昨年6月のこと、彼女と北参道のフレンチ、『ル・ビストロ』で過ごす素敵な夜の続き。
冷前菜は二人とも同じものを選んだ。
静岡県産紅富士トラウトのカルパッチョ、柑橘のヴィネグレット。
クスクスの上に、紅富士トラウト。
その上には、たっぷりの季節の野菜。
バゲットが届く。
お供はエシレバター。
お隣のワインショップ、『ラ・ギャルリィ』で購入し持ち込んだワインを出してもらう。
ブルゴーニュのドメーヌ・ブリュノ・クレール、マルサネ・ルージュ、2017年。
マルサネはコート・ド・ニュイの最北部、赤・白・ロゼの三種類が一つのA.O.C.で認められている、コート・ド・ニュイ唯一の産地。
ブリュノ・クレールはマルサネ最高の造り手と称され、タイユヴァンの説明によると、クロード・デュガ、メオ・カミュゼ、エマニエル・ルジェと同等の評価を獲得しているとのこと。
ラズベリーやレッドチェリーなどの赤系果実の香り。
フレッシュで綺麗な果実味、活き活きとした酸と重厚なタンニン。
洗練された力強さを持つ、素晴らしいボディだ。
ぶどう栽培はリュット・レゾネ、発酵は自然酵母。
ブリュノ・クレールのワインとの出会いは、丸の内の『エスプリ・ド・タイユヴァン』。
その時の記事はこちら。
最初、女性スタッフが普通のグラスを持ってきた。
それを見た支配人が慌ててテーブルに来て、「大きなグラスに代えさせていただきます」と言って出してくれたのが、リーデルのピノ・ノワール/ネッビオーロ専用グラス。
彼女の温前菜は、自家製クラブケーキ、グリビッシュソース。
私の温前菜、というよりプリモピアットは、本日のリゾット。
グリーンアスパラと青海苔のリゾット。
青海苔の香り、グリーンアスパラガスの歯応えが素晴らしい。
マルサネがリゾットにも綺麗に寄り添ってくれる。
バゲットが美味しいので、二個目。
このあともう一個もらい、三個も食べてしまった。
メイン料理は、二人とも同じ選択。
黒毛和牛頬肉のブフ・ブルギニョン。
この大きな肉の存在感が半端なく、口の中でとろける美味しさ。
ブルゴーニュ料理のブフ・ブルギニョンとブルゴーニュのピノ・ノワールの組み合わせが美味しくないはずがない。
ブリュノ・クレールのマルサネの最後の一杯をゆっくり味わう。
「このピノ、とっても美味しい。エスプリ・ド・タイユヴァンで飲んだ造り手のワインだなんてよくわかったわね」と彼女。
「君と一緒に飲んで美味しかったワインは忘れないよ」と私。
彼女のデセールは、クレーム・キャラメル。
私は、スフレ風チーズケーキ。
大きなバニラアイスクリームが添えられている。
彼女の飲み物は、ハーブティー。
四種の茶葉を自由に組み合わせることができる。
ローズヒップを選んだようだ。
私は、ホットコーヒー。
お供は、オーガニック・ココナッツ・シュガー。
使わないが、それでも良い品が出されると気持ちが良い。
支配人に見送られ、満腹満足で店をあとにする。
坂道に面しているので、上下にはなっておらず並びだが、レストランは二階、ワインショップは一階の位置関係にある。
緑に覆われたグリーンウォールが素晴らしい。
ここにはまた食事に来ることにしよう。
彼女と過ごす、北参道の素敵な夜でした。
帰り道、明治神宮前駅にある野見山暁治画伯が原画を描き監修を行った、ステンドグラス「いつかは会える」を見に行く。
昨年(2023年)12月に「アーティゾン美術館」で”野見山暁冶展”を観て以来、このステンドグラスを観たいと思っていた。
”野見山暁冶展”鑑賞記はこちら。