェッショナルの方々だ。

 

抜栓したワインは、バローネ・ピッツィーニ、フランチャコルタ、ブリュット、ナトゥーレ、2019年。

フランチャコルタはイタリア最高峰のスプマンテ。

 

バローネ・ピッツィーニのオーナーは、アンティカ・オステリア・デル・ポンテの元シェフ。

 

バックラベルにはオーガニック認証マークのユーロリーフが付いている。

ボトリングは2020年6月、デゴルジュマンは2023年1月。

 

ミュズレも撮影。

 

シトラスや青林檎の香り。

豊かな果実味と熟成感、後味には炒ったナッツのニュアンス。

セパージュは、シャルドネ60%、ピノ・ネロ40%。

ぶどう栽培はオーガニック。

瓶内熟成期間は30ヶ月で、ノンドサージュ。

 

肉餃子を、水餃子で。

メンバーにはパクチーが好きな人と苦手な人の両方が居るので、しばしパクチーの話題で盛り上がる。

私は大好き。

 

次は焼き餃子。

定番の、大葉餃子、肉餃子、野菜餃子の三種類。

 

ラー油と胡椒でいただく。

 

二本目は、オレンジワイン。

 

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州、トリエステのヴォドピーヴェッツが造る、ヴィトフスカ、2013年。

私にとっては初見のワイン。

 

アンフォラでぶどうの皮ごと半年間熟成、搾ったあとに、アンフォラで半年、更に大樽で2年間熟成。

 

ぶどうはヴィトフスカ100%で、有機栽培。

 

アルバ産白トリュフ蜂蜜と白トリュフバターが出される。

 

12年近い熟成を経て、最後の一杯には少量だが澱が見られる。

 

汁しゅうまいが届く。

 

大きな焼売には肉がぎっしり詰まっていてかなりのヴォリューム。

白トリュフ蜂蜜と白トリュフバターを付けて味わうと、最高に美味。

友人達と過ごす、”イタリアワインの会”の楽しい午後は続きます。

 

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと国立西洋美術館で「西洋絵画、どこから見るか?」展を鑑賞した後に、上野広小路のイタリアン、『アルヴィーノ』で過ごす楽しい夜の続き。

 

続く料理は、牛すじデミグラスのスクランブルエッグ。

これは初お目見えの料理。

 

大きなカップ二つに取り分けても驚くほどの量がある。

牛肉はホロホロに柔らかく煮込まれ、濃厚なデミグラスソースとトロトロのスクランブルエッグと合わせて食べると最高に美味い。

 

飲んでいるワインは、チリのモントグラス・クラシックが造る、デ・ヴァイン、レゼルヴァ、ソーヴィニヨン・ブラン、2023年。

このボトルはお店からのプレゼント。

 

プリモピアットは限定3食のパスタ。

これは入店と同時に頼んでおいた。

よく見ると、前回来た時と表記が変わっている。

 

これが今までのメニュー表。

”男前”が”漢前”に、”小・大盛”が”並・バカ”に、そして並みの価格が1,000円から1,200円に、バカ盛りの価格が1,800円から2,000円に値上げとなっている。

 

これを厨房で作り始めると、にんにくの香りがカウンター上に漂ってくるのですぐにわかる。

量は並盛り、以前の小盛にしたが、それでも充分な量がある。

 

このニンニクの量が半端ない。

 

二人に取り分け。

取り分けてもこの量。

 

麺はモチモチ、にんにくはホクホクで頗る美味。

『アルヴィーノ』に来ると必ずこのパスタを頼むので、翌日には人と会う予定を入れないようにしている。

 

肉料理に合わせ、赤ワインをグラスで。

私が二種類を選び、ちぃさんに試飲してもらい、好きな方を飲んでもらうことに。

ここのグラスワインは180mlもあるので、四杯飲めばボトル1本を飲んだことになる。

 

アブルッツォ州のカンティーナ・トッロが造る、ロッカ・ヴェントーザ、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、2023年。

 

カンティーナ・トッロはイタリア有数の協同組合で、傘下に820軒のぶどう栽培農家と3,000haの畑を有している。

しっかりとした果実味とタンニンを持つ、フル寄りのミディアム・ボディ。

アルコール度数は13%。

 

プーリア州のマーレ・マンニュムが造る、ノー・ブル、ジンファンデル、2023年。

 

輸出を意識したワインのようで、プーリアなのでぶどうの種類は本来はプリミティーヴォと記載すべきところ、アメリカ名のジンファンデルを名乗っている。

アメリカン・オークの樽で熟成されており、濃厚な果実の凝縮感、強いタンニンを持つフルボディ。

アルコール度数は14.5%もある。

 

赤ワインでも乾杯。

ちぃさんが選んだワインは、私の予想通り、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ。

ジンファンデルのノー・ブルは、ちぃさんには濃厚過ぎたようだ。

 

セコンドピアットは、A5和牛ランプのステーキ。

100gから注文できる。

お腹は既にいっぱいなので、150gを焼いてもらった。

 

焼き色が素晴らしく、食欲を誘う。

付け合わせは、カポナータ。

 

肉用のナイフは、ブラジルのトラモンティーナ。

『バルバッコア』でも使われているナイフだ。

 

