バレンタインといえばチョコレート。
この時期お子さんと一緒に手作りチョコを作ってラッピングしてお友達に配る!という方も多いのでは?
よくある失敗はこれ。
- 板チョコを買ってきて
- 溶かして
- 小さなアルミカップにスプーンで分ける
- アラザンを散らして仕上げる
『チョコレートがいつまでたっても固まらない!!!!』
『チョコって溶かして固めるだけじゃないの!?』
そうなんだよね。
初心者さんでありがちなのがこの「チョコが固まらない問題」です。
チョコは固いもの。冷たくすれば固まるはず。そう思うんだよね。
だけどね、チョコって繊細なの。
テンパリングって聞いたことあるでしょ?
なんのためにするか知ってる?
テンパリングは、チョコレートの中のカカオバターの脂肪の結晶を「パキッ」とした食感のものだけに整える作業です。
そしてチョコレートの表面に美しいツヤを与え、口に入れると心地よく溶ける。
ここからは(いつもの)ちょっと難しいお話。
私の話だから、テンパリングの具体的な方法の紹介ではありません。
そもそも製菓用のクーベルチュールチョコレートをうまく扱える人ならこの記事は必要ないからね。
難しいついでにそもそも論を出すと、
「チョコレートが溶ける」という表現、実は正確ではないの。
チョコレートは固形ゾル。
ココアパウダーとカカオ(ココア)バターという2種類の異なる固体のコロイドで、
カカオバターは溶けるけどココアパウダーは溶けないから「溶ける」とはいえないの。
まぁいい、
チョコレートの中にはカカオバターが含まれています。
カカオバターが生まれた瞬間についてはこちらのココアの生地を読んでね!
▶︎ココアの色はどうして違うの?アルカリ処理?ダッチプロセス?ココアのお話
そのカカオバターの中にはⅠ〜Ⅵの特徴の異なる6種類の油脂が含まれています。
(6番目のⅥ型はもっとも毛色が違っていてチョコがかたまってから数ヶ月後にできるからここでは無視しましょう。)
これらの油脂ですが、実際には同一の種類の油脂が違う形の結晶になって存在して(しまって)いるだけで、これをテンパリングすることで、目的の結晶の形に整えることができるというわけ。
テンパリングとは、油脂を望ましい結晶の形に揃えて固化させることです。
この中で不要なのは比較的低温で結晶化するⅠ〜Ⅳ(1〜4)のタイプ。
必要なのはⅤ(5番目)の結晶で、
この形態Ⅴの結晶構造を多くもっているほど
- パリッと
- ツヤっと
- トロっと
するというわけ。
Ⅰ〜Ⅴ(ないしⅥ)型の脂肪はそれぞれ違った温度帯で結晶化するので、
通常は、
- 45℃で溶かし(全ての結晶をリセット)
- それを28℃程度に冷まし(Ⅳ型とⅤ型の結晶の元を作る)
- 再度32℃に温める(Ⅴ型のみを残す)
あー、うちではもっとすごい裏技使っちゃうの。
もし低温調理器を持ってたらやってみて。
こういうやつ↓うちのはANOVA
テンパリングは、Ⅴ型の結晶ができ始める温度である32.8℃を一度も超えなければ良いわけなので、
水槽を33.0℃前後に設定して、チョコが全部溶けるのを気長に待てばいい。
なんのこっちゃよくわからん!という人はこちらをご参照ください。
Aromama&kids時代に書いていた記事
▶︎ANOVAを使えばあの面倒なテンパリング不要でおいしいチョコレートができるよ!
はー!
書こうと思ってたことをやっと書き終えられてよかった!
ご感想お待ちしてます♡