「丸の内テラス」の『エスプリ・ド・タイユヴァン』で彼女と過ごす、楽しいランチの続き。
スパークリング・ワインを飲み干すと、抜栓しておいた赤ワインを飲むことにする。
セラーで選んだワインは、ブルゴーニュ、コート・ド・ニュイのピノ・ノワール。
ドメーヌ・ピエール・ジュラン、フィサン、2015年。
淡いルビー色。
フランボワーズ、レッドチェリーなどの赤果実の香り。
コルクの品質は良く、香りにも問題なない。
コルクにも2015VTの刻印。
口に含むと、最初は柔らかく、そして徐々に強く豊かな果実味が広がる。
カシス、プルーン、スミレ、錆びた鉄、そして腐葉土のニュアンス。
強いが柔らかなタンニン、綺麗な酸とのバランスも素晴らしい。
ピノ・ノワールの樹齢は35年、樽熟成は18ヶ月で新樽比率は10~25%。
アルコール度数は13.5%と高めだが、果実味が強いのでアルコール感は無い。
やはりピエール・ジュランのピノは美味い。
コロナ前の最後のフランス旅行でブルゴーニュを訪問した時、ピエール・ジュランが保有するプルミエ・クリュのモノポール、クロ・ナポレオンの畑を観に行ったことを思い出す。
毎年11月にボーヌで開催されるオスピス・ド・ボーヌの競売会を中心としたお祭り、”栄光の三日間”を楽しんだ後、ドメーヌ・クヘイジを訪問した。
その時にドメーヌ・クヘイジの伊藤社長に、フィサンではクロ・ナポレオンが好きだとお話ししたところ、連れて行ってくれたのだ。
その時の記事はこちら。
ドメーヌ・ピエール・ジュラン、プルミエ・クリュ、クロ・ナポレオンを初めて飲んだのは、中目黒のミシュラン星付きフレンチ、『クラフタル』だった。
その時の記事はこちら。
ここのワイングラスは、オーストリアのザルト、デンクアート。
薄く軽く、口当たりが素晴らしいグラスだ。
メイン料理は、信州鹿もも肉のロティ、ソース・カルヴァドス、焼きりんごを添えて。
好みの火入れ具合で、ブルーレアの感じ。
ナイフは力を入れなくても、スッと刃が入る。
和食で言えば、タタキといったレベルの火入れだ。
カルヴァドスのソースが良く合って美味い。
付け合わせも美しい。
信州の鹿には焼きりんご。
黄色と紫のカリフラワー、マッシュルーム、ハマボウフウ、コウタイサイ。
コウサイタイ(紅菜苔)は中国野菜。
血の香りがする鹿肉との相性抜群で、フィサンが進む。
デセールは、ケークショコラ。
添えられているのは、ココナッツの粉をまぶしたメレンゲ。
果物は、高知県産イチゴ、ラズベリー、ブルーベリー。
食後はコーヒーでまったり。
お店のスタッフは全員ソムリエ資格を持たれている。
ワインに関するお話しも楽しい。
気が付くと、ランチの営業時間を30分も過ぎてしまっていた。
栗原シェフに今日の料理のお礼を述べ、見送られて店をあとにする。
丸の内仲通りのイルミネーションがもう点灯している。
眼で見ると明るく輝いているのだが、スマホではその煌めきが出ないのが残念。
彼女と過ごす、丸の内のフレンチ、『エスプリ・ド・タイユヴァン』での楽しい午後でした。