シャリアピンソースをたっぷりかけて食べる。

力を込めなくてもナイフがスッと通る柔らかさ。

素晴らしく美味い肉だ。

 

二人に三つずつ取り分けたが、ちぃさんがもうお腹がいっぱいで最後の一つを食べられないということで、私が美味しくいただく。

次回は、にんにくましましペペロンチーノとこのステーキだけでも充分に満足かも。

 

店長に見送られ、店をあとにする。

 

帰りは上野にではなく仲御徒町に出て帰途につく。

ちぃさんと過ごす、「国立西洋美術館」での「西洋絵画、どこから見るか?」の鑑賞、そして『アルヴィーノ』での素敵な料理とワインに満足した、楽しい夜でした。

 

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと「国立西洋美術館」で「西洋絵画、どこから見るか?」展を鑑賞した後は、ディナーのお店に移動。

 

今日は晴天。

上野駅前の銀杏の樹の緑が濃くなっている。

 

上野のお山を下りて向かったのは、上野広小路。

ここにも「西洋絵画、どこから見るか?」の宣伝バナー。

 

広小路横丁に入る。

横丁の右側は何件もの建物が取り壊され、再開発中。

 

この横丁には焼肉屋が軒を連ねる。

驚いたことに横丁にあった唯一のフレンチ、『おフランス亭』は店を閉じ、その跡地には焼肉店が出来ると張り紙されていた。

『おフランス亭』には一度訪問したことがあり、寂しく思う。

 

『おフランス亭』訪問記事はこちら。

 

 

 

今夜のお店は人気のイタリアン、『アルヴィーノ』。

 

”あるじゃない アルヴィーノ”のバナーに導かれ、ドアを開ける。

 

一階にはカウンター席と厨房、二階にはテーブル席。

ここで食事をするなら、店長とワイン談義をし、シェフと料理談義が出来る一階に限る。

今夜も、一階も二階も満席の予約。

 

まずはスパークリングワイン。

 

表面張力でピタッと止める技が素晴らしい。

見ている私も注いでいる間は息を止めているので、ここでふぅ~と息をつく。

 

少し啜ってから、ちぃさんと乾杯。

 

乾杯後に一口飲んだところでボトルの撮影をしていないことに気が付いた。

テッレ・チェヴィコがエミリア・ロマーニャ州で造る、ラルス、スプマンテ、ブリュット。

ぶどうは、トレッビアーノ100%。

 

ストゥッツィキーノは、イタリアの揚げパン、コッコリ。

 

クリームチーズを付けて食べる。

これが美味いのだ。

 

壁の黒板の今日のおススメとグランドメニューから料理を選ぶ。

 

飴色玉ねぎのポテサラ。

これは私のお気に入り。

それにしてもヴォリュームが半端ない。

 

アスパラガスのゆであげ、トリュフ香る温玉。

温玉の上にはたっぷりのパルミジャーノレッジャーノ。

 

温玉をパッカ~ンと割り、アスパラガスに和える。

 

二人の皿に取り分け。

これも美味い。

 

スプマンテのグラスを飲み干すと、白ワインをボトルで。

実はこのボトルはお店からのプレゼント。

 

チリのモントグラス・クラシックが造る、デ・ヴァイン、レゼルヴァ、ソーヴィニヨン・ブラン、2023年。

チリを代表する醸造家の一人、モントグラスが造る高品質のバラエタルワインで、ヴィーガン認証を得ている。

 

白ワインでも乾杯。

柑橘系の爽やかな香り。

果実味と酸のバランスが良く、後味にはグレープフルーツの皮の心地よい苦み。

ちぃさんと過ごす、上野広小路の楽しい夜は続きます。

 

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと上野の「国立西洋美術館」で””西洋絵画、どこから見るか?”展鑑賞の続き。

「サンディエゴ美術館(SDMA)」と「国立西洋美術館(NMWA)」の共同企画展で、両美術館所蔵の88作品が展示されている。

サンディエゴから出展される49点(常設展示場で展示される5点を含む)は全て日本初公開。

この絵画展は、個人使用目的での写真撮影は可能。

SNSでの発信が禁止されている作品には”禁SNS”のタグが付けられている。

見逃された方のために、少し詳しくアップ。

 

第Ⅳ章は19世紀。

H.P.の説明を添付。

オレノ・ドーミエは19世紀のフランス写実主義を代表する画家。

近代都市パリの光と闇が描かれている。

 

オレノ・ドーミエ「観劇」(1856ー60年頃) 油彩/板  NMWA(旧松方コレクション)

観劇する人々を後ろから描くと言う面白い構図。

 

オレノ・ドーミエ「劇場を後にして」(1865年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

この時代になると、シルクハットの紳士たちだけでなく、庶民も劇場に足を運んでいたことがわかる。

 

ブーグローは19世紀後半のフランス画壇で保守的陣営を代表する画家。

歴史画の大作を描く一方で、戸外を舞台に愛らしい子供や清らかながら官能的な少女を描き、人気を博した。

 

ここにはウイリアム=アドルフ・ブーグローの少女の二枚の絵。

 

まさにハッとする美しさ。

ブーグローの人気の理由がわかる作品だ。

 

ウイリアム=アドルフ・ブーグロー「小川のほとり」(1875年) 油彩/カンヴァス NMWA(井内コレクション)

写真と見紛う程の精緻な筆遣い。

モノトーンな色調の中で、赤い花冠が少女の美しさを引き立てている。

 

ウイリアム=アドルフ・ブーグロー「羊飼いの少女」(1885年) 油彩/カンヴァス SDMA

あどけなさが美しさに変貌する瞬間のようだ。

 

印象派の画家が好んで描いた田舎の情景。

垣根のモティーフに焦点を当て、印象派の大御所のピサロと、モネのジヴェルニーで学んだアメリカの画家、ロビンソンの絵が取り上げられている。

 

カミーユ・ピサロ「立ち話」(1881年頃) 油彩/カンヴァス NMWA(松方コレクション)

二人の若い農家の女性が立ち話をしている姿が、中央を横切る垣根によってとても印象的な情景として描かれている。

 

セオドア・ロビンソン「闖入者」(1891年) 油彩/カンヴァス SDMA

越えてはいけない境界を、垣根の脇をすり抜けて入ってきた子供。

見付かってしまった瞬間を、背後に聳え立つ垣根を配することにより緊張感を持つ情景に表現している。

 

19世紀後半になると、女性を理想的な姿としてではなく、踊り子や娼婦など、現実に生きる姿をありのままに描くようになる。

そんな女性を描いた二人の代表的な画家、ドガとロートレックが取り上げられている。

 

ドガとロートレックの「裸婦」を見比べ。

 

エドガー・ドガ「背中を拭く女」(1888ー92年頃) パステル/紙 NMWA

踊り子の絵を得意としたドガらしく、女性の動きに焦点を当てた躍動感ある絵となっている。

 

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「うずくまる赤毛の裸婦」(1897年) 油彩/ボード SDMA

一方でロートレックは裸婦と一定の距離感を持ち、冷静に女性の姿を画題として描いているように感じる。

 

最終の展示は、スペインの写実主義の画家が描く、家族や子供の暖かな情景。

2歳で両親を失った画家は、特に子供に深い愛情を込めた絵を描いている。

 

ホアキン・ソローリャ「水飲み壺」(1904年) 油彩/カンヴァス NMWA

スペイン語でボディホという水飲み壺は素焼きの陶器であるため揮発によって中の水が冷たく保たれる。

夏が暑いスペインでは愛用され、多くの絵画に描かれている。

 

ホアキン・ソローリャ「ラ・グランハのマリア」(1907年) 油彩/カンヴァス SDMA

モデルは、画家の娘。

 

スペイン、バレンシア地方の暖かな太陽を感じる絵だ。

 

ホアキン・ソローリャ「バレンシアの海辺」(1908年) 油彩/カンヴァス SDMA

この場面もバレンシアの海。

 

平日の午後はそれほど混んでいないので、ゆっくり鑑賞することが出来た。

 

もう脚はかなり疲れているが、展示はこれで終わりではない。

常設展の中にも「サンディエゴ美術館」からの出品作品が5点展示されている。

広い幾つもの展示室の中のどこにあるのか、宝探しのような面白さ。

 

ジョヴァンニ・ボンシ「バーリの聖ニコラウス」(1365ー70年頃) テンペラ/板 SDMA

バーリの聖ニコラウスは4世紀に現在のトルコで慈善活動を行った聖人。

 

コズメ・トゥーラ「聖ゲオルギウス」(1475ー76年頃) 油彩、テンペラ/板 SDMA

コズメ・トゥーラは、15世紀後半の宮廷都市フェラーラの代表的画家。

この絵はフェラーラの聖堂の祭壇画の一部。

 

ソフォニスバ・アングィッソーラ「スペイン王子の肖像」(1573年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

ソフォニスバ・アングィッソーラは16世紀ヨーロッパで最も成功した女流画家。

絵のモデルはスペイン王フェリペ2世の早逝した息子、フェルナンド王太子と考えられている。

 

フランシスコ・デ・ゴヤ「ラ・ロカ公爵ビセンテ・マリア・デ・ベラ・デ・アラゴン」(1795年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

ゴヤはスペインを代表する肖像画家。

モデルは、王立歴史アカデミーの会長に就任したばかりのラ・ロカ公爵。

 

ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル「フェイディアスの習作」(1827年、1866年に拡大) 油彩/カンヴァス SDMA

アングルはフランスの新古典主義を代表する画家。

1827年に描いたフェイディアスの頭部を、およそ40年後に別のカンヴァスに貼り付け、腕などを描き足して完成させたもの。

 

常設展示場には人が少なく、ゆっくり鑑賞することが出来る。

 

出口前には記念品の販売コーナー。

 

前庭に出ると、陽が長くなりまだ明るい。

正面はオーギュスト・ロダン、「カレーの市民」。

その奥には「考える人」。

 

左手に目をやると、右は、オーギュスト・ロダンの「地獄の門」。

その左右に「アダム」と「エヴァ」。

左は、エミール=アントワーヌ・ブールデルの「弓を引くヘラクレス」。

そろそろディナーのお店に向かうことにしよう。

ちぃさんと過ごす、上野の楽しい夜は続きます。

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと上野の「国立西洋美術館」で””西洋絵画、どこから見るか?”展鑑賞の続き。

「サンディエゴ美術館(SDMA)」と「国立西洋美術館(NMWA)」の共同企画展で、両美術館所蔵の88作品が展示されている。

サンディエゴから出展される49点(常設展示場で展示される5点を含む)は全て日本初公開。

この絵画展は、個人使用目的での写真撮影は可能。

SNSでの発信が禁止されている作品には”禁SNS”のタグが付けられている。

見逃された方のために、少し詳しくアップ。

 

第Ⅲ章は18世紀。

H.P.の説明を添付。

18世紀、ヴェネチアとローマの二大観光地ではヴェドゥータと呼ばれる都市景観画が人気を博したとのこと。

ここではヴェドゥータを代表する二人の画家によるヴェネチアの景観画が展示されている。

 

ベルナルド・ベロット「ヴェネツィア、サン・マルコ湾から望むモーロ岸壁」(1740年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

これはまさに絵葉書にそのまま使える景観画。

 

フランチェスコ・グアルディ「南側から望むカナル・グランデとリアルト橋」(1775年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

ローマで発展した景観画、”カプリッチョ”(奇想画)は面白い。

ローマ市内に点在する古代遺跡や架空の建造物を自由に組み合わせ、実際には存在しない景観が描かれている。

 

ジョヴァンニ・パオロ・パニーニ「古代建築と彫刻のカプリッチョ」(1745-50年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

左は”ファルネーゼのヘラクレス像”、中央には”サンタ・コンスタンツァの石棺”。

建築物は廃墟となっているが、人物は古代の衣装を身にまとっている。

 

ユベール・ロベール「モンテ・カヴァッロの巨像と聖堂の見える空想のローマ景観」(1786年) 油彩/カンヴァス  NMWA

左側には”カピトリーノの丘のコンセルヴァトーリ宮”、右側には”クイリナーレ広場の巨像”の一体、背景にはパンテオンのファサードとサン・ピエトロ大聖堂のクーポラ。

まさに何でもありの景観画。

 

この表現がぴったり。

でも、ボケボケ。

 

ユベール・ロベール「マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、神殿の見える空想のローマ景観」(1786年) 油彩/カンヴァス  NMWA

左側には”カンピドーリオ広場のマルクス・アウレリウス騎馬像”、その後ろに”トラヤヌス記念柱”、遠景に”オベリスク”。

右側の神殿は創造の産物のようだ。

ロベールは、”廃墟の画家”として名を馳せたのだそうだ。

 

18世紀のフランスはロココ美術が花盛り。

フェット・ギャラント(雅宴画)と呼ばれる、田園風景の中で戯れる人物画が描かれている。

 

ニコラ・ランクレ「眠る羊飼いの女」(1730年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

羊飼いの男女の恋愛物語。

それにしても、当時の羊飼いはこんな優雅な衣装を身に着けていたのだろうか。

 

ジャン=パティスト・パテル「野営(兵士の休息)」(1730年頃) 油彩/板  NMWA

フランドルの画家、ルーベンスの絵の伝統が引き継がれている。

パテルは41歳を目前に早逝。

 

18世紀イタリアの風俗画はヴェネツィアで発展し、貴族や市民の日常が描かれたのだそうだ。

 

ピエトロ・ロンギ「不謹慎な殿方」(1740年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

 

身支度をする女性を衝立の陰から覗く男性。

画題としては確かに卑俗な日常だ。

 

ジュゼッペ・デ・ゴッビス「賭博場」(1760年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

ヴェネツィアで人気だった公認賭博場では、多くの男女の意味ありな情景が描かれている。

 

18世紀半ばから19世紀初頭にローマで描かれた肖像画が取り上げられている。

 

ポンペオ・ジローラモ・バトーニ「ポティエ・ド・ジュヴル枢機卿エティエンヌ=ルネ」(1758年) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

アントン・ラファエル・メングス「スペイン王太子ルイス・デ・ボルボンの肖像」(1768年) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

過度な装飾は無く背景も省略した中で、肖像画主が実に精緻に描かれ、地位や品位などが自ずと伝わる素晴らしい肖像画だ。

 

アントニオ・カノーヴァと工房「踊り子の頭部」(1820年) 大理石  SDMA

肖像画だけでなく、彫像においても素晴らしい表現力を観ることができる。

 

18世紀後半のフランスでは、革命(1789ー1799)により肖像画も貴族的なロココから秩序や理性を重んじる新古典主義へと移っていった。

 

ジャン=マルク・ナティエ「マリー=アンリエット・ベルトロ・ド・プレヌフ夫人の肖像」(1739年) 油彩/カンヴァス  NMWA

モデルをギリシャ=ローマの神々の姿で描くことでルイ15世の治世化で人気を博した肖像画家。

この絵では水瓶と葦の葉を配して水の精に扮している。

 

次は、二人の女流画家による二枚の絵を見較べる企画。

 

制作年を見ると、左は革命前、右は革命後。

勝負服がロココ風と新古典主義風。

 

マリー=ガブリエル・カペ「自画像」(1783年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

画家22歳の時の自画像。

 

マリー=ギョミーヌ・ブノワ「婦人の肖像」(1799年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

長くなったので、続きはまた明日。

 

 

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと上野の「国立西洋美術館」で””西洋絵画、どこから見るか?”展鑑賞の続き。

「サンディエゴ美術館(SDMA)」と「国立西洋美術館(NMWA)」の共同企画展で、両美術館所蔵の88作品が展示されている。

サンディエゴから出展される49点(常設展示場で展示される5点を含む)は全て日本初公開。

この絵画展は、個人使用目的での写真撮影は可能。

SNSでの発信が禁止されている作品には”禁SNS”のタグが付けられている。

見逃された方のために、少し詳しくアップ。

 

第 Ⅱ章はバロック。

H.P.の説明を添付。

 

静物画はスペイン語でBodegonと言うのですね。

英語ではStill Life painting。

実はBodegonの語源はワイナリーや酒蔵を意味するBodega。

スペインの静物画は食べ物を題材とすることが多かったので、厨房画とも言われ、Bodegonには居酒屋の意味もある。

 

フアン・バン・デル・アメン「果物籠と猟鳥のある静物」(1621年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

確かに食材満載の静物画だ。

 

フアン・サンチェス・コターン「マルメロ、キャベツ、メロンとキュウリのある静物」(1602年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

この作品は今回の企画展の目玉の一つ。

コターンはスペインの写実主義静物画の第一人者。

この作品は”最も偉大な静物画”、”ボデゴンの歴史を作った記念碑”と称されている。

左上から右下に流れるような構図が独創的。

野菜類が精緻に描かれているが、影を見ると、光がどちらから射しているのかわからなくなる不思議な絵だ。

 

フランシスコ・デ・スルバラン「神の仔羊」(1635-40年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

そうだ、エル・グレコはスペインに居を移して制作していたのだった。

エル・グレコはギリシャ人で、グレコはイタリア語でギリシャ人の意味、それにスペイン語の男性定冠詞のエルが付いた通称。

本名はドミニコス・テオトコプロス。

今回の企画展の出品目録には本名もちゃんと記されている。

 

エル・グレコ「悔悛する聖ペテロ」(1590-95年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

エル・グレコ「十字架のキリスト」(1610-14年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

 

ペドロ・デ・オレンテ「聖母被昇天」(1620-25年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

 

フアン・サンチェス・コターン「聖セバスティアヌス」(1603年頃) 油彩/銅板 SDMA

 

コターンはスペイン静物画の第一人者と言われているが、43歳の時に修道士となり、それ以降は宗教画しか描いていない。

そのため、現存するコターンの静物画は世界に6点しかないとされている。

 

イタリアがルネサンス以降、大理石やブロンズによる無着彩像に移行したのに対し、スペインでは引き続き木やテラコッタに着彩した彫刻が好まれたとのこと。

 

フアン・デ・メサ「幼児キリストの勝利」(1620年頃) 彩色/錫、鉛合金 SDMA

 

ペドロ・デ・メナ「アルカラの聖ディエゴ」(1665-70年頃) 彩色/木 SDMA

 

ここからの4点は、17世紀のセビーリャで活躍し、”修道僧の画家”と呼ばれたスルバランの作品。

 

フランシスコ・デ・スルバラン「聖ドミニクス」(1626ー27年) 油彩/カンヴァス NMWA

聖ドミニクスは、ドミニコ会修道会の創設者で13世紀初めの聖人。

 

フランシスコ・デ・スルバラン「聖ヒエロニムス」(1640ー45年) 油彩/カンヴァス SDMA

聖ヒエロニムスは、ラテン語訳『聖書』の決定版 (ウルガタ訳聖書) を完成させた聖人。

 

フランシスコ・デ・スルバラン「洞窟で祈る聖フランチェスコ」(1658年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

聖フランチェスコは、フランシスコ会修道会の創設者。

 

フランシスコ・デ・スルバラン「聖母子と聖ヨハネ」(1658年) 油彩/カンヴァス SDMA

 

続いては、スルバランと同じく17世紀のセビーリャで活躍したバルトロメ・エステバン・ムリーリョの女性聖人を描いた作品。

同時期の制作でありながら、ムリーリョが得意とする等身大の優美な作品と、素早い筆致の小振りの作品の対照的な絵が展示されている。

 

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「悔悛するマグダラのマリア」(1660ー65年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ「聖フスタと聖ルフィーナ」(1660ー65年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

次の二作品は、17世紀前半にナポリで活躍したジョゼペ・デ・リベーラが描く、使徒と古代哲学者。

 

ジョゼペ・デ・リベーラ「聖バルトロマイ」(1632年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

右手に持った紙には使徒信条の第6節がラテン語で書かれていることから、この男性がその著者のバルトロマイであると想定されている。

 

ジョゼペ・デ・リベーラ「哲学者クラテース」(1636年) 油彩/カンヴァス NMWA

この絵では画中の机の上にcrate tebanoと名が記されていることから、哲学者クラテースと同定されている。

リベーラの使途像、哲学者像では画中の人物が誰なのか曖昧なものが多く、一種の謎かけだったのかも知れない。

 

ダヴィデとゴリアテは多くの画家が描いている画題。

17世紀初頭のイタリアではダヴィデがゴリアテを殺す暴力的な絵画が好まれたが、世紀半ばになるとダヴィデの瞑想と祈りに焦点を当てた、より宗教的意味合いが強い絵画に変化したのだそうだ。

 

アントニオ・デ・ベリス「ゴリアテの首を持つダヴィデ」(1642ー43年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

 

グエルチーノ「ゴリアテの首を持つダヴィデ」(1650年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

 

カラヴァジズムとは、カラヴァッジョ没後の1610年代から1630年ごろにかけて流行した、劇的な明暗法のもとで対象を写実主義的に描き出す画風。

 

バルトロメオ・マンフレーディ「キリスト捕縛」(1613-15年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

実物大の半身像を複数横に並べた横長の構図は”マンフレーディ形式”と呼ばれ、カラヴァジズム絵画の典型となった。

 

ジョゼペ・デ・リベーラ「スザンナと長老たち」(1615年頃) 油彩/カンヴァス SDMA

ナポリ画壇を牽引したスペイン人画家。

旧約聖書に基づく画題で、カラヴァジズムの影響が明確にみられる。

 

ジュリオ・チェーザレ・プロカッチーニ「悔悛するマグダラのマリア」(1620年頃) 油彩/板 SDMA

サンディエゴ美術館に所蔵された当初はリベーラの作品とされていたが、現在ではプロカッチーニの作品とみなされている。

 

ルーベンスは大規模な工房を構えて制作をしていたことで有名。

ヤーコプ・ヨルダーンスは若い共同制作者。

 

ペーテル・パウル・ルーベンス「眠る二人の子ども」(1612-13年頃) 油彩/板 NMWA

 

ペーテル・パウル・ルーベンス「永遠(教皇権の継承)の寓意」(1622-25年頃) 油彩/板 SDMA

 

ペーテル・パウル・ルーベンス「豊穣」(1630年頃) 油彩/板  NMWA

 

ヤーコプ・ヨルダーンス(に帰属)「ソドムを去るロトとその家族」(1618-20年頃) 油彩/カンヴァス NMWA

 

ペーテル・パウル・ルーベンスと工房「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者ヨハネ」(1625年頃) 油彩/カンヴァス  NMWA

この絵は工房の作品だが、一部にルーベンス本人とヨルダーンスの筆も認められるのだそうだ。

 

17世紀のネーデルランド、特にフランドルでは宗教人物像の周囲を花で彩る”花環図”が人気となったのだそうだ。

その”花環図”の名手、ダニエル・セーヘルスが人物画家と共同制作した作品2点が展示されている。

セーヘルスの名前の隣の名前が共同制作者の人物画家。

 

ダニエル・セーヘルス、コルネリス・スフート「花環の中の聖母子」(1620-25年頃) 油彩/板  NMWA

 

ダニエル・セーヘルス、エラスムス・クエリヌス「花環の中の聖家族」(1625-27年) 油彩/銅板  SDMA

この絵では中央の聖家族が浮彫彫刻を模したトロンプ=ルイユ(だまし絵)として描かれている。

 

花と人物それぞれを得意とする二人の画家の共同制作の絵があるとは知らなかった。

 

オランダの静物画には色々な流れがあるようだ。

ヴァニタス画、フランドル伝統の画題をテーブルに盛った静物画、そして花や球根を描いた静物画の三点が展示されている。

 

ヘーラウト・ダウ「シャボン玉を吹く少年と静物」(1635-36年頃) 油彩/板  NMWA

 

ヴァニタス(虚栄)画では、この世の儚さを象徴するモティーフとして、骸骨、砂時計が描かれ、すぐに弾けて消えてしまうシャボン玉もこのモティーフの一つなのだそうだ。

 

コルネリス・デ・ヘーム「果物籠のある静物」(1654年頃) 油彩/板  NMWA

確かに画題がテーブル上に溢れている。

この絵を見て、『レストランひらまつ レゼルヴ』のホールに飾られていた額賀加津己画伯の静物画を思い出した。

 

ラーヘル・ライス「花卉」(1689年) 油彩/カンヴァス  SDMA

オランダでは花、そして球根が人気だったので、花の絵がオランダで定着した最初の静物画だったのだそうだ。

 

オランダで芸術の支援者となったのは王族や貴族ではなく、貿易で財を成した富裕な市民達。

そこで市民生活を描いた風俗画が発展した。

思い浮かぶのはフェルメールだが、あまりに作品数が少なく、今回の展示には含まれていない。

 

ヤコーブス・フレル「座る女性のいる室内」(1660年頃) 油彩/板  SDMA

この絵を見るとフェルメールの室内画を想起するが、最新の研究ではこの構図はフレルが先行し、フェルメールに影響を与えたとのこと。

 

ボケてしまった。

 

ニコラース・マース「少女の肖像」(1664年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

フランス・ハルス「イサーク・アブラハムスゾーン・マッサの肖像」(1635年頃) 油彩/板  SDMA

 

風景画は17世紀にオランダで大きな発展を遂げたとのこと。

ロイスダールは私でも知っている風景画家。

 

ヤーコブ・ファン・ロイスダール「滝のある森の風景」(1660年頃) 油彩/カンヴァス  SDMA

 

ヤーコブ・ファン・ロイスダール「樫の森の道」 油彩/カンヴァス  NMWA

どちらの絵も人間や建物が小さく描かれ、自然の力強さが強調されている。

「樫の森の道」では、林道に二人、左手前に焚火をする三人が描かれているが、目を凝らしてみないと気が付かない。

 

長くなったので、続きはまた明日。

 

 

 

 

 

5月のこと、ちぃさんと上野で待ち合わせ。

 

公園口を出ると、五月の青空に迎えられる。

 

平日の午後にも拘わらず、多くの人出。

修学旅行の生徒たちの姿も。

 

今日は「国立西洋美術館」で絵画展”西洋絵画、どこから見るか?”を鑑賞しに来た。

 

ポスターは二種類あるようだ。

”西洋絵画、どこから見るか?-ルネサンスから印象派まで”は「サンディエゴ美術館(SDMA)」と「国立西洋美術館(NMWA)」の共同企画展で、両美術館所蔵の88作品が展示されている。

サンディエゴから出展される49点(常設展示場で展示される5点を含む)は全て日本初公開。

「サンディエゴ美術館」はアメリカ西海岸では最も充実した西洋絵画の収集で知られ、スペイン人が造った街だけあり、特にスペイン絵画の所蔵数が多いのだそうだ。

サンディエゴには何度か行ったことがあるが、美術館に足を運ばなかったことが悔やまれる。

 

ル・コルビュジエ設計の「国立西洋美術館」を撮影。

 

入場券をスマホで示し、展示室に進む。

前売り券は4ヶ月前に購入。

今は日時指定は不要。

 

展示は四つのChapterに分かれている。

嬉しいことに、個人使用目的での写真撮影は可能。

SNSでの発信が禁止されている作品には”禁SNS”のタグが付けられている。

記事が長くなるが、見逃された方のために可能な絵は全作品をアップ。

 

まずは”どこ見る”ポイントをチェック。

 

第Ⅰ章はルネサンス。

H.P.の説明を添付。

話しは逸れるが、私が学校で学んだ時は”ルネサンス”ではなく、”ルネッサンス”だった。

原語で見ると”Renaissance”で、”SS”なのでイタリア語読みをすると撥音便になる。

でも、これはフランス語で、フランス語読みでは”ルネサンス”がより原語に近い。

因みにイタリア語は”Rinascimento”。

素人としては、イタリアを中心とした芸術活動なのに何故イタリア語を使わないのか不思議。

理由をご存じの方がいらっしゃったら教えていただきたい。

 

作品群毎に詳しい説明があるので、鑑賞しやすい。

ルネサンス期には聖堂内部を飾る多くの宗教画が描かれた。

今回展示されている作品は、聖堂の改修等により祭壇から切り離されたもの。

 

ジョット「父なる神と天使」(1328-35年頃)テンペラ/板 SDMA

目玉展示の一つ。

 

ルカ・シニョレッリ「聖母戴冠」(1508年)油彩、テンペラ/板 SDMA

 

フラ・アンジェリコ「聖母子と聖人たち」(1411-13年頃)テンペラ/板 SDMA

前の二作品と異なり、これはフィレンツェの名家、アルベルティ家の一員の私的な信仰のために制作された作品。

 

ルイーニはミラノの画家で、同地に長く滞在したレオナルド・ダ・ヴィンチの影響を強く受けたレオナルデスキ(レオナルド派)の画家の代表格。

 

ベルナルディーノ・ルイーニ「マグダラのマリアの回心」(1520年頃)油彩/板 SDMA

マグダラのマリア(豪華な服装)が慎み深い姉のマルタ(質素な服装)に諭され、回心する場面。

マリアが左手を添えているのは、香油壺。

 

イタリア・ルネサンス絵画では、胸壁の向こう側に立つ聖母子の構図が好まれた。

ここでは15世紀に描かれたヴェネツィア絵画と16世紀に描かれたフィレンツェ絵画が対比されている。

 

カルロ・クリヴェッリ「聖母子」(1468年頃)油彩/板 SDMA

ヴェネツィア絵画では、胸壁を描くことで観るものとの間に境界を設け、光輪を持つ聖母子が聖なる存在であることが強調されている。

 

アンドレア・デル・サルト「聖母子」(1516年頃)油彩/板 NMWA

一方のフィレンツェ絵画では聖母子は写実的に描かれ、胸壁は聖母子の世界と観るものの世界を繋ぐ役割を担っている。

 

16世紀前半のヴェネツィアで活躍したヴィンチェンツォ・カテーナの聖母子像二点の見比べ。

 

ヴィンチェンツォ・カテーナ「聖母子と幼い洗礼者聖ヨハネ」(1512-15年頃)油彩/板 NMWA

背景に描かれているのはヴェネツィアのサンタ・マリア・フォルモーザ聖堂の広場。

赤外線写真調査で、元々はここに山や木々の自然が描かれていたことがわかっている。

注文主の意向で書き直されたと推定されている。

 

ヴィンチェンツォ・カテーナ「聖母子と聖アンナ」(1520年頃)油彩/板 SDMA

聖家族が描かれた絵画で、左からヨセフ、幼児キリスト、マリア、マリアの母アンナ。

 

ヴェロネーゼは、ティツィアーノ、ティントレットと並んで、ヴェネツィア・ルネサンスの三大巨匠。

ここでは故郷ヴェローナで描いた初期の宗教画とヴェネツィアで描いた円熟期の神話画を見比べ。

 

パオロ・ヴェロネーゼ「聖カタリナの神秘の結婚」(1547年頃)油彩/カンヴァス NMWA

 

聖カタリナは4世紀初頭に殉教した聖女。

幼子キリストを抱くマリアの傍らに跪くのが、聖カタリナ。

キリストと結婚する幻を見たことから、既にキリストの花嫁であるとしてローマ皇帝マクセンティウスの求愛を断り、斬首された。

 

パオロ・ヴェロネーゼ「アポロとダフネ」(1560-65年頃)油彩/カンヴァス SDMA

 

もっとボケてしまった。

確かに良く絵を観ると、ダフネの手と足が木に変身している。

ダフネはギリシャ語で月桂樹。

アポロンに求愛された男嫌いのニンフ、ダフネは月桂樹に姿を変えてしまう。

これも人気の題材だ。

 

人気のヴェネツィアの巨匠ティツィアーノはヨーロッパ中の王侯から作品を所望され、大工房を率いて作品を描いていた。

このサロメの絵でも書き直しや修正の跡が認められ、助手たちが描いた絵をティツィアーノが仕上げていたことがうかがえる。

 

ティツィアーノ・ヴェチェッリオと工房「洗礼者ヨハネの首を持つサロメ」(1560-70年頃)油彩/カンヴァス NMWA

流石ティツィアーノ、細部に至るまでサロメの存在感が際立っている。

サロメは多くの画家、例えばカラヴァッジョ、ベルナルディーニ・ルイーニ、時代は下ってクラナッハやレンブラントも描いているが、こんなにふくよかなサロメは他に居ないのでは。

ティツィアーノには申し訳ないが、肉屋の女将さんみたいだ。

ティツィアーノは他にもこの題材で描いているが、いずれもこれほどふくよかではない。

 

ジョルジョーネはヴェネツィア絵画における盛期ルネサンス様式の創始者で、ティツィアーノなど、その後のヴェネツィア絵画の発展に決定的な影響を与えた。

 

ジョルジョーネ「男性の肖像」(1506年)油彩/板 SDMA

 

16世紀初頭にこれだけ写実性の高い絵が描かれているとは驚き。

ヴェネチア派の革新者と呼ばれる意味がわかる絵だ。

同時期にレオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」が描かれており、本作は「サンディエゴのモナ・リザ」とも呼ばれている。

 

ヤコボ・ティントレット「ダヴィデを装った若い男の肖像」(1555-60年頃)油彩/カンヴァス NMWA

 

ヤコボ・ティントレット「老人の肖像」(1550年頃)油彩/カンヴァス SDMA

この絵は、リコルドと呼ばれる一種の習作。

 

15世紀から16世紀、ネーデルランドの絵画とその様式はスペインなどのイベリア半島の絵画に大きな影響を与えた。

多くの絵画がスペインへ輸出され、またネーデルランドの画家がスペインに出向いて絵画を制作し、そしてスペインの画家がネーデルランドの絵画様式を受容しイスパノフラメンコ絵画と呼ばれる絵画様式を生み出した。

 

バルトロメ・ベルメホ「聖エングラティアの捕縛」(1474-77年)油彩/板 SDMA

イスパノフラメンコ絵画の代表作。

 

聖ルキア伝の画家「聖ヒエロニムス」(15世紀末)テンペラ/板 

NMWA

以下は、いずれもスペインに輸出されたネーデルランド絵画。

 

右:ディーリック・バウツ(派)「荊冠のキリスト」油彩/板 NMWA

左:ディーリック・バウツ(派)「悲しみの聖母」油彩/板 NMWA

これらの絵は失われた原作の模写。

トレド近郊の修道院で保管され、教会聖職者に貸し出されていたようだ。

 

フランクフルトの画家「アレキサンドリアの聖カタリナの神秘の結婚」(1500-10年頃)油彩/板 SDMA

 

イーゼンプラントはフランドルで活躍した画家。

ここではイーゼンプラントの真筆作(サンディエゴ美術館)と帰属作(国立西洋美術館)が展示されている。

 

アドリアーノ・イーゼンブラント「聖母子と天使」(1510-20年頃)テンペラ、油彩/板 SDMA

こちらは真筆とされる作品で、イーゼンプラントの特徴が良く表れている。

 

アドリアーノ・イーゼンブラント(に帰属)「玉座の聖母子」油彩/板 NMWA寄贈作品

一方で帰属とされる作品で、聖母は最初の絵にそっくりに描かれている。

しかし背後の豪華な建築物は、イーゼンプラントの作風からは逸脱しているそうだ。

 

ネーデルランド絵画は細部描写や写実性が特徴。

その例として、ヨース・ファン・クレーフェの絵が展示されている。

また、道徳・教訓的な意図に基づいたグロテスクへの嗜好もあり、その例としてヒエロニムス・ボスの絵が展示されている。

 

ヨース・ファン・クレーフェ「三連祭壇画:キリスト磔刑」(1525年頃)油彩/板 NMWA

とても精緻に描かれている。

左右に描かれた男女は、この祭壇画を注文した寄進者。

背景は世界の色々な景色を詰め込んで描いたもので、”世界風景”と呼ばれている。

 

ヒエロニムス・ボス(の工房)「キリストの捕縛」(1515年頃)油彩、テンペラ/板 SDMA

 

この作品はヒエロニムス・ボス自身が描いたものではないが、当時流行画家だったボスの作風を忠実に再現している。

このコメントを見るまでも無く、キリストを捕えようとしている人々が実に邪悪に描かれている。

 

長くなったので、続きはまた明日。